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第46話 あなたが好き
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こんなことになるなんて考えていなかった。
いや、考えていた。でも、どうすればいいのか知らないもの。
図書室の薄暗い片隅で、ラルフは私を押しつぶそうとしていた。
こんなキスは知らない。いつだってあっさりしたキスで、柔らかく唇をかすめていった。
動けなかった。
押し付けられているからではなくて……動きたくない。
唇が柔らかくつながる、そして優しく押し開ける。
逃げたくない。このまま一緒に居たい。まるで吸い寄せられるようだ。
舌が舌をなぞった時、体が震えた。
彼は男だった。未知の存在で、こんなにも親しく、よく知っているのに、全然知らない。
厚かましい彼の足はさらに両足の間に踏み込んで、私を抱きしめた。
「ここではよくない。痛くしたくないから」
彼は耳元で囁いて、私を抱き上げた。恥ずかし過ぎる。
「重いわ」
ラルフの耳に触れるように囁いた途端、彼の肩が震えるのがわかった。
ラルフは足で図書室のドアを蹴飛ばして開けて、寝室へ私を抱いて運んだ。途中で誰か使用人に会った気配がする。本当に恥ずかしくて、顔から火が出るようだった。ラルフの胸に顔をうずめて何も見なかった。
どこに着いたのかわからない。ラルフの寝室だろう。
そして、そのまま、ベッドに降ろされた。
熱い唇が首筋を伝っていく。ドレスはボタンを外され、紐を解かれて、私はラルフに嘆願した。
「止めて。恥ずかしい」
返事の代わりに、胸に温かくて湿った手を突っ込まれた時は、ぞくりとした。
「ねえ、お願い、止めて」
肩をむき出しにされて、邪魔なスカートははぎとられてベッドの外に捨てられ、下着だけにされて、恥ずかしくて私はやめてとラルフに嘆願した。
両手を私の左右に突いて、私にかぶさっているラルフが服を脱いでしまっていることに気がついて、思わず目を逸らしたけど、彼が言った。
「止めてって、何? 今更何を言っているの?」
彼が上から降りてきて、ベッドの上に肘をついて、胸が当たるのがわかった。かたい体。全然違うのだ。
「柔らかい」
ラルフが言った。
「柔らかくて、あたたかい。かわいい」
手が下着の中に入ってきて、撫でまわす。止めてと頼んでも、執拗な手はますます遠慮なくなるだけだった。
「止めてなんて言われたら、ますます止められなくなる」
彼は言った。
「あなたが欲しい」
その言葉がお腹の底から嬉しいなんて、どうしたらいいのだろう。
ベッドから飛び出して逃げる気にはなれない。まるで磁石に吸い付かれたかのよう。撫でまわされて、舌を吸われて、唇をむさぼられて、それでも離れたくなくて、ラルフに愛していると言われた時には、思わず自分から彼に触れてしまった。
彼の口からうめくような声がこぼれて、目がキラッと光ったような気がする。
あなたを欲しい。
私はなにも知らなかった。ラルフに支配されて言われるままに、彼で一杯になって、それで満ち足りた。何回も繰り返して耳元でささやかれた。
「あなたが好きだ。愛している」
何度目かの言葉に私も答えた。
「私もよ、ラルフ」
途端に彼の体が反応した。彼がどんなにその言葉を待っていたのか、爪を肩に立てられて、私にもわかった。
ずっと待っていたのだ。
私からの言葉を。
「僕のものだ」
いくら親しくしていても、ダメだったのだ。全部を手に入れない限り、永遠に満たされない。
それも、愛して愛されて、望んで同時に望まれなければ、満たされることがない。
「僕のものだ」
所有するって、どういう意味なのだろう。
思いを遂げた時に男はそう感じるのだろうか。
疲れて寝てしまって、目が覚めた時、じっと見つめる潤んだ茶色い瞳に気がついた。
黒いまつげに縁どられている。
「きれいだ」
私の目を見つめて彼は言った。
「こんなに近くで、ずっと見つめられる日が来るなんて」
ラルフは、ほとんど触れ合うくらいの近さでつぶやいた。
「そんなに見つめないで」
彼は笑い、その目は顔中を撫で回した。ひとつひとつのパーツをじっくり確認していく。
「きれいだ」
たまに感じたあの視線だ。
顔をなぞり、体を舐めるように観察する。
ただ、今は私は防御できる服がない。
ラルフも裸で、足と腕が自分に巻き付いているのを発見して、私は、どうしたらいいのかわからなくなった。
くるりと大きな体が包み込むように回転した。
「初夜だ」
彼は言った。満足そうな微笑み。
「まだ昼だけどね」
恥ずかしい。顔を手で隠すと肘を持ち上げて、顔をのぞきに来た。
「大丈夫だった? 痛くなかった?」
痛くて、ひりひりする。私は抗議したが、彼は唇に指で触れた。
「そうだな。ごめん。吸い過ぎた。ちょっと腫れてる。晩までに治るといいな」
「え?」
晩?
