EL世界記

ぜろせろり

文字の大きさ
上 下
36 / 82

#36 トシキの願い

しおりを挟む
彼女は1人剣を振るった

その身を燃やしてもなお

たった1人で天使と戦った

村のほとんどの建物は燃え尽き

彼女の体自身も灰となり

天使は全滅した

その場に残されたのは

炎を纏った1本の剣だった

トシキは何もしなかった

何も出来なかったのだ




「だからあいつとお前を重ねてるみたいになってしまうが...それでも俺はお前を守るべきだと思う」

真剣な顔で男は告げた

話を一通り聞いたユミはゆっくりと起き上がった

「うちの使うクラウ・ソウラスは...」

「きっと彼女の形見だ、長い間行方不明になっていたが」

剣1本1本に神が宿っているというのも

あながち間違いではないのだろう

「あ、そう言えば名前聞いてへんよね」

「俺はトシキ=ル...いやトシキ=リンゴロだ」

トシキはそう言って笑った

「ええよ、君の願い聞いてあげる」








「...と、そんなもんだ」

宿に集まった僕らはトシキの昔話を聞いていた

「古い名前は嫌いだーとか、俺は静かに暮らしたいーだとか、ほんとに大変だったよ」

ユミがジト目でトシキを見る

「それはそうと」

と、フラワが切り出す

「本当に良かったんですか?天使の討伐なんて引き受けて」

その通りだ

今まさに天使によって1人の人間が亡くなった話をしたのにも関わらず

僕らは近いうち襲来する天使と相見えることになっているのだ

「元々天使の討伐は軍の使命だ、それにあいつの為にも一刻も早く天使を絶滅させないと気が済まない」

トシキの表情はやる気に満ち溢れていた

「どちらにせよ僕やコービョやフラワには出番がないと思うけどねぇ」

それもそうだ、と

リンの言うことに初めて納得した





それから僕らは食事をとり

疲れていたため皆早めに就寝した

辺りが真っ暗になった夜





────僕は爆音で目を覚ました
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

女体化入浴剤

シソ
ファンタジー
康太は大学の帰りにドラッグストアに寄って、女体化入浴剤というものを見つけた。使ってみると最初は変化はなかったが…

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

処理中です...