本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

桜町琴音

文字の大きさ
上 下
11 / 16

見つかる

しおりを挟む
「陛下っ!!」

「どうした? シュテルン何かあったのか? 」

「それが、王国の奴らが来てアイシャ様を探しているそうです」

「どの辺りまで来ているっ! 」

「それが、もう城下町まで来ていてもうすぐお城に来るそうです。」

「どこまで、無礼な奴らなんだっ!」

「とにかく、アイシャ様を隠さなくちゃいけないのでは?」

「どうするべきか……」

「あのっ!!」

♦︎♦︎♦︎
ルフト様に質問をしようと執務室に来たらシュテルンとルフト様が何か慌てている様子だったのでドアの前で立っていると、王国が私を探しに来ている。

私は頭の中が真っ白になった。

もし見つかったら、あの地獄へ戻るのは嫌だ。

せっかく皆と仲良くなって、美味しいものや綺麗な服も着させて貰えた恩を返せていないのに……。

居ても立っても居られないと思いドアを開けた。

「あのっ!私をルフト様の婚約者かここの聖女にしてください。」

「へ?」

シュテルンが驚き過ぎてルフト様に口を押さえられている。

「どうして、そのようになったか聞かせてもらえるか?」

「はい。ルフト様には婚約者がいてないと前に聞いてまして、ここの王族になるのなら簡単に向こうも手を出せないと思ったからです。婚約者は無理でも、聖女になっても同じかなと思ったからです。」

「君はそれで良いのか?」

「はい。あんなところに帰るなんて絶対に嫌です。ここの皆やルフト様に何もしてあげれてないのに……」

「わかった。」

ルフト様が頭を掻きながら考えて何かを考えてから私と向き合った。

「アイシャ殿。私ルフト・ヴォルフと婚約して頂けますか?」

「はい。喜んで。」

「えーー。陛下ロマンのかけらもございませんね。」

「うるさい。シュテルン。」

ルフト様が顔を真っ赤になっていたので私もつられて顔を真っ赤になってしまった。

シュテルンは執事長に報告して来ます。と言って部屋を後にしてしまった。

二人きりで少し気まずい空気がしばらく流れていた。

一つ疑問が上がってきた。
一応未婚の女性は家の家長の許しがなければ婚約が成立ができない。
まだ、私はお父様の戸籍から抜かれていない状態だから正式には婚約ができないはず……? 

「あのルフト様……」
私は気になった疑問を聞いてみたら、ルフト様はそれはもう少し練ってから伝えるとおしゃったのでしばらくは待つことに。

今回王国がやってきても、友好国であるこの国の時期王が気に入った娘を簡単に取り返すことは政治的に関わってくるから今回は穏便に済むだろうとルフト様の考えだ。

行方不明の理由は家庭環境が原因ということにするらしい。
着てきたドレスと靴、私が前から付けていた日記が証拠として提出をするそう。

話をしているうちに執事長がもうすぐ、王国の近衛兵がやってくると伝えてくれた。

気を引き締めなきゃ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでのこと。 ……やっぱり、ダメだったんだ。 周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中 ※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。

知らない人に「お前とは婚約破棄をする」と言われました。私の婚約者は貴方じゃありません。

あお
恋愛
エリスが学園のカフェテラスで人を待っていたら、見知らぬ男女がやってきて。 「お前と婚約破棄して、ユリアと結婚する。もう決めた事だ。ヴェラー伯爵には話をつけてある。ユリアを妻として、俺が婿養子に入るって事をな」 と婚約破棄を宣言した。 誰かとお間違えでないですか?  いや、でも女の方、面影があるわ。 お母様が亡くなった後、喪が明ける前に元父が連れ込んだ愛人の子。 ヴェラー家とは縁を切ったはずなのに、これはなんの嫌がらせかしら。 私は、アウリーデ公爵令嬢。 あなた達、こんな公衆の面前で、公爵令嬢を侮辱して、ただで済むとは思わないことね。 遅れてやって来たエリスの婚約者ルイス。 エリスを完璧にエスコートしながら、エリスに喧嘩を売った二人に格の違いを見せつけつつ誤解を解いていく。 元実家のトラブルに巻き込まれたエリスと、彼女の婚約者ルイス。愚かなお猿さんたちの話。 全7話完結。予約投稿済です。

【完結】妹が欲しがるならなんでもあげて令嬢生活を満喫します。それが婚約者の王子でもいいですよ。だって…

西東友一
恋愛
私の妹は昔から私の物をなんでも欲しがった。 最初は私もムカつきました。 でも、この頃私は、なんでもあげるんです。 だって・・・ね

【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。

曽根原ツタ
恋愛
 ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。  ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。  その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。  ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?  

