40 / 47
説明しよう
しおりを挟む
後で聞いた話だけど、ロアン様は、アシュトン殿下が来て以来、イライライライラしていたようだった。
キティによると、それはもう、ピリついていたそうな。
「なぜ?」
聞くと、キティはあきれ返ったように教えてくれた。
「お嬢様がアシュトン王子殿下ととても仲良しだからですわ」
思わず、キティを殴りそうになってしまった。
だって、私がどんなに我慢してると思っているの。
殿下相手には、思ったことはストレートに言わない。都合の悪そうなことは全部飲み込んでしゃべらない。いつもニコニコ、愛想を絶やさない。
「えー? 言いたいこと全部言って、仏頂面されていますよ? 殿下は正直なところがとても気に入ったっておっしゃっています」
なんだとう。
***ロアン様目線***
「俺は決めた」
ロアン様は、遂に立ち上がった。
「婚約者を取り戻しに行く」
そう言うとロアン様はバリー家向かって突進した。目指すはバリー家の厨房。
「お二人がおられるガゼボは、厨房の窓からが一番よく見えますわ」
キティが吹き込んだ。
「お茶やお菓子をお持ちしたり、時には簡単なお食事をあそこで召し上がることもあるんですの。厨房から様子が見えないと、困りますから」
それって、よっぽど長時間一緒にいるんじゃ。
ロアン様は涙目になった。あんなにうまいこと、いってたのに。
ようやく相思相愛! 長年の思いが通じ合った(の一歩手前)
アシュトン殿下とローズは同い年。話も合うかもしれない。王子は金髪青目のなかなか美男子だと聞いた。それよりなにより王子である。それも大国の。万一、万一だが、王子妃にとか望まれたらどうするんだ。
ローズがどんなに断っても、相手は王子殿下。
ローズのことはよくわかっている。金や身分で釣られるような浅はかな女性ではない。しかし、好きに薬を作って売っていいと言われたら? 隣国のマーケットの方が大きいよ、とか致命的なことを言われたら?
ヤバい。
とにかく、とにかく近くに行かなくては!
そして、他家の厨房に無断進入を果たしたロアン様は、そこで思いがけないモノに出会ったのである。
ぜい肉。ではない、ヘンリー君である。
「お、おまえ! なぜ、ここに?」
ヘンリー君は驚き慌て、なおかつ、ご領主様の御曹司とはいえ憎い恋敵の出現に心が千々に乱れるのを感じた。
「ぼ、僕はローズ様に呼ばれてここにいるのです!」
「呼ばれただ?」
ロアン様は険悪な目つきでヘンリー君を眺めた。ロアン様は呼ばれていない。
「こってり料理とおいしいコーヒーを淹れるために呼ばれました」
「なんだと?」
ロアン様はヘンリー君を上から下までじっくり見た。間違いない。ヘンリー君はコック服に身を固めていた。
「おまえ……太ったな」
ヘンリー君はへなへなと崩れ落ちた。
そうなのだ。名誉な話かもしれないが、アシュトン王子殿下は、ヘンリー君の料理がいたく気に入った。ご用命に従い次から次へと脂ギッチョンな料理を作り続けてるうちに、ヘンリー君も急成長してしまって、すっかり元の木阿弥状態に戻ってしまったのであった。
そう説明すると、ロアン様は眉をしかめて言った。
「ローズが心配だ。ローズのウエストが」
「ああ! そうですね!」
自分以外の男にローズのウエストの心配をされて、怒りに打ち震えたロアン様は壁の釘に引っ掛かっていた給仕用の黒のエプロンに、ふと目を止めた。
「偵察に出てやる」
バッサリ上着を脱ぐとシャツ姿になって、ギャルソン風に黒のエプロンを身にまとい、黒髪をかき上げて、それ風に髪を整え(ちょっぴり後ろの毛だけいつものように反乱を起こしていたが)銀の盆を手にすると、キャーという悲鳴が聞こえた。
厨房の料理女や洗濯女、その場の女性陣があげた悲鳴である。
キティが一番甲高い悲鳴をあげたのだが、お嬢様の身近に仕えているだけあって、一番早く冷静になった。
「マイラ王女殿下も来られると言うのに、その姿! ロアン様が危険なのでは? マイラ王女殿下は、黒髪の美男子に弱くって、婚約クラッシャーと呼ばれているそうですのよ? 実は伯爵家の令息でローズ様の婚約者だなんてばれたら、略奪愛の野心が燃え上がりますわ」
「俺は流浪の旅に出たことになっている。ここにいるのはバリー家の使用人のロアンで、お嬢様の護衛だ」
「僕もぜい肉を減らす旅に出たことになっていて、ここにいるのは料理人のヘンリーです」
ヘンリー君の方に、あんまりロマンが感じられない気がするのはなぜだろう。
「ヘンリー様は大丈夫な気がしますわ。危険なのはロアン様でしょう……」
キティによると、それはもう、ピリついていたそうな。
「なぜ?」
聞くと、キティはあきれ返ったように教えてくれた。
「お嬢様がアシュトン王子殿下ととても仲良しだからですわ」
思わず、キティを殴りそうになってしまった。
だって、私がどんなに我慢してると思っているの。
殿下相手には、思ったことはストレートに言わない。都合の悪そうなことは全部飲み込んでしゃべらない。いつもニコニコ、愛想を絶やさない。
「えー? 言いたいこと全部言って、仏頂面されていますよ? 殿下は正直なところがとても気に入ったっておっしゃっています」
なんだとう。
***ロアン様目線***
「俺は決めた」
ロアン様は、遂に立ち上がった。
「婚約者を取り戻しに行く」
そう言うとロアン様はバリー家向かって突進した。目指すはバリー家の厨房。
「お二人がおられるガゼボは、厨房の窓からが一番よく見えますわ」
キティが吹き込んだ。
「お茶やお菓子をお持ちしたり、時には簡単なお食事をあそこで召し上がることもあるんですの。厨房から様子が見えないと、困りますから」
それって、よっぽど長時間一緒にいるんじゃ。
ロアン様は涙目になった。あんなにうまいこと、いってたのに。
ようやく相思相愛! 長年の思いが通じ合った(の一歩手前)
アシュトン殿下とローズは同い年。話も合うかもしれない。王子は金髪青目のなかなか美男子だと聞いた。それよりなにより王子である。それも大国の。万一、万一だが、王子妃にとか望まれたらどうするんだ。
ローズがどんなに断っても、相手は王子殿下。
ローズのことはよくわかっている。金や身分で釣られるような浅はかな女性ではない。しかし、好きに薬を作って売っていいと言われたら? 隣国のマーケットの方が大きいよ、とか致命的なことを言われたら?
