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第24話 誤解の理由
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リオは初めてシエナに会った時のことを鮮明に覚えている。
あの時は、とても不安だった。
雨の降る暗い日で、伯爵家の城は古く、手入れもろくにされておらず、陰気な感じだった。
連れてきてくれた、執事だと名乗る男は粗暴で、邪険だった。
だが、奥から出て来た少女は、長い美しい髪を無造作になびかせ、走り寄ってきて「私の弟ね!」と叫んだのだ。
その顔は元気よく走って来たので、赤く染まり、リオの手をつかんだ彼女の手はあたたかかった。可愛い顔は満面の笑顔だった。
「リオと言うのね! 雨に濡れてるわ。こっちへ来て!」
かわいい。
「私、お姉さんよ! 弟ができてうれしい」
年は同じだと聞いた。構わない。弟になろう。
リオは即断した。
伯爵がリオのことを従兄妹だと訂正しなかったのには訳がある。
多分、面倒くさかったのと、弟だと言うことにしておけば絶対面倒は起きないと考えたのだろう。
伯爵は娘シエナの呑気で素直な性格を知っていた。
弟だと信じれば、絶対にリオに恋愛感情を持たないだろう。
伯爵はシエナがかわいい顔をしていることに気がついていた。伯爵家は貧乏だったが、これだけかわいい娘なら、きっと金持ちの家が喜んで婚姻を結んでくれるだろう。
リオなんかとんでもない。
リオの両親の財産は、もうすでに没収して伯爵家の借金の返済に充てていた。
リオはまだ子どもだからわからないだろう。その意味ではリオはもう使い途がないのだ。金を絞れるだけ絞ったカスだった。
伯爵夫妻は王都に戻らなければならなかったし、この二人にお金を掛けないで済ませたかったら、田舎に置いておく方がよかった。だが、見ればリオも、利発そうでとてもかわいい顔をしていた。二人が好きあって結婚したいなどと言われては面倒だった。
だから伯爵は何も言わなかった。
姉弟なら、仲良く暮らすのはいいことだった。
シエナがまだ自分より背が低かったリオを、弟だと勝手に思い込んだことを利用したのだ。
実の子どもであるシエナは無邪気に親を信じていたが、リオはそうはいかない。伯爵のことは、いいように思っていない。
大きくなるにつれて、事情はなんとなく分かって来た。
だが、シエナの誤解はそのままだ。
リオが、アッシュフォード子爵だと名乗って現れたら、シエナはどう思うだろう? アッシュフォード子爵は弟だと思うだけだろう。
でも、プレゼントはどうしてもしたかった。
あんな服を着て、プライドの高そうな生徒が大勢いる学園に出入りしている様子は見ていられない。
寒い思いもさせたくない。
そして誰にも手出しされたくなかった。
ベイリー(息子)が持ってきたたくさんの手紙を読んでいるうちに、リオは頭に血が上って来た。
コーンウォール夫人の努力の賜物で、リオには申し込んできた人々がどんな人種なのかわかるようになってきていた。
女癖の悪い男爵だとか、高齢の伯爵だとか、裕福なだけの商人などまで、身の程もわきませず厚かましく申し込んできた。
ゴア家の婚約解消を聞いて舐めているのだ。
そのほかの息子の嫁を考えているらしい家からの申し出もすべて一切合切お断りしたかったが、コーンウォール夫人に止められた。
「早くあなたが名乗り出ればすべては治まるのですよ? それに、これらのおうちは今後、夫人同志でお付き合いが広がるでしょう。ここでお知り合いになっておけば、後が楽です」
コーンウォール夫人は、威厳たっぷりの押しも押されぬ貴婦人だった。
今日も今日とて、見事な刺繍がある黒絹のサテンの服をサラサラ言わせながら、強硬にリオに迫り来た。
「どうしてハーマン侯爵の跡取りだと名乗り出ないのですか? あなたは今はアッシュフォード子爵の名前なのに。それに、もうお披露目の会も予定しているのですよ? あまり時間がないわ。リーズ伯爵令嬢は先だってのダンスパーティで拝見しました。確かに美しいお嬢さんでしたよ」
コーンウォール卿夫人が、一見、何の関係もなさそうな貴族学園のダンスパーティなどを見物に来たことは、一部で噂になっていた。
コーンウォール卿夫妻に子どもはいない。
これまでも、学園関係のイベントなどに興味を示したことはなかった。
だが、扇子で顔を隠していたが、明らかに気になるもの……人物がいるらしく、熱心に見つめていた。
「貴族学園に通っているなら、曲がりなりにも礼儀作法の時間があります。生まれが伯爵家なら心配はない筈ですが、あなたの話を聞いていると少々心もとない。侯爵夫人として恥ずかしくない立ち居振る舞いを身につけるなら、早い方がいいのに、どうしていつまでも話を決めないの?」
ハーマン侯爵家の重厚な造りの応接室で、でっぷり太っているが、目つき鋭いこコーンウォール夫人に問い詰められたリオは大弱りだった。
「なに? 自信がない?」
あのダンス会場でリオ程目立った男性はいただろうか。
