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第29話 次期王太子妃の悪評
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私は翌朝早くに準備を整えて、パロナ公邸を出た。
マリーナ夫人は目に涙をためて泣き落としにかかった。
「新婚のお二方なら、実家よりもこちらの方が居心地がいいのではないかと、公妃様もお気遣いくださいましたのに」
私は出来るだけやさしく、にっこりと笑った。
「でも、ラルフはもう公爵家の跡取りなのですわ。ですから、公爵邸に住まなくてはなりません。王太子殿下の結婚さえ決まれば、心配することは何もありませんから」
ラルフが(いわば)次期公爵として力を振るうために、公爵家に婿として住むのは必要なことなのだと私は力説した。
パロナ家として、実弟のラルフが公爵家の実権を握ることは重要だ。
だから、マリーナ夫人は納得せざるを得なかった。
「こちらにかくまっていただいたご恩は忘れませんわ」
返せ、私のセカンドキス。
私はもう一度無理矢理にっこり笑って見せた。王太子妃になることを思えば、マシだ。
「どうか、パロナ公妃様に感謝をお伝えください」
実家に帰ると、何も変わっていなかった。
両親は私が帰って来たのを見て喜んだ。
未だに娘を手放す気にはなれないらしい。
「オーガスタは跡取り娘だから、ここで暮らすことになる。まあ、早く帰れてよかった」
父は上機嫌で言った。
「ベロス公爵令嬢リリアン様が王太子妃にお決まりになられたと聞きました。おめでたいことでございます」
それを聞くと両親は渋い顔をした。
「う、うむ。しかし、せめて別な令嬢が決まってくれた方がよかった」
私は両親が渋い顔をした理由を、後でエレノアからさんざん聞かされた。
急に戻ったので、新婚用の部屋の準備などは出来ていなかった。
屋敷は広いので、そうしたかったら別翼に新婚夫婦用の居間と客間、書斎と寝室くらいは、準備できるはずだったし、実際に父はその準備を始めていた。
ただ、帰るのは一月は先だと思っていたので、まだ設計図の段階だった。
それで、私は元の自分の部屋に戻ったわけだった。
そしてすぐ近くの部屋から、エレノアがノックもせずに当然だと言わんばかりにやって来た。
エレノアによると、ここ一週間ほど彼女は夜会などへは行っていないそうだった。
「まだ王太子妃になったわけじゃないのに、リリアンはものすごくえらそうなの」
まあ、それは想像がつく。でも、エレノアだって同じことをやったのではないかなあ? エレノアが王太子妃になったら、きっとリリアン嬢が夜会になんか絶対に出たくなくなるくらい虐め倒したに違いない。
「王太子妃に決まった最初の夜会に出た時なんか、それはそれはひどかったのよ」
かつてのライバルだった娘たち全員を呼びつけ、全員から礼儀として祝福の言葉をもらったそうだ。
勝利宣言だ。
エレノア達には屈辱だったに違いない。
「その上、お母さまを病気で亡くしたサラには両親がそろっていないと問題があるので妃になれなかったのねって言うし、マリオンには鼻のそばのほくろが下卑て見える、シャーロッテは太り過ぎだ、アイリスには出来の悪い兄がいるからって、次々に言って歩いて……」
聞いていて、鬱になりかかった。
リリアン嬢、本気でダメな女だ。
結婚前から、敵を作ってどうするつもりなの。
エレノアが何を言われたのか知らないが、言わないところを見ると、きっとなにか気にしていることを指摘されたに違いない。
「だから、私は言ってやったの。王太子殿下は、本当はオーガスタ姉さまと結婚したかったし、国王陛下御夫妻もあなたなんか望んじゃいなかったのにって」
ひいいいい。
そこで私を引き合いに出すのは、やめてもらえますか。
そばで聞いていたソフィアも、それからエレノアのお付きでエレノアの全面的味方のはずのアンまで、うつむいた。
「ざまあみろよ。一気にリリアンの顔が引きつったわ」
妹が顔を紅潮させて言うのを聞きながら、ここ一週間夜会に出なかったのは正解だったと私は思った。
「でもね、今晩は出ようと思うの。だって、お姉さまが帰って来たんですもの。一緒に出かけましょう! そして、殿下にお姉さまを見せつけるのよ! その時のリリアンの顔が見物だわ」
私はアンとソフィアに合図した。
こんな危険人物を野放しにしてはならない。
そもそも社交に向いていない。
あたふたとやって来た母の侍女に私は命令した。
「エレノア様をしばらく社交に出してはいけません」
エレノアが何か抗議する前に一瞬の決断で、私は決めた。
「エレノア様はお疲れです。夏の避暑地ダービィでしばらく過ごす方がいいでしょう。お母さまに聞いてきてください」
「せっかく戻って来たのに、何言ってるの? 一緒に夜会に出かけましょうよ! そして、リリアンの前で王太子殿下にお目にかかりましょう! 見せつけるのよ!」
「やめなさい、エレノア」
私は大きな声で言った。
「リリアン様はご懐妊と聞きました。リリアン様と言い争いにでもなって、お腹のお子さまに悪影響があったら、王家に弓引く行動になってしまいます」
「弓引くって、なに?」
「王家に楯突くってことですよ。それに、どこの家の令嬢も、リリアン嬢のお話は不愉快でしょう。みんな誘って、ダービィで遊べばいいではありませんか。夏のことですから、どこの家の令息も領地に帰るか、避暑に出かけるのでしょう? 公爵家でパーティをなさい。王太子殿下は王都に留まられるでしょうし、素敵な殿方とダンスを踊るなり、茶会をするなり……」
男と快楽。
それに悪口を言われた令嬢同志、思いっきり陰口をたたけばいい気晴らしになる。できれば、耐性のある男を見繕って婚約者にしてくれたらいいんだが。
「それがようございますわ」
なんとアンが賛成した。
「エレノア様はお美しいのですから、きっと殿方が放っておかないでしょう」
「アン、あなたもついてお行きなさい。エレノア様に王太子殿下のような男を近寄らせてはなりません」
「さあさ、お嬢様、そうと決まれば、お友達の皆様方もお誘いいたしましょう。持っていくドレスも決めなければ。リリアン様はご懐妊ですから、王都から離れられません。王太子殿下も身重の妻を置いて行かれることなどないでしょうから、当然王都に残られるでしょう。何も気にしないで、気楽に楽しみましょう」
伊達に長年、あのエレノアのお付きをしているわけではないわね、アン。
エレノアが、それもそうねとつぶやくのを聞いて、私は心底ほっとした。
だが、それでも安心できないので、決め打ちにいった。
「エレノア、あまり殿方とお近づきになってはいけませんよ。王太子妃の候補でなくなったから、みなさま、チャンスと思って……」
エレノアは、みるみる機嫌を良くした。
「まあ! お姉さまと違って、私、見る目は有りますの! 殿方の気持ちもわかっていますから。経験値の差ですわ!」
そう言うとプンスカした(フリをした)妹はいそいそと準備をしに行ってしまった。
かなりの出費が予想されるが、まあ、リリアン嬢ともめ事を起こされるよりずっといい。
こっそりと母がやって来た。
「オーガスタ、エレノアがダービィに行くのですって?」
「まずかったですか? お母さま?」
私はちょっと心配になって聞いた。
「いいえ。とんでもないわ。私もどうしようかと思っていたの。ベロス公爵令嬢がエレノアに向かって姉に劣っているって何度も言うもので、すっかりエレノアは僻んでしまって」
エレノアのコンプレックスは、姉の私だったのか。
「とりあえず、ダービィに行くのはいい案だと思うわ。あまり羽目を外さなければいのだけれど」
「派手にパーティをすると、今度は王家を刺激しないかと心配ですわ」
母はため息をついた。
「ゲイリーに依頼して、彼のところの騎士を派遣してもらいましょうか」
騎士団には見目麗しい名門貴族の、ただし次男三男がひしめいている。
「エレノアは難しい娘なのよ」
宮廷に出仕する貴族がごっそりいなくなっても、次男三男以下なら、王家も目くじらを立てるまい。
「最後にあなたも行ってもらえないかしら」
「え?」
いやだ。エレノア抜きのストレスフリーな生活を送りたいのに。
「エレノアだけでは、きっとうちが軽く見られると思うの。せっかく招待するなら、公爵家に尊敬の念を抱いてもらいたいわ」
