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第46話 なぜか修羅場は開催される
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「バーバラは私の孤児院で子どもの世話をさせるために雇った娘だったの。初めて会った時から男爵令嬢だと名乗っていました。すごく気が強そうなプライドの高い娘だったけど、とても貧乏してきたことはすぐにわかりました」
ジャックは裕福な家の育ちだった。
自分自身も男爵家だったが、彼はそんなこと気にしたこともなかった。
「誰も彼女の話を真面目に聞かなかった。きっと私が初めてだったのでしょう。そんなことする必要もなかったのだけど、調べたの。ほんとかどうか。主に彼女のプライドのためにね。彼女は惨めな暮らしをしてきた。だから唯一人に誇れるものとして生まれの高貴さにこだわったのでしょう」
しっとり話すシルビア嬢は優しそうで、いかにも優雅な雰囲気だったが、内容はそうではなかった。
「父親は男爵位はあったけど、祖父の代から借金漬けで、酒浸りの本当にクズのような男だった。あのロストフ公爵の国から来たダンサーのヒモになって暮らしてたのよ。バーバラだって父親のことは大嫌いだった。そうね、男爵令嬢だと言えるのは、その父親がクズ過ぎて爵位を売る前に死んでしまったからなのよ」
「どういう意味ですか?」
「普通、そこまで貧窮したら爵位なんか売るわ。つまり、金をもらって養子を取るの。爵位は養子のものになるはずだった。だけど、その手続きが済む直前に死んでしまった。だから正真正銘男爵令嬢だったのよ。でも男爵令嬢の身分なんか売れないわ。体を売っていたのよ」
ジャックは黙った。どこかすさんだあの目つき。どうでもよさそうな荒れた感じ。
そして、品のないふるまい。
「正真正銘の男爵令嬢よ。私は、話を聞いてすぐにバーバラを思い出したの」
「それでバーバラ嬢に話を通したのですね。嫌がったりしませんでしたか?」
「とんでもない。彼女は、金持ちになってロストフ家に君臨するの。シャーロットに勝ったのです」
「勝ち負けなんかあるんですか?」
ジャックはつぶやいた。
「バーバラの中にはね。でも、そんなことどうでもいいわ。すれすれのところで、シャーロットを助けられたわ」
ジャックは感謝を込めて、シルビアを見た。
「そして、次の話になるのよ。バーバラ嬢の話はおしまい。残ったのはシャーロット。あなたはどうするの?」
ジャックは、この優しくて品が良くて、それなのに恐ろしく頼りになる女性に何もかも打ち明けたくなった。
シルビア嬢はきっとジャックのことを笑わないだろう。すっかり恋に臆病になって、ちゃんと心を伝えられなかったバカな男なのだ。
「聞いてもらえますか?」
******
執事見習いのオスカーは客間の様子を、こっそりのぞき見た。
声は聞こえないが、順調にジャックの引き留め作戦は成功しているようだ。
「仲がよさそうだな。どなたとでもうまく付き合う方だ。ご主人様もじきに帰るだろうし」
彼が独り言ちた時、客が来た。
「シャーロット・マッキントッシュ嬢がお礼にと見えられました」
シャーロットは取るものもとりあえず、モンゴメリ卿のもとを訪ねたのだった。そこへちょうど折よく主人も戻ってきた。
「おお、シャーロット嬢!」
「モンゴメリ卿! 本当にありがとうございました!」
建物の外ではあったが、鉢合わせした二人は喜んで礼を言い、礼を言われた。
「さあさあ、入って。外で話もおかしいからね。独身男の家に一人で来たって、こんな事情では誰も何も言わないよ。オスカー、お茶を」
ニコニコしながら、モンゴメリ卿はシャーロット嬢を誘い、シャーロット嬢もとてもうれしそうだった。それはそうだろう。
「もちろんでございます。あ、それとご主人様、今、ジャック・パーシヴァル様とシルビア・ハミルトン嬢が客間に来ておられまして……」
主人は全然聞いていなかった。
「これですっかり安心だ。これからが、本当の社交界デビューになる。尽力は惜しまないよ……」
オスカーはあまり気にしていなかった。客間に先客がいることを伝え損ねたところで、ハミルトン嬢とパーシヴァル様だ。今回の騒動の仲間、中心人物同士である。
