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第58話 牢屋脱出劇場
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「普通、牢屋は出るのに苦労する場所だと思っていましたわ」
帰ってきたゲイリーに向かってそう言うと、ゲイリーもしかめ面をして答えた。
「私もこんなに入るのに苦労するとは思わなかったですよ」
私は翌朝、夫の処刑記録を見せて欲しいと王妃様に泣きついた。
良心が咎める王妃様は、割と簡単に許可をくれ、私は、ゲイリー以外にも何人かの騎士と、無理を言ってリーリ侯爵に付き添いを頼んだ。
「嫌なお役目をお願いいたしまして……」
気のいい老侯爵は本気で気の毒がってくれていたので、気にしなくていいと繰り返し言ってくれた。
リーリ侯爵は、本人は知らないが、証人役である。あと、ゲイリー以外の騎士たちもだ。
つまり、彼らが観客というわけで、私は猛烈に緊張していた。
お芝居は観るもので、演るものじゃない。
私はドキドキしてきた。
牢獄と言うところは初めて入った。
令嬢や夫人は、普通、こんなところへ出入りしない。
暗くて、陰気で、さすがに遠慮したい場所だった。石造りの頑丈な部屋と鉄格子を見た時は身震いが出た。想像通りだ。
「おお、危ない」
考えすぎて、足元が疎かになり、段を踏み外しそうになると、侯爵があわてて手を取ってくれた。
「申し訳ございません」
足元もおぼつかない妻……いいかも知れない。
傍らの騎士たちは、王太子殿下の飲み友達ではない方の、真面目な騎士たちで、みな、私に同情的だった。
目の周りにクマを描いといてよかった……殿下のことさえなければ、ただの貴族の夫人で、心配事など何もない身の上なのだ。だから、今はツヤツヤしている……と、思う。
それに最近籠り切りなので、太ってきた気がする。嘆き悲しむ奥方の雰囲気がまるで出ないわ。
夫が心配で……と言うべきところだが、脳内のラルフも、ツヤツヤしている。
公爵邸に籠り切り生活が嫌になって、客間でゲイリーと剣を振り回し始めた。危なくて仕方ない。昨日は寝室から客間までを往復で走っていた。よほど響くのか、階下の使用人があの音は何だと聞きに来て、マリーン夫人が気のせいだとキッパリ断言していたが、信じていない顔だった。いっそ、奥様がクマを飼い始めたとか言い訳した方がよかったかもしれない。
「こちらがおいでだった牢で……」
ゲイリーがしんみりと言うと、周りの騎士とリーリ侯爵が悲壮な顔つきになった。
私はどんな顔をしたらいいのかしら。
次いで、牢番だと言う男に、ゲイリーが命じた。
「オールバンス男爵の処刑の記録を持って来い」
牢番が待ってましたとばかりにサッと取り出し、ゲイリーは早すぎると目付で非難したが、牢番にはうまく伝わらなかったらしい。彼はにっこり笑ってゲイリーにうなずき返した。
違う。そうじゃない。誰だ、この牢番を仲間にした人物は。完全な人選ミスだ。笑っていい場面ではない。
あきらめたゲイリーは、牢番が差し出した本をパラパラめくっていたが、記録がないと騒ぎ出す。
「なんですと?」
騎士たちが、ドヤドヤと集まり始め、一緒になって大きな記録本を真剣に覗き込んだ。
「あの尋問の日は何日だったかな?」
「六日だったぞ?」
「六日、六日と。ないな?」
「ほかの処刑の記録もありませんね?」
全員が首をひねった。
ゲイリーは、殊更に不思議そうな顔つきをするために、なぜか唇を突き出して見せた。
うっかり吹き出してはいけないので、私はゲイリーの顔を見ないで済むように、うなだれ、うつむいた。
リーリ侯爵を余計に心配させてしまって申し訳ない。
結局、いくら探しても処刑記録が見つからず、牢番が尋問された。
「そういえば、お一人、なんの罪状とも聞かされず、連れてこられた奴がいましたよ!」
「いつの話だ?」
「最近です!」
元気よく牢番が決められたセリフを答えたが、ゲイリーは牢番の出番を減らす方針に変更したらしい。もう少しセリフがあったはずだが、カットになった。
「とりあえず案内しろ」
「リーリ侯爵様……記録がないと言うことは、もしかして?」
