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サジシーム
第148話 領地の争奪戦(ロンゴバルト側)
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ザイードたちが戻ってきたら、領地の争奪戦が始まるのだろう。
だが、もともとダリアの事情には詳しくないので、領地を手にしたところで、うまく収益を上げる方法を知らないはずだった。
ダリアに詳しいサジシーム自身、いや、詳しいからこそ、領地経営は難しいと考えていた。ザイードなんか、無理に決まっている。
「どこの地域が一番得かとか、そう言った問題でもめ始めて、疑心暗鬼になるのではないでしょうか」
もうサジシームはお手上げだった。
メフメトの後釜として、権利を主張したくても、王と王妃の首印をあげた者が、一番の権利を主張できる論理にすり替わっている時点で無理だった。
「まあ、誰も知らないとは思いますが、結局、身代金をせしめたのはサジシーム様ですから。領地よりそちらの方が実際には得でございます」
マシムは落ち着き払って言った。
保守的なマシムとしては、サジシームの奇想天外なやり方に不安をぬぐいきれなかったのだ。
今、こうして出陣して行く様を見ていると、これはロンゴバルトの伝統的なやり方で、全く安心できた。戦利品の分け方も伝統的な方法で分けられていくのだろうし、マシムは異存なかった。
だが、サジシームは落ち着きなく様子をうかがっていた。
早い者は日が落ちる前から、多くの者は暗くなってからバラバラに戻ってきた。
ザイードは、日が落ちて、かなりたってから帰ってきて、臣下のリエンチャが王と王妃の首を取ったと告げた。
「簡単に見つかり、誰も抵抗しなかった。お前の言う通りだったよ。問題は、城の中の探索だった。お前を連れて行けばよかった。どこに何があるのかわからず、苦労した。明日は、お前も来い。宝石類をどこかに隠しているのかもしれん。まだ、火はつけるなと命じてある」
ザイードはそれでもまあまあの機嫌で、金の鎖や誰のものともわからない指輪などを次々に見せてくれた。
「お付きの貴族どもも、皆殺しだ。本当に守備兵を置いていなかったな。のんきな連中だ。バカなのか? ダリアのやつらは」
守備隊はサジシームなのだが、まさか、今それを説明するわけにはいかなかった。
ザイードは、単細胞かもしれないが、頭が回らないわけではない。
守備隊をサジシームが請け負っていたと聞いたら、裏切り者と言いだすかもしれない。少なくとも、ダリア王にそれだけ信用されていたということには気がつくだろう。
「王も王妃も簡単じゃった。それどころかわしに縋りつくのじゃ。王太子は無事かと」
「それは……」
ザイードは高笑いした。
「あのファン島に女どもと閉じ込められていた豚のような男のことだろう。わしは、よう知らなんだがのう。途中でファン島に停泊した時、あまりに目ざわりなので、吊るしてきたわ」
「つ、吊るしてきた?」
サジシームは耳を疑った。
「そうともさ。あのような気味の悪い、ものもはっきり言わぬ男は、わしは大嫌いじゃ。剣を使うのも勿体ない。そこらの革ひもで、窓から吊るしておいた。女どもが大騒ぎしておった」
「それは……死んだということですか?」
ザイードはサジシームの異様な反応に気付いて、じろりとサジシームを見た。
「死んだろうな。それがどうした。メフメトを殺されたのじゃ。命で贖わせて当然じゃ。王と王妃は何やら叫んでおったが、知ったことではない。自分の命の心配をした方がよいものを」
ザイードは手にした鞭で、石畳をたたき、ピシピシ音を立てながら砦の外にある自分の住処-テントへ帰って行った。彼らの軍勢は砂漠にテントを張り、そこで暮らすライフスタイルにすっかり慣れているので、砦の中に住もうとしなかったのだ。
後には、あまりのことに呆然としたサジシームが残った。
彼の手には今や、何のカードも残されてはいなかった。
王と王妃が健在なら、王太子は彼らが死ぬまでカードとして使えるはずだった。
ロンゴバルトの女と結婚させて、子どもができれば、サジシームは摂政としてこの国を支配するつもりだった。
何もかもむちゃくちゃになってしまった。
砦には、新たなロンゴバルトの首長連中が到着していた。
後続の連中は、すでに戦いは終わったと聞いてがっかりした様子だったが、城はとにかく、カプトルの町はまだ手付かずだと聞いて、明日はそちらへ攻め入ろうと相談していた。
「メフメトの敵を討ったのはわしじゃ。ダリアの王領はわしのものじゃ」
「砦や下準備、連絡や契約を結んだのはサジシームじゃろう。おぬし一人の手柄なわけがあるまい」
