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第5話 口説いたのに、聞いちゃいない
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王子様は、テーブルの上の金貨の山について説明してくれた。
「侍女としての勤務を許すとかいう家には、無事帰還ののちの聖女様の所属は王家に帰す可能性があるが、王家の聖女を自分の家の使用人にしてやろうとは、王家に対し不敬に過ぎないかと、王妃様の名前を使って恫喝した」
それがどういう理屈か私にはわからなかったが、侍女として雇ってやるという上から目線なお申し出は、王子様の恫喝でお金に変身したらしい。
「宝石類に関しては、討伐途上で紛失してお家の宝を無駄にしては申し訳ないので、現金での提供をお願いした」
「なるほど」
この理屈はわかった。
やるじゃないか、ヘロリ王子。顔は整っているけれど、宮廷での立場は弱くて、いろいろと割を食っているらしいが、一日でこれだけの現金をかっさらってくるとはなかなかのやり手だ。疲れたような顔をしているが、まあ、手紙は何十通かあったから、大変だったろう。
「ところで、ものは相談なんだけど……」
王子様は続けた。
「実は討伐隊の資金が不足していて、武器や食料の調達が……」
「お断りします」
私は最後まで聞かずに断った。
これは私のお金である。いくら回収したのがこのヘロリ王子様だとしても、彼の事業に使う権利はない。
「そうではない。討伐隊の資金が不足しているので、武器や食料の調達を喜捨に頼りたい……」
「寄付なんかしません。大体、自分のお金を寄付する話なんか聞いたこともありません」
ヘロリ王子はますます困った顔になった。
「ではなくて、大々的に一般に向けて喜捨を募りたい。一応、勇者以下四人だけではなくて、騎士団もついてくることになっているので、必要な経費は莫大になると思う。だが、金子ではなく現物による公募の喜捨を発表するのだ」
「はああ?」
この王子様、使う言葉が難しすぎてよくわからない。ゾラはわかったような顔をしているけど。
『ようするに、寄付を農民や商人向けに募りたいと言っている。金ではなく物で寄付して欲しいと』
「戦争というものは物価高を招く。現在、特に食料品の買い占めが続いていると言う。穀物価格の高騰に続き、全般に物価高が進んで、国民が困っているのだ」
「そんな大規模な戦いになるのですか」
私はそっちの方に驚いて尋ねた。四人で行くみたいな話をしていたような?
「四人だよ。最初だけ、騎士団が付いてくるだけ。ずっとついて来られたら、途中で帰っちゃうとかなあなあで済ませられないだろ?」
「そうですね」
私はおとなしく同意した。やっとわかる話になってきた。
「まあ、現物での喜捨を募るとなれば、基本食料品や武器の購入が減ると言うことになり、物価の高騰は過熱しないと思うのだ。そこで聖女の登場だ」
「?」
「喜捨なんか気分の問題だ。喜捨があるかどうかは、人気投票みたいなもんだ。だが、僕は影の薄い王子でね」
ちょっとヘロリ王子様が自嘲気味になってきた。
「顔はいいかもしれないけど、顔では力にならない。僕は年が離れているので、有力貴族の姫君たちは既に兄三人にとられた後だった」
こんなに男前なのに?
ヘロリ王子は苦笑した。
「美貌は異性には威力を発揮するが、同性に対しては意味を持たない。せいぜいがとこ悪意を買うくらいなもんだな」
ネガティブ。
陰キャだ、こいつ。
「だから僕が喜捨を募っても反応はないと思う。だけど君は違う」
え? 私?
「ここ数か月、君は安価で優良な薬を売り続けた。慈悲のお方と言われている。絶大な人気だった。僕がこっそり見に行ったほどに」
何がショックだったって、優秀で安価な薬というくだりだった。
価格設定間違えた! 痛恨!
「驚いているね。自覚はなかったのか。聖女と言われるだけあるね」
王子様は微笑んだが、私の心は荒れ狂っていた。値段設定間違えてた自覚なかったのって、私がバカと同義語なのでは。
「覗きに行ってみると、教会などによくいる高慢な聖女ではなかった。ただただ買いに来る人々の病状を聞き、治りを聞いていた。心の美しい人だと思った。半年以上通い続けた。雨の日も風の日も。店を開かない日もあったからね」
これまで販売した薬の瓶は約六十日×五十本(平均)。
「銀貨十枚でも安いのに、わずか一枚で売っていた」
ギャー。私、そんなもったいないことしてたの? だってあのガラス瓶の中身のほとんどは水なのに! その計算でいくと、逸失利益は三千×九なの? そうなの?
『元手はそこらに生えていた薬草だからほぼタダだろう。気にするような話か?』
ゾフが私の取り乱しように気が付いて声をかけた。王子様は、茫然とした私の様子に気が付いたのか、何やら口元をほんのり嬉しそうに緩めた。
「僕の話を聞いて心を動かされてくれるか? だとしたらとても嬉しい」
私は今、すごく悲しいです。
「僕は君の顔を見つめていた。美しい顔だ。きっと庶民どもも気づいたと思う。大人気だった。いずれどこかの金持ちの男が君を手に入れるかもしれない。そう気が付くと、一体どうしたらいいのかわからなくなった」
私は紙と鉛筆を取り出して、計算を始めた。ヘロリ王子様が回収してきた現金は、意外なことにしっかり各家ごとに拠出金額が書き出され、合計額も書いてある。中には、現金ではなく手形で出してきた家もあるようだ。これは割り引いて考えないといけないだろう。
「僕は王子なんだ。貴族の令嬢以外との結婚は許されない。君と結婚する未来はなかった。せっかく見つけた宝石なのに」
とりあえずは、私の価格設定が間違っていたばっかりに、取り逃したお金と、今回の事案で得られた臨時収入のプラマイを割り出したい。
『その二つには何の関係もないじゃないか。差し引きして何か意味はあるのか?』
ゾラの言うことはもっともだけど、同時期のお金の流れってやつよ! お金は理屈じゃないの。
『金は理屈そのものだろう』
「竜が出現した時、僕はもちろん黙っていた。あんなバカな討伐隊に出掛けるやつはいない。だがどうしても王子の誰かが出なくてはならなくなり、結局僕に回ってきた。その時、条件を出したんだ。聖女を連れて行きたいって」
すばらしい。計算の結果、ヘロリ王子様が分捕ってきた金額の方が、断然多い事が判明した。私は思わず短期間でこれだけの集金をしてのけた王子様を尊敬の目つきで眺めた。
王子様は、うなずいた。
「君は聖女だ。誰もが納得する。聖女なら僕は結婚できる。僕が君と結婚でできる」
ん? 君と結婚できる? 王子様はさっきから何か喋っていたが、自分と関係なさそうだったので、聞き流していたが、この一言はそういう訳にはいかなかった。
集金能力のある男は好きだ。でもなあ。王子様は要らないわ。
「んーまあ、それは遠慮します」
なぜかヘロリ王子様は泣きそうな顔になった。あわてて私は言った。
「でも、征伐隊には参加しますよ。私が参加すれば、物価高騰を避けられるんでしたね? 今、何の話してましたっけ?」
王子様は複雑な顔をしたが、言葉を続けた。
「聖女様の為なら、大勢の農民や町人が寄付するだろうって話」
それからまた少し黙ってから続けた。
「そうなれば、当てが外れて穀物価格は下落する。その時、この金で穀物を買い占める」
『何?』
声を上げたのはゾラだった。もっとも私以外、つまり王子様の耳にはにゃあとしか聞こえないのだが。
「あまり儲けにはならないと思うが、実際に出征するときはご祝儀価格になると思うからその時にでも売ればいくらかはもうかると思うね」
「何の話?」
『ナタリア様にはわからない大人の話です。相場』
ゾラが重々しく言った。
「子供扱いしないでよ」
私はぷんとしていったが、それを見た王子様はほんのり笑った。
「ナタリア、君にはわからないに決まっている。君はそんなお金なんかにこだわる人ではない」
この王子様、本気で人を見る目がないな。しかし、王子様は本気でそう思っているらしかった。彼は優しく言った。
「聖女ナタリア、僕は君を必ず守るよ。だから安心してついてきて欲しい」
人間の男が魔女を守るだなんて僭越も甚だしいわ。
『まあ、いいじゃないですか。ヘロリ王子にも事情はあるようですし。引っ越しなんて、いつしても同じですからね』
いつの間に、ゾラが王子様の味方に?
