【絶対、現世に帰るんだから!!】家族みんなで異世界転生したら、父と母が武器になったけど、現世に帰ったら人間に戻れるの?女神様!?(第1部)

鳩時計

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第4章 炎の剣と宝玉の杖

第6話 裏切り

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「ここを封印した魔術師も、こんな大蛇を転移させなくてもいいのにね!」
 エクシリアは瑠依にそう言いながら剣を構えた。
 絵里は、小声で瑠依に言った。
「隅に魔石が落ちているわ」

「お母さん、魔石なんて小さいから何処にあるかわかんないよ!」
 瑠依は、つい大声を出してしまった。

「シャャッーー!」
 大蛇は異様な音を発しながら、口を大きく開けながら、ルシアン達に襲いかかってきた。
 エクシリアが大蛇の胴体部分に切りかかっていく。
 ルシアンは、襲いかかってきた大蛇の顔面を斬りつける。
「瑠依よ、雷の矢で目を狙え」
 ケルベロスはそう言いながら、大蛇のしっぽに襲いかかった。
「わかったよ、ケルベロス!」
 瑠依はそう言いながら、雷の矢を大蛇の目を狙って何本も打ち込むと片眼が潰れた。
 ケルベロスは大蛇のしっぽに噛みつくと、しっぽを引きちぎった。
 大蛇はさらに暴れだす。

「瑠依ねぇ!あの男が!」
 杖を掲げて周囲を光で照らしている勇治が叫んだ。

「瑠依!魔石を持って行かれたわよ!」
 絵里も叫んだ。

 瑠依が振り返ると、ヒューストンは広間を出て通路を走っていた。
「魔石を返せ!!」
 瑠依も叫んだ。

 瑠依の側にいたクウが、ヒューストンを追って行く。
「クウ…」
(ここはクウに託すしかないわ)
 瑠依は、そう思いながらもう片方の目をめがけて雷の矢を打ち込んだ。

「大蛇の皮膚が堅くて、あまりダメージを与えれないわ!」
 エクシリアは、大蛇を斬りつけながら叫んだ。

「瑠依!ゴーレムを元に戻すわよ!」
 絵里がそう言うと、ゴーレムが元の大きさに戻った。

「ゴーレム!大蛇をやっつけて!」
 瑠依がゴーレムに命ずる。

 ゴーレムは、大蛇の首を締め付ける。
 大蛇はさらに異様な音を発し、胴体をゴーレムの体に巻き付けた。

「ゴーレム!」
 瑠依が叫んだ。

「このままでは全滅だ…仕方ない…」
 ルシアンは、そう呟くとスレイヤーソードに解放の指輪を当てる。
「スレイヤーソード、その力を解放せよ!」

 スレイヤーソードの刀身が炎に包まれた。
「いくぞ!!大蛇め!!」
 ルシアンは、炎に纏ったスレイヤーソードで大蛇に切りかかる。

「ギギギギギギィーー!!」
 大蛇は蠢き、ゴーレムの体から落ちた。
 大蛇の体から、焼け焦げた臭いがする。

 ルシアンは苦悶の表情を浮かべながら、何度も大蛇を斬りつける。
「後は任せてくれ」
 ゴーレムがそう言うと、弱りきった大蛇の首を持ち上げ、胴体から引きちぎった。
 ゴーレムは大蛇を地面に落とすと、動かなくなっていた。
 スレイヤーソードは、元の剣に戻っている。
「やったー!ルシアン様!」
 瑠依が喜んでいる。

 エクシリアはルシアンの側に行った。
「大丈夫ですか?ルシアン様…」

 ルシアンの両手が炎で焼けただれていた。
「もうしばらくは剣を握れないだろうな…」
 ルシアンは、両手を見ながらエクシリアに言った。

 ルシアンの両手が光出した。
「私に任せて下さい」
 絵里は、ルシアンに治癒魔法をかけていた。
 すると、両手の火傷が治癒した。

「おおっ!すまぬ」
 ルシアンは、絵里に感謝した。

「ヒューストンが魔石を持って行ったけど、クウが付いて行ったわ。ケルベロス?クウの魔力を感じる?」
 瑠依がケルベロスに聞いた。

「あまり離れていなければじゃが…」

「わかったわ!それじゃ、直ぐに地上に戻ろう!」
 瑠依は杖でゴーレムを小さくした。

 一行はダンジョンから脱出した。
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