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サジシーム
第155話 砦をとられたことに気が付く
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「フリースラントー」
「聞こえませんよ、ギュレーター様」
ウマを並走させながら、従者のハドルは怒鳴った。
「それにそんなに速くウマを走らせたら、疲れて戦えなくなってしまいます」
「バカ。援軍の姿を見せるのだ。ダリアにも、ロンゴバルトにも」
彼らは、全速力で駆け続けた(ただし暗闇なので結構とろい)。
「実際に戦うのは、後続に任せろ。味方が来たことを見せつけるのだ」
「ギュレーター様、問題はこの暗闇の中、どうやって見てもらうかですよね」
一瞬、ギュレーターは黙った。だが、次の瞬間、彼は怒鳴った。
「叫ぶんだ! フリースラントー」
フリースラントは耳が良い。
ギュレーターの声を聞き分けたと思った。
自分の名前はもっとも聞き取りやすい。
彼は額の汗をぬぐった。(実際には金属の指で撫でただけだったが)
「もう少しだ」
フリースラントが力を振り絞って戦っている時、ゼンダの領主の配下の者も気が付いた。
「灯が!」
「誰かが来ます!」
まだ、夜は明けていない。
一列の灯が連綿と続いている。こちらに向かって動いている。
騎馬の兵の横を伴走する者たちの灯りだ。
「敵か? 味方か?」
「あ、声が聞こえます」
「……ラントー……」
「ああ、あれは……」
「間違いない。あのだみ声は、バジエ辺境伯だ」
「汚い地声がでかい。ギュレーターだ!」
「フリースラント! レイビック辺境伯のことだな!」
「レイビック伯爵をフリースラント呼ばわりするのは、バジエ辺境伯かロドリック様くらいなものだ」
気が付いたのはゼンダの領主の方だけではなかった。
ロンゴバルトも気が付いた。
「畜生! チャンスなのに」
剣で戦いながら、サジシームは叫んだ。
「あいつを殺せ!」
「だめです。鋼鉄の騎士は不死身です」
「おやめください、サジシーム様」
「引きましょう! ロンゴバルトのほかの隊も砦に引き上げつつあります」
メフメトの家来たちもサジシームの家臣たちも、サジシームを引き止めにかかった。
「サジシーム様、引き上げましょう! 次の機会を狙えばよいではありませんか」
「次の機会! 次の機会! 何回目だと思っているのだ。レイビック伯! あいつさえ殺せば……」
「サジシーム様、あれは人間ではありません」
マシムがそばに寄ってきて真剣な調子で言った。
「あれは魔王です。ハブファンが言っていました。中は空だと」
「なにイ?」
マシムの顔をサジシームは見下ろした。
「ハブファンが、レイビック伯自身が鋼鉄の騎士の中身は空だと、そう言っていたと伝えてきました」
「何を馬鹿な」
「ハブファンに借金を申し込んだベルビュー殿は、レイビック伯と懇意で……」
サジシームは埃と汗で汚れた顔を、マシムに向けた。
「鎧の中身は空だと。中にはレイビックの悪霊が入っているのだと……」
「そんなはずはない」
「いいえ、いいえ。みな、ほかの首長たちは引き上げ始めています。兵たちは疲れています。昼間、働き、夕方からずっと続けて動いているのです。それだけでも不利です。砦へ引き上げましょう。砦なら防御できます。このままだと最後尾になってしまいます」
周りは人とウマの波になっていた。
我先に、引き上げていくのである。
「砦……」
サジシームの心のどこかで、あの慎重で用意周到なフリースラントの姿が浮かんだ。
サジシームは、おそらく首長たちの誰よりもよくフリースラントを知っていた。
あの男が、砦を放っておくだろうか?