『資金もあるし、穀物相場に賭けてみるのも一興かと』
何ですか? それは?
そんなこんなで私は厚いベールで顔を包んで、討伐軍に参加することになった。
「侍女としての勤務を許すとかいう家には、無事帰還ののちの聖女様の所属は王家に帰す可能性があるが、王家の聖女を自分の家の使用人にしてやろうとは、王家に対し不敬に過ぎないかと、王妃様の名前を使って恫喝した」
それがどういう理屈か私にはわからなかったが、侍女として雇ってやるという上から目線なお申し出は、王子様の恫喝でお金に変身したらしい。
「宝石類に関しては、討伐途上で紛失してお家の宝を無駄にしては申し訳ないので、現金での提供をお願いした」
「なるほど」
この理屈はわかった。
やるじゃないか、ヘロリ王子。顔は整っているけれど、宮廷での立場は弱くて、いろいろと割を食っているらしいが、一日でこれだけの現金をかっさらってくるとはなかなかのやり手だ。疲れたような顔をしているが、まあ、手紙は何十通かあったから、大変だったろう。
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王子様は続けた。
「実は討伐隊の資金が不足していて、武器や食料の調達が……」
「お断りします」
私は最後まで聞かずに断った。
これは私のお金である。いくら回収したのがこのヘロリ王子様だとしても、彼の事業に使う権利はない。
「そうではない。討伐隊の資金が不足しているので、武器や食料の調達を喜捨に頼りたい……」
「寄付なんかしません。大体、自分のお金を寄付する話なんか聞いたこともありません」
ヘロリ王子はますます困った顔になった。
「ではなくて、大々的に一般に向けて喜捨を募りたい。一応、勇者以下四人だけではなくて、騎士団もついてくることになっているので、必要な経費は莫大になると思う。だが、金子ではなく現物による公募の喜捨を発表するのだ」
「はああ?」
この王子様、使う言葉が難しすぎてよくわからない。ゾラはわかったような顔をしているけど。
『ようするに、寄付を農民や商人向けに募りたいと言っている。金ではなく物で寄付して欲しいと』
「戦争というものは物価高を招く。現在、特に食料品の買い占めが続いていると言う。穀物価格の高騰に続き、全般に物価高が進んで、国民が困っているのだ」
「そんな大規模な戦いになるのですか」
私はそっちの方に驚いて尋ねた。四人で行くみたいな話をしていたような?
「四人だよ。最初だけ、騎士団が付いてくるだけ。ずっとついて来られたら、途中で帰っちゃうとかなあなあで済ませられないだろ?」
「そうですね」
私はおとなしく同意した。やっとわかる話になってきた。
「まあ、現物での喜捨を募るとなれば、基本食料品や武器の購入が減ると言うことになり、物価の高騰は過熱しないと思うのだ。そこで聖女の登場だ」
「?」
「喜捨なんか気分の問題だ。喜捨があるかどうかは、人気投票みたいなもんだ。だが、僕は影の薄い王子でね」
ちょっとヘロリ王子様が自嘲気味になってきた。
「顔はいいかもしれないけど、顔では力にならない。僕は年が離れているので、有力貴族の姫君たちは既に兄三人にとられた後だった」
こんなに男前なのに?
ヘロリ王子は苦笑した。
「美貌は異性には威力を発揮するが、同性に対しては意味を持たない。せいぜいがとこ悪意を買うくらいなもんだな」
ネガティブ。
陰キャだ、こいつ。
「だから僕が喜捨を募っても反応はないと思う。だけど君は違う」
え? 私?
「ここ数か月、君は安価で優良な薬を売り続けた。慈悲のお方と言われている。絶大な人気だった。僕がこっそり見に行ったほどに」
何がショックだったって、優秀で安価な薬というくだりだった。
価格設定間違えた! 痛恨!
「驚いているね。自覚はなかったのか。聖女と言われるだけあるね」
王子様は微笑んだが、私の心は荒れ狂っていた。値段設定間違えてた自覚なかったのって、私がバカと同義語なのでは。
「覗きに行ってみると、教会などによくいる高慢な聖女ではなかった。ただただ買いに来る人々の病状を聞き、治りを聞いていた。心の美しい人だと思った。半年以上通い続けた。雨の日も風の日も。店を開かない日もあったからね」
これまで販売した薬の瓶は約六十日×五十本(平均)。
「銀貨十枚でも安いのに、わずか一枚で売っていた」
ギャー。私、そんなもったいないことしてたの? だってあのガラス瓶の中身のほとんどは水なのに! その計算でいくと、逸失利益は三千×九なの? そうなの?
