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対立
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「お姉様っ! ご無事でしたか? このマーガレットずっと心配しておりましたのよ。」
お城に近衛兵隊と共にマーガレットとアーサー王太子がやってきた。
さも、私の身が心配だったと言う妹はさすがとしか言葉は出てこない。
「お姉様聞いているの。すぐにこんな国から出てまた一緒に暮らしましょ。これでもう元通りね。」
「アイシャ様是非とも我が城で暮らしませんか? マーガレットもその方が落ちついて聖力を使えるようになると思います。」
何が元通りよ。
あんな国へ帰るくらいならのたれ死んでやる。
「あーー、そうだったわね。あなた、聖力が……」
「アイシャ」
「あ、すみません。」
ルフト様に声をかけられてふと我にかえった。
そうだ、まだアーサーに妹のことを言う時ではない。
「アーサー殿下失礼ながら、私がアイシャ殿に惚れてしまったのです。昔の初恋の人にようやく再会出来たのです。邪魔をしないで頂きたい。」
「どういうことよっ! 大体お姉様と昔に会ったことがあるっていつ頃よ。」
「お話しても良いのですか。」
心なしかウキウキしながら長話をしている。
マーガレットって生まれていたのかしら、それとも小さかったかしらあんまり覚えてないわ。
「…‥と言うことです。」
「はあ……。終わったのかしら。」
げんなりした妹夫婦とそれを楽しそうに眺めているルフト様なんだか混沌とした様子だわ。
アーサー王太子が口を開いた。
「つまり、ルフト様はアイシャ殿を花嫁に迎えたい。アイシャ殿も同意していると」
「はい。」
「だめよ。アーサーお願い。」
「いくら君の願いでも、物ではないんだよ。君のお姉さんだ。幸せを願ってあげたら? ね、マーガレット。」
「でも……」
「それから、なぜ行方不明になったのですか?」
アーサー王太子はマーガレットの頭を撫でながらとても疑問そうに聞いてきた。
「それは、家庭環境が劣悪だったからです。」
「ああ、それに関してはアイシャを迎えに行った時の服がある。シュテルン」
「はい。ただいま持って参ります。」
「マーガレット一体どいうことなんだ」
「それは……」
「こちらでございます。」
帰っきたシュテルンが服を並べていった。
いつものメイド三人も来ていた。
「ずいぶんとボロボロですね。でも、マーガレットと屋敷に行った時はクローゼットいっぱいに服がありましたよね。」
「それは、マーガレットの分で私の部屋は一番小さい物置部屋でした。父は、暴力は振いませんでしたが食事を抜いたりお風呂にも入らせてくれなかったのです。毎日持ってくるのは水と余り物のスープくらいでした。」
「お姉様っ!」
「なんとなく、事情はわかりました。一回屋敷を調べさせて頂きます。」
「ああ、それと」
ルフト様はアーサー王太子に近づいて小声で何かをおっしゃってその後すぐにお城を出て行かれた。
♦︎♦︎♦︎
「ルフト様、最後なんておっしゃったのですか?」
僕は最後のあわってぶり気になって思わず尋ねてしまった。
「ああ、アイシャの実家では裏帳簿があるかもなって伝えたんだ。一応あっちでも御法度だからな。」
「なるほど。」
「一旦様子見だな。」
「そうですね。」
これから、どうなることでしょうか。
お城に近衛兵隊と共にマーガレットとアーサー王太子がやってきた。
さも、私の身が心配だったと言う妹はさすがとしか言葉は出てこない。
「お姉様聞いているの。すぐにこんな国から出てまた一緒に暮らしましょ。これでもう元通りね。」
「アイシャ様是非とも我が城で暮らしませんか? マーガレットもその方が落ちついて聖力を使えるようになると思います。」
何が元通りよ。
あんな国へ帰るくらいならのたれ死んでやる。
「あーー、そうだったわね。あなた、聖力が……」
「アイシャ」
「あ、すみません。」
ルフト様に声をかけられてふと我にかえった。
そうだ、まだアーサーに妹のことを言う時ではない。
「アーサー殿下失礼ながら、私がアイシャ殿に惚れてしまったのです。昔の初恋の人にようやく再会出来たのです。邪魔をしないで頂きたい。」
「どういうことよっ! 大体お姉様と昔に会ったことがあるっていつ頃よ。」
「お話しても良いのですか。」
心なしかウキウキしながら長話をしている。
マーガレットって生まれていたのかしら、それとも小さかったかしらあんまり覚えてないわ。
「…‥と言うことです。」
「はあ……。終わったのかしら。」
げんなりした妹夫婦とそれを楽しそうに眺めているルフト様なんだか混沌とした様子だわ。
アーサー王太子が口を開いた。
「つまり、ルフト様はアイシャ殿を花嫁に迎えたい。アイシャ殿も同意していると」
「はい。」
「だめよ。アーサーお願い。」
「いくら君の願いでも、物ではないんだよ。君のお姉さんだ。幸せを願ってあげたら? ね、マーガレット。」
「でも……」
「それから、なぜ行方不明になったのですか?」
アーサー王太子はマーガレットの頭を撫でながらとても疑問そうに聞いてきた。
「それは、家庭環境が劣悪だったからです。」
「ああ、それに関してはアイシャを迎えに行った時の服がある。シュテルン」
「はい。ただいま持って参ります。」
「マーガレット一体どいうことなんだ」
「それは……」
「こちらでございます。」
帰っきたシュテルンが服を並べていった。
いつものメイド三人も来ていた。
「ずいぶんとボロボロですね。でも、マーガレットと屋敷に行った時はクローゼットいっぱいに服がありましたよね。」
「それは、マーガレットの分で私の部屋は一番小さい物置部屋でした。父は、暴力は振いませんでしたが食事を抜いたりお風呂にも入らせてくれなかったのです。毎日持ってくるのは水と余り物のスープくらいでした。」
「お姉様っ!」
「なんとなく、事情はわかりました。一回屋敷を調べさせて頂きます。」
「ああ、それと」
ルフト様はアーサー王太子に近づいて小声で何かをおっしゃってその後すぐにお城を出て行かれた。
♦︎♦︎♦︎
「ルフト様、最後なんておっしゃったのですか?」
僕は最後のあわってぶり気になって思わず尋ねてしまった。
「ああ、アイシャの実家では裏帳簿があるかもなって伝えたんだ。一応あっちでも御法度だからな。」
「なるほど。」
「一旦様子見だな。」
「そうですね。」
これから、どうなることでしょうか。
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