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マーガレット
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♦︎♦︎♦︎
「マーガレットっ!」
「何よ、お父様。」
「アイシャ、アイシャ……」
「要件を早く言ってちょうだい。」
「アイシャがどこにもいてない。」
「はあ? これから結婚して始めの教会へ行くのにお姉様がいてないってどういうこと? 」
「家や近辺を探させたけどどこにもいてない。」
「マーガレット準備出来た?」
私の夫のアーサーが部屋にやって来た。
「ああ、お父さんが来ていたんだね。慌てているけど大丈夫かい?」
「ねえ、アーサー急にしんどくなって来ちゃった。今日は延期にできないかな。」
「それは、大変だ。すぐに王宮医師に……」
「大丈夫だから。寝てても良いかな。お父様も側にいてて」
「ああ、いいぞ」
冷や汗をかきながらお父様はあたりをキョロキョロしていた。
アーサーは飲み物などを持ってくると言い部屋を出て行った。
その間に私たちは口裏を合わせなくちゃいけない。
「いつからいてないのよ。」
「わからない。お前の結婚式で家におらず屋敷の者も誰も見ていたいそうだ。」
「無能ばかりね。」
「お前だって知らないだろう。」
お父様が急に怒鳴った。
はあ意味わかなんないそっちこそ私のおかげであんな贅沢出来ていたのに所詮伯爵止まりなのよ家は。
イライラしたけど、冷静にならなくては。
「分かったわ。アーサーに言って探してもらう。それで良いでしょう。その間は、お姉様が心配で聖力を使えないことにしましょう。」
「おお、さすがマーガレットだ。頼むぞ」
と言いお父様は帰って行った。
「マーガレット、お水と果物を持って来たよ。」
「ありがとう、アーサー。あのね、お話があるの……」
アーサーはすぐに捜索隊を出してくれた。
「心配だね。何もないんだといいけど。」
「ええ。心配だわ。」
お姉様がいなくなったらこの暮らしがいつまで保つかわからない。
さっさと帰って来なさいよ。
そして、私のために生きて死になさい。
俯いて考えているとアーサーが抱きしめた。
「大丈夫だよ。捜索隊は優秀だから。」
「ええ。信じています。」
「マーガレットっ!」
「何よ、お父様。」
「アイシャ、アイシャ……」
「要件を早く言ってちょうだい。」
「アイシャがどこにもいてない。」
「はあ? これから結婚して始めの教会へ行くのにお姉様がいてないってどういうこと? 」
「家や近辺を探させたけどどこにもいてない。」
「マーガレット準備出来た?」
私の夫のアーサーが部屋にやって来た。
「ああ、お父さんが来ていたんだね。慌てているけど大丈夫かい?」
「ねえ、アーサー急にしんどくなって来ちゃった。今日は延期にできないかな。」
「それは、大変だ。すぐに王宮医師に……」
「大丈夫だから。寝てても良いかな。お父様も側にいてて」
「ああ、いいぞ」
冷や汗をかきながらお父様はあたりをキョロキョロしていた。
アーサーは飲み物などを持ってくると言い部屋を出て行った。
その間に私たちは口裏を合わせなくちゃいけない。
「いつからいてないのよ。」
「わからない。お前の結婚式で家におらず屋敷の者も誰も見ていたいそうだ。」
「無能ばかりね。」
「お前だって知らないだろう。」
お父様が急に怒鳴った。
はあ意味わかなんないそっちこそ私のおかげであんな贅沢出来ていたのに所詮伯爵止まりなのよ家は。
イライラしたけど、冷静にならなくては。
「分かったわ。アーサーに言って探してもらう。それで良いでしょう。その間は、お姉様が心配で聖力を使えないことにしましょう。」
「おお、さすがマーガレットだ。頼むぞ」
と言いお父様は帰って行った。
「マーガレット、お水と果物を持って来たよ。」
「ありがとう、アーサー。あのね、お話があるの……」
アーサーはすぐに捜索隊を出してくれた。
「心配だね。何もないんだといいけど。」
「ええ。心配だわ。」
お姉様がいなくなったらこの暮らしがいつまで保つかわからない。
さっさと帰って来なさいよ。
そして、私のために生きて死になさい。
俯いて考えているとアーサーが抱きしめた。
「大丈夫だよ。捜索隊は優秀だから。」
「ええ。信じています。」
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