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第36話 建前は親友
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アッシュフォード子爵ことリオと、アランは、友人同士という建前になった。
「なぜ、お前なんかと友人に?」
アランは嫌そうだった。
アッシュフォード子爵は、何にしろアランより目立つ。
「護衛をつけるとは言えませんから」
本来の護衛がアランをなだめた。
「私も表立っては、通訳ってことになっています。アッシュフォード子爵はセドナ語ができませんし、三人も通訳がつくだなんておかしいでしょう。歳が近いので友人枠ならピッタリです」
後で、この話を聞いたイライザ嬢が大喜びしたのは言うまでもない。
「ナンバースリーとナンバーワンが友情を育むだなんて! 絶対見に行かなくちゃ!」
友人設定の打ち合わせのためには、ハーマン侯爵邸が一番好都合だった。
学校は違うし、どちらの学校に行っても、先日の決闘イベントの興奮未だ覚めやらぬ学内では、誰かがきっと聞き耳を立てているだろう。イライザ嬢とか、イライザ嬢とか、イライザ嬢とか。
そこで、三人は、甚だ不本意ながら友達同士になりきり、侯爵家の客間に集まったわけである。
三人というのは、例の護衛兼通訳も、一緒に集まらざるを得なかったからだ。
まあ、当然。
「名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
かしこまってリオが護衛兼通訳に尋ねた。
何を今更な質問だが、聞いたことがなかったので仕方ない。
「はっ。ジョゼフ・アレクサンドル・ブルーノと申します……」
「もういいから」
アランが遮った。
「いろいろしゃべると、何かとバレるから」
「侯爵家の御曹司には、ある程度信用していただきたく……」
殿下としては、そんなことにはまるで興味はなかった。
護衛を増強する話をしたら、心配するセドナ側とゴート側の爺さん連中が、他にも候補がいるからと腕試しの場を設けたのだ。
アランとしては、別にどうでもよろしい。見にも行かなかった。
最終日のみ、勝ち残ったリオが、セドナでも腕利きとして有名なジョゼフと腕試しをすると言うので、コテンパンにのされるアッシュフォード子爵を見物しに会場に赴いたのだ。
「騎士候補生の中でも優秀と聞いたが、所詮は、ヒヨッコ。百戦錬磨のジョゼフにかかかれば、二分で試合終了さ」
念のため、ジョゼフには殺さない様注意しておいた。
だが、意外なことにジョゼフは真剣だった。
「殿下。アッシュフォード子爵は剣士として類い稀な才能の持ち主です。この二日ほど彼の試合を見てきましたが、技術、勘、運動神経、体はまだ出来上がっていませんが、相当なものです」
ちっ。どいつもこいつもアッシュフォード子爵を礼賛しやがって。
せっかく隣国の王太子殿下が会場にご降臨してやったというのに、見物人は、リオとジョゼフの一騎打ちで大盛り上がり。アランに目を向ける者など一人もいない。
いろいろひどい。
しかも、アッシュフォード子爵が現れると、「リーオ! リーオ!」と言う叫び声が上がり出した。
この時点で、ようやくアラン殿下もハタと気付いた。
アッシュフォード子爵、お前か!
お前がリオか!