「まだうずくよ。ダメだよ。とことん味わい尽くさないと気が済まない」
絶句していると、彼は裸のままベッドから降りて、飲み物をくれた。
「あなたの夫は……」
そういう彼は嬉しそうだ。
「あなたのことが好きなんだ。とても。どこもここも、すべて」
視線を感じて、ハッとして、シーツを体に引きよせた。
「夫を拒むことはできない」
彼は飲み終わった私のコップを受け取ってサイドテーブルに置くと、シーツを巻き上げた。
「返して」
「ダメだよ。そのままでいい」
ラルフは私を見つめて言った。恥ずかしい。でも、何を考えているのかしら。
「好きにできると思うとゾクゾクする。わかるかな」
思わず首を振った。
「わからない? では、教えてあげるよ。何回でも。いろいろな方法があるんだ。僕は、あなたが僕のせいで泣いたり、嘆願したり、それから打ち震えるのを見るのが好きだ。僕は征服者で、あなたは囚われの姫君なんだ。奴隷かも知れない」
なんだか止めて。何想像しているの?
「あなたが喜ぶことだよ。ああ、夫って言葉いいな。唯一無二の男だ。あなたをこうやってとらえる」
彼は手を伸ばした。
どうしてこんな別邸に来たがったのか、やっと理解できた。
誰にも邪魔されたくなかったんだ。
多分、他にも理由はあるのかもしれないけど、今回の主目的はこれだ。
彼は夜を楽しみにしていると言った。
別邸に滞在していた間中、ラルフにもみくちゃにされていた。
「あなたを守る」
外敵から。
だけど他の男からも守る気満々なのね、ラルフ。
変な意気込みが伝わってきました。
「あなたを手に入れるためなら、なんだってする。それは僕のわがままだけど」
ええ。本当になんでもやらかしそう。
「でも、もしあなたが望まないなら……」
ラルフが切なそうな目になった。
「僕の心は死んでしまうかも知れないけど、身を引く」
「それは結婚前か、せめてさっきの前に聞くことでしょ?」
「さっきのって何?」
とぼけて。彼はまた乗り出してきた。
「ねえ、さっきのって、どういうこと?」
言わせる気? 言わせたいのね!
「こんな感じの?」
足を足の間に突っ込んで、彼は至近距離から聞いた。
「僕を欲しいと言って」
蕩けるようにラルフが言葉をねだった。
あのラルフがこんなにデレるだなんて知らなかった。
「お願い。僕を望んで。僕を欲しいと言って。その一言で僕は救われる」
「大好きよ、ラルフ」
そんな程度の言葉では、彼は手を離してくれなかった。
「僕を望んでいると言って。愛していると」
ラルフへの気持ちは、彼に抱きしめられた時に自覚した。
私の心は……いつの間にか、彼に絡め取られて、体は彼の手に触れられるとそこから溶けていった。欲しくてたまらない。
絶対に離れたくない。あなたが私のことを自分の独占物だと言うなら、私だって言うわ。
ラルフは私にしか欲情してはダメ。
完全に私の奴隷に成り下がればいい。
「奴隷ですよ。あなたのものだ。身も心も」
ラルフは熱心に、やさしく、でも飽きることなく手の平や指先で弱いところを探して撫で回し、どんなにダメだと言っても容赦なく侵入してくる。奴隷のくせに言うことを聞かない。
私は悲鳴を上げた。
「ラルフ、身がもたないわ……」
「でも、他の女性のところへ行ってはいけないんでしょう?」
笑いを含みながら、しつこくて研究熱心なラルフがわかり切ったことを聞く。このまま探求され続けたら、何もかも知り尽くされてしまいそう。弱みを握られている気がする。
「返事は?」
「……ダメ」
「なら、仕方ありませんね」
彼は耳たぶを食みながら、つぶやくように言った。
「あなたも望むと言うなら、僕の荷物は半分になった。むろん、罪は僕一人で背負うけれど。僕はあなたなしでは生きられない。だから、仕方なかった」
罪? なんの話?
