上 下
112 / 120

第112話 まるで何かあったみたいな

しおりを挟む
ブライトン公爵家では、公爵夫人が娘を問い詰めていた。

「まあ。単に四人で十二月祭りに行きたかっただけなのね」

「ええ、そう。でも、リオとシエナが邪魔だったので」

「邪魔?」

「だって二人は恋人同士で、私たちはいない方がいいと思って。それに、シエナのお兄様、素敵な方よ?」

「それは、まあ」

「なのに、パトリック様ったら、本日は護衛として勤めさせていただきますって」

しまった。夫の部下を使って、パトリックを非番にさせたのが裏目に出たか。パトリックが勘違いしたな。

だんだん有力ご子息の縁談もまとまってきていて、キャロラインのお相手候補が減っていく。公爵夫人は少々焦り気味だった。
四人でお出かけデートを娘が希望した時、まあ、リーズ伯爵くらいなら(婿は鑑賞に耐える方が良い)許容範囲だろうと許可してしまった。

パトリックが仕事では、話が始まらないので、公爵の名前を使って、軽い気持ちで手を回したのだが、パトリックは下手に勘のいい男だったらしい。
自分は護衛だと勘違いしたのだろう。

「シエナと四人のはずだったのに、リオは大喜びでシエナを連れて行ってしまうし。腹が立つから、パトリック様とお祭りを回ったの」

「……それで歩き過ぎて靴擦れを起こしたと」

公爵夫人は白魚のように細く美しい指で額を抑えた。

パトリックにはなんの罪もない。
完全に娘が悪い。自分も悪かった。
しかし娘は、はしゃいでいた。

「おかげで、パトリック様にだっこしてもらって帰ってきたの。あと、お姫様抱っこも経験しました!」

公爵夫人は顔をあげた。

「で? それだけ?」

「とんでもないわ! 楽しかったー。あと、串焼きとレモネードとりんご飴とソーセージ焼きとブドウジュースとチーズ焼きと、なんだか知らないお菓子をいっぱい食べました! 全部、おいしかったわ!」

夫人は娘の顔を注意深く見た。侍女から、お嬢様の服は食べ物のシミだらけでしたと報告を受けている。それだけ食べたら、時間的に話は合う。全品、公爵家では作らない品々だし、あの場で食べ物の名前を覚えたのだろう。嘘は言っていないようだ。

でも、だったら余計、楽しかっただけじゃ済まないでしょ?

「いいですか? あなたの軽はずみな行動のせいで、今、リーズ伯爵は投獄されています」

へっ?……

「投獄? な、なぜ?」

公爵夫人はため息をついた。

「お父様が勘違いなさって……」

そう。脳みそが急速回転した赤公爵は深夜まで帰ってこなかった娘の最悪の事態を想像して、パトリックを投獄したのだ。
パトリックが猛烈にイケメンだったことが、嫌疑に拍車をかけた。

イケメンだからって、娘も抵抗しなかったにちがいない。なんてことをするんだっ!

リオの推し活以来、キャロライン嬢は家族から超の付くイケメン好きと認識されていた。あながち間違いではないけれど。
パトリックは危険人物だ。

「なぜ、投獄されたのですか?」

キャロライン嬢は必死になって聞いてきた。

それを考えると頭が痛い。夫の公爵の想像は、何も考えていないらしいキャロラインに説明するのもはばかられる。
それに公爵の行動は、言い訳が立たない。まるで、何事かあったかのようだ。
パトリックもパトリックだ。なぜ、抵抗しない? 黙っておとなしく投獄されるだなんて、まるで何かあったみたいじゃないの。

「お母様! 私、パトリック様に会いに行ってきますわ!」

それこそ、止めて。
ますます二人の間には何かあるみたいだ。

「いいから。お父様の誤解ですから。あなたはおとなしく家にいなさい」

そう言い置いて、公爵夫人は家を出た。
こうなったら仕方ない。社交界の大物コーンウォール卿夫人を頼るしかない。それに(こっちの方が理由としては大きかったが)コーンウォール卿夫人は、シエナを通じてパトリックと縁がある。

どう考えてもパトリックは被害者。今頃、リーズ家側は激怒していることだろう。詫びを入れねば、おさまるまい。

娘に十二月祭り参加の許可を出したのは、軽率だったかもしれない。
とは思うものの、祭りに出かける貴族のご令嬢方は結構いる。
婚約者連れだったり、護衛が付き従ったりして、それなりに楽しんでいる。絶対ダメという訳じゃない。
雑踏の中に踏み込んでいったのは、キャロラインの性格によるものだろうが、そのためにトラブルに巻き込まれて靴擦れをおこしたのはただの偶然。