「アッシュフォード子爵リオネール。お前こそが、このマンスリー・リポート・メンズ・クラシックの不動のナンバーワンの正体だったんだな」
やっと事実関係がわかったアランは、ものすごく渋い顔をした。
確かにマンスリー・レポート・メンズ・クラシックに載りそうな顔だと、内心気付いてはいた。
しかし、先日、アッシュフォード子爵自身が、リオの不動の一位は揺るがない、と宣言していたことを思い出すと、このヤローな気持ちが湧き上がる。
決闘騒ぎの一件で、ようやくセドナの二人もリオ=アッシュフォード子爵と言う構図が飲み込めたのだ。
もっとも、この二人、実は、ゴート国側のことはよく知らない。このヤローとは思ったが、フーン、そうなの?と言った程度だった。
「実は、学内ではアッシュフォード子爵と言う名前は使っていないので、誰も知らないんだ」
リオが告白した。
「シエナも含めて、誰にも言っていない」
アランは妙な顔をした
「隠すようなことじゃないだろう?」
「それが……色々と事情があって」
「何で、シエナに言わないんだ。シエナだって、アッシュフォード子爵のプレゼント攻撃は、多少不気味に思っていると思うぞ? 嫡子ではない弟が、他家の養子になった。よくある話だ」
横でジョゼフが、その通りと言わんばかりに、ふんふんとうなずいている。
「金持ちになった弟が、援助してくれているのだとわかれば、シエナは喜ぶだろうし、安心する。リーズ伯爵自身はダメ貴族だが、ハーマン侯爵家なら伯爵が金をせびりにきてもハネ返せるだけの力があるだろう。シエナが父親のことを大事に思っているとかいうならとにかく、そんな様子もないし」
アッシュフォード子爵こと、リオは苦渋の表情だった。
「シエナはあなたに、リオ……つまり私のことですが、弟だと説明したのでしょう?」
「そりゃそうだ。リーズ姓なんだし」
「私は弟ではないんです」
アランと護衛兼通訳は目を丸くした。
「え?」
「じゃあ、誰なの?」
「従兄弟なのです」
そういえば、初対面の時、従兄弟だと自分自身を紹介していた気がする。
「幼い頃、両親が亡くなって、伯父であるシエナの家に引き取られました。シエナは弟だと信じています」
しばらく沈黙が支配した。
「弟という立場のおかげで、私はシエナのそばにいることができました。弟という立場を手放すと、今より距離ができてしまうかもしれない。それが耐えられなくて」
重度のシスコンだと思っていたが、そうじゃなかったのか。
セドナの二人は、リオに冷たい視線を送った。
「ただ、こうなった今、私は、今更シエナに名乗りを上げられなくなってしまった。シエナは無邪気に弟だと信じています。ずっとずっとシエナだけを見つめてきたのに、どうしたらいいのかわからない」
自業自得じゃねえの?などと、無責任なことをアランは思った。
それにこんな話題、あんまり興味ない。
「シエナ様はお綺麗な方ですしね」
突然合いの手が入った。護衛兼通訳である。
「控えめであまり着飾ったりされませんので、普段は目立ちませんが、いつぞやダンスパーティに出られてあなたと踊られたそうですね。大変な美人だと、噂になっていました」
アランはびっくりした。
あまりそんなことは考えていなかったのだ。
「それで、今しばらくアッシュフォード子爵がリオ・リーズだと、シエナに知らせないでいただきたいのです」
「そりゃ君が希望するなら、別に黙っているのは構わないけど……」
殿下は意地の悪い質問をした。
「その間に、誰かに掻っ攫われたらどうするの?」
「そのための弟です。いつでも一番そばにいられます。アッシュフォード子爵の名前で、断れないプレゼントもしています」
なんかもう、執着が怖くなってきた。
「私はシエナをよく知っています。律儀で、受けた恩を忘れるような人間ではありません」
やってることは人身売買とあまり変わらないじゃないか。
最初の感想と同じだったが、それでも必死なリオを見ると少し同情する気が湧いてきた。
(恋か……)
アランはちょっとだけ羨ましくなった。
アランが恋することは難しい。そんな事態が発生しようものなら、国がひっくり返りそうだ。
だから、彼は恋なんか絶対にするわけにはいかないと心を決めていた。
