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第51話 疑惑
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どこか得意げだったラルフが、私の言い方に何事かを感じ取ったらしく、こちらを向いた。
「知り合いの商人て誰です」
「あ、あなたは知らないと思う」
「なんという名前の誰ですか?」
ラルフが、ちょっと動揺したように見えた。
「ええと、セリムと言う」
「あなたとその方はどこでお知り合いになったのですか?」
「なぜ、そんなことを聞くの?」
「ずいぶん、そのアレキアの商人とお親しいと思って」
「多少なりとも、商売をしている人間なら、アレキア人の商人の一人や二人は知っているものだよ」
そんなことはない。
例えば、テオのような大商人や、リッチモンド家、ベロス家のような大領地を抱える家は、確かに外国との通商がある。だが、普通の人はアレキア人を見たことすらないはずだ。
それに、余程親しくなければ、さっきのような交渉ができるはずがなかった。
ベロス公爵は商人を通じて、アレキアとパイプを持っていた。
だが、ベロス公爵が王太子の死を望んでいたはずがない。
私はずっと不思議だった。
どうして、殿下は偵察と称してマルケの要塞の外へ出たのだろう。
そして、ピンポイントで、なぜアレキアはその時を狙うことが出来たのだろう。
私は殿下をよく知っている。
彼は面倒くさがりだ。要塞の外に出かける理由があったはずだ。砦ばかりにいるのが嫌になったとかいう単純な理由かもしれないが。
誰かが、殿下の行動を伝えたのではないかと、漠然と感じていた。
そして、ベロス公爵の不用意な言動が招いたのだと信じていた。彼以外、アレキア人と強い繋がりのある人物に、心当たりがなかったから。
だが、もし、ラルフが王太子殿下に悪意を抱くか、それとも殿下に将来の王としての器に不安を感じたなら?
「まさか、あなたではないわよね…?」
うっかり声になってしまったらしい。
「……何を言ってるんだ?」
ラルフの低い声が答えた。
一瞬で空気が凍りついた。
何を言ってるの? まさか本当にラルフがなにか……?
「まさか、ラルフが殿下のことをアレキアに知らせたとか……あなたは殿下の亡くなったことに関係はないわよね?」
口が滑った。言ってはいけない言葉だったかもしれない。
だが、その言葉を聞くと、ラルフは目を見開いてちょっと驚いた様子をした。
それから呆れたと言った表情で、カラカラと笑い出した。
「何をとんでもないことを想像してるんだ。まさか、僕が彼に剣を振るっただなんて考えているんじゃないよね?」
「そんなこと、考えていないわ……でも」
私は口籠もった。
「ああ、オーガスタ」
ラルフの大きな手が背中に回った。
「想像力が逞しすぎる。それなら……僕を告発する気かい? あなたは公爵家の名に泥を塗り、裏切り者の妻を名乗るつもりなの?」
「いいえ?!」
「僕を疑わないでほしいな。あなたの夫をそんな人間だと言うの? 自分の夫を疑うの?」
ラルフは私の肩をやさしく抱いた。
「そ、そんなことないわ」
私はただ、あまりにもラルフがアレキア商人と親しかったので、少し驚いただけだ。
ラルフは私をじっと見て、それから笑いながら言った。
「でも、見方を変えれば、責任は全部、あなたにあるのかも知れないよ?」
「え?」
「二人の男の運命を狂わせた」
ラルフはゆっくりと言った。
「あなたはそんな稀代の悪女だ」
「そんなっ 私は何もしていないわ!」
「そう。何もしていない。微笑んでいただけ。周りの男たちの気持ちを想像したことがあるかい? ダンスパーティの時もあなたと踊ることは許されない。手に触れることすら。殿下のものだから」
ラルフは髪を指に絡めて囁いた。
「リッチモンド公爵家のお付きとして、その様子を見ている時、僕がどんな気持ちだったと思う? あなたを好きにならなかったらよかった」
そんな話をしているのじゃないのに。
「僕の気持ちを疑うの? 僕を捨てる気? そんな噂を広げて?」
「まさか。そんなことじゃなくて……」
「僕が殿下に嫉妬していたと言うなら、それはその通りだ。あんな何の値打ちもない男。あなたは僕を愛してくれていないの?」
事情に押されて結婚を急いだので、求婚期間はなく、海辺の別邸に新婚旅行?に行った時はとにかく、彼はあまりこんな風に責めてくることはなかった。
私は、どう返事したらいいかわからなくなった。
「あなたに好きだと言われたのは、海辺の別邸に行っていた時だけだ。それも、僕から無理やり言わせたようなものだ。もしかして、僕を破滅させたいくらい嫌いなの? 僕がアレキア人を操って殿下に何かするなんてあり得ないでしょう? いくら僕が殿下に嫉妬していたとしても」
私は困ってラルフの手から逃れようとした。彼はがっちり引き留めた。
「だから、悪女だと言うのだよ。あのバカな殿下も、婚約者のあなたのつれない態度に熱くなって狂っていった。何もかも許された夫の僕がこれだ。冷たくされて」
「そんなつもりじゃないわ」
「では、どんなつもりなの? 教えて欲しい。ちゃんと教えてくれないとこうするよ?」
私を抱き寄せて距離を縮めて、彼は私を見つめた。
「夫婦なのに。唯一無二の存在だと世界中に宣言したんだ。あなたを独り占め出来る権利を手に入れた。なのに、恋に落ちてはくれなかった。愛してくれない」
「そんなことないわ」
私は真っ赤になりながら言った。
「ないんだね」
ラルフは満足そうに笑った。
満腹した犬みたいだ。だが、次の瞬間、ガツガツ飢えた犬みたいになる。
「では僕が二度と殿下に嫉妬なんかしないで済むくらい、そのことを僕に教えてくれる? 証拠を見せて欲しいな。ちゃんと声に出して欲しい。今回、悪いのは僕を疑ったあなただ。疑うなんてひどい。だから、あなたの方から、僕に教えて欲しい」
ベロス公爵や国王やその側近たちは、アレキアによる国家存亡の危機だと狭い王宮で力いっぱい声を張り上げて舌戦を繰り広げていた。
果ては中傷合戦にまで発展したが、彼らが知らぬ間に、アレキア軍は全滅していた。
呆然とした王とベロス公爵は完全に蚊帳の外で、まるで、無力の極みだとバカにされた気分を味わった。
だが、苦情を言う訳にはいかない。
ルフランが完璧なまでに勝利を収めたのだ。勝ちは勝ちだ。
勝利を知った民衆は大喜びだった。
彼らは誰がこの勝利をもたらしたのか、知っていた。
彼らはババリア元帥と、それからオールバンス男爵の名前を叫んでいた。
「まずいかもしれない」
私は、南翼の部屋から外の喧騒を見て、急いでカーテンを閉めた。
公爵邸の周りは、勝利を聞いて大喜びの平民連中が、数限りなく集まっていて何やら叫んでいた。
「大方、ラルフ様を褒め称えているのでしょう。好きなように言わせておけばいいではありませんか」
マリーナ夫人は鷹揚に言ったが、私はそうは考えなかった。
「王妃様はどうお考えになるかしら? それにベロス公爵は?」
ベロス公爵は王宮で、自分に断りなく勝手に勝つなんて、越権行為だと言いかけて、ババリア元帥の怒りを買っていた。
「あなたの許可がないから、負けてこいと? ああ、そう言えば、あなたも一度は出陣されたのでしたな。その折には、どうされたのでしたっけ。私の記憶によれば、一戦も交えず戻ってこられたような? 無戦敗ですかな?」
ベロス公爵は屈辱に真っ赤になっていた。
こういう時は王妃様の出番だった。
彼女は王とベロス公爵を一睨みで黙らせ、ババリア元帥に感謝して、功労者のラルフに副宰相の地位を与えた。
平穏な時は二週間しか続かなかった。
その知らせは突然で、一人の従僕が、真っ青な顔をして、私たちの住まいに飛び込んできた。
「王妃様がラルフ様をお呼びだそうでございます」
使いの者は額に汗をにじませ、困惑の表情を浮かべたまま、ラルフを見上げた。
