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第6話 王子様、勇者、僧侶、聖女の正体
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討伐隊のほかの選抜メンバーとの初顔合わせの際も、私は厚いベールで顔を包んで現れた。
魔女は基本的に顔を知られたくない生き物なのよ。
「ナタリアと申します」
選抜メンバーは、勇者様と僧侶様だった。ネーミングだけ聞くと、かっこよさそうだけど、実際に会ってみると勇者様と僧侶様は、なんだか一癖も二癖もありそうな人物だった。
まず勇者様は背は高いが、勇者のくせにひょろひょろしていた。勇者様に必要不可欠のはずの筋肉はいずこへ?
「チェスなら無敵なんだがな」
ヘロリ王子が苦笑していった。某公爵家の三男だそうである。強いのだろうか?
「チェスの腕は相当なものだ。僕を負かす」
私が聞いているのは腕っぷしの方よ!
僧侶様の方はでっぷり太った人物だった。
「某公爵家の長男の方なのだが……」
私はちょっと驚いた。
「跡継ぎなのではないですか? そんな人物を危険な旅に?」
そんなに危険じゃないと王子様は言った後、小声で説明した。
「少々人付き合いに難があってだな。お人柄は親切なのだが」
「親切って、難があるわけじゃないと思いますけど?」
僧侶様は私に気が付くと、ズンズンズンと近づいてきた。
「美人だ」
「えっ?」
私は驚いて、首がもげるほど僧侶様の方に顔だけ近寄せた。足と胴体は、怖いのでしっかり大地を踏みしめたままだ。
「赤毛は不吉だと言われているが、こんなに美しかったとは」
不吉……本人に向かって言う?
「魅入られるほど深い純粋な緑の目。さてはお主、魔女だな」
「せ、聖女です!」
思わず自己紹介してしまった。
「聖女だったか。誰かデブったお荷物が来るって聞いてたけど、お前のことか。だけどデブではないな」
そりゃお前のことだろ。僧侶様も自己紹介してきた。
「お荷物でもかわいいな。聖人同士、仲良しになろう。そうだ。菓子は食うか? これは隣国でしか取れない果物が入った珍しいキャンデーだ」
僧侶様は親切と言われるだけあって、私にお菓子を渡そうとした。
僧服の前には、ポケットみたいに使える斜め掛けの袋があって、いろんなものを入れておけるらしい。
その中に手を突っ込んで、僧侶様はドングリだの虫の死骸だの、小石や錆びた釘、大量のちぎれたメモの中から、キャンデーを取り分けてひとつくれた。
「どうだ? 食べてみろ。うまいぞ。びっくりするぞ」
そう言うと僧侶様は手を出さない私に、遠慮するなと言って、口を無理やり開けさせると、キャンデーを突っ込んだ。
「ぶええええ!」
私はキャンデーを吐き出した。紙とか、砂とかいっぱいついてる。ペッペッと吐き出すと、僧侶様はそれはそれは悲しそうな顔になって、落ちたキャンデーを拾うと自分の口に放り込んだ。
「うまいのに」
「土付いてますよ!」
「冷たいな。人が親切で渡したものを投げ捨てるとは……名ばかり聖女様のやりそうなことだが」
王子様は黙って一部始終を見ていたが、ため息をついた。
私は、まだましな王子様の背中に隠れようとしたが、前に出された。
「チームの結束のために。僕を頼るな。頼るなら、全知全能のアラスにしろ」
「誰ですか? アラスって?」
「あそこで一人チェスをやっている勇者様の名前だ」
この騒ぎの中でも落ち着いて、勇者様はチェスの手を考えているらしかった。どういう神経?
「騎士のアラス殿と僧侶のポーマ師は、犬猿の仲だから、アラスの背中に隠れたら、勝手にアラスが追い払ってくれる」
ほんとかどうかわからなかったが、結局事実だった。
私が勇者様の背中に隠れると、僧侶様が追いかけてきた。すると勇者様はチェス盤から目を離さないまま、弾丸のような早口で僧侶様を罵り始めた。
「公爵家を継ぐだけの頭脳も武力も要領もない人間の屑でさらに見た目も脂肪が過剰に付き過ぎで女性に嫌われる要素満載、体のみならず口まで臭いと言われたことさえあるうえ人との距離感が異常で自分が好むモノは他人も好きだと言う間違った観念の為社交界で鼻つまみ者は去れ」
長い! 主語、長っ。
「聖女殿に不浄なものを食わそうと試みるとは言語道断、竜退治にかこつけてこんなにまで美しく更に個人的な嗜好性を満足させる夜空にきらめく数多の星々をも制して燦然と輝くビーナスの如き佳人たちと俗世を離れ昼夜共寝出来る環境が与えられるとはまさに天国、その天国の平穏を乱す者は去れ」
長っ。しゃべるスピードが速過ぎてよくわからなかったけど、なんか不穏なこと言っていたような気がする?
