窓から出たら異世界だった。美少女になりたかったのに、美少年になって獣人に囲われ可愛がられる……そのあとストーカーの元美少女に篭絡されました

buchi

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異世界に転移しました

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うちの学校は中高一貫校。ただし、小学校も大学もついている。正確に言うなら、小中高大一貫校だ。

勉強はしなくてよかったけど、だからって楽しいとは限らない。

どう間違っても、決して甲子園にはいけない野球部や、たまにコンテストに出る合唱部にでも入っているならとにかく、あとの連中は、たいていだらだらしていた。明言しにくい○○同好会とか、イロイロあるにはあるらしい。校風が合わず全部はみ出しちゃった私は帰宅部だった。


その日、身長公称170センチ、体重約60キロ、分厚いメガネの私は、キライな古典をさぼって、人気のないローカをコソコソ移動中に、授業中のはずの古典の教諭本人(男)が歩いてくるのを発見して目が点になった。

なんで、こんなとこを歩いてんだ、この先生。

しかも、先生お気に入りの女子の声が数名分聞こえる。まずい。

先生はこっちの顔を覚えてない可能性がある。人数が多いからな。
だけど、女子の方はいくらなんでも同学年の顔くらい、見覚えがあるかも知れん。

とっさに、連中が角を曲がる前に、階段下の掃除具置き場の小さいドアを開けて、デカい体を押し込んだ。

そおーっとドアを内側からドアを閉めると、なんでか知らんが、カチッて音がした。

カチッ?

先生と危険な女子が行き過ぎた後で、ドアを開けようと頑張ってみたが、絶対に開かなかった。

私は真っ青になった。

どうせ、午後になれば掃除当番がやってくる。

そいつらがドアを開けてくれるから、命に別状はない。
だけど、カッコ悪くないか? これ。

あれこれ試した挙句、結局、私はギブアップして考えた。確か、ドアの反対側には小さい窓があったはず。

トゲトゲのカイヅカイブキが植わってる運動場側に出られるんじゃないか?

真っ暗な中、掃除用具の間を這って進んで、あった! アルミの窓をスッと開けて、私は何の苦もなく、するりんと異世界に行ってしまったのだった。



「自分から、こっちへ入ってきたんだから、自業自得だな」

見上げるような大男、というか半分人間で半分が馬みたいな化け物が立っていた。

もはや、体が震えて動かなかった。

動物園でも見たことない。

顔だけは毛深い人間の顔だった。茶色の目がでかい。

「あらあ。きたのね」

今度は多分女だ。
やっぱり下半身は馬っぽいけど。

「ダメだ。こいつは俺のだ」

最初の馬人間が言った。

えっ?
所有権争い?

そこは青々とした草原が広がっていて、向こうの方に森が見えた。合間には可愛らしい小さな家が建っていた。

さらに向こうには薄青い連峰が見え、手前には柵があり、畑がうねうねと広がっている。

まるで一幅の絵のようだ。


「何見てんだ」

急に馬人間は、手を伸ばすと私の顎の下をくいっと持ち上げた。
その目が嬉しそうに笑った。

「かわいい」
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