本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

桜町琴音

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城に到着

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馬車から降りた私を出迎えてくれたすごい人数の使用人。
私は呆けていると、執事長らしきシルバーグレーの髪をした老紳士が話しかけて来た。

「長旅お疲れ様でした。アイシャ様、主人の傷を癒していただき誠にありがとうございます。さあ、前に。」

「「「はい。」」」

3人のメイドが前に出て来た。

「アイシャ様、こちらの者が身の回りの手伝うメイドです。自己紹介を」

「お初にお目にかかります。これからお手伝いさせて頂きます。リーナと申します。」

「お初にお目にかかります!ララと言います。今回くじで当たってなれたんですよ!あ、イテッ」

「失礼しました。アイシャ様お目にかかれて光栄です。ディルと申します。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

それぞれタイプの違う美人さんがメイドになってくれた。

リーナさんは一つで三つ編みをしたタレ目のおっとりした感じだ。

ララさんがポニーテールで笑顔が似合う感じでディルさんは短く切り揃えて切れ目のクールビューティーだ。

「ほら、2人ともアイシャ様が困っているでしょう。やめなさい。」

「「はーい。」」
と言いながら睨み合っている。

「もう。では、アイシャ様私が先頭に立ち案内しますがよろしいでしょうか?」

「お願いします。」

「じゃあ、あなたたちアイシャ様の荷物を持って着いて来て。」

「はい。」
「りょーかい。」

リーナさんに案内された部屋はとても綺麗で大きい部屋だった。

「私が使って良いのですか?」

「はい、アイシャ様の為のお部屋ですから。」

「今まで物置小屋で過ごしていたからこんな立派な部屋なんて……」

感動のあまり考えていることが声にでていた。
メイド3人組が固まった。

「ララ、ディル今のことを主人様に報告しようと思う」

「うん。そうした方がいーと思う。てか殴り込んできて良い? 」

「落ち着きなさい。行くなら私も誘うなさい。」

「どうしたの皆?」

「「「いえなんでもありません。」」」

そうかな後ろで冷気を感じるのだけど。

ここで私は何をしたら良いのかわからないな。 
何を返せるだろうか。

♦︎♦︎♦︎

…‥退屈だ。

あの女がこの国の聖女ねぇ。

そして、肥満のオヤジが彼女の父親だろうな。

なんとなく周りから教えてもらった情報でことがわかった。

「ルフト様楽しんでいただけてるでしょうか? 我が妻をご紹介したいのですが」

「この度はご結婚おめでとうございます。ぜひお目にかかりたいです。」

「お初にお名にかかります。マーガレットです。」

「予々噂を聞いておりました。なんでもすぐに傷を癒してしまうそうですね。」

「いえ、なんてこともないですよ。」

よく言えるな。
彼女を何にも傷けておいて、まあいい。
どうせこの国も聖女で成り立っている国だからな。

昔は良く笑う人だったのに……
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