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11.救出作戦、開始!
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ピピッ――カチッ
オレは、鳴ったばかりの目ざまし時計のスイッチを、あわてて消した。
「セーフ……だよな?」
母さんたちが起きて、部屋まで来る気配はない。
コマを起こさないように起き上がり、時計を確認すると、時刻は深夜十一時五十分。
服を着替えて、すぐに準備をする。
頭を軽くふり、体育の授業でやる準備体操をしてみた。
「うしっ!」
すでに目はバッチリさめている。
これから水瀬を助けにいくと思うと、心臓がドキドキして、体がカーッと熱くなった。
「がんばらないとな……いってくるよ」
ベッドで寝ているコマの頭をそっとなでて、クツをはく。
そして、テレポーテーションを発動させた。
次の瞬間には、オレは駐車場に立っていた。
土の地面に線が引いてあり、端はガードレールで区切られているだけのさびしい駐車場。
ガードレールの向こうには、真っ黒で不気味な海が、どこまでも広がっていた。
照明はポツリポツリとしかなく、あたりは薄暗い。
こんな時間に外に出るのは、はじめての経験だ。
生ぬるい潮風がほおをなでてきて、オレは思わず、ぶるりと身をふるわせた。
「朝丘くん、こっちだよ」
長谷川先生の呼びかける声が、聞こえてくる。
声のした方に目を向けると、青い車のそばに、長谷川先生が立っていた。
手をふっている長谷川先生は、なぜかいつものよれよれの白衣を着ている。
おかげで、あたりが薄暗くても、はっきりと姿が見えた。
いつものダサい格好の長谷川先生に、オレはなんだか安心してしまった。
「こんばんは、先生」
「こんばんは。時間どおりによく来てくれたね。どう、眠くない? 大丈夫?」
ここは、水瀬の捕まっている倉庫から、徒歩で十五分ほどはなれた場所にある駐車場だ。
長谷川先生とは、深夜の十二時に、ここで待ち合わせをしていた。
「はい。あのあと帰ってから、夕飯食べてすぐに寝たんで、大丈夫です!」
「それなら安心だ。それじゃ、作戦について確認しようか」
長谷川先生は表情を引きしめると、作戦について最終確認をはじめる。
水瀬の命がかかっているから、オレたちは真剣だ。
話が終わると、長谷川先生は大きくうなずいた。
「よし、バッチリだね。では、そろそろ移動しようか」
「わかりました」
オレたちは、港にある倉庫の近くに、テレポーテーションで移動した。
このあたりには、青い屋根の大きな倉庫がたくさん並んでいる。
ダウジングが示したのは、右はしにある倉庫だ。
明け方になると、このあたりには漁業関係者が集まるのだが、今はまったく、人の気配がない。
「あの倉庫でまちがいないだろうね。中から光がもれている」
「ですよね……ついに、見つけた!」
こんな時間なのに、中にだれかがいるのはまちがいない。
きっと、水瀬と誘拐犯がいるのだろう。
(すぐに、助けだしてやるからな!)
オレは、鳴ったばかりの目ざまし時計のスイッチを、あわてて消した。
「セーフ……だよな?」
母さんたちが起きて、部屋まで来る気配はない。
コマを起こさないように起き上がり、時計を確認すると、時刻は深夜十一時五十分。
服を着替えて、すぐに準備をする。
頭を軽くふり、体育の授業でやる準備体操をしてみた。
「うしっ!」
すでに目はバッチリさめている。
これから水瀬を助けにいくと思うと、心臓がドキドキして、体がカーッと熱くなった。
「がんばらないとな……いってくるよ」
ベッドで寝ているコマの頭をそっとなでて、クツをはく。
そして、テレポーテーションを発動させた。
次の瞬間には、オレは駐車場に立っていた。
土の地面に線が引いてあり、端はガードレールで区切られているだけのさびしい駐車場。
ガードレールの向こうには、真っ黒で不気味な海が、どこまでも広がっていた。
照明はポツリポツリとしかなく、あたりは薄暗い。
こんな時間に外に出るのは、はじめての経験だ。
生ぬるい潮風がほおをなでてきて、オレは思わず、ぶるりと身をふるわせた。
「朝丘くん、こっちだよ」
長谷川先生の呼びかける声が、聞こえてくる。
声のした方に目を向けると、青い車のそばに、長谷川先生が立っていた。
手をふっている長谷川先生は、なぜかいつものよれよれの白衣を着ている。
おかげで、あたりが薄暗くても、はっきりと姿が見えた。
いつものダサい格好の長谷川先生に、オレはなんだか安心してしまった。
「こんばんは、先生」
「こんばんは。時間どおりによく来てくれたね。どう、眠くない? 大丈夫?」
ここは、水瀬の捕まっている倉庫から、徒歩で十五分ほどはなれた場所にある駐車場だ。
長谷川先生とは、深夜の十二時に、ここで待ち合わせをしていた。
「はい。あのあと帰ってから、夕飯食べてすぐに寝たんで、大丈夫です!」
「それなら安心だ。それじゃ、作戦について確認しようか」
長谷川先生は表情を引きしめると、作戦について最終確認をはじめる。
水瀬の命がかかっているから、オレたちは真剣だ。
話が終わると、長谷川先生は大きくうなずいた。
「よし、バッチリだね。では、そろそろ移動しようか」
「わかりました」
オレたちは、港にある倉庫の近くに、テレポーテーションで移動した。
このあたりには、青い屋根の大きな倉庫がたくさん並んでいる。
ダウジングが示したのは、右はしにある倉庫だ。
明け方になると、このあたりには漁業関係者が集まるのだが、今はまったく、人の気配がない。
「あの倉庫でまちがいないだろうね。中から光がもれている」
「ですよね……ついに、見つけた!」
こんな時間なのに、中にだれかがいるのはまちがいない。
きっと、水瀬と誘拐犯がいるのだろう。
(すぐに、助けだしてやるからな!)
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