【絶対、現世に帰るんだから!!】家族みんなで異世界転生したら、父と母が武器になったけど、現世に帰ったら人間に戻れるの?女神様!?(第1部)

鳩時計

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第5章 三叉槍

第6話 唯一無二の存在

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 サーガレスト女王国王宮内


 ラインハルトは、シリウスギルド所属の冒険者達に瑠依を紹介した。ケルベロス、クウ、ゴーレムも部屋にいた。
「この度、遠いエゾシリアから応援に来て頂きありがとうございます。ラインハルト様から、お噂はかねがねお伺いしておりました、桜井瑠依様」
 冒険者3人は瑠依に頭を下げた。

「ん?瑠依でいいよ。それでケンタウロスっていう強い魔物が出るから、応援を呼んだんだよね?」
 そう言いながら、瑠依はラインハルトと並んで座った。

「はい、そうです。瑠依さんは召喚士で、後ろに従えているのがそうなんですよね?」
 アルタイルが尋ねた。

「この大きい犬みたいな魔獣はケルベロス、大きさが5mぐらいの石で出来た魔物がゴーレム、、、今は小さくしていますが。最後にこの小さな鳥みたいな生き物は、ワイバーンの子供、クウです。実際召喚するのはケルベロスだけですけどね。クウは、旅の途中で懐いちゃって、ははっ!」
 瑠依がそう話すとクウは瑠依の肩に乗り、瑠依の頬にすり寄っている。瑠依は、クウの頭を撫でる。

「失礼ですけど、エゾシリアの応援は瑠依さんとこの仲間達で終わりなんですよね?」
 アルタイルが言いづらそうに話す。

「人間よ…瑠依の雷魔法を見てからもの申せ。瑠依は、召喚士であり、魔術師じゃ。この異世界に過去、召喚士がいたとしても、魔術を使えたものはいないはずじゃ。瑠依の存在は唯一無二。愚弄する事はわれが許さぬ…」
 ケルベロスが静かに怒りを溜めている。

「あわわわっ!すみません、決してそういう意味では…」
 アルタイルが慌てている。

「それではどういう意味じゃ?瑠依一人では頼りにならないと…」
 ケルベロスが更に強い口調で言うと、瑠依は正面から近づき、そっとケルベロスを抱き締めた。
「ありがとう、ケルベロス。私は気にしていないから…」

「瑠依がよいのならいいのじゃ…」
 ケルベロスは怒りを沈めた。

 瑠依はケルベロスから離れ、また席に座った。
「後から一人来ます。私の弟です」
(今は修業しているなんて言わない方がいいわよね…頼りにならないって思うだろうし……確かにそうなんだけど)

「その少年は、神剣エクスカリバーの所持者です」
 瑠依の隣に座っていたラインハルトが言った。

「神剣エクスカリバーですって!!」
 僧侶ベガが食い付いた。

「そうです。魔石を付与した結果進化したそうです。我が国の魔術師ディオーネが言っていたそうなので間違いないでしょう」

「神剣エクスカリバーってなんだ?」
 剣士デネブがベガに質問した。

「あんた、剣士をしてて神剣の事も知らないの??神剣エクスカリバーは、天界の闘いの女神が使っていた神の剣よ!剣を一振するだけで全てを焼き払う伝説の剣なの!神の剣が英雄に渡ったあと、邪神に負けて…言い伝えでは、粉々になったと…何故、エゾシリアに…」
 そう言うと、ベガは腕組みをして首を傾げた。

「その少年が後日、転移の玉を使ってこの国に来るそうです」
 また、ラインハルトが説明した。

「転移のたまーー?それもエゾシリアにあると言うのですか?」
 今度は、アルタイルが驚いてる。

「はい、私達がダンジョンで見つけました」

「三種の神器の1つ、転移の玉まで出てくるとは……それでは、その少年が来るまでは魔物の襲来に耐えなければならないですね。それでやっと希望が見えてきました」
 アルタイルは、立ち上がり喜びを噛み締めている。

(あ~、勇治のハードル、かなり上がっちゃったな~)
 瑠依は、苦笑いしながら思った。
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