いかにもテキトーそうに見えようと、中身は王子だった。国の重責が彼の背中にはかかっている。
三人は、一応の合意に達した。
アランとジョゼフは、リオの正体をバラさないこと。
「あの要望は完全に不要だと思うけど」
「我々には関係がありませんから、生暖かく見守りましょう、殿下」
リオは、アランの正体を詮索しないこと。
「何だかバレている気がします。アッシュフォード子爵は、勘がよさそうです。それに消去法で言ったら、殿下しか残らない気がします」
「でも、あの男は多分何も言わないと思うな」
それはそうだろう。アッシュフォード子爵は、アランが王太子殿下だとわかっているに違いない。
ジョゼフは、長年、王太子の身近に仕えてきた。それはセドナ国内では、出世コースを意味する。もちろん責任は重大だったが。
だが、ゴート国の人間であるアッシュフォード子爵が、セドナの王太子の護衛を務めてもメリットはない。
それどころか、万一を考えると危険ですらある。王太子殿下が怪我でもしようものなら、当然責任を問われる立場になる。
そんな危険性の高い仕事を自分から請け負うとは……ジョゼフはため息をついた。
アランの護衛じゃない。リオの目的は、シエナの護衛だった。
「なぜ、お前なんかと友人に?」
アランは嫌そうだった。
アッシュフォード子爵は、何にしろアランより目立つ。
「護衛をつけるとは言えませんから」
本来の護衛がアランをなだめた。
「私も表立っては、通訳ってことになっています。アッシュフォード子爵はセドナ語ができませんし、三人も通訳がつくだなんておかしいでしょう。歳が近いので友人枠ならピッタリです」
後で、この話を聞いたイライザ嬢が大喜びしたのは言うまでもない。
「ナンバースリーとナンバーワンが友情を育むだなんて! 絶対見に行かなくちゃ!」
友人設定の打ち合わせのためには、ハーマン侯爵邸が一番好都合だった。
学校は違うし、どちらの学校に行っても、先日の決闘イベントの興奮未だ覚めやらぬ学内では、誰かがきっと聞き耳を立てているだろう。イライザ嬢とか、イライザ嬢とか、イライザ嬢とか。
そこで、三人は、甚だ不本意ながら友達同士になりきり、侯爵家の客間に集まったわけである。
三人というのは、例の護衛兼通訳も、一緒に集まらざるを得なかったからだ。
まあ、当然。
「名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
かしこまってリオが護衛兼通訳に尋ねた。
何を今更な質問だが、聞いたことがなかったので仕方ない。
「はっ。ジョゼフ・アレクサンドル・ブルーノと申します……」
「もういいから」
アランが遮った。
「いろいろしゃべると、何かとバレるから」
「侯爵家の御曹司には、ある程度信用していただきたく……」
殿下としては、そんなことにはまるで興味はなかった。
護衛を増強する話をしたら、心配するセドナ側とゴート側の爺さん連中が、他にも候補がいるからと腕試しの場を設けたのだ。
アランとしては、別にどうでもよろしい。見にも行かなかった。
最終日のみ、勝ち残ったリオが、セドナでも腕利きとして有名なジョゼフと腕試しをすると言うので、コテンパンにのされるアッシュフォード子爵を見物しに会場に赴いたのだ。
「騎士候補生の中でも優秀と聞いたが、所詮は、ヒヨッコ。百戦錬磨のジョゼフにかかかれば、二分で試合終了さ」
念のため、ジョゼフには殺さない様注意しておいた。
だが、意外なことにジョゼフは真剣だった。
「殿下。アッシュフォード子爵は剣士として類い稀な才能の持ち主です。この二日ほど彼の試合を見てきましたが、技術、勘、運動神経、体はまだ出来上がっていませんが、相当なものです」
ちっ。どいつもこいつもアッシュフォード子爵を礼賛しやがって。
せっかく隣国の王太子殿下が会場にご降臨してやったというのに、見物人は、リオとジョゼフの一騎打ちで大盛り上がり。アランに目を向ける者など一人もいない。
いろいろひどい。
しかも、アッシュフォード子爵が現れると、「リーオ! リーオ!」と言う叫び声が上がり出した。
この時点で、ようやくアラン殿下もハタと気付いた。
アッシュフォード子爵、お前か!
お前がリオか!
