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第4章 炎の剣と宝玉の杖
第3話 女王ミレーユ
しおりを挟む「しかし、ゴーレムをこのダンジョンからどうやって出すのだ?」
ルシアンは瑠依に聞いてきた。
「私に任せなさい。お父さんの剣が光るように、私にも1つだけ特技があるのよ」
絵里がそう言うと、杖の先から光がゴーレムに迸る。
ゴーレムが瑠依ぐらいの大きさになった。
「お母さん、すげぇな~」
勇治が感心している。
「ある程度まで大きくする事も出来るし、逆にある程度まで小さくする事も出来るみたい」
絵里がそう話すと
「それならクウを大きくする事も出来るって事ね」
瑠依は矢継ぎ早に言った。
「なるほど!大きくなれば背中に乗って移動も出来るわね」
今度はエクシリアが言った。
「いかにワイバーンでも、これだけの人数は乗せるのは不可能であろう…」
ケルベロスは、クウを見ながら話した。
「そうね、乗れても2人が限度かしら…とりあえず、もうこのダンジョンに用はないから出ましょう」
エクシリアがそう言うと
「ちょっと待て!あの隅に何かあるぞ!」
ルシアンは指を差しながら言った。
勇治は、剣は掲げながら慎重に近寄っていく。
「宝箱だ!やべっ!何が入ってるんだろう?」
勇治は宝箱に光を当てた。
「ちょっと!危ないから、気をつけてよ!」
瑠依がそう注意する間もなく、勇治は宝箱を開けてしまった。
「人の話を聞け!」
瑠依が怒った。
「黒い玉が入ってたよ…」
勇治は宝箱から、黒い玉を取り出した。
「その黒い玉から、魔力を感じるわ」
絵里が、ポツリと言った。
「何の玉か分からないから、王都に帰ったらディオーネ様に聞きましょう…さあ、ダンジョンから出るわよ」
エクシリアがそう言うと、一行はダンジョンの入り口に進んだ。
一方
ここは、サーガレスト女王国。
王都にラインハルト、戦士のデューク、僧侶のクリスタリア、魔術師ディランのパーティーが到着した。
「ラインハルト様達が到着致しました」
門番は、女王ミレーユに報告した。
「やっと来てくれましたか!王室に通して」
ミレーユは、門番に命じた。
門番の案内でラインハルト達は、ミレーユの王室に入った。
部屋の中には、女王ミレーユと側近2人が待っていた。
「女王ミレーユ、馳せ参じました」
ラインハルト達は、ミレーユに片膝を着いて挨拶した。
「遠いエゾシリアからすみませんでした。勇者ラインハルト様」
女王ミレーユは、見た目は30代の綺麗な女性であった。
「この国の危機を救えるのは貴方様しかいないと思い、シャルル19世に頼みました…毎日、魔物の襲撃にあい、兵士達は疲弊しております。そして、騎士団団長も魔物に殺されてしまいました。その為、この国のギルドに頼り、冒険者達にも戦ってもらっている状況です」
「やはりあの邪神ベルゼブブが?」
ラインハルトがそう言うと
「それは分かりません…実際、ベルゼブブはまだ襲っては来ないので…しかし、襲って来たとしても英雄を倒したベルゼブブと対抗出来る者などおりません」
悲しげにミレーユは答えた。
「私達でもベルゼブブを倒す事は不可能でしょう…しかし、エゾシリアに来た召喚士とディオーネの力があれば倒す事が出来るかもしれません。今、召喚士達は父に命じられて、封印されている魔石を取りにダンジョンに向かっている最中でしょう」
ラインハルトは、ミレーユに話した。
「そうですか…邪神ベルゼブブは人間を絶滅させると、食べる魂が無くなってしまうので、じわじわと人間を殺しているのだと思います…ある程度魔物を倒したら、襲わせる魔物がいなくなるのでそれまでの間、勇者ラインハルト様…よろしくお願いします。もう貴方に頼るしか…」
そう言うとミレーユは、泣き崩れた。
「このラインハルトとこの仲間達が微力ながら、お手伝い致します。女王ミレーユよ、少しお休み下さい」
ラインハルトがそう言うと
「ありがとう…勇者よ。今はギルドの冒険者達が指揮しています。ギルドの方には、ラインハルト様達の事は伝えています。今後、ラインハルト様が指揮の方を頼みます」
ミレーユがそう話すと部屋にいた側近は、ラインハルト達をギルドの冒険者達が集まっている部屋に案内した。
それは見届けた女王ミレーユは、自室に行きベッドに横になった。
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