だから、ブライトン公爵が、パトリックを牢獄にぶち込みさえしなければ、何事も起きなかったのだ。

ここはひとつ穏便に、コーンウォール夫人に話を通し(なにしろ夫人は噂話の総元締めみたいなもんだから)、パトリック本人にはひたすら謝り倒し、何食わぬ顔で早く牢屋から出してしまえば、一応の解決を見るだろう。

「コーンウォール夫人は賢くて寛大な方。事情を話せばわかっていただけるわ」

それにブライトン公爵家は大物一家なのだ。その影響力を考えた場合、たいていのことはどうにかなる。

訪問の知らせを大急ぎで先に走らせ、着替えてから公爵夫人は外出した。

窓からその様子を見ていたキャロライン嬢は、さっそく牢屋に出かけようとしたが、カーライル夫人につかまった。

「奥様から部屋から出すなと厳命を受けております」

「あら。違うのよ。シエナを呼んで欲しいの」

たちまちキャロライン嬢は方針を変えた。こうなった時のカーライル夫人は、絶対だ。

だけど、キャロライン嬢は、カーライル夫人の表情が気になった。なんだか、悲しそうだわ?

「シエナ様ですか。それは良いかも知れません」


しかし、その頃、シエナは決死の覚悟で、パトリックが在住している牢屋を訪問していた。

リリアスと一緒だった。

「面会?」

「はい。私たちは妹です」

牢番は、パトリックのことを覚えていた。
全収容者の顔と名前を覚えるなんてことはないのだが、パトリックはものすごく印象的な収容者だった。主に顔が。
そのほか、貴族然とした態度や、諦めたように牢に入っていく様子が、何をしたんだろうと牢番の好奇心を誘った。

首を伸ばして、二人の妹を見ると、キリッとした顔の娘と、いかにも心配そうなご婦人。だが、美人。すごく美人。
牢番は、この二人の為なら、何でもしてあげたい気分になってしまった。
おかげで二人は、最速で犯罪者のもとにたどり着けた。

「お兄様!」

二人はパトリックが、騎士の格好のまま、汚くて、暗く狭く寒い牢に座っているのを見て声をあげた。

「なんてことに!」

「お兄様、牢屋入りした理由は何ですの?」

パトリックは顔をあげた。

「キャロライン様にケガをさせてしまったのだ」

「ケガ?」

「足に傷を負わせてしまって。護衛として失格だ」

一体、どんな事態が起き得てそんなことになったのだろう?

「悪漢にでも切りつけられたのですか?」

「いや。妙な男に絡まれて。天使のように美しいとかほざきやがって」

「まああ。かわいそうなキャロライン様。美しいとほめながら、切りつたのですか?」

シエナも護衛に問題があったのかと青くなった。護衛ではないかもしれないが、娘を傷つけられては、ブライトン公爵が怒るのも無理はない。

「絡まれたのは俺だ。小うるさいので、キャロライン嬢と一緒にその場を離れたのだ」

「え? 絡まれたのは、キャロライン様ではないのですか?」

パトリックは嫌そうな表情になった。

「俺の絵を描きたいと言うのだ。細かいことは聞かなかった。そのままその場を離れたからな。だが、キャロライン嬢は深窓の姫君。歩きなれていないので、靴擦れを起こして足に血がにじんでいた」

……靴擦れかい。

「痛恨の極みだ。わかっていたら、最初から抱くなりなんなりしたのに」

それはそれで誤解を招くような。

「それだけですか?」

「誠に申し訳ないことをした」

兄は天を仰いで反省しているらしかった。

赤公爵は愛娘キャロライン嬢のことになると、デロデロの甘々なので、ときたまおかしなことをしでかすそうな。

今回も、それだな。

負けるものか。
シエナは兄を絶対に助けると心に誓った。

「お兄様、少しの辛抱です。何とかいたします」

まずは、キャロライン嬢、本人に会わねば。

差し入れ品を考えているらしい姉を引きずって牢から出た。自分たちが牢にいても前には進めない。差し入れは姉に任せよう。

「おや、お早いですね?」

帰り際、牢番にあいさつすると、大勢の面会希望者の応対に追われていた牢番はちょっと驚いたらしかった。
だが、その大勢の面会希望者と言うのは、第一騎士団の非番のメンバーだった。

「シエナ嬢!」

彼らはシエナの顔を知っていた。何のためにこんな所にいるのかも、察しがついた。

「俺たちはパトリックの味方だ」

「パトリックは、はめられたんだ」

「何であんな忙しい晩に非番なんだと思ったけど、赤公爵の差金だったんだ。それなのに投獄するだなんて」

彼らは口々に言った。

「皆様、どうか兄を助けてくださいませ」

シエナは頭を下げた。一歩下がったところでリリアスも頭を下げていた。

「あの……そちらは?」

「姉のリリアスです」

あ、あれが噂の駆け落ち令嬢!

