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新たな国

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彼との待ち合わせ場所へ着いた。

そして、そこに居てたのはとても立派な馬車になぜか王家の紋章が入っていた。

驚いているとこちらに気がついた甘栗色の少年が駆け寄って来た。

「聖女アイシャ様お迎えに上がりました。」
笑顔でハキハキとした声で伝えてくれた。

「あの、お伺いしたいのですがなぜ王家の紋章が入っている馬車のでしょうか?」

少年はびっくりしたような顔をしてから何故か納得していた。

「大変申し訳ありません。我が主君は何も伝えずにアイシャ様に国へ来るように言われたようですね。アイシャ様が出会ったお方はルフト時期国王陛下でございます。」

「えっ!」

「あのお方は何も伝えずふらふらどこかに行ったりますからね。」

少年は遠い目をしていた。

「まだ、名乗ってませんでしたシュテルンと申します。先日陛下の傷を癒やしていただきありがとうございます。」

「いえいえ、私の方こそこんな扱いをして頂いてありがとうございます。」

「当然のことですよ。それと、今日陛下は結婚式に出ていますので僕達より後で帰ってきます。」

「なるほど。分かりました。」
一応国交相手の王太子の結婚式だから出なかったら国交関係に支障が出るからね。
 
シュテルンは困ったように「敬語をやめて下さいよ。アイシャ様」

「私こそ"様"をやめてください。アイシャと呼んでください。」

「わかりました。アイシャさん。では、馬車にお乗りください。」

私は馬車に乗り込んだ。

はじめての長旅が始まった。

隣国と言ってもは少し時間がかかるので休みや休みで移動をした。

田舎の和やかな空気を楽しみつつまだ見ぬ国へ心が躍っていた。

「アイシャさん、見えてきましたよ。」

「わあ、すごい。」

そこには自分が過ごしていた国よりはるかに発展をした大きな大都市だった。

活気があり、笑いが溢れている。

お城までの道には物珍しそうに馬車を見ている子供たちが大勢いた。

手を振ってくれる子もいた。

「ねえ、シュテルン手を振っても大丈夫かしら。」

「どうぞ、振り返してあげてください。」

振り返したら喜んでブンブン手を振ってくれた。

「ここの国は素敵ね。皆幸せそう。」

「はい。ルフト様が良くしてくださってますから。皆安心して暮らせるですよ。」

「そうなのね。」

「はい。一昔前は荒れていたのをルフト様が日雇いの仕事を増やしたり、税を横領している貴族を見つけては次々に貴族権を取り上げたり僕みたいな孤児を引き取ってくれたりとても優しくすごい人なんです。」

「とても、簡単にできることではないのにすごい。」

「そうなんです。僕の命の恩人はすごいんです。」

「ふふ。」

話しているうちにお城に着いた。

私は緊張して馬車から降りた。
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