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第5話 ファンクラブ結成
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呼ばれた若い男――ジャック・パーシヴァルは、モンゴメリ卿のそばに若い令嬢が立っているのを見つけると、事情を察知した。そして遁走した。
「逃げられたか……」
モンゴメリ卿は呆然としているシャーロットに笑いかけた。
「君を嫌ってるんじゃないよ。彼は、もう恋愛したくないんだ。私の顔を見て逃げただけさ。ここはひとつ私がダンスを申し込んでもいいかな?」
シャーロットはコクコクと頷いた。意外過ぎて返事が出来なかったのである。
「うん。いい子だ」
モンゴメリ卿が娘をフロアへ連れ出すと、誰もがシャーロットに注目した。あのモンゴメリ卿が知らない若い娘をフロアに連れ出したのだ。
さっきの娘と違う夢のように美しい娘だった。モンゴメリ卿は意気揚々としていた。さてはこちらは本命なのだろう。
「私とダンスするといいことがあるんだ。ダーリントン伯爵令嬢だって、社交界デビューの最初のダンスは私と踊ったんだ。そして……」
表情が良く動く卿の深い青の目が、シャーロットに親し気に笑いかけた。
「本物の愛を手に入れたのさ。だから私と踊ると、きっと運が向いてくる」
モンゴメリ卿自身には一向に運が向いて来ないけれど。
でも、きっとシャーロットには運が向いてくる。こんな美人なら、誰もが目を奪われるだろう。多くの人の目が彼女を追っていた。
*********
今を去ることほぼ一年前。
ジャック・パーシヴァルには、紹介されたある令嬢に軽く結婚を申し込んでみたのだが、あいにく断られたと言う残念な思い出があった。
彼は裕福な男爵家の跡取り息子だった。当然、結婚しなくてはならない。
だから仕方なくて申し込んだ……わけではないが、そう言う一面もある。
しかし、断られたことは、顔立ちといい立ち居振る舞いといい、評判のよかった彼にはちょっとばかりショックだった。
そんなこと、当事者以外の誰も知らないし、ジャック自身、もちろん全く気にしていなかったが、ダンスや夜会に出る回数は減ったと思う。
まあ、ジャックごときが少々社交に熱心でなくなったからって、気づく者なんかいやしないだろう。
だから、あるさわやかな朝、パーシヴァル家の客間に、社交界の陰のドン、モンゴメリ卿が来ていると執事に告げられて、ジャックは仰天した。すっかり社交界にはご無沙汰していると言うのに?
「モンゴメリ卿が!? なぜ、この家までわざわざ?」
「ジャック、久しぶりだね」
一瞬、ジャックは嫌な顔をしたかも知れない。
モンゴメリ卿は、何もかも知っている。
以前の恋人をジャックに紹介したのは、このモンゴメリ卿なのだ。彼女は、今、グレンフェル侯爵夫人になっている。つまりジャックはみごとに振られたわけだ。
ジャックに悪いと思って、わざわざこんなところまで来たのかも知れなかった。だが、気の毒だと思われるだなんて、最低だった。
絶対に嫌だ。
ジャックにだって、プライドがある。
しかし、どうもモンゴメリ卿はそんな話をしにきたのではないらしかった。
「それがね、実は助けて欲しいんだよ。困ったことが起きてしまって……」
「困ったこと……ですか? 僕でお役に立つことなんか想像がつきませんが?」
なんだか知らないが、暗に自分のことは放っといてくれとジャックは言ったつもりだった。
「君に助けて欲しいんだ。でなかったら、わざわざここまで来ないよ! 凄い圧がかかってるんだ。はっきり言って生きた心地がしない」
わからないと言った顔のジャックに、モンゴメリ卿は恨みがましく言った。
「みんなが私のところへ来るんだ!」
「は……? みんなとは?」
「まず、一番熱心なのがメアリ・アン・メイソン嬢で」
そんな人いたっけ? まったく存じ上げない。ジャックは、客間の椅子に腰掛けたまま、曖昧に頷いた。
「次はシルビア・ハミルトン嬢」
その人の名前は聞いたことがある。姉のクリスチンとは違った意味で行き遅れとして有名な令嬢だったような。
「それから、アンとジェーンのブリッグス姉妹」
だんだんジャックはイライラしてきた。その人たちがなんだと言うのだ。
「私はほぼ毎日襲撃されてる。他にも大勢いるんだよ! 彼女たちが何を思って来るのか、わかるかい?」
「わかりませんよ! そもそもその人たち、全然知らない人たちですよ?」
「そこなんだよ! 問題は! 全員、ジャックの知り合いじゃないって点なんだ」
「は?」
まだ人を訪ねるには早すぎる時間帯に、なぜ、社交界のドンで夜の方が得意なモンゴメリ卿が、今、ここにいるのか卿は説明を始めた。
「ジャック、君、ふられたよね? 豪快に」
「……ええ」
やっぱりその話か……
「それっきり、引きこもってるよね。一度もパーティーとか社交の場に出て来ない」
ほっといてもらえます? それ。
「君がどう思ってるか知らないけど、その話、有名になってて……」
ジャックは血の気が引く思いだった。なんでそんなことが有名になってるんだ。
「しかも、表は冷淡だけど、実は情熱的な男ってカテゴライズされててさ……まあ、フィオナ嬢をそれは熱心に口説いていたよね。結局ダメだったけど」
黒歴史が……ああ、どうしてそんなことに……。モンゴメリ卿、満天下の恥さらしを本人に教えに来るって、どう言う趣味?