いや、私は、貴族の次男三男などにチヤホヤされたかったと、夕べ、ラルフに泣いて告白したところなんだけど。尊敬なんかされたくない。
「落ち着いた伯爵家の嫡子夫人で、未来の公爵家を背負って立つ賢夫人のあなたが姿を現せば、騎士の面々もエレノアはあんなでも公爵家の真髄はそうではないとわかってもらえると思うの。それに既婚夫人だから、エレノアもやきもち焼いたりしないと思うわ」
私の青春を返せ。
なんで、みんな、私にそんな役割ばかりを期待するのよ。
マリーナ夫人は目に涙をためて泣き落としにかかった。
「新婚のお二方なら、実家よりもこちらの方が居心地がいいのではないかと、公妃様もお気遣いくださいましたのに」
私は出来るだけやさしく、にっこりと笑った。
「でも、ラルフはもう公爵家の跡取りなのですわ。ですから、公爵邸に住まなくてはなりません。王太子殿下の結婚さえ決まれば、心配することは何もありませんから」
ラルフが(いわば)次期公爵として力を振るうために、公爵家に婿として住むのは必要なことなのだと私は力説した。
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「ベロス公爵令嬢リリアン様が王太子妃にお決まりになられたと聞きました。おめでたいことでございます」
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ただ、帰るのは一月は先だと思っていたので、まだ設計図の段階だった。
それで、私は元の自分の部屋に戻ったわけだった。
そしてすぐ近くの部屋から、エレノアがノックもせずに当然だと言わんばかりにやって来た。
エレノアによると、ここ一週間ほど彼女は夜会などへは行っていないそうだった。
「まだ王太子妃になったわけじゃないのに、リリアンはものすごくえらそうなの」
まあ、それは想像がつく。でも、エレノアだって同じことをやったのではないかなあ? エレノアが王太子妃になったら、きっとリリアン嬢が夜会になんか絶対に出たくなくなるくらい虐め倒したに違いない。
「王太子妃に決まった最初の夜会に出た時なんか、それはそれはひどかったのよ」
かつてのライバルだった娘たち全員を呼びつけ、全員から礼儀として祝福の言葉をもらったそうだ。
勝利宣言だ。
エレノア達には屈辱だったに違いない。
「その上、お母さまを病気で亡くしたサラには両親がそろっていないと問題があるので妃になれなかったのねって言うし、マリオンには鼻のそばのほくろが下卑て見える、シャーロッテは太り過ぎだ、アイリスには出来の悪い兄がいるからって、次々に言って歩いて……」
聞いていて、鬱になりかかった。
リリアン嬢、本気でダメな女だ。
結婚前から、敵を作ってどうするつもりなの。
エレノアが何を言われたのか知らないが、言わないところを見ると、きっとなにか気にしていることを指摘されたに違いない。
「だから、私は言ってやったの。王太子殿下は、本当はオーガスタ姉さまと結婚したかったし、国王陛下御夫妻もあなたなんか望んじゃいなかったのにって」
ひいいいい。
そこで私を引き合いに出すのは、やめてもらえますか。
そばで聞いていたソフィアも、それからエレノアのお付きでエレノアの全面的味方のはずのアンまで、うつむいた。
「ざまあみろよ。一気にリリアンの顔が引きつったわ」
妹が顔を紅潮させて言うのを聞きながら、ここ一週間夜会に出なかったのは正解だったと私は思った。
「でもね、今晩は出ようと思うの。だって、お姉さまが帰って来たんですもの。一緒に出かけましょう! そして、殿下にお姉さまを見せつけるのよ! その時のリリアンの顔が見物だわ」
私はアンとソフィアに合図した。
こんな危険人物を野放しにしてはならない。
そもそも社交に向いていない。
あたふたとやって来た母の侍女に私は命令した。
「エレノア様をしばらく社交に出してはいけません」
エレノアが何か抗議する前に一瞬の決断で、私は決めた。
「エレノア様はお疲れです。夏の避暑地ダービィでしばらく過ごす方がいいでしょう。お母さまに聞いてきてください」