「これまで、妹だと思い込んでいたのです。気持ち悪がられては嫌だなあと」
「そんなこと。だって、騎士学校は最年少でも十六歳にならないと入学できないではありませんか。シエナ嬢の弟なら十五歳以下のはず。つまり絶対に入学できない。誕生日が違うのですから、双子でもない。どうして気がつかないのかしら?」
「ね? シエナの誕生日に僕は贈り物するよ」
シエナは不思議な気持ちになっていた。
目の前にいるリオは、田舎にいた時のリオと全く同じなのに、王都にいるとなんだか違って見える。
最初、学校で会った時はあんなになつかしかったのに、こうやって向かい合っていると、なんだか気恥ずかしい気持ちが少しある。
「あ、じゃあ、私もリオに何かプレゼントするね?」
「誕生日、覚えてる?」
「もちろんよ! リオは十二月祭りの真っただ中の誕生日」
「シエナはもうすぐだね。十二月祭りは、伯爵家に呼んでよ」
本当にどうしたらいいのかわからない。
魔王様はこの有様を喜ぶかしら。弟と言え、男性とこんなに近い……。
「ねえ、リオ、魔王様は私を気に入ってくださっているって、ハーマン侯爵家の人たちは言うのだけど」
「うん。それだけプレゼント攻勢ってことは本気なんだろうな」
「本気って……」
「きっと、好きなんだろ」
「好き?」
「きっと、ものすごく好きだと思う。ずいぶんな金額をプレゼントされているよね。まあ、愛情をお金で図るのは間違いだと思うけど」
「そうね……」
ドレスは一流の品だった。宝石までもらっている。
「別にお金が全てではないと思うけど、本気度は現れているんじゃないかな」
ちょっと黙ってからリオは付け加えた。
「きっと、とても愛しているんだと思う。何物にも代えがたいくらいに」
シエナはショックだった。それは恋人として?
「でも、でもね? リオ、それはいったい?」
どう言う好きなの? この道はどこへ続いているのかわからない。
リオは十二月祭には、伯爵家に呼んで欲しいと言うけど、魔王様はどうしたいのだろう。
もちろん、リオは実の弟だ。だから、家に呼んだって全然かまわない。でも十二月祭りには、魔王様も来たがるんじゃないかしら?
「魔王様とリオが仲良くなってくれたらいいのだけど……」
リオがピクンと動いた。
だけど、今のリオはなんだか不安。
リオは弟。リオは弟。
それなのに、カフェを出て、手をつないだまま、にぎやかな町の広場に向かって歩いていく自分たちは恋人以外に見えないと思うの。
「シエナ、これ、似合うよ、きっと」
こまごましたリボンを選んで買ってくれたり、おいしそうな小さな焼き菓子を買って一緒に食べたりして、リオとシエナは一日中町で遊んだ。
そして、それは全然疲れなかったし、とても楽しかった。
「じゃあ、またね」
リオが別れがたいという表情をした。
シエナはどう解釈したらいいかわからなかった。
あの時は、とても不安だった。
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かわいい。
「私、お姉さんよ! 弟ができてうれしい」
年は同じだと聞いた。構わない。弟になろう。
リオは即断した。
伯爵がリオのことを従兄妹だと訂正しなかったのには訳がある。
多分、面倒くさかったのと、弟だと言うことにしておけば絶対面倒は起きないと考えたのだろう。
伯爵は娘シエナの呑気で素直な性格を知っていた。
弟だと信じれば、絶対にリオに恋愛感情を持たないだろう。
伯爵はシエナがかわいい顔をしていることに気がついていた。伯爵家は貧乏だったが、これだけかわいい娘なら、きっと金持ちの家が喜んで婚姻を結んでくれるだろう。
リオなんかとんでもない。
リオの両親の財産は、もうすでに没収して伯爵家の借金の返済に充てていた。
リオはまだ子どもだからわからないだろう。その意味ではリオはもう使い途がないのだ。金を絞れるだけ絞ったカスだった。
伯爵夫妻は王都に戻らなければならなかったし、この二人にお金を掛けないで済ませたかったら、田舎に置いておく方がよかった。だが、見ればリオも、利発そうでとてもかわいい顔をしていた。二人が好きあって結婚したいなどと言われては面倒だった。
だから伯爵は何も言わなかった。
姉弟なら、仲良く暮らすのはいいことだった。
シエナがまだ自分より背が低かったリオを、弟だと勝手に思い込んだことを利用したのだ。
実の子どもであるシエナは無邪気に親を信じていたが、リオはそうはいかない。伯爵のことは、いいように思っていない。
大きくなるにつれて、事情はなんとなく分かって来た。
だが、シエナの誤解はそのままだ。
リオが、アッシュフォード子爵だと名乗って現れたら、シエナはどう思うだろう? アッシュフォード子爵は弟だと思うだけだろう。
でも、プレゼントはどうしてもしたかった。
あんな服を着て、プライドの高そうな生徒が大勢いる学園に出入りしている様子は見ていられない。
寒い思いもさせたくない。
そして誰にも手出しされたくなかった。
