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第6章 ラブリュス
第8話 師匠と弟子
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翌日
ラインハルト達は亀にそっくりな生き物に乗って帰ってきた。
「速いんだけど、こればっかりは慣れないな」
ラインハルトとクリスタリアはぐったりしている。
「そうですか?楽しかったですよ」
ディランはそう言いながら、亀にそっくりな生き物を、紐で木に縛り付けた。
「生きて帰ってこれましたね、ラインハルト様」
クリスタリアは、王宮を見上げながら言った。
「ああ……また魔神と戦わなきゃならないけどね」
ラインハルト達は王宮の中に入り、王室に向かった。
その途中でジョエルと会う。
「ラインハルト様、無事に戻ってこられましたか」
ジョエルはラインハルトの元に駆け寄った。
「少し酔ったけどね」
ラインハルトは、苦笑いしている。
「王がお待ちです」
「うん」
ラインハルト達は王室の扉の前に来た。
中から声が聞こえてきた。
ラインハルトは、ノックして中に入ると中には、シャルル19世、王妃のフランソワ、ルシアンにソフィ、ディオーネがいた。
「戻って参りました。皆さん、揃ってどうしたのですか?」
「お帰りなさい、ラインハルト。ディオーネが魔界に行くと言っているのよ……」
フランソワが答えた。
「ディオーネは唯とケルベロスを助けに行くと言って……」
今度はソフィが言った。
「ディオーネ、気持ちは分かるが今は魔神の襲来に備えて欲しいのじゃ…」
シャルル19世が説得する。
「ディオーネ……」
ラインハルトが言いかけると、王室の扉を誰かがノックした。
クリスタリアが扉を開けると、そこには瑠依が立っている。
「ディオーネ様がここに来ていると聞いたのですが……」
瑠依は王室の中に入り、ディオーネの前に立った。
「師匠、私……お姉ちゃん達を助けに行きたいです」
「瑠依……魔界は危険よ…あなたはここに残って」
「師匠だって、魔界に行こうとしてたんですよね?それであれば、一人より二人の方が……」
「魔界に行くには、解放の指輪が必要じゃ……そうなれば、ルシアンも連れて行かなきゃならないから三人になるぞ」
シャルル19世がそう言うと、ルシアンは生唾を飲み込んだ。
「クウには二人しか乗れない……一人は転移魔法を使って行くしかないか…」
ラインハルトが言った。
「よし!行こう!」
ルシアンは決心した。
「ルシアン!?魔界なんて危険だわ!私は反対よ!」
フランソワが制止した。
「母上!愛する女性の為、命をかけなければならない時もあるのです!」
ルシアンは声を張り上げた。
「かなり重症ね……」
絵里はポツリと呟いた。
「兄上、愛する女性って?」
ラインハルトが聞いた。
「瑠依だよ!」
「兄上、そればかりは譲れないです!」
「ラインハルト、それは私のセリフ……」
「二人とも、今はそんな話をしている場合じゃないわ!」
ソフィがルシアンとラインハルトを叱責した。
「瑠依……魔界に長くいると、人間は魔物化してしまうのよ……だから、直ぐに戻って来て……ディオーネも」
「はい」
二人同時に返事した。
「瑠依、浮遊大陸に着いたら魔法陣を作って。魔法陣を作ったら、クウをこの国に戻して欲しいの。そうすれば魔方陣が出来上がった事を知る事が出来るから」
ディオーネは瑠依に言った。
「分かりました」
「言い伝えによると、魔界には魔王がいるから、絶対に見つからないようにな……魔王は邪神よりも上位種だから、見つかったらいくらディオーネといえども、一巻の終わりじゃ……」
二人は同時に頷くと、王室を出て瑠依の部屋に向かった。その後をルシアンがついていく。
「あの二人は何から何までそっくりじゃな……」
シャルル19世は苦笑いしている。
「勇治には?」
ソフィが聞いた。
「勇治はディオーネと瑠依の抜けた分、防衛に頑張ってもらいましょう」
ラインハルトが答えた。
ラインハルト達は亀にそっくりな生き物に乗って帰ってきた。
「速いんだけど、こればっかりは慣れないな」
