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#36 トシキの願い
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彼女は1人剣を振るった
その身を燃やしてもなお
たった1人で天使と戦った
村のほとんどの建物は燃え尽き
彼女の体自身も灰となり
天使は全滅した
その場に残されたのは
炎を纏った1本の剣だった
トシキは何もしなかった
何も出来なかったのだ
「だからあいつとお前を重ねてるみたいになってしまうが...それでも俺はお前を守るべきだと思う」
真剣な顔で男は告げた
話を一通り聞いたユミはゆっくりと起き上がった
「うちの使うクラウ・ソウラスは...」
「きっと彼女の形見だ、長い間行方不明になっていたが」
剣1本1本に神が宿っているというのも
あながち間違いではないのだろう
「あ、そう言えば名前聞いてへんよね」
「俺はトシキ=ル...いやトシキ=リンゴロだ」
トシキはそう言って笑った
「ええよ、君の願い聞いてあげる」
「...と、そんなもんだ」
宿に集まった僕らはトシキの昔話を聞いていた
「古い名前は嫌いだーとか、俺は静かに暮らしたいーだとか、ほんとに大変だったよ」
ユミがジト目でトシキを見る
「それはそうと」
と、フラワが切り出す
「本当に良かったんですか?天使の討伐なんて引き受けて」
その通りだ
今まさに天使によって1人の人間が亡くなった話をしたのにも関わらず
僕らは近いうち襲来する天使と相見えることになっているのだ
「元々天使の討伐は軍の使命だ、それにあいつの為にも一刻も早く天使を絶滅させないと気が済まない」
トシキの表情はやる気に満ち溢れていた
「どちらにせよ僕やコービョやフラワには出番がないと思うけどねぇ」
それもそうだ、と
リンの言うことに初めて納得した
それから僕らは食事をとり
疲れていたため皆早めに就寝した
辺りが真っ暗になった夜
────僕は爆音で目を覚ました
その身を燃やしてもなお
たった1人で天使と戦った
村のほとんどの建物は燃え尽き
彼女の体自身も灰となり
天使は全滅した
その場に残されたのは
炎を纏った1本の剣だった
トシキは何もしなかった
何も出来なかったのだ
「だからあいつとお前を重ねてるみたいになってしまうが...それでも俺はお前を守るべきだと思う」
真剣な顔で男は告げた
話を一通り聞いたユミはゆっくりと起き上がった
「うちの使うクラウ・ソウラスは...」
「きっと彼女の形見だ、長い間行方不明になっていたが」
剣1本1本に神が宿っているというのも
あながち間違いではないのだろう
「あ、そう言えば名前聞いてへんよね」
「俺はトシキ=ル...いやトシキ=リンゴロだ」
トシキはそう言って笑った
「ええよ、君の願い聞いてあげる」
「...と、そんなもんだ」
宿に集まった僕らはトシキの昔話を聞いていた
「古い名前は嫌いだーとか、俺は静かに暮らしたいーだとか、ほんとに大変だったよ」
ユミがジト目でトシキを見る
「それはそうと」
と、フラワが切り出す
「本当に良かったんですか?天使の討伐なんて引き受けて」
その通りだ
今まさに天使によって1人の人間が亡くなった話をしたのにも関わらず
僕らは近いうち襲来する天使と相見えることになっているのだ
「元々天使の討伐は軍の使命だ、それにあいつの為にも一刻も早く天使を絶滅させないと気が済まない」
トシキの表情はやる気に満ち溢れていた
「どちらにせよ僕やコービョやフラワには出番がないと思うけどねぇ」
それもそうだ、と
リンの言うことに初めて納得した
それから僕らは食事をとり
疲れていたため皆早めに就寝した
辺りが真っ暗になった夜
────僕は爆音で目を覚ました
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