表情が死んでる王子様の顔を見ると、説明してくれた。
「彼、バイで」
「は?」
「君のことを好みだと」
「はあ?」
「僕のことも好みだと」
「はあああ?」
勇者様の方を盗み見ると、チラッと口元をゆるめていた。その微笑み、怖すぎる。
「早々でなんですが、そろそろクビにしていただきたく!」
早期退職を申し出た。環境が悪すぎる。早めに離脱していいって言ってたよね?
「まだ、旅にも出ていない。出発のパレードが済むまではダメだ」
却下されてしまった。
出発式のパレードは、大勢の民衆が集まってそれはそれは華やかだったが、私はベールを取ることを断固として拒否した。
こんな変態だらけのチームに加わって、自分もすごい変態だと思われたらイヤじゃない!
だが私は僧侶様の親切度を見くびっていた。
彼は後ろからそっと近づくと、顔を見たがっている民衆の皆さんの希望を叶えるために、ベールを引っぺがしてしまった。
おおおおおーっと地獄の釜のフタが開いたかのように、湧き上がる歓声と叫び。
「聖女様、かわいいい!」
「美人さんだなー!」
しかし、私は、もうおとなしくするのは止めにした。
「何をする、このボッチデブ!」
残りの二人はあっけに取られていたが、私が僧侶様の悪口を言ったのだとわかって、勇者様は思わず(関係ないくせに)してやったりみたいにニヤリと笑った。お前も同類だ!
「近寄るな、キモ変態」
華やかな出発式のパレードの最中、勇者たちが壇上でののしりあう声は歓呼の声でかき消され全く聞こえない。
「あ、じゃあ、僕は圏外王子ってことで」
うすら笑いを浮かべた王子様は、私に何か言われる前に先回りして勝手に名乗った。
「なに?圏外って?」
「継承権圏外」
「なんだと? ズルいぞ、まんまじゃないか。おい、聖女、もっとぴったりな名前を付けてやれ」
四人はにこにこ微笑みながら、観衆の歓呼の声に手を振って応えつつ、思いつく限りの本音を語りあって華々しく王都城外へ出発した。
魔女は基本的に顔を知られたくない生き物なのよ。
「ナタリアと申します」
選抜メンバーは、勇者様と僧侶様だった。ネーミングだけ聞くと、かっこよさそうだけど、実際に会ってみると勇者様と僧侶様は、なんだか一癖も二癖もありそうな人物だった。
まず勇者様は背は高いが、勇者のくせにひょろひょろしていた。勇者様に必要不可欠のはずの筋肉はいずこへ?
「チェスなら無敵なんだがな」
ヘロリ王子が苦笑していった。某公爵家の三男だそうである。強いのだろうか?
「チェスの腕は相当なものだ。僕を負かす」
私が聞いているのは腕っぷしの方よ!
僧侶様の方はでっぷり太った人物だった。
「某公爵家の長男の方なのだが……」
私はちょっと驚いた。
「跡継ぎなのではないですか? そんな人物を危険な旅に?」
そんなに危険じゃないと王子様は言った後、小声で説明した。
「少々人付き合いに難があってだな。お人柄は親切なのだが」
「親切って、難があるわけじゃないと思いますけど?」
僧侶様は私に気が付くと、ズンズンズンと近づいてきた。
「美人だ」
「えっ?」
私は驚いて、首がもげるほど僧侶様の方に顔だけ近寄せた。足と胴体は、怖いのでしっかり大地を踏みしめたままだ。
「赤毛は不吉だと言われているが、こんなに美しかったとは」
不吉……本人に向かって言う?
