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第32話 アラン殿下 VS アッシュフォード子爵 その1
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「ねえ、シエナ、アッシュフォード子爵って誰だか知ってる?」
気軽な調子で尋ねたアラン殿下は、シエナの表情を見て、ドキンとした。
いつもの朗らかで、愛想の良い様子と明らかに違った。
だが、それも一瞬のことで、いつもと同じような調子でシエナは返事をした。
「元騎士団長のハーマン侯爵のご子息ですわ」
アラン殿下はシエナの顔を覗き込んで聞いた。
「知り合いなの?」
「いえ。違います」
「でも、今、反応が違ったよ。知ってるんだよね?」
「あの、それは……お聞かせするようなことでは、なくて……」
「聞きたいな」
アラン殿下は、ご身分柄、人のことなんかどうでもいいと思っていた。
他人の事情なんか面倒くさいだけだ。特に面と向かって話をされるのは、嫌だった。噂話なら、割合歓迎だが、悩みを聞いたり相談に乗ったりするのは好きじゃない。
だが、今、アランは猛烈に気になったので、シエナをセドナの王太子特権で使える部屋へ連れ込んだ。
「どう言うことなの?」
貧乏貴族というものがいることは知っていても、王太子殿下にそんなこと、正確に理解できているはずがなかった。
王宮に出入りするためには、お金がいる。
当然だ。
稼げない人物は能力がないのだ。そんな人物に王家だって用事はない。それだけのことだ。
「借金がありまして」
シエナはうつむき加減にひとつひとつ言葉を取り出す。
なぜ、アラン殿下にまで、こんな家の事情を話さなければいけないのだろう。
アランはしかし真剣だった。
「着る服もなかったと。それを助けてもらったんだね」
「はい……」
「実家もか。食料や薪の世話までしてもらったのか」
アランはだんだん眉間の皺を深めていった。
「君はそれで良かったのか?」
「本当に助かりました。嬉しかった。だって、私は、あれがなかったら……あのドレスがなかったら、もっと困ったことになっていたと思います」
「もっと、困ったことって?」
シエナはちょっと黙った。
気を遣ってか、部屋には護衛も誰も入ってこなかった。
シエナが、殿下に悪いことをするとは思えなかった。
「私には婚約者がいたのですが……」
アランは息を呑んだ。婚約者のいる女性を毎日連れ回すのは問題だ。
「それは知らなかった。その人がアッシュフォード子爵だったのか」
婚約者のためにドレスを贈り、衣住食の世話をする。
食料品や薪の世話までするのは変だったが、婚約者ならあり得るのかもしれなかった。
「でも、会ったことは無いんだよね?」
ふと、テオドール・クレイブンの話を思い出した。自分の容貌(あご)にコンプレックスを抱いているとかいう。
そんな感じの男なのかも知れない。
姿を現した途端に魔法が解けてしまう男。
年齢は、まだ学校に行っているくらいだから若いのだろう。だが、きっと、容貌に自信がないのだろう。
「いいえ。婚約者は、ゴア男爵家の跡取りで、ジョージという方ですわ。でも、私の家があまりにも貧しいので婚約破棄されてしまいました。それを聞いてか、アッシュフォード子爵は豪華なドレスを贈ってくださったのです」
貧乏なので婚約破棄!
