【絶対、現世に帰るんだから!!】家族みんなで異世界転生したら、父と母が武器になったけど、現世に帰ったら人間に戻れるの?女神様!?(第1部)

鳩時計

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第6章 ラブリュス

第10話 新たな魔石

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 狼のような魔物は10匹ぐらい集まってきた。
 瑠依達の周りを取り囲むも、襲ってくる様子はない。

「こいつら何故襲って来ないんだ?」
 ルシアンはスレイヤーソードを構えながら瑠依に言った。

「仲間が集まって来るのを、待っているのかもしれないですね」
 瑠依は魔法陣を作りながら答えた。

「それならば先制攻撃するか…」
 ルシアンはそう言うと、魔物の一匹に斬りかかる。


「グサッ!!」
 魔物は真っ二つに斬られ、倒れて絶命した。

 ゴーレムも魔物の中に突撃するも、魔物は逃げ回る。更にルシアンは、別な魔物に斬りかかろうとするも逃げてしまう。
「ちょこまかちょこまかと!こういう時こそ、勇治の神剣があれば」

 新たに狼のような魔物が、次々現れる。
「くそ!切りが無い……しかも、どんどん集まってくる…」
 ルシアンは徐々に焦ってきた。

 ゴーレムも魔物を追いかけるが、魔物は相変わらず逃げ回るっている。


 すると、魔物の後ろから大きな狼の魔物が一匹現れた。

「こいつら、この魔物を待っていたんだ…」
 するとゴーレムは大きな狼の魔物に突進する。ゴーレムは首と胴体を掴むと、引きちぎり一瞬で戦いは終わった。

「ゴーレムが敵じゃなくてほんと良かったよ~」
 ルシアンは思わず本音が漏れた。


 まだ周囲に数十匹の魔物がいる。
「ルシアン様、どいて下さい」
 瑠依は雷の5本の矢を構えている。

「瑠依!?ただの雷の矢で何を…」
 そう言いながら、ルシアンは一旦下がった。

「ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!」
 瑠依が放った雷の矢が、魔物に向かって飛んだ。
 魔物は雷の矢を避けるも、矢は魔物を追跡するように魔物に向かって行く。

「グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!」
 矢は全て魔物に命中する。

 瑠依は更に別の5本の矢を構えて放つ。
「グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!」

 それを見ていたルシアンは、思わず呟いた。
「強すぎる……」

 瑠依は一人で、残っていた全ての魔物を倒した。
「いつからそんな技を?」
 ルシアンは息絶えた魔物を見ながら尋ねた。

「昨日、転移魔法を覚えるついでに、追跡可能な矢を完成させました」
 瑠依はそう言いながら、また魔法陣を作る。

「師匠も師匠なら、弟子も弟子だな~」
 ルシアンはサーガレストに行ってから、更に成長した瑠依を見つめていた。

「ルシアン様……あまり見つめられると恥ずかしいんですけど…」
 瑠依は魔法陣を作りながら言った。

「あっ!ごめん」
 ルシアンはそう言うと、倒れている大きな狼の魔物の所に行った。

「ルシアン様、その魔物の体を調べて下さい」
 絵里がルシアンに言った。
「3つ目が出てきます」

「3つ目??」
 ルシアンは魔物を剣で切り裂いた。
 魔物の体内に小さな欠片を見付けた。

「ルシアン様、それは?」
 ルシアンが後ろを振り向くと瑠依が立って、こちらを覗いてた。

「あれ?瑠依!魔法陣は?」

「もう終わりました」

「優秀過ぎる…」
 ルシアンは呟きながら、魔物の体内から欠片を手に取った。

「魔石!」
 瑠依が声を張り上げた。

「何故、魔石が魔物の中に…」
 ルシアンは魔石を見ながら言った。

「この魔物は、魔界で魔石を飲み込んで浮遊大陸に出てきたんでしょうか……」

「魔石を持っていた割には、オルトロスよりかなり弱かったみたいだけど」
 ルシアンは魔石をポケットに入れた。

「オルトロスとケルベロスは、地獄の門番。次元が違いますよ、ルシアン様」

「そうだね……あっ!ディオーネ」
 ディオーネは魔法陣から出てきて、瑠依達の元に走ってきた。

「クウには浮遊大陸は危険だから置いてきたわよ、瑠依」
 ディオーネから言われて瑠依は尋ねた。
「帰りはどうやって?」

「ふふっ、大丈夫よ」
 ディオーネは笑いながら答えた。

「ディオーネ様、入り口の場所が分からないです」

「塔の周囲を探りましょう」
 ディオーネ達3人とゴーレムは、目の前にある塔に向かった。
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