「砦の守りは誰だ?」
不意にサジシームは尋ねた。不安が胸をよぎった。マシムは戸惑った。
「誰……と言って、決まりはございません。首長の皆様は、それぞれご自分の軍隊を好きなように動かされますから」
サジシームは、怒ったように、高価な自分のマントをその場に脱ぎ捨てた。
「ついてこい、マシム、ダラーム、アジス」
彼はそう叫ぶと、街道を逸れて別の道を走り始めた。
そろそろ夜が明け始める時間だった。
「どこへ? どこへ行かれるのですか? サジシーム様? そちらは砦の方角ではありません」
魔王なんかじゃない。
そんなのは、ばかげた冗談だ。きっとベルビューは騙されたのだ。
彼はベルビューのこともよく知っていた。ベルビューは人質だった。何回も話したことがある。愚かな老人だ。何の役にも立たない。老いてから出来た一人息子を盲目的にかわいがっているに過ぎない。
もし、彼がフリースラントだったら……勝ち目のない戦なんかを砦で始めたりしないだろう。なんとしてもロンゴバルトと砦で戦うことは避けるだろう。
逆に敵を砦からおびき出すことに全力を挙げるだろう。
ほぼ全勢力が、二手に分かれて戦うなんておかしすぎる。
いや、待て。あれが彼らの勢力の全部だったのか?
明るくなってきたカプトル近郊を、全速力で馬を走らせながら、彼は気が付いた。
フリースラントはサジシームが砦をわが物にしていることを知らないはずだった。
彼は撤退して、ベルブルグを経由してレイビックに戻ったはずだった。絶対に何も知らないはずだ。
王と王妃が殺されてしまったことなど、知っているわけがない。
それに、どうやって軍勢を動かしたのだ。軍勢はいったん解散されたはずだ。再度徴集をかけることはほぼ不可能なはずだ。
確認したところでは、彼は少なくとも一週間前にはカプトルを離れていた。間違いない。確実にカプトルを出て行っている。
あれだけの人数が、カプトル近郊にとどまっていれば、わからないはずがない。
レイビック伯爵がここにいるはずがないのだ。
鋼鉄の騎士は、どこから湧いて出たのだ。
サジシームは今、小高い丘の上に着いていた。
「見えるか?」
砦を見下ろせる場所だった。朝の光がまぶしい。
「ああっ」
従いて来た者のうちの一人が叫んだ。
砦の前には、ロンゴバルト兵が大勢いた。だが、そこからでも砦にダリアの旗が翻っているのが見えた。
そして、ロンゴバルト兵の背後から、並外れて大きな体であることがわかる、鉄製の鎧を着た騎士が迫っていた。
「なぜ? いつの間に砦のところに?……先ほどまで、ダリア軍ともっと向こうの丘で戦っていたのに、いつの間に私たちを追い越して砦の前にいるのでしょう?」
震えながらマシムが言った。
「あれはハザの首長の軍です」
一人が指さした。今まさに鋼鉄の騎士に殺されていた。頭を割られると言う残虐な殺し方で。
「ハザ様はどうしたのでしょう。姿がない」
サジシームはくるりと方向を変えた。
「サジシーム様、どうなさいますか?」
「ロンゴバルトに帰る」
「ザイード様やハザ様は?」
彼は、身内のロンゴバルトの臣下たちや兵たちの顔を見た。
彼の合理的な判断は、この連中にはきっと理解できないだろう。死ぬまで戦っても、何の意味もないのだ。
彼はウマ用の鞭をぴしりと鳴らした。
「魔王だ」
そして、朝日を受けてきらきらと輝きながら、ロンゴバルト兵を斬り殺している鋼鉄の騎士の姿を鞭で指した。
「アネンサードの魔王だ。やつの剣に触れた者は祟りを受ける。その汚辱は死ぬまで消えない」
サジシームの不気味な言葉と不吉な話し方は、心の奥底のどこかに押し込めたはずの恐怖を呼び覚ました。
「神の教えに基づき、ロンゴバルトに戻る」
「それは……」
彼らはしばらく、丘の上からロンゴバルトの残兵の戦闘の様子を、どこか未練があるように見ていたが、やがて馬首をめぐらすと、おとなしくサジシームの指示に従い、丘沿いの道を静かに移動し始めた。
「聞こえませんよ、ギュレーター様」
ウマを並走させながら、従者のハドルは怒鳴った。
「それにそんなに速くウマを走らせたら、疲れて戦えなくなってしまいます」
「バカ。援軍の姿を見せるのだ。ダリアにも、ロンゴバルトにも」
彼らは、全速力で駆け続けた(ただし暗闇なので結構とろい)。
「実際に戦うのは、後続に任せろ。味方が来たことを見せつけるのだ」
「ギュレーター様、問題はこの暗闇の中、どうやって見てもらうかですよね」
一瞬、ギュレーターは黙った。だが、次の瞬間、彼は怒鳴った。
「叫ぶんだ! フリースラントー」
フリースラントは耳が良い。
ギュレーターの声を聞き分けたと思った。
自分の名前はもっとも聞き取りやすい。
彼は額の汗をぬぐった。(実際には金属の指で撫でただけだったが)
「もう少しだ」
フリースラントが力を振り絞って戦っている時、ゼンダの領主の配下の者も気が付いた。
「灯が!」
「誰かが来ます!」
まだ、夜は明けていない。
一列の灯が連綿と続いている。こちらに向かって動いている。
騎馬の兵の横を伴走する者たちの灯りだ。
「敵か? 味方か?」
「あ、声が聞こえます」
「……ラントー……」
「ああ、あれは……」
「間違いない。あのだみ声は、バジエ辺境伯だ」
「汚い地声がでかい。ギュレーターだ!」
「フリースラント! レイビック辺境伯のことだな!」
「レイビック伯爵をフリースラント呼ばわりするのは、バジエ辺境伯かロドリック様くらいなものだ」
気が付いたのはゼンダの領主の方だけではなかった。
ロンゴバルトも気が付いた。
「畜生! チャンスなのに」
剣で戦いながら、サジシームは叫んだ。
「あいつを殺せ!」
「だめです。鋼鉄の騎士は不死身です」
「おやめください、サジシーム様」
「引きましょう! ロンゴバルトのほかの隊も砦に引き上げつつあります」
メフメトの家来たちもサジシームの家臣たちも、サジシームを引き止めにかかった。
「サジシーム様、引き上げましょう! 次の機会を狙えばよいではありませんか」
「次の機会! 次の機会! 何回目だと思っているのだ。レイビック伯! あいつさえ殺せば……」
「サジシーム様、あれは人間ではありません」
マシムがそばに寄ってきて真剣な調子で言った。
「あれは魔王です。ハブファンが言っていました。中は空だと」
「なにイ?」
マシムの顔をサジシームは見下ろした。
「ハブファンが、レイビック伯自身が鋼鉄の騎士の中身は空だと、そう言っていたと伝えてきました」
「何を馬鹿な」
「ハブファンに借金を申し込んだベルビュー殿は、レイビック伯と懇意で……」
サジシームは埃と汗で汚れた顔を、マシムに向けた。
「鎧の中身は空だと。中にはレイビックの悪霊が入っているのだと……」
「そんなはずはない」
「いいえ、いいえ。みな、ほかの首長たちは引き上げ始めています。兵たちは疲れています。昼間、働き、夕方からずっと続けて動いているのです。それだけでも不利です。砦へ引き上げましょう。砦なら防御できます。このままだと最後尾になってしまいます」
周りは人とウマの波になっていた。
我先に、引き上げていくのである。
「砦……」
サジシームの心のどこかで、あの慎重で用意周到なフリースラントの姿が浮かんだ。
サジシームは、おそらく首長たちの誰よりもよくフリースラントを知っていた。
あの男が、砦を放っておくだろうか?