字面的には衝撃的だったが、婚約は家同士の契約だ。
メリットがなくなれば、解消や破棄はあり得ること。
「それで? そのプレゼントは何か意味があったの? 婚約が元に戻ったとか」
シエナは首を振った。
護衛たちが用意してくれたお茶が冷めていく。
「いいえ。戻りません。ですけど、豪華なドレスを着たことで、伯爵家の破産の噂はなんとなく立ち消えになりました。そのおかげで、私は普通の生徒として勉強できるようになったのです。アラン様の通訳も務めさせていただくことができました。アッシュフォード子爵様には感謝してもしきれません」
「だけど……それで、君に権利があると言うなら、まるで、そう、まるで人身売買のようだよ」
シエナは顔を上げた。
「私はアッシュフォード子爵様を存じません。どう言う意図があるのか分かりません」
「でもね! こんな手紙をこの僕に送ってくるとこを見ると、絶対に僕に、君と別れろと言いたいんだと思うよ!」
アランは、ガサガサ音を立てて、大急ぎで、今朝方着いたもう一通の手紙を差し出した。
「会見の場に、君をこさせないでくれと書いてある! 僕とだけ話をしたいって! 相変わらず姿を見せないつもりなんだな」
「私はアッシュフォード子爵にお会いしたいです。お礼を申し上げる機会があれば……」
「ダメだ。相手は君をがんじがらめにしているんだ。ドレスや必需品で縛って。断れないようにしているんだ」
どうして、それがわからないんだ。アランは、じれったくなった。
このアッシュフォード子爵と言う男は、可愛らしい娘を金の力で好きなようにしようと高価な贈り物を贈り続けているのだ。
「私にはわかりません。使用人もハーマン侯爵家からの者たちばかりですが、本当に良くしてもらっていますし」
「ハーマン侯爵家?」
「アッシュフォード子爵はハーマン侯爵の嫡子なのです。子爵号を持ってらっしゃるので、御子息に名乗らせていらしゃるのですわ」
家の中も取り囲まれているのか。
アランはアッシュフォード子爵のやり方に頭がくらくらした。
こんなに賢い子なのに。
そして美人だ。
なのに、お金がないばっかりに、醜男で、人前にすら出られないような男に買われていくのだ。
アランは、イライザのマンスリー・リポート・メンズ・クラシックを知らなかったが、もし、このイケメンランキングにアッシュフォード子爵が一度も載ったことがないとわかれば、深く納得しただろう。(そのほか自分が四位にランキングされたことを知ったら、狂喜するかもしれない)
アランは腹が立った。猛烈に。
そして貧乏の悲哀を痛感した。
こんな状況すら、感謝して甘んじなければならないのか。
「事情はわかった。行ってくる」
シエナはあわてた。
自分の説明が悪かったのか、どうもアラン様はアッシュフォード子爵に悪印象を持った感じがする。
世話になっているアッシュフォード子爵にそれは困る。
「大丈夫だ。大丈夫だよ」
シエナが何を心配しているのか察したアランは言った。
「権力をカサに相手に圧力をかけたりしないよ。今の僕はただの一貴族だからね」
アランは慰めた。
それにしても、どいつもこいつも根性のないやつばかりである。
相手の意向も確認せずに、イケメン(アランのことである)を排除しようとか、割と卑怯である。
アランは断定した。
「自分に自信がないと、こうなるんだな」
アランはそんなことを考えながら、護衛だけを連れてハーマン侯爵家へ赴いた。
「なんだか会わせたくないな。そんな男に、シエナを」
一度、会ってしまったら、律儀なシエナのことだ。絶対にアッシュフォード子爵を裏切らないだろう。
今は、顔も知らないので、ただプレゼントを受け取っているだけだ。
だが、会えば、アッシュフォード子爵も黙ってはいるまい。