会えて、かえって喜び合うだろう。
「お茶と、そのほかに軽食も用意しよう。皆さま、きっと長居されるに違いない」
********
「ほんとは好きなのにね?」
いたずらっぽく目を輝かせてシルビア嬢は聞いた。
昔、妹たちの恋バナをよく聞いたものだ。
「こんな風な気持ちをどう伝えたらいいですか。本当は、好きだと……」
クスリとシルビア嬢は笑った。
ジャック、言う相手を間違えている。そこはシャーロットに言わなくちゃ。
ガチャ……と、客間のドアが開き、モンゴメリ卿がシルビア嬢を見つめ、後ろからシャーロットがかわいい顔をのぞかせた。
目の前の客間では、若い男が髪を乱して頬を赤らめ、テーブル越しにどこか色めいた美女に何事か必死で訴えかけている。どう見ても、恋のお悩み相談なんかには見えなくて、別の場面に見える。なんだかいけない場面ぽい。
ドアの開く音に、振り返ったジャックは固まった。
彼の目にはシャーロットしか映らなかった。その信じられないと言う表情しか。
「あ、これは、その……違うんです!」
ジャックは誤解されたと思った。途端に、多分、最もマズいセリフを口にしてしまった。
「何が違うの……」
シャーロットの目が信じられないほど大きく見開かれ、そのつぶやきを残して彼女はあっという間に出て行ってしまった。
「シャーロット!」
ジャックは失敗したことに気が付き、あわてて彼女の後を追った。
違うんです!だなんて、また、ヘマなことを言ってしまった。
バッドエンドまっしぐらのセリフ選択だ。
多分正解は、「座って、一緒にお茶を」だ。
いや、そんなことを言っている場合ではない。つかまえなくちゃ。せっかくロストフ公爵から逃れられたものを。次の誰かに捕まる前に!
ジャックは2人分の新しい茶器を運搬中のオスカーと正面衝突するところを、危うく回避して、客間から飛び出した。
「ジャック! シャーロット嬢!」
シルビア嬢はにっこりと笑いながら、二人を見送っていた。
「若いわね。うらやましいくらい。あれでうまくいくといいわね。そう思いませんこと? モンゴメリ卿?」
残念ながら、モンゴメリ卿はそうは思わなかった。
と、言うより彼は、とろけるようなシルビア嬢の微笑みが気に入らなかった。
どうして、そんなに笑顔なのだ。
「これで全部うまく片付くんじゃないかしら?」
違う。
目の前の男の件は、全然片付いていなかった。
ジャックは裕福な家の育ちだった。
自分自身も男爵家だったが、彼はそんなこと気にしたこともなかった。
「誰も彼女の話を真面目に聞かなかった。きっと私が初めてだったのでしょう。そんなことする必要もなかったのだけど、調べたの。ほんとかどうか。主に彼女のプライドのためにね。彼女は惨めな暮らしをしてきた。だから唯一人に誇れるものとして生まれの高貴さにこだわったのでしょう」
しっとり話すシルビア嬢は優しそうで、いかにも優雅な雰囲気だったが、内容はそうではなかった。
「父親は男爵位はあったけど、祖父の代から借金漬けで、酒浸りの本当にクズのような男だった。あのロストフ公爵の国から来たダンサーのヒモになって暮らしてたのよ。バーバラだって父親のことは大嫌いだった。そうね、男爵令嬢だと言えるのは、その父親がクズ過ぎて爵位を売る前に死んでしまったからなのよ」
「どういう意味ですか?」
「普通、そこまで貧窮したら爵位なんか売るわ。つまり、金をもらって養子を取るの。爵位は養子のものになるはずだった。だけど、その手続きが済む直前に死んでしまった。だから正真正銘男爵令嬢だったのよ。でも男爵令嬢の身分なんか売れないわ。体を売っていたのよ」
ジャックは黙った。どこかすさんだあの目つき。どうでもよさそうな荒れた感じ。
そして、品のないふるまい。
「正真正銘の男爵令嬢よ。私は、話を聞いてすぐにバーバラを思い出したの」
「それでバーバラ嬢に話を通したのですね。嫌がったりしませんでしたか?」
「とんでもない。彼女は、金持ちになってロストフ家に君臨するの。シャーロットに勝ったのです」
「勝ち負けなんかあるんですか?」
ジャックはつぶやいた。
「バーバラの中にはね。でも、そんなことどうでもいいわ。すれすれのところで、シャーロットを助けられたわ」
ジャックは感謝を込めて、シルビアを見た。