出来損ないと言われて、国を追い出されました。魔物避けの効果も失われるので、魔物が押し寄せてきますが、頑張って倒してくださいね

猿喰 森繁
恋愛
「婚約破棄だ!」 広間に高らかに響く声。 私の婚約者であり、この国の王子である。 「そうですか」 「貴様は、魔法の一つもろくに使えないと聞く。そんな出来損ないは、俺にふさわしくない」 「… … …」 「よって、婚約は破棄だ!」 私は、周りを見渡す。 私を見下し、気持ち悪そうに見ているもの、冷ややかな笑いを浮かべているもの、私を守ってくれそうな人は、いないようだ。 「王様も同じ意見ということで、よろしいでしょうか?」 私のその言葉に王は言葉を返すでもなく、ただ一つ頷いた。それを確認して、私はため息をついた。たしかに私は魔法を使えない。魔力というものを持っていないからだ。 なにやら勘違いしているようだが、聖女は魔法なんて使えませんよ。

神託を聞けた姉が聖女に選ばれました。私、女神様自体を見ることが出来るんですけど… (21話完結 作成済み)

京月
恋愛
両親がいない私達姉妹。 生きていくために身を粉にして働く妹マリン。 家事を全て妹の私に押し付けて、村の男の子たちと遊ぶ姉シーナ。 ある日、ゼラス教の大司祭様が我が家を訪ねてきて神託が聞けるかと質問してきた。 姉「あ、私聞けた!これから雨が降るって!!」  司祭「雨が降ってきた……!間違いない!彼女こそが聖女だ!!」 妹「…(このふわふわ浮いている女性誰だろう?)」 ※本日を持ちまして完結とさせていただきます。  更新が出来ない日があったり、時間が不定期など様々なご迷惑をおかけいたしましたが、この作品を読んでくださった皆様には感謝しかございません。  ありがとうございました。

わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

柚木ゆず
恋愛
「聖女シュザンヌ。本日を以て聖女の任を解く」  異世界から現れた『2人目の聖女』佐々岡春奈様が、現聖女であるわたしの存在を快く思わなかったこと。アントナン王太子殿下が佐々岡様に恋をされ、2人目ではなく唯一無二の聖女になりたがった佐々岡様の味方をしたこと。  それらによってわたしは神殿を追い出され、聖女解任による悪影響――聖女の恩恵を得られなくなったことにより、家族の怒りを買って実家も追い出されることとなりました。  そうしてわたしはあっという間にあらゆるものを失ってしまいましたが、それによって得られるものもありました。  聖女の頃はできなかった、国外への移動。そちらを行い、これから3年越しの約束を果たしに行きたいと思います。  初恋の人に――今でも大好きな方に、会いに行きたいと思います。  ※体調の影響で以前のようなペースでお礼(お返事)ができないため、5月28日より一旦(体調がある程度回復するまで)感想欄を閉じさせていただきます。  申し訳ございません。

【完結】婚約破棄? 正気ですか?

ハリネズミ
恋愛
「すまない。ヘレンの事を好きになってしまったんだ。」 「お姉様ならわかってくれますよね?」    侯爵令嬢、イザベル=ステュアートは家族で参加したパーティで突如婚約者の王子に告げられた婚約破棄の言葉に絶句した。    甘やかされて育った妹とは対称的に幼い頃から王子に相応しい淑女に、と厳しい教育を施され、母親の思うように動かなければ罵倒され、手をあげられるような生活にもきっと家族のために、と耐えてきた。  いつの間にか表情を失って、『氷結令嬢』と呼ばれるようになっても。  それなのに、平然と婚約者を奪う妹とそれをさも当然のように扱う家族、悪びれない王子にイザベルは怒りを通り越して呆れてしまった。 「婚約破棄?  正気ですか?」  そんな言葉も虚しく、家族はイザベルの言葉を気にかけない。  しかも、家族は勝手に代わりの縁談まで用意したという。それも『氷の公爵』と呼ばれ、社交の場にも顔を出さないような相手と。 「は? なんでそんな相手と? お飾りの婚約者でいい? そうですかわかりました。もう知りませんからね」  もう家族のことなんか気にしない! 私は好きに幸せに生きるんだ!  って……あれ? 氷の公爵の様子が……?  ※ゆるふわ設定です。主人公は吹っ切れたので婚約解消以降は背景の割にポジティブです。  ※元婚約者と家族の元から離れて主人公が新しい婚約者と幸せに暮らすお話です!  ※一旦完結しました! これからはちょこちょこ番外編をあげていきます!  ※ホットランキング94位ありがとうございます!  ※ホットランキング15位ありがとうございます!  ※第二章完結致しました! 番外編数話を投稿した後、本当にお終いにしようと思ってます!  ※感想でご指摘頂いたため、ネタバレ防止の観点から登場人物紹介を1番最後にしました!   ※完結致しました!

処理中です...