「せっかく戻って来たのに、何言ってるの? 一緒に夜会に出かけましょうよ! そして、リリアンの前で王太子殿下にお目にかかりましょう! 見せつけるのよ!」
「やめなさい、エレノア」
私は大きな声で言った。
「リリアン様はご懐妊と聞きました。リリアン様と言い争いにでもなって、お腹のお子さまに悪影響があったら、王家に弓引く行動になってしまいます」
「弓引くって、なに?」
「王家に楯突くってことですよ。それに、どこの家の令嬢も、リリアン嬢のお話は不愉快でしょう。みんな誘って、ダービィで遊べばいいではありませんか。夏のことですから、どこの家の令息も領地に帰るか、避暑に出かけるのでしょう? 公爵家でパーティをなさい。王太子殿下は王都に留まられるでしょうし、素敵な殿方とダンスを踊るなり、茶会をするなり……」
男と快楽。
それに悪口を言われた令嬢同志、思いっきり陰口をたたけばいい気晴らしになる。できれば、耐性のある男を見繕って婚約者にしてくれたらいいんだが。
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なんとアンが賛成した。
「エレノア様はお美しいのですから、きっと殿方が放っておかないでしょう」
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「さあさ、お嬢様、そうと決まれば、お友達の皆様方もお誘いいたしましょう。持っていくドレスも決めなければ。リリアン様はご懐妊ですから、王都から離れられません。王太子殿下も身重の妻を置いて行かれることなどないでしょうから、当然王都に残られるでしょう。何も気にしないで、気楽に楽しみましょう」
伊達に長年、あのエレノアのお付きをしているわけではないわね、アン。
エレノアが、それもそうねとつぶやくのを聞いて、私は心底ほっとした。
だが、それでも安心できないので、決め打ちにいった。
「エレノア、あまり殿方とお近づきになってはいけませんよ。王太子妃の候補でなくなったから、みなさま、チャンスと思って……」
エレノアは、みるみる機嫌を良くした。
「まあ! お姉さまと違って、私、見る目は有りますの! 殿方の気持ちもわかっていますから。経験値の差ですわ!」
そう言うとプンスカした(フリをした)妹はいそいそと準備をしに行ってしまった。
かなりの出費が予想されるが、まあ、リリアン嬢ともめ事を起こされるよりずっといい。
こっそりと母がやって来た。
「オーガスタ、エレノアがダービィに行くのですって?」
「まずかったですか? お母さま?」
私はちょっと心配になって聞いた。
「いいえ。とんでもないわ。私もどうしようかと思っていたの。ベロス公爵令嬢がエレノアに向かって姉に劣っているって何度も言うもので、すっかりエレノアは僻んでしまって」
エレノアのコンプレックスは、姉の私だったのか。
「とりあえず、ダービィに行くのはいい案だと思うわ。あまり羽目を外さなければいのだけれど」
「派手にパーティをすると、今度は王家を刺激しないかと心配ですわ」
母はため息をついた。
「ゲイリーに依頼して、彼のところの騎士を派遣してもらいましょうか」
騎士団には見目麗しい名門貴族の、ただし次男三男がひしめいている。
「エレノアは難しい娘なのよ」
宮廷に出仕する貴族がごっそりいなくなっても、次男三男以下なら、王家も目くじらを立てるまい。
「最後にあなたも行ってもらえないかしら」
「え?」
いやだ。エレノア抜きのストレスフリーな生活を送りたいのに。
「エレノアだけでは、きっとうちが軽く見られると思うの。せっかく招待するなら、公爵家に尊敬の念を抱いてもらいたいわ」
いや、私は、貴族の次男三男などにチヤホヤされたかったと、夕べ、ラルフに泣いて告白したところなんだけど。尊敬なんかされたくない。
「落ち着いた伯爵家の嫡子夫人で、未来の公爵家を背負って立つ賢夫人のあなたが姿を現せば、騎士の面々もエレノアはあんなでも公爵家の真髄はそうではないとわかってもらえると思うの。それに既婚夫人だから、エレノアもやきもち焼いたりしないと思うわ」
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