ヤバい。
とにかく、とにかく近くに行かなくては!
そして、他家の厨房に無断進入を果たしたロアン様は、そこで思いがけないモノに出会ったのである。
ぜい肉。ではない、ヘンリー君である。
「お、おまえ! なぜ、ここに?」
ヘンリー君は驚き慌て、なおかつ、ご領主様の御曹司とはいえ憎い恋敵の出現に心が千々に乱れるのを感じた。
「ぼ、僕はローズ様に呼ばれてここにいるのです!」
「呼ばれただ?」
ロアン様は険悪な目つきでヘンリー君を眺めた。ロアン様は呼ばれていない。
「こってり料理とおいしいコーヒーを淹れるために呼ばれました」
「なんだと?」
ロアン様はヘンリー君を上から下までじっくり見た。間違いない。ヘンリー君はコック服に身を固めていた。
「おまえ……太ったな」
ヘンリー君はへなへなと崩れ落ちた。
そうなのだ。名誉な話かもしれないが、アシュトン王子殿下は、ヘンリー君の料理がいたく気に入った。ご用命に従い次から次へと脂ギッチョンな料理を作り続けてるうちに、ヘンリー君も急成長してしまって、すっかり元の木阿弥状態に戻ってしまったのであった。
そう説明すると、ロアン様は眉をしかめて言った。
「ローズが心配だ。ローズのウエストが」
「ああ! そうですね!」
自分以外の男にローズのウエストの心配をされて、怒りに打ち震えたロアン様は壁の釘に引っ掛かっていた給仕用の黒のエプロンに、ふと目を止めた。
「偵察に出てやる」
バッサリ上着を脱ぐとシャツ姿になって、ギャルソン風に黒のエプロンを身にまとい、黒髪をかき上げて、それ風に髪を整え(ちょっぴり後ろの毛だけいつものように反乱を起こしていたが)銀の盆を手にすると、キャーという悲鳴が聞こえた。
厨房の料理女や洗濯女、その場の女性陣があげた悲鳴である。
キティが一番甲高い悲鳴をあげたのだが、お嬢様の身近に仕えているだけあって、一番早く冷静になった。
「マイラ王女殿下も来られると言うのに、その姿! ロアン様が危険なのでは? マイラ王女殿下は、黒髪の美男子に弱くって、婚約クラッシャーと呼ばれているそうですのよ? 実は伯爵家の令息でローズ様の婚約者だなんてばれたら、略奪愛の野心が燃え上がりますわ」
「俺は流浪の旅に出たことになっている。ここにいるのはバリー家の使用人のロアンで、お嬢様の護衛だ」
「僕もぜい肉を減らす旅に出たことになっていて、ここにいるのは料理人のヘンリーです」
ヘンリー君の方に、あんまりロマンが感じられない気がするのはなぜだろう。
「ヘンリー様は大丈夫な気がしますわ。危険なのはロアン様でしょう……」
102
お気に入りに追加
621
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
生まれたときから今日まで無かったことにしてください。
はゆりか
恋愛
産まれた時からこの国の王太子の婚約者でした。
物心がついた頃から毎日自宅での王妃教育。
週に一回王城にいき社交を学び人脈作り。
当たり前のように生活してしていき気づいた時には私は1人だった。
家族からも婚約者である王太子からも愛されていないわけではない。
でも、わたしがいなくてもなんら変わりのない。
家族の中心は姉だから。
決して虐げられているわけではないけどパーティーに着て行くドレスがなくても誰も気づかれないそんな境遇のわたしが本当の愛を知り溺愛されて行くストーリー。
…………
処女作品の為、色々問題があるかとおもいますが、温かく見守っていただけたらとおもいます。
本編完結。
番外編数話続きます。
続編(2章)
『婚約破棄されましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました』連載スタートしました。
そちらもよろしくお願いします。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる