2 / 6
第二話 招集依頼
しおりを挟む
彼女に行く手を遮られたとき、自分はもう生命を奪われるのだなと思った。
長い間、互いに高め合うことのできる関係だと思っていたのに、気が付くと傷つけ合っていた。
「T字路・・・」
幼少時代から行き止まりのような場所を目にすると身の危険を感じるというか、なんとも言えない気分になる。
両親や周りの人間からは物静かな子と言われてきた。
たしかに友達とはしゃいだりするのは得意ではないのだが、どうも僕の人生は他者によって操られているような気がしてならない。
時々夢にでてくるあの女性を探し出してみようかとも思ったが、実際この世に該当する人間がいるのだろうか・・・。
こんなことを他人に打ち明けたらかなり痛い人だと思われると思うので話したことはない。
だけど、なんとなく退屈な日常に嫌気がさしていた僕は、ついSNSで検索してしまったのだ。
前世、過去、夢と。
いくつかヒットした検索結果にはその手の小説を書いている人物たちの紹介があった。
そしてその中に僕が目を奪われた人が数人いた。
自分と同じような記憶を持つ人間になど、たどり着けないと思いこんでいたが、自分が不思議なことを言っているのを隠そうともしない人たちがいるのだととても驚かされた。
もしかしたらでたらめを言っているのかもしれないし、夢の中の女性のように自分を捕まえにきたらどうしようという恐れもあったが、どこかワクワクする気持ちの抑えがきかなくなってしまった。
一人に連絡するのは少し怖いので、僕は前世の記憶らしきものを持つと言う数人にメッセージを送ってみた。
二人から割とすぐに返信があり、そのうちの一人はみんなで顔合わせをして話すのも面白そうですねと言ってきた。
今になるとこのときの僕は普通の状態ではなかったなと思う。
埋もれてしまった記憶を他の誰かが探し出してくれるのではないかと高をくくっていたのだ・・・。
長い間、互いに高め合うことのできる関係だと思っていたのに、気が付くと傷つけ合っていた。
「T字路・・・」
幼少時代から行き止まりのような場所を目にすると身の危険を感じるというか、なんとも言えない気分になる。
両親や周りの人間からは物静かな子と言われてきた。
たしかに友達とはしゃいだりするのは得意ではないのだが、どうも僕の人生は他者によって操られているような気がしてならない。
時々夢にでてくるあの女性を探し出してみようかとも思ったが、実際この世に該当する人間がいるのだろうか・・・。
こんなことを他人に打ち明けたらかなり痛い人だと思われると思うので話したことはない。
だけど、なんとなく退屈な日常に嫌気がさしていた僕は、ついSNSで検索してしまったのだ。
前世、過去、夢と。
いくつかヒットした検索結果にはその手の小説を書いている人物たちの紹介があった。
そしてその中に僕が目を奪われた人が数人いた。
自分と同じような記憶を持つ人間になど、たどり着けないと思いこんでいたが、自分が不思議なことを言っているのを隠そうともしない人たちがいるのだととても驚かされた。
もしかしたらでたらめを言っているのかもしれないし、夢の中の女性のように自分を捕まえにきたらどうしようという恐れもあったが、どこかワクワクする気持ちの抑えがきかなくなってしまった。
一人に連絡するのは少し怖いので、僕は前世の記憶らしきものを持つと言う数人にメッセージを送ってみた。
二人から割とすぐに返信があり、そのうちの一人はみんなで顔合わせをして話すのも面白そうですねと言ってきた。
今になるとこのときの僕は普通の状態ではなかったなと思う。
埋もれてしまった記憶を他の誰かが探し出してくれるのではないかと高をくくっていたのだ・・・。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ある警部補の事件記録『ままならない命』
古郷智恵
ミステリー
不治の病を患っている女性、「青木望美」が毒薬を飲み亡くなった。しかし、その女性は病により毒薬を一人で飲む力もなく、何者かが手助けをしたのは明らかだ。
容疑者としてその女性の恋人「黒川冬樹」、恋人の父親「黒川康之」、女性の母親「青木愛」が上げられた。
果たして、これは他殺か自殺幇助か、それとも……
警部補三島がこの事件を調査する……
―――――――――――――――――――
※前作と同じく劇作風に書いています。
※前作との繋がりは探偵役が一緒なだけです。これからでも読めます。
※毒は(元ネタはありますが)ほぼオリジナルなので、注意してください
※推理要素は薄いと思います。
孤独の旅路に伴侶をもとめて
spell breaker!