「砦の守りは誰だ?」
不意にサジシームは尋ねた。不安が胸をよぎった。マシムは戸惑った。
「誰……と言って、決まりはございません。首長の皆様は、それぞれご自分の軍隊を好きなように動かされますから」
サジシームは、怒ったように、高価な自分のマントをその場に脱ぎ捨てた。
「ついてこい、マシム、ダラーム、アジス」
彼はそう叫ぶと、街道を逸れて別の道を走り始めた。
そろそろ夜が明け始める時間だった。
「どこへ? どこへ行かれるのですか? サジシーム様? そちらは砦の方角ではありません」
魔王なんかじゃない。
そんなのは、ばかげた冗談だ。きっとベルビューは騙されたのだ。
彼はベルビューのこともよく知っていた。ベルビューは人質だった。何回も話したことがある。愚かな老人だ。何の役にも立たない。老いてから出来た一人息子を盲目的にかわいがっているに過ぎない。
もし、彼がフリースラントだったら……勝ち目のない戦なんかを砦で始めたりしないだろう。なんとしてもロンゴバルトと砦で戦うことは避けるだろう。
逆に敵を砦からおびき出すことに全力を挙げるだろう。
ほぼ全勢力が、二手に分かれて戦うなんておかしすぎる。
いや、待て。あれが彼らの勢力の全部だったのか?
明るくなってきたカプトル近郊を、全速力で馬を走らせながら、彼は気が付いた。
フリースラントはサジシームが砦をわが物にしていることを知らないはずだった。
彼は撤退して、ベルブルグを経由してレイビックに戻ったはずだった。絶対に何も知らないはずだ。
王と王妃が殺されてしまったことなど、知っているわけがない。
それに、どうやって軍勢を動かしたのだ。軍勢はいったん解散されたはずだ。再度徴集をかけることはほぼ不可能なはずだ。
確認したところでは、彼は少なくとも一週間前にはカプトルを離れていた。間違いない。確実にカプトルを出て行っている。
あれだけの人数が、カプトル近郊にとどまっていれば、わからないはずがない。
レイビック伯爵がここにいるはずがないのだ。
鋼鉄の騎士は、どこから湧いて出たのだ。
サジシームは今、小高い丘の上に着いていた。
「見えるか?」
砦を見下ろせる場所だった。朝の光がまぶしい。
「ああっ」
従いて来た者のうちの一人が叫んだ。
砦の前には、ロンゴバルト兵が大勢いた。だが、そこからでも砦にダリアの旗が翻っているのが見えた。
そして、ロンゴバルト兵の背後から、並外れて大きな体であることがわかる、鉄製の鎧を着た騎士が迫っていた。
「なぜ? いつの間に砦のところに?……先ほどまで、ダリア軍ともっと向こうの丘で戦っていたのに、いつの間に私たちを追い越して砦の前にいるのでしょう?」
震えながらマシムが言った。
「あれはハザの首長の軍です」
一人が指さした。今まさに鋼鉄の騎士に殺されていた。頭を割られると言う残虐な殺し方で。
「ハザ様はどうしたのでしょう。姿がない」
サジシームはくるりと方向を変えた。
「サジシーム様、どうなさいますか?」
「ロンゴバルトに帰る」
「ザイード様やハザ様は?」
彼は、身内のロンゴバルトの臣下たちや兵たちの顔を見た。
彼の合理的な判断は、この連中にはきっと理解できないだろう。死ぬまで戦っても、何の意味もないのだ。
彼はウマ用の鞭をぴしりと鳴らした。
「魔王だ」
そして、朝日を受けてきらきらと輝きながら、ロンゴバルト兵を斬り殺している鋼鉄の騎士の姿を鞭で指した。
「アネンサードの魔王だ。やつの剣に触れた者は祟りを受ける。その汚辱は死ぬまで消えない」
サジシームの不気味な言葉と不吉な話し方は、心の奥底のどこかに押し込めたはずの恐怖を呼び覚ました。
「神の教えに基づき、ロンゴバルトに戻る」
「それは……」
彼らはしばらく、丘の上からロンゴバルトの残兵の戦闘の様子を、どこか未練があるように見ていたが、やがて馬首をめぐらすと、おとなしくサジシームの指示に従い、丘沿いの道を静かに移動し始めた。
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