「まあ、なんで、アッシュフォード子爵と会うのに、ハーマン侯爵家が会場なのか、理由はわかったけど……」
親の家なわけだ。
「シエナと会わない理由も、これでわかったよ」
姿を見せたら、嫌われるくらい醜い男なのだ。
招きに応じて訪れたハーマン侯爵邸は、時代のついた立派な石造りの屋敷だった。荘厳な雰囲気で、王宮に慣れたアランでさえ少し驚いた。
「筆頭侯爵家だそうでございます」
通訳として付いてきた護衛がヒソヒソ教えてくれた。
「そうか」
アランは気を引き締めた。
今日の彼は、セドナの王太子ではない。
爵位もない一貴族だ。
大丈夫。アランはバカではない。度胸も、押し出しの良さもある。
アランは服を直して、背筋をピンと伸ばした。
「行くぞ」
気軽な調子で尋ねたアラン殿下は、シエナの表情を見て、ドキンとした。
いつもの朗らかで、愛想の良い様子と明らかに違った。
だが、それも一瞬のことで、いつもと同じような調子でシエナは返事をした。
「元騎士団長のハーマン侯爵のご子息ですわ」
アラン殿下はシエナの顔を覗き込んで聞いた。
「知り合いなの?」
「いえ。違います」
「でも、今、反応が違ったよ。知ってるんだよね?」
「あの、それは……お聞かせするようなことでは、なくて……」
「聞きたいな」
アラン殿下は、ご身分柄、人のことなんかどうでもいいと思っていた。
他人の事情なんか面倒くさいだけだ。特に面と向かって話をされるのは、嫌だった。噂話なら、割合歓迎だが、悩みを聞いたり相談に乗ったりするのは好きじゃない。
だが、今、アランは猛烈に気になったので、シエナをセドナの王太子特権で使える部屋へ連れ込んだ。
「どう言うことなの?」
貧乏貴族というものがいることは知っていても、王太子殿下にそんなこと、正確に理解できているはずがなかった。
王宮に出入りするためには、お金がいる。
当然だ。
稼げない人物は能力がないのだ。そんな人物に王家だって用事はない。それだけのことだ。
「借金がありまして」
シエナはうつむき加減にひとつひとつ言葉を取り出す。
なぜ、アラン殿下にまで、こんな家の事情を話さなければいけないのだろう。
アランはしかし真剣だった。
「着る服もなかったと。それを助けてもらったんだね」
「はい……」
「実家もか。食料や薪の世話までしてもらったのか」
アランはだんだん眉間の皺を深めていった。
「君はそれで良かったのか?」
「本当に助かりました。嬉しかった。だって、私は、あれがなかったら……あのドレスがなかったら、もっと困ったことになっていたと思います」
「もっと、困ったことって?」
シエナはちょっと黙った。
気を遣ってか、部屋には護衛も誰も入ってこなかった。
シエナが、殿下に悪いことをするとは思えなかった。
「私には婚約者がいたのですが……」
アランは息を呑んだ。婚約者のいる女性を毎日連れ回すのは問題だ。
「それは知らなかった。その人がアッシュフォード子爵だったのか」
婚約者のためにドレスを贈り、衣住食の世話をする。
食料品や薪の世話までするのは変だったが、婚約者ならあり得るのかもしれなかった。
「でも、会ったことは無いんだよね?」
ふと、テオドール・クレイブンの話を思い出した。自分の容貌(あご)にコンプレックスを抱いているとかいう。
そんな感じの男なのかも知れない。
姿を現した途端に魔法が解けてしまう男。
年齢は、まだ学校に行っているくらいだから若いのだろう。だが、きっと、容貌に自信がないのだろう。
「いいえ。婚約者は、ゴア男爵家の跡取りで、ジョージという方ですわ。でも、私の家があまりにも貧しいので婚約破棄されてしまいました。それを聞いてか、アッシュフォード子爵は豪華なドレスを贈ってくださったのです」
貧乏なので婚約破棄!