「そして、次の話になるのよ。バーバラ嬢の話はおしまい。残ったのはシャーロット。あなたはどうするの?」
ジャックは、この優しくて品が良くて、それなのに恐ろしく頼りになる女性に何もかも打ち明けたくなった。
シルビア嬢はきっとジャックのことを笑わないだろう。すっかり恋に臆病になって、ちゃんと心を伝えられなかったバカな男なのだ。
「聞いてもらえますか?」
******
執事見習いのオスカーは客間の様子を、こっそりのぞき見た。
声は聞こえないが、順調にジャックの引き留め作戦は成功しているようだ。
「仲がよさそうだな。どなたとでもうまく付き合う方だ。ご主人様もじきに帰るだろうし」
彼が独り言ちた時、客が来た。
「シャーロット・マッキントッシュ嬢がお礼にと見えられました」
シャーロットは取るものもとりあえず、モンゴメリ卿のもとを訪ねたのだった。そこへちょうど折よく主人も戻ってきた。
「おお、シャーロット嬢!」
「モンゴメリ卿! 本当にありがとうございました!」
建物の外ではあったが、鉢合わせした二人は喜んで礼を言い、礼を言われた。
「さあさあ、入って。外で話もおかしいからね。独身男の家に一人で来たって、こんな事情では誰も何も言わないよ。オスカー、お茶を」
ニコニコしながら、モンゴメリ卿はシャーロット嬢を誘い、シャーロット嬢もとてもうれしそうだった。それはそうだろう。
「もちろんでございます。あ、それとご主人様、今、ジャック・パーシヴァル様とシルビア・ハミルトン嬢が客間に来ておられまして……」
主人は全然聞いていなかった。
「これですっかり安心だ。これからが、本当の社交界デビューになる。尽力は惜しまないよ……」
オスカーはあまり気にしていなかった。客間に先客がいることを伝え損ねたところで、ハミルトン嬢とパーシヴァル様だ。今回の騒動の仲間、中心人物同士である。
会えて、かえって喜び合うだろう。
「お茶と、そのほかに軽食も用意しよう。皆さま、きっと長居されるに違いない」
********
「ほんとは好きなのにね?」
いたずらっぽく目を輝かせてシルビア嬢は聞いた。
昔、妹たちの恋バナをよく聞いたものだ。
「こんな風な気持ちをどう伝えたらいいですか。本当は、好きだと……」
クスリとシルビア嬢は笑った。
ジャック、言う相手を間違えている。そこはシャーロットに言わなくちゃ。
ガチャ……と、客間のドアが開き、モンゴメリ卿がシルビア嬢を見つめ、後ろからシャーロットがかわいい顔をのぞかせた。
目の前の客間では、若い男が髪を乱して頬を赤らめ、テーブル越しにどこか色めいた美女に何事か必死で訴えかけている。どう見ても、恋のお悩み相談なんかには見えなくて、別の場面に見える。なんだかいけない場面ぽい。
ドアの開く音に、振り返ったジャックは固まった。
彼の目にはシャーロットしか映らなかった。その信じられないと言う表情しか。
「あ、これは、その……違うんです!」
ジャックは誤解されたと思った。途端に、多分、最もマズいセリフを口にしてしまった。
「何が違うの……」
シャーロットの目が信じられないほど大きく見開かれ、そのつぶやきを残して彼女はあっという間に出て行ってしまった。
「シャーロット!」
ジャックは失敗したことに気が付き、あわてて彼女の後を追った。
違うんです!だなんて、また、ヘマなことを言ってしまった。
バッドエンドまっしぐらのセリフ選択だ。
多分正解は、「座って、一緒にお茶を」だ。
いや、そんなことを言っている場合ではない。つかまえなくちゃ。せっかくロストフ公爵から逃れられたものを。次の誰かに捕まる前に!
ジャックは2人分の新しい茶器を運搬中のオスカーと正面衝突するところを、危うく回避して、客間から飛び出した。
「ジャック! シャーロット嬢!」
シルビア嬢はにっこりと笑いながら、二人を見送っていた。
「若いわね。うらやましいくらい。あれでうまくいくといいわね。そう思いませんこと? モンゴメリ卿?」
残念ながら、モンゴメリ卿はそうは思わなかった。
と、言うより彼は、とろけるようなシルビア嬢の微笑みが気に入らなかった。
どうして、そんなに笑顔なのだ。
「これで全部うまく片付くんじゃないかしら?」
違う。
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