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第79話 王家主催お別れダンスパーティ
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とうとうこの国を離れる時が来た。
明日、アラン殿下は出立する。
アラン殿下がいる王宮の別棟の部屋に、ジョゼフがやって来た。
「殿下」
ジョゼフは手に冊子を持っていた。
「殿下があんなに一位になりたがっていた妙な雑誌が届きましたよ?」
アラン殿下は微笑みながら、それを受け取った。表紙には、アラン殿下の絵姿がデカデカと載っている。
「だって、今回ばかりはなんの忖度もなく一番いい男になったんだよ? 王太子殿下だからって訳じゃなくてさ」
「えー? バレた後、一位になったってことは、そういう意味なんじゃないですか? 王太子殿下に花を持たせようっていう」
「実力だよ!」
アランは声に力を込めた。
今晩、最後のお別れレセプションが開かれる。その後、本当に出国する。
帰国したら……
「それから、こちらがアンジェリーナ・シークレット」
薄い、もう一冊をジョゼフが手渡してきた。
「なにそれ? 天使たちの秘密?」
アンジェリーナ・シークレットが何だか知らないアラン殿下はふふっと笑い、ジョゼフも微笑んで、冊子をアラン殿下に渡した。殿下は何の気なしに受け取った。
「あっ」
横目で見ていると、殿下は何か発見したらしい。
そのアンジェリーナ・シークレットは、シークレット版の方だった。
つまり秘密の、垂涎の絵姿付きだ。
テオドールは、その話を聞くと、即座に百冊買い込んでいたそうだ。キャロライン嬢を百人集めたかったらしい。
冊子の表紙の人がシエナだった。
軽く色付けされた素描で、顔立ちだけはっきりわかる。
光は片方から差し込んで、その目の色がはっきりわかる。細い鼻、光をハネ返してキラキラしているような髪。
「きれいだ……」
ジョゼフも覗き込んだ。
「きれいですね」
バッとジョゼフを振り返ると、アラン殿下はジョゼフに向かっていった。
「お前も、お前もそう思うだろう?」
「思いますよ。あんまり美人なんで、最初会った時、ゴートが変なことを考えたのかと心配になったくらいです。でも、いい子でしたね」
「…………いや、悪い子だ」
ジョゼフは肩をすくめた。
「でも、リオ殿と婚約するんでしょ?」
「奴にくれてやるのは惜しい」
「仕方ないじゃないですか。アラン殿下は王太子殿下なんですから。弁えてくださって助かりました」
いつか、この思いを忘れられる日が来るのだろうか。
「七年くらい我慢すると、気が変わるらしいですよ? 一説によると」
ジョゼフは平気で残酷なことを言う。
「一生じゃなくてよかったですね。殿下のことだから、悩んでも半年くらいが上限だと思いますが」
おれは、そんなチャラい男じゃない。そんなふうを装ってきたけれど、本当の自分は違う。
宮廷で会話するのと違って、シエナとの会話はもっと身近なことばかりだった。自分で決められる内容ばかりで、お昼をどこで済ませるか、とか、いっそ食べない選択さえあったのだ。セドナの宮廷で王太子殿下がお昼を食べなかったら、大騒ぎになってしまう。
スケジュールだって、行き先だって。シエナと相談して決めたのだ。
「今後は全部自分で決められたらいいではありませんか」
ジョゼフは気楽に勝手なことを言う。
「王太子にそんな自由はない」
アラン殿下はむっとして答えた。
「そんなことありませんよ。今や殿下は家臣の生活をよくご存知ですもの。理由を聞けば、判断を自分でつけられるようになったと思いますよ? もう、言い返せるでしょうしね。この国じゃ誰一人殿下に遠慮しなかった。だから、都合が悪かったり、殿下の口の利き方が気に障ったら、すぐに理屈を言って反抗してきた。セドナでは、誰も口答えひとつしなかったでしょう?」
その通りだった。毎日が勉強だったと言ってもいいかもしれない。他人の気まぐれや勝手、そんなことに振り回されたが、人間なんかそんなものなのだろう。
「殿下は、なおかつチャラ男だなんて言われた。素晴らしいコミュニケーション能力をお持ちだったのです。証明されました」
ううむ。そんな風に受け取っていいものだろうか。
「さあ、最後のダンスパーティですよ。張り切っていきましょう!」
何か違う気がする。
だが、ピシリと王家の正装に身を固め、スッと歩く殿下は、実際、素晴らしかった。
程よく背が高く、背筋を伸ばし、威風堂々と歩く。さすがは次期の国王陛下だ。
居並ぶ者たちはみな頭を下げた。
壇上に現れると、ここ数日ですっかり親しくなったゴートの国王夫妻、王弟殿下ご夫妻などが彼を振り返った。
国王陛下の隣に席を占める。
「素晴らしい男ぶりですこと、殿下」
王妃殿下がからかい気味に誉めた。
「なんということを。気の弱い十代の少年をからかってはいけません。殿下」
「だって、見ましたわ、マンスリー・レポート・メンズ・クラシック」
え? こんなところにまで蔓延しているの? マンスリー・レポート・メンズ・クラシック?