『元手はそこらに生えていた薬草だからほぼタダだろう。気にするような話か?』
ゾフが私の取り乱しように気が付いて声をかけた。王子様は、茫然とした私の様子に気が付いたのか、何やら口元をほんのり嬉しそうに緩めた。
「僕の話を聞いて心を動かされてくれるか? だとしたらとても嬉しい」
私は今、すごく悲しいです。
「僕は君の顔を見つめていた。美しい顔だ。きっと庶民どもも気づいたと思う。大人気だった。いずれどこかの金持ちの男が君を手に入れるかもしれない。そう気が付くと、一体どうしたらいいのかわからなくなった」
私は紙と鉛筆を取り出して、計算を始めた。ヘロリ王子様が回収してきた現金は、意外なことにしっかり各家ごとに拠出金額が書き出され、合計額も書いてある。中には、現金ではなく手形で出してきた家もあるようだ。これは割り引いて考えないといけないだろう。
「僕は王子なんだ。貴族の令嬢以外との結婚は許されない。君と結婚する未来はなかった。せっかく見つけた宝石なのに」
とりあえずは、私の価格設定が間違っていたばっかりに、取り逃したお金と、今回の事案で得られた臨時収入のプラマイを割り出したい。
『その二つには何の関係もないじゃないか。差し引きして何か意味はあるのか?』
ゾラの言うことはもっともだけど、同時期のお金の流れってやつよ! お金は理屈じゃないの。
『金は理屈そのものだろう』
「竜が出現した時、僕はもちろん黙っていた。あんなバカな討伐隊に出掛けるやつはいない。だがどうしても王子の誰かが出なくてはならなくなり、結局僕に回ってきた。その時、条件を出したんだ。聖女を連れて行きたいって」
すばらしい。計算の結果、ヘロリ王子様が分捕ってきた金額の方が、断然多い事が判明した。私は思わず短期間でこれだけの集金をしてのけた王子様を尊敬の目つきで眺めた。
王子様は、うなずいた。
「君は聖女だ。誰もが納得する。聖女なら僕は結婚できる。僕が君と結婚でできる」
ん? 君と結婚できる? 王子様はさっきから何か喋っていたが、自分と関係なさそうだったので、聞き流していたが、この一言はそういう訳にはいかなかった。
集金能力のある男は好きだ。でもなあ。王子様は要らないわ。
「んーまあ、それは遠慮します」
なぜかヘロリ王子様は泣きそうな顔になった。あわてて私は言った。
「でも、征伐隊には参加しますよ。私が参加すれば、物価高騰を避けられるんでしたね? 今、何の話してましたっけ?」
王子様は複雑な顔をしたが、言葉を続けた。
「聖女様の為なら、大勢の農民や町人が寄付するだろうって話」
それからまた少し黙ってから続けた。
「そうなれば、当てが外れて穀物価格は下落する。その時、この金で穀物を買い占める」
『何?』
声を上げたのはゾラだった。もっとも私以外、つまり王子様の耳にはにゃあとしか聞こえないのだが。
「あまり儲けにはならないと思うが、実際に出征するときはご祝儀価格になると思うからその時にでも売ればいくらかはもうかると思うね」
「何の話?」
『ナタリア様にはわからない大人の話です。相場』
ゾラが重々しく言った。
「子供扱いしないでよ」
私はぷんとしていったが、それを見た王子様はほんのり笑った。
「ナタリア、君にはわからないに決まっている。君はそんなお金なんかにこだわる人ではない」
この王子様、本気で人を見る目がないな。しかし、王子様は本気でそう思っているらしかった。彼は優しく言った。
「聖女ナタリア、僕は君を必ず守るよ。だから安心してついてきて欲しい」
人間の男が魔女を守るだなんて僭越も甚だしいわ。
『まあ、いいじゃないですか。ヘロリ王子にも事情はあるようですし。引っ越しなんて、いつしても同じですからね』
いつの間に、ゾラが王子様の味方に?
『資金もあるし、穀物相場に賭けてみるのも一興かと』
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