「あ、いや、奥方様、まずは私どもが先に見て参りますから。それにしてもここの牢の管理はなっとらんな」
ゲイリーがわざとらしく牢番をにらむと、仲間の牢番はヘラっと笑った。
ここも笑ってはいけない場面だ。ゲイリーは、ムッとすると牢番の腕を力任せにつかんで、そのまま奥へ連れて行ってしまった。
その後を騎士たちがぞろぞろついていった。
「オーガスタ嬢、ではない、オールバンス夫人、期待すれば辛くなります」
気の毒なリーリ侯爵が一生懸命慰めてくれた。なんだか申し訳ないわ。
「ほんとうに、申し訳ございません」
「そんな風に思う必要は全くない」
「いえ……」
本当に悪いと思っているのよ。こんなことに付き合わせてしまって……。
期せずして、しんみりした雰囲気が醸成されてしまった。これでいいのかしら。
突然、わあああと言う大声が上がって、私と侯爵は震え上がった。
「どうしたと言うのでしょう?」
牢の雰囲気は暗く、用事がなければさっさと退散したいところだった。
「オーガスタ様!」
若い騎士が走り寄ってきた。顔が紅潮している。
あら、いやだ。なかなかハンサムじゃないの。
「お喜びくださいませ! なんと、オールバンス様はご無事でございました。ひどいご様子ですが……」
「何ですって!」
私は叫び、走り出そうとして自分のドレスの裾を踏んで転ぶと言う失態を演じてしまった。
「おお、オールバンス夫人、大丈夫でございますか」
「オーガスタ!」
リーリ侯爵が大あわてだったが、若い騎士の方が素早くて、抱き上げてくれた。
「このまま(抱いて)連れていってください、早く!」
役得である。
結構、牢は広いのでドレスで歩くのが大変になってきていたところだった。若くてたくましくてかっこいい騎士に抱いて連れてってもらえるだなんて、ごきげんだ。それに次のセリフも考えなきゃだし。どうして、私のセリフは、全部アドリブってことになったのかしら。
「ラルフ様、ご無事とは! これはとても驚きです!」
もっと驚いてよ! ちょっと棒読みなゲイリーのセリフが聞こえてきた。
「どこなの? ラルフ?」
ラルフの姿を見て、笑い出さなかったのは上出来だと思う。
彼は顔を黒く塗り、新品の縞模様の服を着ていた。私は囚人服のデザインに詳しいわけではないが、その服で正しいのかしら。誰かの演出なのかしら。
「ラルフ! 本当にラルフなの?」
「オーガスタ! よかった。ここから出してくれ、ひどい目にあったんだ」
照れて笑いながら言うな、ラルフ。釣られて笑うじゃないの! 感動の再会が台無しだ。
「勅命をもらってまいりました。ここから出ても大丈夫でございます!」
大丈夫だった。騎士連中もリーリ侯爵も、驚きまくっていて、ゲイリーの棒読みと、ラルフのうっかり薄ら笑いと、私の大コケの失態はバレないで済んだ。
騎士たちは目に涙を浮かべ、リーリ侯爵ともども、感動の再会になってしまった。
負けるわけにはいかないではないか。冷たい奥方様とか言われたらどうしよう。
「信じられないわ! ラルフ! 無事だったのね!」
切羽詰まって、私はラルフに抱き着いた。
「おお、オーガスタ!」
抱きつかれて、ラルフが素で嬉しそうだったのは癪だった。どいつもこいつも、なんでこんな大根なんだ。そして、そこの感動した騎士団! 恥ずかしいから拍手しないで! 拍手の音が牢中に響き渡ってるじゃない。
「本当に良かった……」
リーリ侯爵が横で目を拭いていた。もう、本当に返す返すも申し訳ありません。
自邸に帰ってから、ラルフと私はお互いの大根ぶりを責めまくったが、父が来て、大笑いで出獄を祝ってくれた。
「仕方ないだろう。まず牢に入らなくちゃならなかったし、次には出なくちゃいかん。誰もそんな芝居やったことないし」
「手間ですわよ、お父さま」
父は大まじめだった。
「手順を踏まないと、わざと同情を買おうとしたと思われるだろう」
いえ。わざと同情を買おうとしましたのよ。
でも、確かにバレてはいけませんわね。
「王と王妃が引退すると言っている」
「え?」
ラルフと私が目を見張った。
「本当だ。すっかり嫌になったらしい」
「何が原因で?」
父はため息をついた。