だが、美人だ。なるほど、すごい美人だ。納得いった。

二人揃って、美人姉妹だ……第一騎士団は余計な感想を抱いた。全員が男だったので、残念ながら、美人には大変弱い傾向があった。

「なんとお気の毒な……兄上のことがさぞご心配でしょう!」

「我々は、どんな命令が下されようと、お兄様を助けるために全力を尽くします」

それは『上司に逆らう宣言』なのでは?

「よろしくお願いいたします」

これも、結果論として、『上司に逆らう宣言の応援宣言』なのでは?

しかし、二人の美人に頭を下げてお願いされると、騎士団の連中の胸には、高揚感と使命感が燃え広がった。

彼女たちに出来ることなんか、限られている。
途方に暮れている儚げタイプの美人に頼られて、知らんぷりするような騎士たちではない。彼らは義侠心に溢れている。でなきゃ騎士なんかやっていない。

「おまかせあれ」

第一騎士団の面々は、胸を張り堂々と牢の奥へ消えていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息、拾いました~捨てられた公爵令嬢の薬屋経営~

山夜みい
恋愛
「僕が病気で苦しんでいる時に君は呑気に魔法薬の研究か。良いご身分だな、ラピス。ここに居るシルルは僕のために毎日聖水を浴びて神に祈りを捧げてくれたというのに、君にはがっかりだ。もう別れよう」 婚約者のために薬を作っていたラピスはようやく完治した婚約者に毒を盛っていた濡れ衣を着せられ、婚約破棄を告げられる。公爵家の力でどうにか断罪を回避したラピスは男に愛想を尽かし、家を出ることにした。 「もううんざり! 私、自由にさせてもらうわ」 ラピスはかねてからの夢だった薬屋を開くが、毒を盛った噂が広まったラピスの薬など誰も買おうとしない。 そんな時、彼女は店の前で倒れていた男を拾う。 それは『毒花の君』と呼ばれる、凶暴で女好きと噂のジャック・バランだった。 バラン家はラピスの生家であるツァーリ家とは犬猿の仲。 治療だけして出て行ってもらおうと思っていたのだが、ジャックはなぜか店の前に居着いてしまって……。 「お前、私の犬になりなさいよ」 「誰がなるかボケェ……おい、風呂入ったのか。服を脱ぎ散らかすな馬鹿!」 「お腹空いた。ご飯作って」 これは、私生活ダメダメだけど気が強い公爵令嬢と、 凶暴で不良の世話焼きなヤンデレ令息が二人で幸せになる話。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。 ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。 理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。 ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。 マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。 自室にて、過去の母の言葉を思い出す。 マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を… しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。 そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。 ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。 マリアは父親に願い出る。 家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが……… この話はフィクションです。 名前等は実際のものとなんら関係はありません。

この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜

氷雨そら
恋愛
 婚約相手のいない婚約式。  通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。  ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。  さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。  けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。 (まさかのやり直し……?)  先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。  ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。 小説家になろう様にも投稿しています。

辺境の獣医令嬢〜婚約者を妹に奪われた伯爵令嬢ですが、辺境で獣医になって可愛い神獣たちと楽しくやってます〜

津ヶ谷
恋愛
 ラース・ナイゲールはローラン王国の伯爵令嬢である。 次期公爵との婚約も決まっていた。  しかし、突然に婚約破棄を言い渡される。 次期公爵の新たな婚約者は妹のミーシャだった。  そう、妹に婚約者を奪われたのである。  そんなラースだったが、気持ちを新たに次期辺境伯様との婚約が決まった。 そして、王国の辺境の地でラースは持ち前の医学知識と治癒魔法を活かし、獣医となるのだった。  次々と魔獣や神獣を治していくラースは、魔物たちに気に入られて楽しく過ごすこととなる。  これは、辺境の獣医令嬢と呼ばれるラースが新たな幸せを掴む物語。

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜

しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。 高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。 しかし父は知らないのだ。 ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。 そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。 それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。 けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。 その相手はなんと辺境伯様で——。 なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。 彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。 それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。 天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。 壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。

アズやっこ
恋愛
 ❈ 追記 長編に変更します。 16歳の時、私は第一王子と婚姻した。 いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。 私の好きは家族愛として。 第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。 でも人の心は何とかならなかった。 この国はもう終わる… 兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。 だから歪み取り返しのつかない事になった。 そして私は暗殺され… 次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。

処理中です...