「アッシュフォード子爵リオネール。お前こそが、このマンスリー・リポート・メンズ・クラシックの不動のナンバーワンの正体だったんだな」
やっと事実関係がわかったアランは、ものすごく渋い顔をした。
確かにマンスリー・レポート・メンズ・クラシックに載りそうな顔だと、内心気付いてはいた。
しかし、先日、アッシュフォード子爵自身が、リオの不動の一位は揺るがない、と宣言していたことを思い出すと、このヤローな気持ちが湧き上がる。
決闘騒ぎの一件で、ようやくセドナの二人もリオ=アッシュフォード子爵と言う構図が飲み込めたのだ。
もっとも、この二人、実は、ゴート国側のことはよく知らない。このヤローとは思ったが、フーン、そうなの?と言った程度だった。
「実は、学内ではアッシュフォード子爵と言う名前は使っていないので、誰も知らないんだ」
リオが告白した。
「シエナも含めて、誰にも言っていない」
アランは妙な顔をした
「隠すようなことじゃないだろう?」
「それが……色々と事情があって」
「何で、シエナに言わないんだ。シエナだって、アッシュフォード子爵のプレゼント攻撃は、多少不気味に思っていると思うぞ? 嫡子ではない弟が、他家の養子になった。よくある話だ」
横でジョゼフが、その通りと言わんばかりに、ふんふんとうなずいている。
「金持ちになった弟が、援助してくれているのだとわかれば、シエナは喜ぶだろうし、安心する。リーズ伯爵自身はダメ貴族だが、ハーマン侯爵家なら伯爵が金をせびりにきてもハネ返せるだけの力があるだろう。シエナが父親のことを大事に思っているとかいうならとにかく、そんな様子もないし」
アッシュフォード子爵こと、リオは苦渋の表情だった。
「シエナはあなたに、リオ……つまり私のことですが、弟だと説明したのでしょう?」
「そりゃそうだ。リーズ姓なんだし」
「私は弟ではないんです」
アランと護衛兼通訳は目を丸くした。
「え?」
「じゃあ、誰なの?」
「従兄弟なのです」
そういえば、初対面の時、従兄弟だと自分自身を紹介していた気がする。
「幼い頃、両親が亡くなって、伯父であるシエナの家に引き取られました。シエナは弟だと信じています」
しばらく沈黙が支配した。
「弟という立場のおかげで、私はシエナのそばにいることができました。弟という立場を手放すと、今より距離ができてしまうかもしれない。それが耐えられなくて」
重度のシスコンだと思っていたが、そうじゃなかったのか。
セドナの二人は、リオに冷たい視線を送った。
「ただ、こうなった今、私は、今更シエナに名乗りを上げられなくなってしまった。シエナは無邪気に弟だと信じています。ずっとずっとシエナだけを見つめてきたのに、どうしたらいいのかわからない」
自業自得じゃねえの?などと、無責任なことをアランは思った。
それにこんな話題、あんまり興味ない。
「シエナ様はお綺麗な方ですしね」
突然合いの手が入った。護衛兼通訳である。
「控えめであまり着飾ったりされませんので、普段は目立ちませんが、いつぞやダンスパーティに出られてあなたと踊られたそうですね。大変な美人だと、噂になっていました」
アランはびっくりした。
あまりそんなことは考えていなかったのだ。
「それで、今しばらくアッシュフォード子爵がリオ・リーズだと、シエナに知らせないでいただきたいのです」
「そりゃ君が希望するなら、別に黙っているのは構わないけど……」
殿下は意地の悪い質問をした。
「その間に、誰かに掻っ攫われたらどうするの?」
「そのための弟です。いつでも一番そばにいられます。アッシュフォード子爵の名前で、断れないプレゼントもしています」
なんかもう、執着が怖くなってきた。
「私はシエナをよく知っています。律儀で、受けた恩を忘れるような人間ではありません」
やってることは人身売買とあまり変わらないじゃないか。
最初の感想と同じだったが、それでも必死なリオを見ると少し同情する気が湧いてきた。
(恋か……)
アランはちょっとだけ羨ましくなった。
アランが恋することは難しい。そんな事態が発生しようものなら、国がひっくり返りそうだ。
だから、彼は恋なんか絶対にするわけにはいかないと心を決めていた。
いかにもテキトーそうに見えようと、中身は王子だった。国の重責が彼の背中にはかかっている。
三人は、一応の合意に達した。
アランとジョゼフは、リオの正体をバラさないこと。
「あの要望は完全に不要だと思うけど」
「我々には関係がありませんから、生暖かく見守りましょう、殿下」
リオは、アランの正体を詮索しないこと。
「何だかバレている気がします。アッシュフォード子爵は、勘がよさそうです。それに消去法で言ったら、殿下しか残らない気がします」
「でも、あの男は多分何も言わないと思うな」
それはそうだろう。アッシュフォード子爵は、アランが王太子殿下だとわかっているに違いない。
ジョゼフは、長年、王太子の身近に仕えてきた。それはセドナ国内では、出世コースを意味する。もちろん責任は重大だったが。
だが、ゴート国の人間であるアッシュフォード子爵が、セドナの王太子の護衛を務めてもメリットはない。
それどころか、万一を考えると危険ですらある。王太子殿下が怪我でもしようものなら、当然責任を問われる立場になる。
そんな危険性の高い仕事を自分から請け負うとは……ジョゼフはため息をついた。
アランの護衛じゃない。リオの目的は、シエナの護衛だった。
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