「あれだよ。偽手紙のせいで、尋問会が開かれ、そして、王太子殿下の子どもと言われていた子どもが、王太子の子ではなかったことがはっきりしたからだろう」
帰ってきたゲイリーに向かってそう言うと、ゲイリーもしかめ面をして答えた。
「私もこんなに入るのに苦労するとは思わなかったですよ」
私は翌朝、夫の処刑記録を見せて欲しいと王妃様に泣きついた。
良心が咎める王妃様は、割と簡単に許可をくれ、私は、ゲイリー以外にも何人かの騎士と、無理を言ってリーリ侯爵に付き添いを頼んだ。
「嫌なお役目をお願いいたしまして……」
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お芝居は観るもので、演るものじゃない。
私はドキドキしてきた。
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令嬢や夫人は、普通、こんなところへ出入りしない。
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「おお、危ない」
考えすぎて、足元が疎かになり、段を踏み外しそうになると、侯爵があわてて手を取ってくれた。
「申し訳ございません」
足元もおぼつかない妻……いいかも知れない。
傍らの騎士たちは、王太子殿下の飲み友達ではない方の、真面目な騎士たちで、みな、私に同情的だった。
目の周りにクマを描いといてよかった……殿下のことさえなければ、ただの貴族の夫人で、心配事など何もない身の上なのだ。だから、今はツヤツヤしている……と、思う。
それに最近籠り切りなので、太ってきた気がする。嘆き悲しむ奥方の雰囲気がまるで出ないわ。
夫が心配で……と言うべきところだが、脳内のラルフも、ツヤツヤしている。
公爵邸に籠り切り生活が嫌になって、客間でゲイリーと剣を振り回し始めた。危なくて仕方ない。昨日は寝室から客間までを往復で走っていた。よほど響くのか、階下の使用人があの音は何だと聞きに来て、マリーン夫人が気のせいだとキッパリ断言していたが、信じていない顔だった。いっそ、奥様がクマを飼い始めたとか言い訳した方がよかったかもしれない。
「こちらがおいでだった牢で……」
ゲイリーがしんみりと言うと、周りの騎士とリーリ侯爵が悲壮な顔つきになった。
私はどんな顔をしたらいいのかしら。
次いで、牢番だと言う男に、ゲイリーが命じた。
「オールバンス男爵の処刑の記録を持って来い」
牢番が待ってましたとばかりにサッと取り出し、ゲイリーは早すぎると目付で非難したが、牢番にはうまく伝わらなかったらしい。彼はにっこり笑ってゲイリーにうなずき返した。
違う。そうじゃない。誰だ、この牢番を仲間にした人物は。完全な人選ミスだ。笑っていい場面ではない。
あきらめたゲイリーは、牢番が差し出した本をパラパラめくっていたが、記録がないと騒ぎ出す。
「なんですと?」
騎士たちが、ドヤドヤと集まり始め、一緒になって大きな記録本を真剣に覗き込んだ。
「あの尋問の日は何日だったかな?」
「六日だったぞ?」
「六日、六日と。ないな?」
「ほかの処刑の記録もありませんね?」
全員が首をひねった。
ゲイリーは、殊更に不思議そうな顔つきをするために、なぜか唇を突き出して見せた。
うっかり吹き出してはいけないので、私はゲイリーの顔を見ないで済むように、うなだれ、うつむいた。
リーリ侯爵を余計に心配させてしまって申し訳ない。
結局、いくら探しても処刑記録が見つからず、牢番が尋問された。
「そういえば、お一人、なんの罪状とも聞かされず、連れてこられた奴がいましたよ!」
「いつの話だ?」
「最近です!」
元気よく牢番が決められたセリフを答えたが、ゲイリーは牢番の出番を減らす方針に変更したらしい。もう少しセリフがあったはずだが、カットになった。
「とりあえず案内しろ」
「リーリ侯爵様……記録がないと言うことは、もしかして?」
「あ、いや、奥方様、まずは私どもが先に見て参りますから。それにしてもここの牢の管理はなっとらんな」
ゲイリーがわざとらしく牢番をにらむと、仲間の牢番はヘラっと笑った。