字面的には衝撃的だったが、婚約は家同士の契約だ。
メリットがなくなれば、解消や破棄はあり得ること。
「それで? そのプレゼントは何か意味があったの? 婚約が元に戻ったとか」
シエナは首を振った。
護衛たちが用意してくれたお茶が冷めていく。
「いいえ。戻りません。ですけど、豪華なドレスを着たことで、伯爵家の破産の噂はなんとなく立ち消えになりました。そのおかげで、私は普通の生徒として勉強できるようになったのです。アラン様の通訳も務めさせていただくことができました。アッシュフォード子爵様には感謝してもしきれません」
「だけど……それで、君に権利があると言うなら、まるで、そう、まるで人身売買のようだよ」
シエナは顔を上げた。
「私はアッシュフォード子爵様を存じません。どう言う意図があるのか分かりません」
「でもね! こんな手紙をこの僕に送ってくるとこを見ると、絶対に僕に、君と別れろと言いたいんだと思うよ!」
アランは、ガサガサ音を立てて、大急ぎで、今朝方着いたもう一通の手紙を差し出した。
「会見の場に、君をこさせないでくれと書いてある! 僕とだけ話をしたいって! 相変わらず姿を見せないつもりなんだな」
「私はアッシュフォード子爵にお会いしたいです。お礼を申し上げる機会があれば……」
「ダメだ。相手は君をがんじがらめにしているんだ。ドレスや必需品で縛って。断れないようにしているんだ」
どうして、それがわからないんだ。アランは、じれったくなった。
このアッシュフォード子爵と言う男は、可愛らしい娘を金の力で好きなようにしようと高価な贈り物を贈り続けているのだ。
「私にはわかりません。使用人もハーマン侯爵家からの者たちばかりですが、本当に良くしてもらっていますし」
「ハーマン侯爵家?」
「アッシュフォード子爵はハーマン侯爵の嫡子なのです。子爵号を持ってらっしゃるので、御子息に名乗らせていらしゃるのですわ」
家の中も取り囲まれているのか。
アランはアッシュフォード子爵のやり方に頭がくらくらした。
こんなに賢い子なのに。
そして美人だ。
なのに、お金がないばっかりに、醜男で、人前にすら出られないような男に買われていくのだ。
アランは、イライザのマンスリー・リポート・メンズ・クラシックを知らなかったが、もし、このイケメンランキングにアッシュフォード子爵が一度も載ったことがないとわかれば、深く納得しただろう。(そのほか自分が四位にランキングされたことを知ったら、狂喜するかもしれない)
アランは腹が立った。猛烈に。
そして貧乏の悲哀を痛感した。
こんな状況すら、感謝して甘んじなければならないのか。
「事情はわかった。行ってくる」
シエナはあわてた。
自分の説明が悪かったのか、どうもアラン様はアッシュフォード子爵に悪印象を持った感じがする。
世話になっているアッシュフォード子爵にそれは困る。
「大丈夫だ。大丈夫だよ」
シエナが何を心配しているのか察したアランは言った。
「権力をカサに相手に圧力をかけたりしないよ。今の僕はただの一貴族だからね」
アランは慰めた。
それにしても、どいつもこいつも根性のないやつばかりである。
相手の意向も確認せずに、イケメン(アランのことである)を排除しようとか、割と卑怯である。
アランは断定した。
「自分に自信がないと、こうなるんだな」
アランはそんなことを考えながら、護衛だけを連れてハーマン侯爵家へ赴いた。
「なんだか会わせたくないな。そんな男に、シエナを」
一度、会ってしまったら、律儀なシエナのことだ。絶対にアッシュフォード子爵を裏切らないだろう。
今は、顔も知らないので、ただプレゼントを受け取っているだけだ。
だが、会えば、アッシュフォード子爵も黙ってはいるまい。
「まあ、なんで、アッシュフォード子爵と会うのに、ハーマン侯爵家が会場なのか、理由はわかったけど……」
親の家なわけだ。
「シエナと会わない理由も、これでわかったよ」
姿を見せたら、嫌われるくらい醜い男なのだ。
招きに応じて訪れたハーマン侯爵邸は、時代のついた立派な石造りの屋敷だった。荘厳な雰囲気で、王宮に慣れたアランでさえ少し驚いた。
「筆頭侯爵家だそうでございます」
通訳として付いてきた護衛がヒソヒソ教えてくれた。
「そうか」
アランは気を引き締めた。
今日の彼は、セドナの王太子ではない。
爵位もない一貴族だ。
大丈夫。アランはバカではない。度胸も、押し出しの良さもある。
アランは服を直して、背筋をピンと伸ばした。
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