【絶対、現世に帰るんだから!!】家族みんなで異世界転生したら、父と母が武器になったけど、現世に帰ったら人間に戻れるの?女神様!?(第1部)

鳩時計

文字の大きさ
上 下
24 / 81
第3章 ディオーネとの出会い

第8話 鍛冶屋トーマス

しおりを挟む
「ディオーネ様、俺、剣士の鎧を着たいんですけど」

 ここは宮廷の中庭。
 瑠依の特訓の為にやってきた。
 勇治は、ディオーネにおもむろに聞いた。

「瑠依より背が低いから、この宮廷にあるものでは合わないと思うわ…今日から特訓と思っていたけど、先に作りに行きましょうか」

「やり~!」
 勇治は跳び跳ねて喜んでいる。

「ディオーネ様、作りに行くってどこに行くんですか?」
 瑠依はディオーネに聞いた。

「町の鍛冶屋に行くわ。そうと決まったら行くわよ」

「クウは?」
 瑠依はクウを見ながら聞いた。

「これだけ小さかったら、誰もワイバーンだって思わないから、連れてきても構わないわ」
 ディオーネ達は王都の町に向かった。


 ディオーネ達は、町の一角にある鍛冶屋に着いた。
 鍛冶屋の看板にトーマスと書いてある。
(あれ?もしかして、ここって…)
 瑠依は思い出した。

「いらっしゃ…あっ!ディオーネ様、お久しぶりでございます」
 中に居た小太りの中年が頭を下げた。

「どう?元気にしてた?景気はどう?」
 ディオーネが店主に声をかけた。

「ぼちぼちですねー、それより今日はどの様なご用件で?」

「この少年の鎧を作ってもらいたいのよ」

「この二人は、転生者ですね…格好を見れば分かります。ディオーネ様の頼みとあらばお任せを」
 そう言いながら二人を見た。

「こちらの美しいお嬢様の分はよろしいんで?」

「美しいだなんて、、、」
 瑠依はまんざらでもなさそう。

「この子は、この格好でいいみたい。魔術師補佐兼召喚士補佐だから、このままでもいいかなって」
 ディオーネは瑠依のブレザーを見ながら言った。

「了解しやした。完成したら知らせますので、数日お待ちください」
 そういうと勇治の寸法を計りだす

 ひと通り終わり、ディオーネ達は店を出た。

「ディオーネ様、先ほどの店主の方言、前世で聞いた事あるんですが…」
 瑠依が聞いてきた。

「トーマスも、転生者なのよ」

「ディオーネ様が転生させたのですか?」
 瑠依は驚いた。

「バーデンが転生させたみたいね…」

「あの宰相が……他の人達も転生させる力があるのですか?」
 瑠依がさらに突っ込んで聞いた。

「いるわけないわ…転生術を使える者はこの国では、私とバーデンぐらいしかいないもの…転生させるのにエネルギーが必要なのは知ってるわよね?そのエネルギーは魂…邪神を倒して魂を解放してエネルギーを得る…もしくはこの世界の人間を殺して、その魂でエネルギーを得るしかないのよ…唯とたけるはこの国で犯罪を犯した死刑執行人の魂を使って転生させたの。だから、バーデンは誰かを殺してトーマスを転生させたみたいね。しかし、転生させたけどトーマスは力がなかった。そして宮廷から追放されたのよ。バーデンに人間を殺した事を問い詰めたけど、知らないの一点張りだったわよ」
 ディオーネはセキを切ったように話した。

「トーマスさん以外にも、転生者はいるのですか?」

「ええ、いるわ…」
 ディオーネは怒りを抑えているようであった。

 瑠依は、この世界の裏側を少し知ったような気がした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】令嬢は愛されたかった・冬

ここ
ファンタジー
伯爵令嬢ファリナは、実母の出自から、 家族に疎んじられていた。 誰からも愛されたことのない人生。 けれど、ファリナは魔法使いの適正があった。 使い魔とともに、魔法使いに弟子入りする。そこで待っていたのはこれまでとはまったく別世界で。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

ワールド・カスタマイズ・クリエーター

ヘロー天気
ファンタジー
不思議な声によって異世界に喚ばれた悠介は、その世界で邪神と呼ばれる存在だった? 歴史の停滞を打ち破り、世界に循環を促す存在として喚ばれた若者の魂は、新たな時代への潮流となる。

【完結】令嬢は愛されたかった・春

ここ
ファンタジー
魔法使いのアビゼル・クォーツの弟子になったファリナ。修業は厳しいものだったけれど、魔法を使う楽しさを感じるようになった。 まだ10歳のファリナにはわからないけれど、アビゼルはとても女性にモテるらしい。師匠と弟子はいったいどうなっていくのか。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

黒いモヤの見える【癒し手】

ロシキ
ファンタジー
平民のアリアは、いつからか黒いモヤモヤが見えるようになっていた。 その黒いモヤモヤは疲れていたり、怪我をしていたら出ているものだと理解していた。 しかし、黒いモヤモヤが初めて人以外から出ているのを見て、無意識に動いてしまったせいで、アリアは辺境伯家の長男であるエクスに魔法使いとして才能を見出された。 ※ 別視点(〜)=主人公以外の視点で進行 20話までは1日2話(13時50分と19時30分)投稿、21話以降は1日1話(19時30分)投稿

夜会の夜の赤い夢

豆狸
恋愛
……どうして? どうしてフリオ様はそこまで私を疎んでいるの? バスキス伯爵家の財産以外、私にはなにひとつ価値がないというの? 涙を堪えて立ち去ろうとした私の体は、だれかにぶつかって止まった。そこには、燃える炎のような赤い髪の──

処理中です...