「それで、なんとか君とお知り合いになりたい令嬢たちが夜な夜な押しかけてくるんだ、私んとこへ!」
「は?」
「私とお知り合いになりたいんなら許せる! 毎晩来ても構わない。だが、目当ては君だ、ジャック!」
ジャックは耳を疑った。
「グレンフェル侯爵が人気だったのは、冷酷そうな美貌と殺人事件の暗い噂のせいだった……だが」
モンゴメリ卿は続けた。
「あの顔のくせに、実は単細胞の妻しか目に入らないヤニ下がった男と正体がバレて、見掛け倒しと人気はダダ下がりだ」
「妻一筋の誠実な男は人気じゃないんですか?」
「独身ならね」
それはそうだ。ジャックは納得した。
「それで、今、独身令嬢の密かな人気はお前だ!」
「まさか」
バカバカしいと言わんばかりにジャックは返した。
どう考えても、アホらしい。なんでそんなモテないと保証書付きの男に関心を持つのか。
「どんな女でも食いつくだろうと思われてるんですかね?」
ジャックは卑屈になった。
「何言ってるんだ! ジャック・パーシヴァル・ファンクラブの存在を知らないのか?」
なに? それ……
ジャックは文字通りあ然とした。
「ほら、悲恋を胸に秘めた令嬢とか」
理解を進める為にモンゴメリ卿は妙な例えを持ち出した。てか、男女を変えたらまんまじゃねえか。うわ、例えになってないわ。ただの嫌味だわ。
「男だと、一見陽気そうだが、秘めた失恋とか、一見冷淡そうだが、実は情熱的とか、二面性が人気で……」
「僕には関係ないですね」
ジャックは話をぶった切ろうとした。この話、もういいわ。
「いや、お前だよ」
人間、真実ほど腹が立つことはない。
「お引き取りください。モンゴメリ卿」
自分でもビックリするくらい冷たい声が出た
「逃げられたか……」
モンゴメリ卿は呆然としているシャーロットに笑いかけた。
「君を嫌ってるんじゃないよ。彼は、もう恋愛したくないんだ。私の顔を見て逃げただけさ。ここはひとつ私がダンスを申し込んでもいいかな?」
シャーロットはコクコクと頷いた。意外過ぎて返事が出来なかったのである。
「うん。いい子だ」
モンゴメリ卿が娘をフロアへ連れ出すと、誰もがシャーロットに注目した。あのモンゴメリ卿が知らない若い娘をフロアに連れ出したのだ。
さっきの娘と違う夢のように美しい娘だった。モンゴメリ卿は意気揚々としていた。さてはこちらは本命なのだろう。
「私とダンスするといいことがあるんだ。ダーリントン伯爵令嬢だって、社交界デビューの最初のダンスは私と踊ったんだ。そして……」
表情が良く動く卿の深い青の目が、シャーロットに親し気に笑いかけた。
「本物の愛を手に入れたのさ。だから私と踊ると、きっと運が向いてくる」
モンゴメリ卿自身には一向に運が向いて来ないけれど。
でも、きっとシャーロットには運が向いてくる。こんな美人なら、誰もが目を奪われるだろう。多くの人の目が彼女を追っていた。
*********
今を去ることほぼ一年前。
ジャック・パーシヴァルには、紹介されたある令嬢に軽く結婚を申し込んでみたのだが、あいにく断られたと言う残念な思い出があった。
彼は裕福な男爵家の跡取り息子だった。当然、結婚しなくてはならない。
だから仕方なくて申し込んだ……わけではないが、そう言う一面もある。
しかし、断られたことは、顔立ちといい立ち居振る舞いといい、評判のよかった彼にはちょっとばかりショックだった。
そんなこと、当事者以外の誰も知らないし、ジャック自身、もちろん全く気にしていなかったが、ダンスや夜会に出る回数は減ったと思う。
まあ、ジャックごときが少々社交に熱心でなくなったからって、気づく者なんかいやしないだろう。
だから、あるさわやかな朝、パーシヴァル家の客間に、社交界の陰のドン、モンゴメリ卿が来ていると執事に告げられて、ジャックは仰天した。すっかり社交界にはご無沙汰していると言うのに?