ベイリー(息子)が持ってきたたくさんの手紙を読んでいるうちに、リオは頭に血が上って来た。
コーンウォール夫人の努力の賜物で、リオには申し込んできた人々がどんな人種なのかわかるようになってきていた。
女癖の悪い男爵だとか、高齢の伯爵だとか、裕福なだけの商人などまで、身の程もわきませず厚かましく申し込んできた。
ゴア家の婚約解消を聞いて舐めているのだ。
そのほかの息子の嫁を考えているらしい家からの申し出もすべて一切合切お断りしたかったが、コーンウォール夫人に止められた。
「早くあなたが名乗り出ればすべては治まるのですよ? それに、これらのおうちは今後、夫人同志でお付き合いが広がるでしょう。ここでお知り合いになっておけば、後が楽です」
コーンウォール夫人は、威厳たっぷりの押しも押されぬ貴婦人だった。
今日も今日とて、見事な刺繍がある黒絹のサテンの服をサラサラ言わせながら、強硬にリオに迫り来た。
「どうしてハーマン侯爵の跡取りだと名乗り出ないのですか? あなたは今はアッシュフォード子爵の名前なのに。それに、もうお披露目の会も予定しているのですよ? あまり時間がないわ。リーズ伯爵令嬢は先だってのダンスパーティで拝見しました。確かに美しいお嬢さんでしたよ」
コーンウォール卿夫人が、一見、何の関係もなさそうな貴族学園のダンスパーティなどを見物に来たことは、一部で噂になっていた。
コーンウォール卿夫妻に子どもはいない。
これまでも、学園関係のイベントなどに興味を示したことはなかった。
だが、扇子で顔を隠していたが、明らかに気になるもの……人物がいるらしく、熱心に見つめていた。
「貴族学園に通っているなら、曲がりなりにも礼儀作法の時間があります。生まれが伯爵家なら心配はない筈ですが、あなたの話を聞いていると少々心もとない。侯爵夫人として恥ずかしくない立ち居振る舞いを身につけるなら、早い方がいいのに、どうしていつまでも話を決めないの?」
ハーマン侯爵家の重厚な造りの応接室で、でっぷり太っているが、目つき鋭いこコーンウォール夫人に問い詰められたリオは大弱りだった。
「なに? 自信がない?」
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「これまで、妹だと思い込んでいたのです。気持ち悪がられては嫌だなあと」
「そんなこと。だって、騎士学校は最年少でも十六歳にならないと入学できないではありませんか。シエナ嬢の弟なら十五歳以下のはず。つまり絶対に入学できない。誕生日が違うのですから、双子でもない。どうして気がつかないのかしら?」
「ね? シエナの誕生日に僕は贈り物するよ」
シエナは不思議な気持ちになっていた。
目の前にいるリオは、田舎にいた時のリオと全く同じなのに、王都にいるとなんだか違って見える。
最初、学校で会った時はあんなになつかしかったのに、こうやって向かい合っていると、なんだか気恥ずかしい気持ちが少しある。
「あ、じゃあ、私もリオに何かプレゼントするね?」
「誕生日、覚えてる?」
「もちろんよ! リオは十二月祭りの真っただ中の誕生日」
「シエナはもうすぐだね。十二月祭りは、伯爵家に呼んでよ」
本当にどうしたらいいのかわからない。
魔王様はこの有様を喜ぶかしら。弟と言え、男性とこんなに近い……。
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「本気って……」
「きっと、好きなんだろ」
「好き?」
「きっと、ものすごく好きだと思う。ずいぶんな金額をプレゼントされているよね。まあ、愛情をお金で図るのは間違いだと思うけど」
「そうね……」
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ちょっと黙ってからリオは付け加えた。
「きっと、とても愛しているんだと思う。何物にも代えがたいくらいに」
シエナはショックだった。それは恋人として?
「でも、でもね? リオ、それはいったい?」
どう言う好きなの? この道はどこへ続いているのかわからない。
リオは十二月祭には、伯爵家に呼んで欲しいと言うけど、魔王様はどうしたいのだろう。
もちろん、リオは実の弟だ。だから、家に呼んだって全然かまわない。でも十二月祭りには、魔王様も来たがるんじゃないかしら?
「魔王様とリオが仲良くなってくれたらいいのだけど……」
リオがピクンと動いた。
だけど、今のリオはなんだか不安。
リオは弟。リオは弟。
それなのに、カフェを出て、手をつないだまま、にぎやかな町の広場に向かって歩いていく自分たちは恋人以外に見えないと思うの。
「シエナ、これ、似合うよ、きっと」
こまごましたリボンを選んで買ってくれたり、おいしそうな小さな焼き菓子を買って一緒に食べたりして、リオとシエナは一日中町で遊んだ。
そして、それは全然疲れなかったし、とても楽しかった。
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