アラン殿下は思わず目を丸くした。王妃殿下はそれを、自分が掲載されている雑誌の存在を知らず、彼が一位になっていることを初めて知って驚いたと勘違いしたようだ。
「オホホ、ご存知なかったでしょう? 私どもも殿下が載っていたので初めて手に取りましたのよ?」
王妃様が話のタネにと、マンスリー・レポート・メンズ・クラシックをわざわざ侍女に買わせて持ってきてくれた。
「わあ……恥ずかしいですね。こんなところに載るだなんて」
「まあまあ、いいではないか。世人の遊びだよ。めくじら立てるほどのものではなかろう」
国王陛下が鷹揚に言う。
そう願えるとありがたい。国王陛下は知らないだろうが、発行人のイライザ嬢は友人だ。
「こちらは許せませんわ」
王妃様が侍女に持たせていたのは、アンジェリーナ・シークレットだった。
「女性を扱うだなんて」
アラン殿下はシエナの絵姿を見て、どきりとした。さっき見たばかりだというのに。そして、ジョゼフに、絵姿入りの方をあと百冊ほど買い占めてこいと言いつけて呆れられたばかりなのに。テオドールなんかに負けていられるか。
「程度ものでしょう」
アラン殿下は軽くいなした。
「そうだな」
国王陛下も男性なので、美人画には寛容らしい。アラン殿下は、そちらには興味がないふりをした。下手に興味を持つと王妃様から何か言われるかもしれない。イライザ嬢は友人だ。
「この国は豊かですね。いろいろな雑誌や選択肢があるということは、その国の懐の深さ、幅広さを感じさせられます」
誉めておくことにした。イライザ嬢が心配だし。
やがて音楽が始まって、お若い方はどうぞとフロアに下ろされてしまった。
キラキラした会場。
だけど、彼を呼び寄せるような顔はただ一つしかなかった。
シエナはリオの隣にいた。
「婚約者だから」
「違うわ?」
人々は噂した。
弟のリオが婚約者に変わるまで、まだ当分かかりそうだというのが、イライザ嬢、キャロライン嬢を始めとしたシエナの友達の見立てである。
「本当に困りましたわねえ」
コーンウォール卿夫人はため息をつき、アラン殿下のおかげで隣国の最新医療を受けた結果、ベッドから起き上がれるようになったハーマン侯爵は「わしが代わりに結婚しようか?」と笑えない冗談を言って、コーンウォール卿夫人に頭を張られていた。
こちらは本物の兄妹なので、頭を張られたくらいでは大した問題にはならない。
「どうしてそのドレスなの?」
「友達から贈られたのですもの」
シエナが着ているのは、アラン殿下が贈ってくれたドレスだった。
「いや、もう、ものすごくムカつくんだけど」
耳元でリオが言う。そういえば……今更ながら思い出したが、リオは嫉妬深かった。いちいちうるさいなと思っていたが、こういう訳だったのか。
現在、全く遠慮のなくなったリオは、ことあるたびに張りついてきて、文句を言いたいところをグッと堪えているらしい。
アラン殿下はなんの躊躇いもなく、シエナのところへ来た。
「ほら、お友達が来ましたわ」
シエナは言った。
リオはピキピキと青筋が立つ気がしたが、シエナは柔らかく微笑んでいた。
「殿下は友情を約束してくださいましたの」
シエナは説明した。
「ですから、私も友情をお約束しました。いつまでも誠実であれと」
「え……そうなんだ(気の毒)」
キラキラ光を放つような殿下は、大勢の視線を浴びながら、シエナのもとへゆっくり歩いてくる。
彼が目指す方向にいる人々は、一歩後ろへ引き、王太子殿下を通す。
まるで、自然に道がひらけていくようだ。
「一曲、踊っていただけませんか?」
目を踊らせて、殿下はシエナの手をとって申し込んだ。
彼のドレスだ。
あの時贈ったドレスを身につけてくれていた。
シエナは微笑んで、腰をかがめてお辞儀をした。
「光栄でございます、殿下」
明日、アラン殿下は出立する。
アラン殿下がいる王宮の別棟の部屋に、ジョゼフがやって来た。
「殿下」
ジョゼフは手に冊子を持っていた。
「殿下があんなに一位になりたがっていた妙な雑誌が届きましたよ?」
アラン殿下は微笑みながら、それを受け取った。表紙には、アラン殿下の絵姿がデカデカと載っている。
「だって、今回ばかりはなんの忖度もなく一番いい男になったんだよ? 王太子殿下だからって訳じゃなくてさ」
