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第20話 ヘンリー君の求婚
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だが、市場の定休日の前の日、私はこの謎のルーティン生活の絶望的な真実の意味にようやく気付かされたのだった。
「あのう、ローズさん、僕の両親に会っていただけませんか?」
もじもじもじもじ指をこねくり回し、真っ赤になって、汗をポタポタ垂らしながら、お話がありますといったあと、約十分ほど経過したのち、ヘンリー君が言い出した。
私は沈黙の像と化した。
なぜなら、グスマンおじさんが物陰に潜みながら、チラッチラッとヘンリー君と私を観察していたからだ。
私の店は終わり、いつもなら私とヘンリー君は仲良く私の家に向かうはずの時間だった。
「明日はお休みですので、両親がローズさんにお礼を言いたいと言ってます」
私はホッとした。
お礼か。よかった。結婚の申し込みでもされるのかと思った。
グスマンおじさんがこの前怪しいことを言っていたから、余計な心配をしてしまった。
「お礼なんかとんでもない。助けてもらっているのは私の方なので」
安心した私は大盤振る舞いをしてしまった。ヘンリー君に料理を作ってもらったばっかりに、食いつきのいい騎士様がエサに釣られて毎日やってくるのよ。料理の腕前を褒め称えられて、ややこしいことになってる。今更、誤解を解くのも面倒くさい。
「ローズさん、僕と結婚してください」
私は目の玉が飛び出るほど驚いた。
引きこもりのセリフじゃない。
「僕、体重が十キロほど減りました。懸垂も片手で出来るようになりました」
は? そのぜい肉付きで片手で? そりゃすごい。私はごくりと唾をのんだ。
「しかも右でも左でも、出来るようになりました。両親がそれなら結婚してもいいと言ってくれました!」
エッ? 私の都合は?
「私は結婚なんか考えていないので」
マッスル家の嫁は嫌だ。体を絞れとか言われたらどうしたらいいのだ。
半分隠れていたグスマンおじさんが、乗り出してきて、アチャーという顔をした。私と目が合うと必死でOKしろと謎の信号を送ってきた。余計なお世話だ。
「実は弟の生死が不明なんです。難破したと言われている船に乗っていたんです。私は弟の生死が不明なうちは、結婚なんかできません」
ペラペラと口が回った。意外と私、方便がうまいかもしれない。私に弟はいない。生死なんか永久にわかりっこない。うん、いける。
「弟のこと、知っています」
ヘンリー君は真剣になって答えた。
なんだって? どっから聞いてきた?
グスマンおじさんはヘンリー君の味方だ。しゃべったな。
横目でにらむとグスマンおじさんはうなずいた。自白か。
「さぞ心配だろうと思います。僕は調べました。安心してください、弟さんは生きています!」
「えっ、嘘!」
私は大声を上げてしまった。そのせいで、何人かがこっちを振り返った。
ヘンリー君は、そんなことにはお構いなしに続けた。
「驚くのも無理はありません。その船にあなたと同い年の学生は一人しか乗っていませんでした。船客名簿を調べたのです」
もはや、反応する言葉さえ失ってしまった。何たる偶然?
「ご実家の様子も調べました」
ちょっとヘンリー君は同情したように声が小さくなった。大勢の人が聞いていたので聞かせたくなかったのだろう。
「ええと、確かにまあ貧乏だそうです。うん。すごく。でも、僕は、そんなこと気にしません!」
「私は気になります」
いや、めっちゃ気になるわ。どこの家なんだろう。私の弟って誰?
「そうだろうと思います」
ヘンリー君は心の底から同情したように言った。なんか違う。
「あなたは、家の格差を気にするだろうと思いました。でも、そんなこと障害になりません」
どこにも誤解を解く糸口がないって、どうしたらいいんだろう。
「弟のアシュトン君はまだこちらに向かっている最中だと思います。二週間以上かかるそうですが、弟さんは無事にここへ帰ってきます。本人には会えませんでしたが事情を伝える手紙を送りました」
アシュトン君、めっちゃ驚いたのでは。
どうしよう。アシュトン君になんて説明したらいいんだろう。ずぶずぶ深みにはまっていくわ。
「あなたのご両親にも会ってみました」
「いつの間に?」
だって、ヘンリー君、朝から店手伝って、そのまま私の家に来て薬草摘みや料率売りに励んでたよね。帰るの夕方だったよね?
ヘンリー君はちょっと顔を赤らめた。
「あなたが薬を作ってる間に抜けて訪問したのです。この結婚話を、とても喜んでくれました」
私の両親は、絶対、喜ばないと思うけど。誰だ、その夫婦。勝手に人を売るんじゃない。
「僭越ながら、少々お金も渡しておきました。その方がいいような感じがしたので」
マジで売られた気分! 我ながらそのお金、どうやって回収したものか見当もつかないわ。あ、人ごとながらの間違いか。
「いくら渡したのですか?」
ヘンリー君はにっこり笑った。
「そんなことは気にしないでください」
「気になります」
真剣に気になるけど、ヘンリー君が思っているような理由からじゃないからね。私、いくらで売られたのかしら。
「僕の両親にも事情を説明しましたが、両親も気にしないから家に連れてこいと言いました」
グスマンおじさんがにっこり笑って、もう一度、うなずいた。誰か助けて。
その時、人をかき分けて、大柄な人物が割って入ってきた。
騎士様だった。笑っていた。
「ローズ!」
騎士様は死にそうなくらい笑いながら言った。
「面白いことになってるな! 弟って誰だ」
「騎士様……」
事情を知っている人に会ってほっとした。
「助けてください」
騎士様は大声で笑った。
「もちろんだ。お前の両親が見つかった」
「えっ?」
「今、知らせが届いた。よかったな、両親は無事だ」
無事?
私は目の前のことを全部忘れ、そのまま騎士様の元へ駆け寄った。
無事で良かった。会いたい。
騎士様がまた大声で笑った。
「両親のところへ連れてってやろう。来い」
「あのう、ローズさん、僕の両親に会っていただけませんか?」
もじもじもじもじ指をこねくり回し、真っ赤になって、汗をポタポタ垂らしながら、お話がありますといったあと、約十分ほど経過したのち、ヘンリー君が言い出した。
私は沈黙の像と化した。
なぜなら、グスマンおじさんが物陰に潜みながら、チラッチラッとヘンリー君と私を観察していたからだ。
私の店は終わり、いつもなら私とヘンリー君は仲良く私の家に向かうはずの時間だった。
「明日はお休みですので、両親がローズさんにお礼を言いたいと言ってます」
私はホッとした。
お礼か。よかった。結婚の申し込みでもされるのかと思った。
グスマンおじさんがこの前怪しいことを言っていたから、余計な心配をしてしまった。
「お礼なんかとんでもない。助けてもらっているのは私の方なので」
安心した私は大盤振る舞いをしてしまった。ヘンリー君に料理を作ってもらったばっかりに、食いつきのいい騎士様がエサに釣られて毎日やってくるのよ。料理の腕前を褒め称えられて、ややこしいことになってる。今更、誤解を解くのも面倒くさい。
「ローズさん、僕と結婚してください」
私は目の玉が飛び出るほど驚いた。
引きこもりのセリフじゃない。
「僕、体重が十キロほど減りました。懸垂も片手で出来るようになりました」
は? そのぜい肉付きで片手で? そりゃすごい。私はごくりと唾をのんだ。
「しかも右でも左でも、出来るようになりました。両親がそれなら結婚してもいいと言ってくれました!」
エッ? 私の都合は?
「私は結婚なんか考えていないので」
マッスル家の嫁は嫌だ。体を絞れとか言われたらどうしたらいいのだ。
半分隠れていたグスマンおじさんが、乗り出してきて、アチャーという顔をした。私と目が合うと必死でOKしろと謎の信号を送ってきた。余計なお世話だ。
「実は弟の生死が不明なんです。難破したと言われている船に乗っていたんです。私は弟の生死が不明なうちは、結婚なんかできません」
ペラペラと口が回った。意外と私、方便がうまいかもしれない。私に弟はいない。生死なんか永久にわかりっこない。うん、いける。
「弟のこと、知っています」
ヘンリー君は真剣になって答えた。
なんだって? どっから聞いてきた?
グスマンおじさんはヘンリー君の味方だ。しゃべったな。
横目でにらむとグスマンおじさんはうなずいた。自白か。
「さぞ心配だろうと思います。僕は調べました。安心してください、弟さんは生きています!」
「えっ、嘘!」
私は大声を上げてしまった。そのせいで、何人かがこっちを振り返った。
ヘンリー君は、そんなことにはお構いなしに続けた。
「驚くのも無理はありません。その船にあなたと同い年の学生は一人しか乗っていませんでした。船客名簿を調べたのです」
もはや、反応する言葉さえ失ってしまった。何たる偶然?
「ご実家の様子も調べました」
ちょっとヘンリー君は同情したように声が小さくなった。大勢の人が聞いていたので聞かせたくなかったのだろう。
「ええと、確かにまあ貧乏だそうです。うん。すごく。でも、僕は、そんなこと気にしません!」
「私は気になります」
いや、めっちゃ気になるわ。どこの家なんだろう。私の弟って誰?
「そうだろうと思います」
ヘンリー君は心の底から同情したように言った。なんか違う。
「あなたは、家の格差を気にするだろうと思いました。でも、そんなこと障害になりません」
どこにも誤解を解く糸口がないって、どうしたらいいんだろう。
「弟のアシュトン君はまだこちらに向かっている最中だと思います。二週間以上かかるそうですが、弟さんは無事にここへ帰ってきます。本人には会えませんでしたが事情を伝える手紙を送りました」
アシュトン君、めっちゃ驚いたのでは。
どうしよう。アシュトン君になんて説明したらいいんだろう。ずぶずぶ深みにはまっていくわ。
「あなたのご両親にも会ってみました」
「いつの間に?」
だって、ヘンリー君、朝から店手伝って、そのまま私の家に来て薬草摘みや料率売りに励んでたよね。帰るの夕方だったよね?
ヘンリー君はちょっと顔を赤らめた。
「あなたが薬を作ってる間に抜けて訪問したのです。この結婚話を、とても喜んでくれました」
私の両親は、絶対、喜ばないと思うけど。誰だ、その夫婦。勝手に人を売るんじゃない。
「僭越ながら、少々お金も渡しておきました。その方がいいような感じがしたので」
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「いくら渡したのですか?」
ヘンリー君はにっこり笑った。
「そんなことは気にしないでください」
「気になります」
真剣に気になるけど、ヘンリー君が思っているような理由からじゃないからね。私、いくらで売られたのかしら。
「僕の両親にも事情を説明しましたが、両親も気にしないから家に連れてこいと言いました」
グスマンおじさんがにっこり笑って、もう一度、うなずいた。誰か助けて。
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騎士様だった。笑っていた。
「ローズ!」
騎士様は死にそうなくらい笑いながら言った。
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「騎士様……」
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「もちろんだ。お前の両親が見つかった」
「えっ?」
「今、知らせが届いた。よかったな、両親は無事だ」
無事?
私は目の前のことを全部忘れ、そのまま騎士様の元へ駆け寄った。
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