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第4章 炎の剣と宝玉の杖
第7話 悪しき魔獣と優しき魔獣
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クウは、上空からヒューストンを追っていた。
ヒューストンは、魔石を握りしめ走っている。
「よし!よし!よし!これをバーデン様に渡せば大金が手に入るぞ!」
走っていたヒューストンの前に1体の魔物が現れる。
「うわっ!ケルベロス!」
ヒューストンはそう叫ぶとその魔物は、一瞬でヒューストンを頭から呑み込んだ。
「この人間、カスみたいな魔力だな…しかし、この魔石の魔力は凄まじい…ロキ様に魔石を渡すなら、このまま自分で…」
魔物は、ヒューストンが落とした魔石を飲み込みどこかに消え去った。
それを見ていたクウは、瑠依達の元に引き返した。
ルシアン達は、ケルベロスが先頭になりクウを追っていた。
そのクウが上空から戻って来た。
(あっ!クウだわ、どうしたんだろ?)
「クウが戻ってきたわ。一旦止まって!」
瑠依が全員に言った。
クウはケルベロスの前に降りて来ると、ギャーギャーと鳴き必死に何かを伝えようとしている。
「ケルベロス、クウは何て言ってるの?」
瑠依はケルベロスに聞いた。
「まずいことになった…魔石を魔物に奪われたようじゃ…」
「魔石は魔物を呼び寄せるだけじゃなくて、魔物が魔石を体内に取り込んだら、魔石の力で魔物が進化してしまうのよ…だから、魔術師は魔石を封印したの」
エクシリアが瑠依達に教えた。
「それなら、あの大蛇は何で魔石を呑み込まなかったの?」
勇治がエクシリアに尋ねた。
「そこまでの知能が無かっただけじゃないのかしら?」
「強大な魔物の力を感じる!どうやら魔石を取り込んだようじゃ!」
ケルベロスはそう言うと、クウが飛んで来た方向に走った。
「瑠依!ワイバーンを巨大化して乗って行くわよ!」
絵里はクウを巨大化させた。
「わかったよ!あと誰が…」
(あと誰を連れて行こうかな…)
瑠依は迷った。
「私が行こう」
ルシアンが言った。
「ルシアン様、私の後ろに乗って下さい」
瑠依がそう言うと、ルシアンはクウの背中に乗った。
「エクシリアさんと勇治とゴーレムは追ってきて!クウ、行くよ!」
クウは空に羽ばたいた。
「ルシアン様、私にしっかりと掴まって下さいね!」
瑠依は、ケルベロスの姿を追っていた。
「どこを掴めばいいのだ?」
「どこでもいいですから…あっ!胸以外で」
瑠依は言い替えた。
ルシアンは、少し照れたように瑠依に掴まった。
「ケルベロスがいたわ!クウ、降りて!」
ケルベロスが魔物と対峙している。
「えっ?もう一匹ケルベロスがいる?」
瑠依はクウの背中から降りた後、ケルベロスと対峙している魔物を見て言った。
「あれは魔獣オルトロスじゃ」
ケルベロスは瑠依に教えた。
「オルトロスよ…何故、この世界に来たのじゃ?」
「邪神ロキ様に転移させられてな。ロキ様に魔石を奪って来いと命じられたが、気が変わったわ…」
オルトロスは、徐々に姿も変わっていった。
「この魔石の力があれば、ロキ様に負ける訳がない。従う必要もない」
ケルベロスの倍の大きさに進化した。
「のう兄弟…いつか滅ぶか分からない人間達につかないで、ワシと一緒にこの世界を支配しようではないか!」
ケルベロスはそう言われ、瑠依の顔を見た。
「ケルベロス…」
瑠依は不安な表情を浮かべていた。
「ワシは唯と約束したのじゃ、この子らを助けてやると……それにこの子らと一緒にいるのも悪くないぞ…」
ケルベロスはオルトロスに言った。
それを聞いて瑠依は
「あんたと一緒に行く訳ないじゃない!ケルベロスは仲間であり家族なんだから!!」
と、オルトロスに威勢よく啖呵を切った。
「そうか…ならば、ここで死ね!」
オルトロスが、ケルベロスに襲いかかった。
ヒューストンは、魔石を握りしめ走っている。
「よし!よし!よし!これをバーデン様に渡せば大金が手に入るぞ!」
走っていたヒューストンの前に1体の魔物が現れる。
「うわっ!ケルベロス!」
ヒューストンはそう叫ぶとその魔物は、一瞬でヒューストンを頭から呑み込んだ。
「この人間、カスみたいな魔力だな…しかし、この魔石の魔力は凄まじい…ロキ様に魔石を渡すなら、このまま自分で…」
魔物は、ヒューストンが落とした魔石を飲み込みどこかに消え去った。
それを見ていたクウは、瑠依達の元に引き返した。
ルシアン達は、ケルベロスが先頭になりクウを追っていた。
そのクウが上空から戻って来た。
(あっ!クウだわ、どうしたんだろ?)
「クウが戻ってきたわ。一旦止まって!」
瑠依が全員に言った。
クウはケルベロスの前に降りて来ると、ギャーギャーと鳴き必死に何かを伝えようとしている。
「ケルベロス、クウは何て言ってるの?」
瑠依はケルベロスに聞いた。
「まずいことになった…魔石を魔物に奪われたようじゃ…」
「魔石は魔物を呼び寄せるだけじゃなくて、魔物が魔石を体内に取り込んだら、魔石の力で魔物が進化してしまうのよ…だから、魔術師は魔石を封印したの」
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「それなら、あの大蛇は何で魔石を呑み込まなかったの?」
勇治がエクシリアに尋ねた。
「そこまでの知能が無かっただけじゃないのかしら?」
「強大な魔物の力を感じる!どうやら魔石を取り込んだようじゃ!」
ケルベロスはそう言うと、クウが飛んで来た方向に走った。
「瑠依!ワイバーンを巨大化して乗って行くわよ!」
絵里はクウを巨大化させた。
「わかったよ!あと誰が…」
(あと誰を連れて行こうかな…)
瑠依は迷った。
「私が行こう」
ルシアンが言った。
「ルシアン様、私の後ろに乗って下さい」
瑠依がそう言うと、ルシアンはクウの背中に乗った。
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クウは空に羽ばたいた。
「ルシアン様、私にしっかりと掴まって下さいね!」
瑠依は、ケルベロスの姿を追っていた。
「どこを掴めばいいのだ?」
「どこでもいいですから…あっ!胸以外で」
瑠依は言い替えた。
ルシアンは、少し照れたように瑠依に掴まった。
「ケルベロスがいたわ!クウ、降りて!」
ケルベロスが魔物と対峙している。
「えっ?もう一匹ケルベロスがいる?」
瑠依はクウの背中から降りた後、ケルベロスと対峙している魔物を見て言った。
「あれは魔獣オルトロスじゃ」
ケルベロスは瑠依に教えた。
「オルトロスよ…何故、この世界に来たのじゃ?」
「邪神ロキ様に転移させられてな。ロキ様に魔石を奪って来いと命じられたが、気が変わったわ…」
オルトロスは、徐々に姿も変わっていった。
「この魔石の力があれば、ロキ様に負ける訳がない。従う必要もない」
ケルベロスの倍の大きさに進化した。
「のう兄弟…いつか滅ぶか分からない人間達につかないで、ワシと一緒にこの世界を支配しようではないか!」
ケルベロスはそう言われ、瑠依の顔を見た。
「ケルベロス…」
瑠依は不安な表情を浮かべていた。
「ワシは唯と約束したのじゃ、この子らを助けてやると……それにこの子らと一緒にいるのも悪くないぞ…」
ケルベロスはオルトロスに言った。
それを聞いて瑠依は
「あんたと一緒に行く訳ないじゃない!ケルベロスは仲間であり家族なんだから!!」
と、オルトロスに威勢よく啖呵を切った。
「そうか…ならば、ここで死ね!」
オルトロスが、ケルベロスに襲いかかった。
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