「えー? バレた後、一位になったってことは、そういう意味なんじゃないですか? 王太子殿下に花を持たせようっていう」
「実力だよ!」
アランは声に力を込めた。
今晩、最後のお別れレセプションが開かれる。その後、本当に出国する。
帰国したら……
「それから、こちらがアンジェリーナ・シークレット」
薄い、もう一冊をジョゼフが手渡してきた。
「なにそれ? 天使たちの秘密?」
アンジェリーナ・シークレットが何だか知らないアラン殿下はふふっと笑い、ジョゼフも微笑んで、冊子をアラン殿下に渡した。殿下は何の気なしに受け取った。
「あっ」
横目で見ていると、殿下は何か発見したらしい。
そのアンジェリーナ・シークレットは、シークレット版の方だった。
つまり秘密の、垂涎の絵姿付きだ。
テオドールは、その話を聞くと、即座に百冊買い込んでいたそうだ。キャロライン嬢を百人集めたかったらしい。
冊子の表紙の人がシエナだった。
軽く色付けされた素描で、顔立ちだけはっきりわかる。
光は片方から差し込んで、その目の色がはっきりわかる。細い鼻、光をハネ返してキラキラしているような髪。
「きれいだ……」
ジョゼフも覗き込んだ。
「きれいですね」
バッとジョゼフを振り返ると、アラン殿下はジョゼフに向かっていった。
「お前も、お前もそう思うだろう?」
「思いますよ。あんまり美人なんで、最初会った時、ゴートが変なことを考えたのかと心配になったくらいです。でも、いい子でしたね」
「…………いや、悪い子だ」
ジョゼフは肩をすくめた。
「でも、リオ殿と婚約するんでしょ?」
「奴にくれてやるのは惜しい」
「仕方ないじゃないですか。アラン殿下は王太子殿下なんですから。弁えてくださって助かりました」
いつか、この思いを忘れられる日が来るのだろうか。
「七年くらい我慢すると、気が変わるらしいですよ? 一説によると」
ジョゼフは平気で残酷なことを言う。
「一生じゃなくてよかったですね。殿下のことだから、悩んでも半年くらいが上限だと思いますが」
おれは、そんなチャラい男じゃない。そんなふうを装ってきたけれど、本当の自分は違う。
宮廷で会話するのと違って、シエナとの会話はもっと身近なことばかりだった。自分で決められる内容ばかりで、お昼をどこで済ませるか、とか、いっそ食べない選択さえあったのだ。セドナの宮廷で王太子殿下がお昼を食べなかったら、大騒ぎになってしまう。
スケジュールだって、行き先だって。シエナと相談して決めたのだ。
「今後は全部自分で決められたらいいではありませんか」
ジョゼフは気楽に勝手なことを言う。
「王太子にそんな自由はない」
アラン殿下はむっとして答えた。
「そんなことありませんよ。今や殿下は家臣の生活をよくご存知ですもの。理由を聞けば、判断を自分でつけられるようになったと思いますよ? もう、言い返せるでしょうしね。この国じゃ誰一人殿下に遠慮しなかった。だから、都合が悪かったり、殿下の口の利き方が気に障ったら、すぐに理屈を言って反抗してきた。セドナでは、誰も口答えひとつしなかったでしょう?」
その通りだった。毎日が勉強だったと言ってもいいかもしれない。他人の気まぐれや勝手、そんなことに振り回されたが、人間なんかそんなものなのだろう。
「殿下は、なおかつチャラ男だなんて言われた。素晴らしいコミュニケーション能力をお持ちだったのです。証明されました」
ううむ。そんな風に受け取っていいものだろうか。
「さあ、最後のダンスパーティですよ。張り切っていきましょう!」
何か違う気がする。
だが、ピシリと王家の正装に身を固め、スッと歩く殿下は、実際、素晴らしかった。
程よく背が高く、背筋を伸ばし、威風堂々と歩く。さすがは次期の国王陛下だ。
居並ぶ者たちはみな頭を下げた。
壇上に現れると、ここ数日ですっかり親しくなったゴートの国王夫妻、王弟殿下ご夫妻などが彼を振り返った。
国王陛下の隣に席を占める。
「素晴らしい男ぶりですこと、殿下」
王妃殿下がからかい気味に誉めた。
「なんということを。気の弱い十代の少年をからかってはいけません。殿下」
「だって、見ましたわ、マンスリー・レポート・メンズ・クラシック」
え? こんなところにまで蔓延しているの? マンスリー・レポート・メンズ・クラシック?
