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7.新しい能力
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オレたちがビックリして声のした方を向くと、タマキが川沿いの道から猛ダッシュでおりてきた。
表情は、これまで見たこともないくらいあせっている。
ただごとではない。
「ここにいたんだ! タクヤ、大変なんだよ! あ、水瀬さん……ごめんね。ちょっとタクヤに大事な用があって」
「気にしないで。それより、なにがあったの?」
「そうだよ。どうしたんだ、その格好は?」
タマキの服装は、よく見ると泥だらけである。
いつもオシャレな格好をしているわけではないが、さすがにこれはない。
「あたしの格好なんてどうでもいい! それより、コマがいなくなっちゃったんだ!」
「…………………………!!!」
タマキの言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になる。
さっきまでの楽しかった気分が、一瞬で吹っ飛ぶ。
(なんで、どうして……コマがいなくなるんだ!)
「あの、それはコマちゃんが、家から勝手に出ていってしまったということ?」
「そう、脱走したんだよ! あの子、ノラだったからね。たまに外にいきたくなっちゃうの。おばさんに聞いたら、タクヤが出かけたあとには、姿を見てないみたい」
「あっ、オレか……」
顔から血の気が引いていくのを感じる。
今朝、ドアを開けるときに、ボーッとしていたかもしれない。
いつもは、コマが出ていかないように、気をつけながらドアを閉めていたのに。
「オレのせいで……」
猫ってのは好奇心のかたまりで、すぐに外に出たがる。
でも、外に出てしまうと怖くなってパニックになり、迷子になることが多い。
車にも慣れてないから、ひかれてしまう危険がある。
オレの頭の中に、イヤな想像がふくらんできた。
「朝丘くん、しっかり! すぐにさがしにいこうよ! わたしも手伝うから!」
「ありがとう、水瀬さん! なら三人で手わけして……って、水瀬さんはコマの顔を知らないか」
「ううん、大丈夫。コマちゃんの顔はわかるよ」
水瀬には、さっきテレパシーをしたときにコマの姿を見せている。
「そうなの? だったら、みんなでさがそう! あたしは、若宮商店街の裏路地あたりをさがしてくる」
そう言うと、タマキは背を向けてかけていく。
みんなでさがす……。
たしかに、その方法しかないのだが、それだけじゃダメだ、と思った。
どこにいったのか、手がかりがなさすぎる。
これではさがしようがない。
今日中に見つけるのなんて、不可能だ。
『猫をさがしています』というポスターを作って、電柱に貼ってさがすのが定番の方法だけど、何日かかるかわからない。
その間に……。
オレは頭をグシャグシャとかきむしって、必死に考えた。
考えて、考えまくる……。
(あっ! ひょっとして!)
気づいたら、水瀬の両肩をガシッとつかんでいた。
表情は、これまで見たこともないくらいあせっている。
ただごとではない。
「ここにいたんだ! タクヤ、大変なんだよ! あ、水瀬さん……ごめんね。ちょっとタクヤに大事な用があって」
「気にしないで。それより、なにがあったの?」
「そうだよ。どうしたんだ、その格好は?」
タマキの服装は、よく見ると泥だらけである。
いつもオシャレな格好をしているわけではないが、さすがにこれはない。
「あたしの格好なんてどうでもいい! それより、コマがいなくなっちゃったんだ!」
「…………………………!!!」
タマキの言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になる。
さっきまでの楽しかった気分が、一瞬で吹っ飛ぶ。
(なんで、どうして……コマがいなくなるんだ!)
「あの、それはコマちゃんが、家から勝手に出ていってしまったということ?」
「そう、脱走したんだよ! あの子、ノラだったからね。たまに外にいきたくなっちゃうの。おばさんに聞いたら、タクヤが出かけたあとには、姿を見てないみたい」
「あっ、オレか……」
顔から血の気が引いていくのを感じる。
今朝、ドアを開けるときに、ボーッとしていたかもしれない。
いつもは、コマが出ていかないように、気をつけながらドアを閉めていたのに。
「オレのせいで……」
猫ってのは好奇心のかたまりで、すぐに外に出たがる。
でも、外に出てしまうと怖くなってパニックになり、迷子になることが多い。
車にも慣れてないから、ひかれてしまう危険がある。
オレの頭の中に、イヤな想像がふくらんできた。
「朝丘くん、しっかり! すぐにさがしにいこうよ! わたしも手伝うから!」
「ありがとう、水瀬さん! なら三人で手わけして……って、水瀬さんはコマの顔を知らないか」
「ううん、大丈夫。コマちゃんの顔はわかるよ」
水瀬には、さっきテレパシーをしたときにコマの姿を見せている。
「そうなの? だったら、みんなでさがそう! あたしは、若宮商店街の裏路地あたりをさがしてくる」
そう言うと、タマキは背を向けてかけていく。
みんなでさがす……。
たしかに、その方法しかないのだが、それだけじゃダメだ、と思った。
どこにいったのか、手がかりがなさすぎる。
これではさがしようがない。
今日中に見つけるのなんて、不可能だ。
『猫をさがしています』というポスターを作って、電柱に貼ってさがすのが定番の方法だけど、何日かかるかわからない。
その間に……。
オレは頭をグシャグシャとかきむしって、必死に考えた。
考えて、考えまくる……。
(あっ! ひょっとして!)
気づいたら、水瀬の両肩をガシッとつかんでいた。
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