「モンゴメリ卿が!? なぜ、この家までわざわざ?」
「ジャック、久しぶりだね」
一瞬、ジャックは嫌な顔をしたかも知れない。
モンゴメリ卿は、何もかも知っている。
以前の恋人をジャックに紹介したのは、このモンゴメリ卿なのだ。彼女は、今、グレンフェル侯爵夫人になっている。つまりジャックはみごとに振られたわけだ。
ジャックに悪いと思って、わざわざこんなところまで来たのかも知れなかった。だが、気の毒だと思われるだなんて、最低だった。
絶対に嫌だ。
ジャックにだって、プライドがある。
しかし、どうもモンゴメリ卿はそんな話をしにきたのではないらしかった。
「それがね、実は助けて欲しいんだよ。困ったことが起きてしまって……」
「困ったこと……ですか? 僕でお役に立つことなんか想像がつきませんが?」
なんだか知らないが、暗に自分のことは放っといてくれとジャックは言ったつもりだった。
「君に助けて欲しいんだ。でなかったら、わざわざここまで来ないよ! 凄い圧がかかってるんだ。はっきり言って生きた心地がしない」
わからないと言った顔のジャックに、モンゴメリ卿は恨みがましく言った。
「みんなが私のところへ来るんだ!」
「は……? みんなとは?」
「まず、一番熱心なのがメアリ・アン・メイソン嬢で」
そんな人いたっけ? まったく存じ上げない。ジャックは、客間の椅子に腰掛けたまま、曖昧に頷いた。
「次はシルビア・ハミルトン嬢」
その人の名前は聞いたことがある。姉のクリスチンとは違った意味で行き遅れとして有名な令嬢だったような。
「それから、アンとジェーンのブリッグス姉妹」
だんだんジャックはイライラしてきた。その人たちがなんだと言うのだ。
「私はほぼ毎日襲撃されてる。他にも大勢いるんだよ! 彼女たちが何を思って来るのか、わかるかい?」
「わかりませんよ! そもそもその人たち、全然知らない人たちですよ?」
「そこなんだよ! 問題は! 全員、ジャックの知り合いじゃないって点なんだ」
「は?」
まだ人を訪ねるには早すぎる時間帯に、なぜ、社交界のドンで夜の方が得意なモンゴメリ卿が、今、ここにいるのか卿は説明を始めた。
「ジャック、君、ふられたよね? 豪快に」
「……ええ」
やっぱりその話か……
「それっきり、引きこもってるよね。一度もパーティーとか社交の場に出て来ない」
ほっといてもらえます? それ。
「君がどう思ってるか知らないけど、その話、有名になってて……」
ジャックは血の気が引く思いだった。なんでそんなことが有名になってるんだ。
「しかも、表は冷淡だけど、実は情熱的な男ってカテゴライズされててさ……まあ、フィオナ嬢をそれは熱心に口説いていたよね。結局ダメだったけど」
黒歴史が……ああ、どうしてそんなことに……。モンゴメリ卿、満天下の恥さらしを本人に教えに来るって、どう言う趣味?
「それで、なんとか君とお知り合いになりたい令嬢たちが夜な夜な押しかけてくるんだ、私んとこへ!」
「は?」
「私とお知り合いになりたいんなら許せる! 毎晩来ても構わない。だが、目当ては君だ、ジャック!」
ジャックは耳を疑った。
「グレンフェル侯爵が人気だったのは、冷酷そうな美貌と殺人事件の暗い噂のせいだった……だが」
モンゴメリ卿は続けた。
「あの顔のくせに、実は単細胞の妻しか目に入らないヤニ下がった男と正体がバレて、見掛け倒しと人気はダダ下がりだ」
「妻一筋の誠実な男は人気じゃないんですか?」
「独身ならね」
それはそうだ。ジャックは納得した。
「それで、今、独身令嬢の密かな人気はお前だ!」
「まさか」
バカバカしいと言わんばかりにジャックは返した。
どう考えても、アホらしい。なんでそんなモテないと保証書付きの男に関心を持つのか。
「どんな女でも食いつくだろうと思われてるんですかね?」
ジャックは卑屈になった。
「何言ってるんだ! ジャック・パーシヴァル・ファンクラブの存在を知らないのか?」
なに? それ……
ジャックは文字通りあ然とした。
「ほら、悲恋を胸に秘めた令嬢とか」
理解を進める為にモンゴメリ卿は妙な例えを持ち出した。てか、男女を変えたらまんまじゃねえか。うわ、例えになってないわ。ただの嫌味だわ。
「男だと、一見陽気そうだが、秘めた失恋とか、一見冷淡そうだが、実は情熱的とか、二面性が人気で……」
「僕には関係ないですね」
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