アラン殿下は思わず目を丸くした。王妃殿下はそれを、自分が掲載されている雑誌の存在を知らず、彼が一位になっていることを初めて知って驚いたと勘違いしたようだ。
「オホホ、ご存知なかったでしょう? 私どもも殿下が載っていたので初めて手に取りましたのよ?」
王妃様が話のタネにと、マンスリー・レポート・メンズ・クラシックをわざわざ侍女に買わせて持ってきてくれた。
「わあ……恥ずかしいですね。こんなところに載るだなんて」
「まあまあ、いいではないか。世人の遊びだよ。めくじら立てるほどのものではなかろう」
国王陛下が鷹揚に言う。
そう願えるとありがたい。国王陛下は知らないだろうが、発行人のイライザ嬢は友人だ。
「こちらは許せませんわ」
王妃様が侍女に持たせていたのは、アンジェリーナ・シークレットだった。
「女性を扱うだなんて」
アラン殿下はシエナの絵姿を見て、どきりとした。さっき見たばかりだというのに。そして、ジョゼフに、絵姿入りの方をあと百冊ほど買い占めてこいと言いつけて呆れられたばかりなのに。テオドールなんかに負けていられるか。
「程度ものでしょう」
アラン殿下は軽くいなした。
「そうだな」
国王陛下も男性なので、美人画には寛容らしい。アラン殿下は、そちらには興味がないふりをした。下手に興味を持つと王妃様から何か言われるかもしれない。イライザ嬢は友人だ。
「この国は豊かですね。いろいろな雑誌や選択肢があるということは、その国の懐の深さ、幅広さを感じさせられます」
誉めておくことにした。イライザ嬢が心配だし。
やがて音楽が始まって、お若い方はどうぞとフロアに下ろされてしまった。
キラキラした会場。
だけど、彼を呼び寄せるような顔はただ一つしかなかった。
シエナはリオの隣にいた。
「婚約者だから」
「違うわ?」
人々は噂した。
弟のリオが婚約者に変わるまで、まだ当分かかりそうだというのが、イライザ嬢、キャロライン嬢を始めとしたシエナの友達の見立てである。
「本当に困りましたわねえ」
コーンウォール卿夫人はため息をつき、アラン殿下のおかげで隣国の最新医療を受けた結果、ベッドから起き上がれるようになったハーマン侯爵は「わしが代わりに結婚しようか?」と笑えない冗談を言って、コーンウォール卿夫人に頭を張られていた。
こちらは本物の兄妹なので、頭を張られたくらいでは大した問題にはならない。
「どうしてそのドレスなの?」
「友達から贈られたのですもの」
シエナが着ているのは、アラン殿下が贈ってくれたドレスだった。
「いや、もう、ものすごくムカつくんだけど」
耳元でリオが言う。そういえば……今更ながら思い出したが、リオは嫉妬深かった。いちいちうるさいなと思っていたが、こういう訳だったのか。
現在、全く遠慮のなくなったリオは、ことあるたびに張りついてきて、文句を言いたいところをグッと堪えているらしい。
アラン殿下はなんの躊躇いもなく、シエナのところへ来た。
「ほら、お友達が来ましたわ」
シエナは言った。
リオはピキピキと青筋が立つ気がしたが、シエナは柔らかく微笑んでいた。
「殿下は友情を約束してくださいましたの」
シエナは説明した。
「ですから、私も友情をお約束しました。いつまでも誠実であれと」
「え……そうなんだ(気の毒)」
キラキラ光を放つような殿下は、大勢の視線を浴びながら、シエナのもとへゆっくり歩いてくる。
彼が目指す方向にいる人々は、一歩後ろへ引き、王太子殿下を通す。
まるで、自然に道がひらけていくようだ。
「一曲、踊っていただけませんか?」
目を踊らせて、殿下はシエナの手をとって申し込んだ。
彼のドレスだ。
あの時贈ったドレスを身につけてくれていた。
シエナは微笑んで、腰をかがめてお辞儀をした。
「光栄でございます、殿下」
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