ここも笑ってはいけない場面だ。ゲイリーは、ムッとすると牢番の腕を力任せにつかんで、そのまま奥へ連れて行ってしまった。
その後を騎士たちがぞろぞろついていった。
「オーガスタ嬢、ではない、オールバンス夫人、期待すれば辛くなります」
気の毒なリーリ侯爵が一生懸命慰めてくれた。なんだか申し訳ないわ。
「ほんとうに、申し訳ございません」
「そんな風に思う必要は全くない」
「いえ……」
本当に悪いと思っているのよ。こんなことに付き合わせてしまって……。
期せずして、しんみりした雰囲気が醸成されてしまった。これでいいのかしら。
突然、わあああと言う大声が上がって、私と侯爵は震え上がった。
「どうしたと言うのでしょう?」
牢の雰囲気は暗く、用事がなければさっさと退散したいところだった。
「オーガスタ様!」
若い騎士が走り寄ってきた。顔が紅潮している。
あら、いやだ。なかなかハンサムじゃないの。
「お喜びくださいませ! なんと、オールバンス様はご無事でございました。ひどいご様子ですが……」
「何ですって!」
私は叫び、走り出そうとして自分のドレスの裾を踏んで転ぶと言う失態を演じてしまった。
「おお、オールバンス夫人、大丈夫でございますか」
「オーガスタ!」
リーリ侯爵が大あわてだったが、若い騎士の方が素早くて、抱き上げてくれた。
「このまま(抱いて)連れていってください、早く!」
役得である。
結構、牢は広いのでドレスで歩くのが大変になってきていたところだった。若くてたくましくてかっこいい騎士に抱いて連れてってもらえるだなんて、ごきげんだ。それに次のセリフも考えなきゃだし。どうして、私のセリフは、全部アドリブってことになったのかしら。
「ラルフ様、ご無事とは! これはとても驚きです!」
もっと驚いてよ! ちょっと棒読みなゲイリーのセリフが聞こえてきた。
「どこなの? ラルフ?」
ラルフの姿を見て、笑い出さなかったのは上出来だと思う。
彼は顔を黒く塗り、新品の縞模様の服を着ていた。私は囚人服のデザインに詳しいわけではないが、その服で正しいのかしら。誰かの演出なのかしら。
「ラルフ! 本当にラルフなの?」
「オーガスタ! よかった。ここから出してくれ、ひどい目にあったんだ」
照れて笑いながら言うな、ラルフ。釣られて笑うじゃないの! 感動の再会が台無しだ。
「勅命をもらってまいりました。ここから出ても大丈夫でございます!」
大丈夫だった。騎士連中もリーリ侯爵も、驚きまくっていて、ゲイリーの棒読みと、ラルフのうっかり薄ら笑いと、私の大コケの失態はバレないで済んだ。
騎士たちは目に涙を浮かべ、リーリ侯爵ともども、感動の再会になってしまった。
負けるわけにはいかないではないか。冷たい奥方様とか言われたらどうしよう。
「信じられないわ! ラルフ! 無事だったのね!」
切羽詰まって、私はラルフに抱き着いた。
「おお、オーガスタ!」
抱きつかれて、ラルフが素で嬉しそうだったのは癪だった。どいつもこいつも、なんでこんな大根なんだ。そして、そこの感動した騎士団! 恥ずかしいから拍手しないで! 拍手の音が牢中に響き渡ってるじゃない。
「本当に良かった……」
リーリ侯爵が横で目を拭いていた。もう、本当に返す返すも申し訳ありません。
自邸に帰ってから、ラルフと私はお互いの大根ぶりを責めまくったが、父が来て、大笑いで出獄を祝ってくれた。
「仕方ないだろう。まず牢に入らなくちゃならなかったし、次には出なくちゃいかん。誰もそんな芝居やったことないし」
「手間ですわよ、お父さま」
父は大まじめだった。
「手順を踏まないと、わざと同情を買おうとしたと思われるだろう」
いえ。わざと同情を買おうとしましたのよ。
でも、確かにバレてはいけませんわね。
「王と王妃が引退すると言っている」
「え?」
ラルフと私が目を見張った。
「本当だ。すっかり嫌になったらしい」
「何が原因で?」
父はため息をついた。
「あれだよ。偽手紙のせいで、尋問会が開かれ、そして、王太子殿下の子どもと言われていた子どもが、王太子の子ではなかったことがはっきりしたからだろう」
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