ずっと後になって、私はその言葉の意味を知ることになる。
いや、考えていた。でも、どうすればいいのか知らないもの。
図書室の薄暗い片隅で、ラルフは私を押しつぶそうとしていた。
こんなキスは知らない。いつだってあっさりしたキスで、柔らかく唇をかすめていった。
動けなかった。
押し付けられているからではなくて……動きたくない。
唇が柔らかくつながる、そして優しく押し開ける。
逃げたくない。このまま一緒に居たい。まるで吸い寄せられるようだ。
舌が舌をなぞった時、体が震えた。
彼は男だった。未知の存在で、こんなにも親しく、よく知っているのに、全然知らない。
厚かましい彼の足はさらに両足の間に踏み込んで、私を抱きしめた。
「ここではよくない。痛くしたくないから」
彼は耳元で囁いて、私を抱き上げた。恥ずかし過ぎる。
「重いわ」
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そして、そのまま、ベッドに降ろされた。
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「止めて。恥ずかしい」
返事の代わりに、胸に温かくて湿った手を突っ込まれた時は、ぞくりとした。
「ねえ、お願い、止めて」
肩をむき出しにされて、邪魔なスカートははぎとられてベッドの外に捨てられ、下着だけにされて、恥ずかしくて私はやめてとラルフに嘆願した。
両手を私の左右に突いて、私にかぶさっているラルフが服を脱いでしまっていることに気がついて、思わず目を逸らしたけど、彼が言った。
「止めてって、何? 今更何を言っているの?」
彼が上から降りてきて、ベッドの上に肘をついて、胸が当たるのがわかった。かたい体。全然違うのだ。
「柔らかい」
ラルフが言った。
「柔らかくて、あたたかい。かわいい」
手が下着の中に入ってきて、撫でまわす。止めてと頼んでも、執拗な手はますます遠慮なくなるだけだった。
「止めてなんて言われたら、ますます止められなくなる」
彼は言った。
「あなたが欲しい」
その言葉がお腹の底から嬉しいなんて、どうしたらいいのだろう。
ベッドから飛び出して逃げる気にはなれない。まるで磁石に吸い付かれたかのよう。撫でまわされて、舌を吸われて、唇をむさぼられて、それでも離れたくなくて、ラルフに愛していると言われた時には、思わず自分から彼に触れてしまった。
彼の口からうめくような声がこぼれて、目がキラッと光ったような気がする。
あなたを欲しい。
私はなにも知らなかった。ラルフに支配されて言われるままに、彼で一杯になって、それで満ち足りた。何回も繰り返して耳元でささやかれた。
「あなたが好きだ。愛している」
何度目かの言葉に私も答えた。
「私もよ、ラルフ」
途端に彼の体が反応した。彼がどんなにその言葉を待っていたのか、爪を肩に立てられて、私にもわかった。
ずっと待っていたのだ。
私からの言葉を。
「僕のものだ」
いくら親しくしていても、ダメだったのだ。全部を手に入れない限り、永遠に満たされない。
それも、愛して愛されて、望んで同時に望まれなければ、満たされることがない。
「僕のものだ」
所有するって、どういう意味なのだろう。
思いを遂げた時に男はそう感じるのだろうか。
疲れて寝てしまって、目が覚めた時、じっと見つめる潤んだ茶色い瞳に気がついた。
黒いまつげに縁どられている。
「きれいだ」
私の目を見つめて彼は言った。
「こんなに近くで、ずっと見つめられる日が来るなんて」
ラルフは、ほとんど触れ合うくらいの近さでつぶやいた。
「そんなに見つめないで」
彼は笑い、その目は顔中を撫で回した。ひとつひとつのパーツをじっくり確認していく。
「きれいだ」
たまに感じたあの視線だ。
顔をなぞり、体を舐めるように観察する。
ただ、今は私は防御できる服がない。
ラルフも裸で、足と腕が自分に巻き付いているのを発見して、私は、どうしたらいいのかわからなくなった。
くるりと大きな体が包み込むように回転した。
「初夜だ」
彼は言った。満足そうな微笑み。
「まだ昼だけどね」
恥ずかしい。顔を手で隠すと肘を持ち上げて、顔をのぞきに来た。
「大丈夫だった? 痛くなかった?」
痛くて、ひりひりする。私は抗議したが、彼は唇に指で触れた。
「そうだな。ごめん。吸い過ぎた。ちょっと腫れてる。晩までに治るといいな」
「え?」
晩?