「魅入られるほど深い純粋な緑の目。さてはお主、魔女だな」
「せ、聖女です!」
思わず自己紹介してしまった。
「聖女だったか。誰かデブったお荷物が来るって聞いてたけど、お前のことか。だけどデブではないな」
そりゃお前のことだろ。僧侶様も自己紹介してきた。
「お荷物でもかわいいな。聖人同士、仲良しになろう。そうだ。菓子は食うか? これは隣国でしか取れない果物が入った珍しいキャンデーだ」
僧侶様は親切と言われるだけあって、私にお菓子を渡そうとした。
僧服の前には、ポケットみたいに使える斜め掛けの袋があって、いろんなものを入れておけるらしい。
その中に手を突っ込んで、僧侶様はドングリだの虫の死骸だの、小石や錆びた釘、大量のちぎれたメモの中から、キャンデーを取り分けてひとつくれた。
「どうだ? 食べてみろ。うまいぞ。びっくりするぞ」
そう言うと僧侶様は手を出さない私に、遠慮するなと言って、口を無理やり開けさせると、キャンデーを突っ込んだ。
「ぶええええ!」
私はキャンデーを吐き出した。紙とか、砂とかいっぱいついてる。ペッペッと吐き出すと、僧侶様はそれはそれは悲しそうな顔になって、落ちたキャンデーを拾うと自分の口に放り込んだ。
「うまいのに」
「土付いてますよ!」
「冷たいな。人が親切で渡したものを投げ捨てるとは……名ばかり聖女様のやりそうなことだが」
王子様は黙って一部始終を見ていたが、ため息をついた。
私は、まだましな王子様の背中に隠れようとしたが、前に出された。
「チームの結束のために。僕を頼るな。頼るなら、全知全能のアラスにしろ」
「誰ですか? アラスって?」
「あそこで一人チェスをやっている勇者様の名前だ」
この騒ぎの中でも落ち着いて、勇者様はチェスの手を考えているらしかった。どういう神経?
「騎士のアラス殿と僧侶のポーマ師は、犬猿の仲だから、アラスの背中に隠れたら、勝手にアラスが追い払ってくれる」
ほんとかどうかわからなかったが、結局事実だった。
私が勇者様の背中に隠れると、僧侶様が追いかけてきた。すると勇者様はチェス盤から目を離さないまま、弾丸のような早口で僧侶様を罵り始めた。
「公爵家を継ぐだけの頭脳も武力も要領もない人間の屑でさらに見た目も脂肪が過剰に付き過ぎで女性に嫌われる要素満載、体のみならず口まで臭いと言われたことさえあるうえ人との距離感が異常で自分が好むモノは他人も好きだと言う間違った観念の為社交界で鼻つまみ者は去れ」
長い! 主語、長っ。
「聖女殿に不浄なものを食わそうと試みるとは言語道断、竜退治にかこつけてこんなにまで美しく更に個人的な嗜好性を満足させる夜空にきらめく数多の星々をも制して燦然と輝くビーナスの如き佳人たちと俗世を離れ昼夜共寝出来る環境が与えられるとはまさに天国、その天国の平穏を乱す者は去れ」
長っ。しゃべるスピードが速過ぎてよくわからなかったけど、なんか不穏なこと言っていたような気がする?
表情が死んでる王子様の顔を見ると、説明してくれた。
「彼、バイで」
「は?」
「君のことを好みだと」
「はあ?」
「僕のことも好みだと」
「はあああ?」
勇者様の方を盗み見ると、チラッと口元をゆるめていた。その微笑み、怖すぎる。
「早々でなんですが、そろそろクビにしていただきたく!」
早期退職を申し出た。環境が悪すぎる。早めに離脱していいって言ってたよね?
「まだ、旅にも出ていない。出発のパレードが済むまではダメだ」
却下されてしまった。
出発式のパレードは、大勢の民衆が集まってそれはそれは華やかだったが、私はベールを取ることを断固として拒否した。
こんな変態だらけのチームに加わって、自分もすごい変態だと思われたらイヤじゃない!
だが私は僧侶様の親切度を見くびっていた。
彼は後ろからそっと近づくと、顔を見たがっている民衆の皆さんの希望を叶えるために、ベールを引っぺがしてしまった。
おおおおおーっと地獄の釜のフタが開いたかのように、湧き上がる歓声と叫び。
「聖女様、かわいいい!」
「美人さんだなー!」
しかし、私は、もうおとなしくするのは止めにした。
「何をする、このボッチデブ!」
残りの二人はあっけに取られていたが、私が僧侶様の悪口を言ったのだとわかって、勇者様は思わず(関係ないくせに)してやったりみたいにニヤリと笑った。お前も同類だ!
「近寄るな、キモ変態」
華やかな出発式のパレードの最中、勇者たちが壇上でののしりあう声は歓呼の声でかき消され全く聞こえない。
「あ、じゃあ、僕は圏外王子ってことで」
うすら笑いを浮かべた王子様は、私に何か言われる前に先回りして勝手に名乗った。
「なに?圏外って?」
「継承権圏外」
「なんだと? ズルいぞ、まんまじゃないか。おい、聖女、もっとぴったりな名前を付けてやれ」
四人はにこにこ微笑みながら、観衆の歓呼の声に手を振って応えつつ、思いつく限りの本音を語りあって華々しく王都城外へ出発した。
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