「今、王宮から急使が参りました。王妃様のところに告発文が届いたそうです。王太子殿下の死にはラルフ様が関わっていると」
_______________
オーガスタをゴマ化しにかかるラルフ。
「知り合いの商人て誰です」
「あ、あなたは知らないと思う」
「なんという名前の誰ですか?」
ラルフが、ちょっと動揺したように見えた。
「ええと、セリムと言う」
「あなたとその方はどこでお知り合いになったのですか?」
「なぜ、そんなことを聞くの?」
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そんなことはない。
例えば、テオのような大商人や、リッチモンド家、ベロス家のような大領地を抱える家は、確かに外国との通商がある。だが、普通の人はアレキア人を見たことすらないはずだ。
それに、余程親しくなければ、さっきのような交渉ができるはずがなかった。
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だが、ベロス公爵が王太子の死を望んでいたはずがない。
私はずっと不思議だった。
どうして、殿下は偵察と称してマルケの要塞の外へ出たのだろう。
そして、ピンポイントで、なぜアレキアはその時を狙うことが出来たのだろう。
私は殿下をよく知っている。
彼は面倒くさがりだ。要塞の外に出かける理由があったはずだ。砦ばかりにいるのが嫌になったとかいう単純な理由かもしれないが。
誰かが、殿下の行動を伝えたのではないかと、漠然と感じていた。
そして、ベロス公爵の不用意な言動が招いたのだと信じていた。彼以外、アレキア人と強い繋がりのある人物に、心当たりがなかったから。
だが、もし、ラルフが王太子殿下に悪意を抱くか、それとも殿下に将来の王としての器に不安を感じたなら?
「まさか、あなたではないわよね…?」
うっかり声になってしまったらしい。
「……何を言ってるんだ?」
ラルフの低い声が答えた。
一瞬で空気が凍りついた。
何を言ってるの? まさか本当にラルフがなにか……?
「まさか、ラルフが殿下のことをアレキアに知らせたとか……あなたは殿下の亡くなったことに関係はないわよね?」
口が滑った。言ってはいけない言葉だったかもしれない。
だが、その言葉を聞くと、ラルフは目を見開いてちょっと驚いた様子をした。
それから呆れたと言った表情で、カラカラと笑い出した。
「何をとんでもないことを想像してるんだ。まさか、僕が彼に剣を振るっただなんて考えているんじゃないよね?」
「そんなこと、考えていないわ……でも」
私は口籠もった。
「ああ、オーガスタ」
ラルフの大きな手が背中に回った。
「想像力が逞しすぎる。それなら……僕を告発する気かい? あなたは公爵家の名に泥を塗り、裏切り者の妻を名乗るつもりなの?」
「いいえ?!」
「僕を疑わないでほしいな。あなたの夫をそんな人間だと言うの? 自分の夫を疑うの?」
ラルフは私の肩をやさしく抱いた。
「そ、そんなことないわ」
私はただ、あまりにもラルフがアレキア商人と親しかったので、少し驚いただけだ。
ラルフは私をじっと見て、それから笑いながら言った。
「でも、見方を変えれば、責任は全部、あなたにあるのかも知れないよ?」
「え?」
「二人の男の運命を狂わせた」
ラルフはゆっくりと言った。
「あなたはそんな稀代の悪女だ」
「そんなっ 私は何もしていないわ!」
「そう。何もしていない。微笑んでいただけ。周りの男たちの気持ちを想像したことがあるかい? ダンスパーティの時もあなたと踊ることは許されない。手に触れることすら。殿下のものだから」
ラルフは髪を指に絡めて囁いた。
「リッチモンド公爵家のお付きとして、その様子を見ている時、僕がどんな気持ちだったと思う? あなたを好きにならなかったらよかった」
そんな話をしているのじゃないのに。
「僕の気持ちを疑うの? 僕を捨てる気? そんな噂を広げて?」
「まさか。そんなことじゃなくて……」
「僕が殿下に嫉妬していたと言うなら、それはその通りだ。あんな何の値打ちもない男。あなたは僕を愛してくれていないの?」
事情に押されて結婚を急いだので、求婚期間はなく、海辺の別邸に新婚旅行?に行った時はとにかく、彼はあまりこんな風に責めてくることはなかった。
私は、どう返事したらいいかわからなくなった。
「あなたに好きだと言われたのは、海辺の別邸に行っていた時だけだ。それも、僕から無理やり言わせたようなものだ。もしかして、僕を破滅させたいくらい嫌いなの? 僕がアレキア人を操って殿下に何かするなんてあり得ないでしょう? いくら僕が殿下に嫉妬していたとしても」
私は困ってラルフの手から逃れようとした。彼はがっちり引き留めた。
「だから、悪女だと言うのだよ。あのバカな殿下も、婚約者のあなたのつれない態度に熱くなって狂っていった。何もかも許された夫の僕がこれだ。冷たくされて」
「そんなつもりじゃないわ」
「では、どんなつもりなの? 教えて欲しい。ちゃんと教えてくれないとこうするよ?」
私を抱き寄せて距離を縮めて、彼は私を見つめた。
「夫婦なのに。唯一無二の存在だと世界中に宣言したんだ。あなたを独り占め出来る権利を手に入れた。なのに、恋に落ちてはくれなかった。愛してくれない」
「そんなことないわ」
私は真っ赤になりながら言った。
「ないんだね」
ラルフは満足そうに笑った。
満腹した犬みたいだ。だが、次の瞬間、ガツガツ飢えた犬みたいになる。
「では僕が二度と殿下に嫉妬なんかしないで済むくらい、そのことを僕に教えてくれる? 証拠を見せて欲しいな。ちゃんと声に出して欲しい。今回、悪いのは僕を疑ったあなただ。疑うなんてひどい。だから、あなたの方から、僕に教えて欲しい」
ベロス公爵や国王やその側近たちは、アレキアによる国家存亡の危機だと狭い王宮で力いっぱい声を張り上げて舌戦を繰り広げていた。
果ては中傷合戦にまで発展したが、彼らが知らぬ間に、アレキア軍は全滅していた。
呆然とした王とベロス公爵は完全に蚊帳の外で、まるで、無力の極みだとバカにされた気分を味わった。
だが、苦情を言う訳にはいかない。
ルフランが完璧なまでに勝利を収めたのだ。勝ちは勝ちだ。
勝利を知った民衆は大喜びだった。
彼らは誰がこの勝利をもたらしたのか、知っていた。
彼らはババリア元帥と、それからオールバンス男爵の名前を叫んでいた。
「まずいかもしれない」
私は、南翼の部屋から外の喧騒を見て、急いでカーテンを閉めた。
公爵邸の周りは、勝利を聞いて大喜びの平民連中が、数限りなく集まっていて何やら叫んでいた。
「大方、ラルフ様を褒め称えているのでしょう。好きなように言わせておけばいいではありませんか」
マリーナ夫人は鷹揚に言ったが、私はそうは考えなかった。
「王妃様はどうお考えになるかしら? それにベロス公爵は?」
ベロス公爵は王宮で、自分に断りなく勝手に勝つなんて、越権行為だと言いかけて、ババリア元帥の怒りを買っていた。
「あなたの許可がないから、負けてこいと? ああ、そう言えば、あなたも一度は出陣されたのでしたな。その折には、どうされたのでしたっけ。私の記憶によれば、一戦も交えず戻ってこられたような? 無戦敗ですかな?」
ベロス公爵は屈辱に真っ赤になっていた。
こういう時は王妃様の出番だった。
彼女は王とベロス公爵を一睨みで黙らせ、ババリア元帥に感謝して、功労者のラルフに副宰相の地位を与えた。
平穏な時は二週間しか続かなかった。
その知らせは突然で、一人の従僕が、真っ青な顔をして、私たちの住まいに飛び込んできた。
「王妃様がラルフ様をお呼びだそうでございます」
使いの者は額に汗をにじませ、困惑の表情を浮かべたまま、ラルフを見上げた。
「今、王宮から急使が参りました。王妃様のところに告発文が届いたそうです。王太子殿下の死にはラルフ様が関わっていると」
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