ラインハルトとクリスタリアはぐったりしている。
「そうですか?楽しかったですよ」
ディランはそう言いながら、亀にそっくりな生き物を、紐で木に縛り付けた。
「生きて帰ってこれましたね、ラインハルト様」
クリスタリアは、王宮を見上げながら言った。
「ああ……また魔神と戦わなきゃならないけどね」
ラインハルト達は王宮の中に入り、王室に向かった。
その途中でジョエルと会う。
「ラインハルト様、無事に戻ってこられましたか」
ジョエルはラインハルトの元に駆け寄った。
「少し酔ったけどね」
ラインハルトは、苦笑いしている。
「王がお待ちです」
「うん」
ラインハルト達は王室の扉の前に来た。
中から声が聞こえてきた。
ラインハルトは、ノックして中に入ると中には、シャルル19世、王妃のフランソワ、ルシアンにソフィ、ディオーネがいた。
「戻って参りました。皆さん、揃ってどうしたのですか?」
「お帰りなさい、ラインハルト。ディオーネが魔界に行くと言っているのよ……」
フランソワが答えた。
「ディオーネは唯とケルベロスを助けに行くと言って……」
今度はソフィが言った。
「ディオーネ、気持ちは分かるが今は魔神の襲来に備えて欲しいのじゃ…」
シャルル19世が説得する。
「ディオーネ……」
ラインハルトが言いかけると、王室の扉を誰かがノックした。
クリスタリアが扉を開けると、そこには瑠依が立っている。
「ディオーネ様がここに来ていると聞いたのですが……」
瑠依は王室の中に入り、ディオーネの前に立った。
「師匠、私……お姉ちゃん達を助けに行きたいです」
「瑠依……魔界は危険よ…あなたはここに残って」
「師匠だって、魔界に行こうとしてたんですよね?それであれば、一人より二人の方が……」
「魔界に行くには、解放の指輪が必要じゃ……そうなれば、ルシアンも連れて行かなきゃならないから三人になるぞ」
シャルル19世がそう言うと、ルシアンは生唾を飲み込んだ。
「クウには二人しか乗れない……一人は転移魔法を使って行くしかないか…」
ラインハルトが言った。
「よし!行こう!」
ルシアンは決心した。
「ルシアン!?魔界なんて危険だわ!私は反対よ!」
フランソワが制止した。
「母上!愛する女性の為、命をかけなければならない時もあるのです!」
ルシアンは声を張り上げた。
「かなり重症ね……」
絵里はポツリと呟いた。
「兄上、愛する女性って?」
ラインハルトが聞いた。
「瑠依だよ!」
「兄上、そればかりは譲れないです!」
「ラインハルト、それは私のセリフ……」
「二人とも、今はそんな話をしている場合じゃないわ!」
ソフィがルシアンとラインハルトを叱責した。
「瑠依……魔界に長くいると、人間は魔物化してしまうのよ……だから、直ぐに戻って来て……ディオーネも」
「はい」
二人同時に返事した。
「瑠依、浮遊大陸に着いたら魔法陣を作って。魔法陣を作ったら、クウをこの国に戻して欲しいの。そうすれば魔方陣が出来上がった事を知る事が出来るから」
ディオーネは瑠依に言った。
「分かりました」
「言い伝えによると、魔界には魔王がいるから、絶対に見つからないようにな……魔王は邪神よりも上位種だから、見つかったらいくらディオーネといえども、一巻の終わりじゃ……」
二人は同時に頷くと、王室を出て瑠依の部屋に向かった。その後をルシアンがついていく。
「あの二人は何から何までそっくりじゃな……」
シャルル19世は苦笑いしている。
「勇治には?」
ソフィが聞いた。
「勇治はディオーネと瑠依の抜けた分、防衛に頑張ってもらいましょう」
ラインハルトが答えた。
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★追記
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※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
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