ミステリー
気づいたとき、玲也(れいや)は見知らぬ山を登っていた。山頂に光が瞬いているので、それをめざして登るしかない。
生命の息吹を感じさせない山だった。そのうち濃い霧が発生しはじめる。
と、上から誰かがくだってきた。霧のなかから姿を現したのは萌(もえ)と名のる女だった。
玲也は萌とともに行動をともにするのだが、歩くにしたがい二人はなぜここにいるのか思い出していく……。
※本作は『小説家になろう』さまでも公開しております。
「鏡像のイデア」 難解な推理小説
葉羽
ミステリー
豪邸に一人暮らしする天才高校生、神藤葉羽(しんどう はね)。幼馴染の望月彩由美との平穏な日常は、一枚の奇妙な鏡によって破られる。鏡に映る自分は、確かに自分自身なのに、どこか異質な存在感を放っていた。やがて葉羽は、鏡像と現実が融合する禁断の現象、「鏡像融合」に巻き込まれていく。時を同じくして街では異形の存在が目撃され、空間に歪みが生じ始める。鏡像、異次元、そして幼馴染の少女。複雑に絡み合う謎を解き明かそうとする葉羽の前に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた。
===とある乞食の少女が謳う幸福論===
銀灰
ミステリー
金銭の単位と同じ名《めい》を名付けられたその少女は、街中を徘徊する乞食であった。
――ある日少女は、葦の群生地に溜まった水たまりで身を清めているところ、一人の身なりの良い貴族とばったり顔を突き合わせる。
貴族は非礼を詫び立ち去ったが――どういうわけか、その後も貴族は少女が水浴びをしているところへ、人目を忍び現れるようになった。
そしてついに、ある日のこと。
少女は貴族の男に誘われ、彼の家へ招かれることとなった。
貴族はどうやら、少女を家族として迎え入れるつもりのようだが――貴族には四人の妻がいた。
反対、観察、誘い、三者三様の反応で少女に接する妻たち。
前途多難な暗雲が漂う少女の行く先だが――暗雲は予想外の形で屋敷に滴れた。
騒然となる屋敷内。
明らかな他者による凶行。
屋敷内で、殺人が発生したのだ――。
被害者は、四人の妻の一人。
――果たして、少女の辿る結末は……?
一➕一
ターキー
ミステリー
今日本いや、世界は変わってしまった外に出る時はマスク着用、消毒、180度変わってしまった。しかし変わらない物は一つあるそれは人と人との繋がりだ、しかしもしその世界が嘘だったら!ミステリー風味もする物語が今始まる
RoomNunmber「000」
誠奈
ミステリー
ある日突然届いた一通のメール。
そこには、報酬を与える代わりに、ある人物を誘拐するよう書かれていて……
丁度金に困っていた翔真は、訝しみつつも依頼を受け入れ、幼馴染の智樹を誘い、実行に移す……が、そこである事件に巻き込まれてしまう。
二人は密室となった部屋から出ることは出来るのだろうか?
※この作品は、以前別サイトにて公開していた物を、作者名及び、登場人物の名称等加筆修正を加えた上で公開しております。
※BL要素かなり薄いですが、匂わせ程度にはありますのでご注意を。
孤島の洋館と死者の証言
葉羽
ミステリー
高校2年生の神藤葉羽は、学年トップの成績を誇る天才だが、恋愛には奥手な少年。彼の平穏な日常は、幼馴染の望月彩由美と過ごす時間によって色付けされていた。しかし、ある日、彼が大好きな推理小説のイベントに参加するため、二人は不気味な孤島にある古びた洋館に向かうことになる。
その洋館で、参加者の一人が不審死を遂げ、事件は急速に混沌と化す。葉羽は推理の腕を振るい、彩由美と共に事件の真相を追い求めるが、彼らは次第に精神的な恐怖に巻き込まれていく。死者の霊が語る過去の真実、参加者たちの隠された秘密、そして自らの心の中に潜む恐怖。果たして彼らは、事件の謎を解き明かし、無事にこの恐ろしい洋館から脱出できるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる