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第37話 ファルク登場
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つまり、婚約者がいないということは、自分の身は自分で守らなければいけないと言うことで……
店主のハンスが追い打ちをかけた。
「たとえ辞めても追っかけてくんじゃないかな? 割と熱心だぞ? あいつら」
それはないでしょう!
「いやいやいや!」
亭主は大真面目に否定してきた。
「これまで無事に済んできたのは、ひとえに連中が、誰が一番乗りするかで揉めてたからだ」
「これまでって、私、働き出してから、まだ一週間しか経っていませんよ?」
ちょうど、お昼時だった。
亭主のハンスが黙って指差した先には、騎士たちがぎっしり席に詰めて座っていた。
満席である。
確かに一週間前は、こんな光景じゃなかったような。
そもそも騎士連中はガタイがいい。
それが、ものすごく狭っそーにギチギチに詰めて座っている。暑苦しい。
「あれだ」
「あれだ……って、どう言う意味ですか?」
「飯とあんた目当てなんだ。大勢きてるだろ?」
「はっ?」
「あの騎士たちは三種類で出来ている。噂の美人を見に来た。うまい飯を食いに来た。両方で来た」
私に理解できるのは、真ん中の種類の騎士だけだ。
「わかりました! ハンスさん、料理を配ってください! 私は厨房に徹します!」
私は、脇目も振らず、必死で料理を作り続けた。
客の人数が増えた分、作る量も増えたし、皿を洗ったり拭いたり、盛り付けたり、忙しかった。
それにもかかわらず、帰り、ハンスはぐったりして訴えかけた。
「騎士連中が怖かった……」
「なぜ?」
「俺が給仕に回ったからだよ! 怖かったよ」
事態は悪い方に転がっているようで、私は王宮の噂を集めるどころか、騎士連中の動向に目を配らねばならなければならない羽目に陥った。
客が怖い。騎士、怖い。ガタイいいし。
しかしながら、帰りに待ち伏せして、花をささげ持ってきたのは、ヒョロ長い感じの物憂げな様子の若い騎士様だった。
騎士様連中の間で、話がまとまったんだろうか? あの、誰が交際を申し込むか、とか言う?
後でハンスに聞いたのだけど、その騎士様は名門伯爵家の次男で、名はファルク。ぱっと見、細身で覇気が無さそうに見えるのに、あだ名は剣聖だった。
「剣聖……」
なんかすごい。ネーミングが。
「ティナ嬢……」
見た目と違って、なんだか素敵なバリトンだわ。深いいい声。
ちょっと俯いて何本かの紅い花を差し出す彼は、どこか影のある青年だった。うつむいているので、顔はよく見えない。
「この花を受け取ってもらえますか?」
まるで絶対受け取ってもらえないと諦めているかのように、むしろだらりと捧げられた花だったけれど、彼は完全に私の帰り道を塞いでいた。まるで、絶対帰らせないと言ったように。
どうしたらいいかわからない。
「あの……私、婚約者がいるんです」
彼は、頭を少し傾げた。目だけがちょっと合ったが、次の瞬間逸らされた。
「それはその人で胸がいっぱいだってこと?」
怖い。エドとは全然違う目の持ち主だった。
優しい語り口で、薄い唇でうっすらと微笑んでいるように見えるが、笑っているわけではないことはわかる。
「どんな人なの?」
彼は聞いてきた。
え……聞かないで。
エドは私に好きだと言ったことがある。
だけど、私が押し掛けてから、そんな言葉は二度と言わなくなった。
言えないだろうなと思っている。
今は、そんなこと考えている場合じゃない。
なので、エドが私をどう思っているかなんてわからない。
「大好きな人なんだよね? なら、教えてくれてもいいでしょ? 言いたくならない? 好きな人のことって」
「……え。あんまり?」
エドのことは、好きな人なのかな?
どっちかっていうと、腹が立つことの方が多い。
「僕は好きな人のことを思うと、もっともっと知りたくなる」
聖剣と呼ばれる男は、むしろだるそうに言葉を続けた。
「たとえば、僕はこんな花を持ってきたけど、彼女は嫌いかも知れない。受け取ってくれないかもしれない」
なんか言い出した。めんどくさそう。
「私、帰りますので」
「やっぱり無駄かな?」
わたしはチラリとファルクと名乗る男の顔に目を走らせた。パッと彼は私の目を捉えた。
どうしよう……。この人、綺麗だ。
黒ではない、でも黒い髪、見たことのない灰色の目。それは縁が黒く虹彩に模様がある。
女のような細面だが、かっちりとした顎と、顔の真ん中にスッと鼻筋の通った高い細い鼻。それは高貴という言葉がぴったりくる。
ファルクは目を捉えたまま、薄い口元を歪めて笑って見せた。
極上の男……という言葉が浮かんだ。
瞬時に私は、彼が自分の美貌を知っていて、女性に効果があることもわかっていて、それを使っただけなんだと理解し……同時に、彼が私のその考えを読み取ったらしいことも理解した。途端に顔が熱くなった。
「花だけでも受け取ってほしい。それだけだよ。花に罪はない」
私は見たこともない紅の花を押し付けられた。
「この花は一生懸命咲いたんだ。君にもらってもらえなかったら、この花の命は何のためだったんだろう? だから貰っておいて」
なんとも言えない、いい香りの花だった。
「スパイやめようと思って」
私は帰って来てからエドに相談した。
エドの方は驚いたらしかった。
「俺は、最初から、本当は街の店なんかでティナ様が働くのには反対だった。嫌な思いをするんじゃないかと心配だったので」
当たらずとも遠からずだ。
「客あしらいがうまくいかなくて……」
私がそう言うと、エドは心配そうに聞いてきた。
「客の粗野な振る舞いに我慢できないとか、雇い主が横暴であなたを尊重しないとかですか?」
違う。
「店主のハンスは親切で、ぜひこのまま働いて欲しいと言われてますわ」
エドは、ほっとしたようだった。
「噂は何か聞きましたか」
私は妙なイケメンが花をささげに来たりするので、エドに報告するのをすっかり忘れていたことに気がついた。
何しに行っているのかしら?
「学校では、王太子殿下が生きていると噂になっているようです。弟から聞いたと騎士の一人が言っていました」
エドは眉をあげた。
「その時の騎士たちの反応はわかりますか?」
ううむ。それが困るのよね。私が近づくと途端に口を閉ざしてしまった。
エドは困った様子だった。
「学校はイズレイル先生がいる。多分、信頼のおける人物には話しているんじゃないかと思う。だから、学校で噂が流れるのは想定内で、その噂に騎士たちが、どう反応したかということを知りたいんだけど」
なるほど。騎士のような立場の人の反応が知りたいのね。
「あと、店主のハンスは、バカな噂だ、信じられないと言っていました」
「街中にも噂は回っているのかな?」
「多分」
「その店主のハンスは、どこから聞いて来たのだろうか」
一人言のように、エドはつぶやいた。
私は調査が不十分なことに気がついた。
騎士に近寄らなくても、ハンスから状況は探れる。ハンスには知り合いが多いに違いない。仕入れ先の商店主や、同業者の集まり、騎士たちが夜、何を喋っているのかなど。
変な話に飛んでしまったので、聞き損ねたままだ。
辞めるのはいつでもできる。
あと少しだけ探ってみよう。エドは、いつかは表舞台に登場しなくてはいけないのだから。
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「たとえ辞めても追っかけてくんじゃないかな? 割と熱心だぞ? あいつら」
それはないでしょう!
「いやいやいや!」
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「これまで無事に済んできたのは、ひとえに連中が、誰が一番乗りするかで揉めてたからだ」
「これまでって、私、働き出してから、まだ一週間しか経っていませんよ?」
ちょうど、お昼時だった。
亭主のハンスが黙って指差した先には、騎士たちがぎっしり席に詰めて座っていた。
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確かに一週間前は、こんな光景じゃなかったような。
そもそも騎士連中はガタイがいい。
それが、ものすごく狭っそーにギチギチに詰めて座っている。暑苦しい。
「あれだ」
「あれだ……って、どう言う意味ですか?」
「飯とあんた目当てなんだ。大勢きてるだろ?」
「はっ?」
「あの騎士たちは三種類で出来ている。噂の美人を見に来た。うまい飯を食いに来た。両方で来た」
私に理解できるのは、真ん中の種類の騎士だけだ。
「わかりました! ハンスさん、料理を配ってください! 私は厨房に徹します!」
私は、脇目も振らず、必死で料理を作り続けた。
客の人数が増えた分、作る量も増えたし、皿を洗ったり拭いたり、盛り付けたり、忙しかった。
それにもかかわらず、帰り、ハンスはぐったりして訴えかけた。
「騎士連中が怖かった……」
「なぜ?」
「俺が給仕に回ったからだよ! 怖かったよ」
事態は悪い方に転がっているようで、私は王宮の噂を集めるどころか、騎士連中の動向に目を配らねばならなければならない羽目に陥った。
客が怖い。騎士、怖い。ガタイいいし。
しかしながら、帰りに待ち伏せして、花をささげ持ってきたのは、ヒョロ長い感じの物憂げな様子の若い騎士様だった。
騎士様連中の間で、話がまとまったんだろうか? あの、誰が交際を申し込むか、とか言う?
後でハンスに聞いたのだけど、その騎士様は名門伯爵家の次男で、名はファルク。ぱっと見、細身で覇気が無さそうに見えるのに、あだ名は剣聖だった。
「剣聖……」
なんかすごい。ネーミングが。
「ティナ嬢……」
見た目と違って、なんだか素敵なバリトンだわ。深いいい声。
ちょっと俯いて何本かの紅い花を差し出す彼は、どこか影のある青年だった。うつむいているので、顔はよく見えない。
「この花を受け取ってもらえますか?」
まるで絶対受け取ってもらえないと諦めているかのように、むしろだらりと捧げられた花だったけれど、彼は完全に私の帰り道を塞いでいた。まるで、絶対帰らせないと言ったように。
どうしたらいいかわからない。
「あの……私、婚約者がいるんです」
彼は、頭を少し傾げた。目だけがちょっと合ったが、次の瞬間逸らされた。
「それはその人で胸がいっぱいだってこと?」
怖い。エドとは全然違う目の持ち主だった。
優しい語り口で、薄い唇でうっすらと微笑んでいるように見えるが、笑っているわけではないことはわかる。
「どんな人なの?」
彼は聞いてきた。
え……聞かないで。
エドは私に好きだと言ったことがある。
だけど、私が押し掛けてから、そんな言葉は二度と言わなくなった。
言えないだろうなと思っている。
今は、そんなこと考えている場合じゃない。
なので、エドが私をどう思っているかなんてわからない。
「大好きな人なんだよね? なら、教えてくれてもいいでしょ? 言いたくならない? 好きな人のことって」
「……え。あんまり?」
エドのことは、好きな人なのかな?
どっちかっていうと、腹が立つことの方が多い。
「僕は好きな人のことを思うと、もっともっと知りたくなる」
聖剣と呼ばれる男は、むしろだるそうに言葉を続けた。
「たとえば、僕はこんな花を持ってきたけど、彼女は嫌いかも知れない。受け取ってくれないかもしれない」
なんか言い出した。めんどくさそう。
「私、帰りますので」
「やっぱり無駄かな?」
わたしはチラリとファルクと名乗る男の顔に目を走らせた。パッと彼は私の目を捉えた。
どうしよう……。この人、綺麗だ。
黒ではない、でも黒い髪、見たことのない灰色の目。それは縁が黒く虹彩に模様がある。
女のような細面だが、かっちりとした顎と、顔の真ん中にスッと鼻筋の通った高い細い鼻。それは高貴という言葉がぴったりくる。
ファルクは目を捉えたまま、薄い口元を歪めて笑って見せた。
極上の男……という言葉が浮かんだ。
瞬時に私は、彼が自分の美貌を知っていて、女性に効果があることもわかっていて、それを使っただけなんだと理解し……同時に、彼が私のその考えを読み取ったらしいことも理解した。途端に顔が熱くなった。
「花だけでも受け取ってほしい。それだけだよ。花に罪はない」
私は見たこともない紅の花を押し付けられた。
「この花は一生懸命咲いたんだ。君にもらってもらえなかったら、この花の命は何のためだったんだろう? だから貰っておいて」
なんとも言えない、いい香りの花だった。
「スパイやめようと思って」
私は帰って来てからエドに相談した。
エドの方は驚いたらしかった。
「俺は、最初から、本当は街の店なんかでティナ様が働くのには反対だった。嫌な思いをするんじゃないかと心配だったので」
当たらずとも遠からずだ。
「客あしらいがうまくいかなくて……」
私がそう言うと、エドは心配そうに聞いてきた。
「客の粗野な振る舞いに我慢できないとか、雇い主が横暴であなたを尊重しないとかですか?」
違う。
「店主のハンスは親切で、ぜひこのまま働いて欲しいと言われてますわ」
エドは、ほっとしたようだった。
「噂は何か聞きましたか」
私は妙なイケメンが花をささげに来たりするので、エドに報告するのをすっかり忘れていたことに気がついた。
何しに行っているのかしら?
「学校では、王太子殿下が生きていると噂になっているようです。弟から聞いたと騎士の一人が言っていました」
エドは眉をあげた。
「その時の騎士たちの反応はわかりますか?」
ううむ。それが困るのよね。私が近づくと途端に口を閉ざしてしまった。
エドは困った様子だった。
「学校はイズレイル先生がいる。多分、信頼のおける人物には話しているんじゃないかと思う。だから、学校で噂が流れるのは想定内で、その噂に騎士たちが、どう反応したかということを知りたいんだけど」
なるほど。騎士のような立場の人の反応が知りたいのね。
「あと、店主のハンスは、バカな噂だ、信じられないと言っていました」
「街中にも噂は回っているのかな?」
「多分」
「その店主のハンスは、どこから聞いて来たのだろうか」
一人言のように、エドはつぶやいた。
私は調査が不十分なことに気がついた。
騎士に近寄らなくても、ハンスから状況は探れる。ハンスには知り合いが多いに違いない。仕入れ先の商店主や、同業者の集まり、騎士たちが夜、何を喋っているのかなど。
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