「まだうずくよ。ダメだよ。とことん味わい尽くさないと気が済まない」
絶句していると、彼は裸のままベッドから降りて、飲み物をくれた。
「あなたの夫は……」
そういう彼は嬉しそうだ。
「あなたのことが好きなんだ。とても。どこもここも、すべて」
視線を感じて、ハッとして、シーツを体に引きよせた。
「夫を拒むことはできない」
彼は飲み終わった私のコップを受け取ってサイドテーブルに置くと、シーツを巻き上げた。
「返して」
「ダメだよ。そのままでいい」
ラルフは私を見つめて言った。恥ずかしい。でも、何を考えているのかしら。
「好きにできると思うとゾクゾクする。わかるかな」
思わず首を振った。
「わからない? では、教えてあげるよ。何回でも。いろいろな方法があるんだ。僕は、あなたが僕のせいで泣いたり、嘆願したり、それから打ち震えるのを見るのが好きだ。僕は征服者で、あなたは囚われの姫君なんだ。奴隷かも知れない」
なんだか止めて。何想像しているの?
「あなたが喜ぶことだよ。ああ、夫って言葉いいな。唯一無二の男だ。あなたをこうやってとらえる」
彼は手を伸ばした。
どうしてこんな別邸に来たがったのか、やっと理解できた。
誰にも邪魔されたくなかったんだ。
多分、他にも理由はあるのかもしれないけど、今回の主目的はこれだ。
彼は夜を楽しみにしていると言った。
別邸に滞在していた間中、ラルフにもみくちゃにされていた。
「あなたを守る」
外敵から。
だけど他の男からも守る気満々なのね、ラルフ。
変な意気込みが伝わってきました。
「あなたを手に入れるためなら、なんだってする。それは僕のわがままだけど」
ええ。本当になんでもやらかしそう。
「でも、もしあなたが望まないなら……」
ラルフが切なそうな目になった。
「僕の心は死んでしまうかも知れないけど、身を引く」
「それは結婚前か、せめてさっきの前に聞くことでしょ?」
「さっきのって何?」
とぼけて。彼はまた乗り出してきた。
「ねえ、さっきのって、どういうこと?」
言わせる気? 言わせたいのね!
「こんな感じの?」
足を足の間に突っ込んで、彼は至近距離から聞いた。
「僕を欲しいと言って」
蕩けるようにラルフが言葉をねだった。
あのラルフがこんなにデレるだなんて知らなかった。
「お願い。僕を望んで。僕を欲しいと言って。その一言で僕は救われる」
「大好きよ、ラルフ」
そんな程度の言葉では、彼は手を離してくれなかった。
「僕を望んでいると言って。愛していると」
ラルフへの気持ちは、彼に抱きしめられた時に自覚した。
私の心は……いつの間にか、彼に絡め取られて、体は彼の手に触れられるとそこから溶けていった。欲しくてたまらない。
絶対に離れたくない。あなたが私のことを自分の独占物だと言うなら、私だって言うわ。
ラルフは私にしか欲情してはダメ。
完全に私の奴隷に成り下がればいい。
「奴隷ですよ。あなたのものだ。身も心も」
ラルフは熱心に、やさしく、でも飽きることなく手の平や指先で弱いところを探して撫で回し、どんなにダメだと言っても容赦なく侵入してくる。奴隷のくせに言うことを聞かない。
私は悲鳴を上げた。
「ラルフ、身がもたないわ……」
「でも、他の女性のところへ行ってはいけないんでしょう?」
笑いを含みながら、しつこくて研究熱心なラルフがわかり切ったことを聞く。このまま探求され続けたら、何もかも知り尽くされてしまいそう。弱みを握られている気がする。
「返事は?」
「……ダメ」
「なら、仕方ありませんね」
彼は耳たぶを食みながら、つぶやくように言った。
「あなたも望むと言うなら、僕の荷物は半分になった。むろん、罪は僕一人で背負うけれど。僕はあなたなしでは生きられない。だから、仕方なかった」
罪? なんの話?
ずっと後になって、私はその言葉の意味を知ることになる。
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