「いや待て。そもそもダリアの王領とは、どこにどれだけあるのじゃ」
ヒゲもじゃで、それぞれ不揃いな部族の衣装に身を固めた男たちが、一斉にサジシームの方を振り返った。
サジシームは黙って地図を広げた。
字の読めない者、老眼の者には、全く意味をなさない紙だった。彼らには地図の概念があまりなかった。
「それで、これが、何なのじゃ」
「この赤く塗られた部分が王領です」
「ほおお?」
「結構な面積だな」
彼らは地図をじっくり見つめたが、尋ねた。
「それで、ここから何が獲れる?」
「麦やマメとか、リンゴ、牧草ですね」
「……悪くはないが、ロンゴバルトに持ってくるまでに腐りそうだ」
「売って金に換えるといいと思います」
ザイードは、ちょっと呆然とした顔になった。
ロンゴバルトには、物々交換以外市場がなかったので、貨幣に換えると言う意味が良く分からなかったのだろう。
ああ……とサジシームはため息をついた。
彼の故郷はロンゴバルトだった。
生活は単純で、戒律は厳しかった。昼は暑く、夜は寒い。
食堂や宿、ベルブルグのような歓楽街は存在しなかった。金さえ出せば、たいていどんな要望にも応えてくれるダリアの都市とはわけが違う。
一度、ダリアで暮らしてしまうと、そして金があれば、その魅力に取りつかれてしまう。自由で勝手気ままで、誰からも干渉されない暮らしは、サジシームにとって麻薬のようだった。
彼の故郷のロンゴバルトとは、あまりにもかけ離れている。
祖国を変えるか、ダリアに住むか。
一方、サジシームと違い、ダリアの魅力を解さないメフメトがダリアに強い興味を示したのはレイビックのせいだった。金が採れるからだ。
首長たちが知らないのは勿怪の幸いだった。でなければ、今頃、レイビックへ出陣すると大騒ぎになっているはずだった。サジシームは、ほっとしていた。
「ダリアには金山があると聞いたが?」
誰かが大声で叫んだ。
「金山?」
「黄金か?」
彼らは地図に押し寄せた。
「サジシーム! 金が採れるのはどこなのだ?」
ザイードの目が血走っていた。
サジシームは、指で北の果てを指した。
「レイビック」
赤く塗られていない場所だった。
「王領ではないのか?」
「ええ」
「誰の所領だ?」
「レイビック伯爵」
「ここからどれくらいかかる?」
「十四日程度」
「ううむ。遠いな」
彼らは考えた。
「しかし、ダリアの連中はマヌケだ。守備兵も置かないし、ファン島だってロンゴバルトにくれたくらいだ」
ザイードの視線は広間に並べられた机のうえに、無造作に置かれたいくつかの首桶の方へ漂っていった。
王と王妃、ウェルケウェ伯爵や、何人か名前を知っている貴族たちが首だけになって、桶にしまい込まれていた。
王と王妃たちは、サジシームに騙されたとか、そんなことを考える間もなかったろう。あっという間に見つかり、何の容赦もなく殺されてしまったのだろう。
「少し遠いが、ダリア兵は弱いから問題にならん。悪い話ではないな」
「しかし、あそこは悪霊の地では……」
誰かが言い、ザイードは血走った目をそちらに向けた。
「悪霊の地?」
「レイバイクだ」
「まさか。では、このレイビック伯爵が悪霊だとでもいうのか?」
「鋼鉄の騎士の生まれ故郷です」
サジシームが答えた。
十五年前の戦いの時のことはことは、ロンゴバルトの皆が知っていた。若い連中も、話は聞いていた。
ザイードが黙った。
鋼鉄の騎士は彼らにとって、悪夢だった。
だが、もともとダリアの事情には詳しくないので、領地を手にしたところで、うまく収益を上げる方法を知らないはずだった。
ダリアに詳しいサジシーム自身、いや、詳しいからこそ、領地経営は難しいと考えていた。ザイードなんか、無理に決まっている。
「どこの地域が一番得かとか、そう言った問題でもめ始めて、疑心暗鬼になるのではないでしょうか」
もうサジシームはお手上げだった。
メフメトの後釜として、権利を主張したくても、王と王妃の首印をあげた者が、一番の権利を主張できる論理にすり替わっている時点で無理だった。
「まあ、誰も知らないとは思いますが、結局、身代金をせしめたのはサジシーム様ですから。領地よりそちらの方が実際には得でございます」
マシムは落ち着き払って言った。
保守的なマシムとしては、サジシームの奇想天外なやり方に不安をぬぐいきれなかったのだ。
今、こうして出陣して行く様を見ていると、これはロンゴバルトの伝統的なやり方で、全く安心できた。戦利品の分け方も伝統的な方法で分けられていくのだろうし、マシムは異存なかった。
だが、サジシームは落ち着きなく様子をうかがっていた。
早い者は日が落ちる前から、多くの者は暗くなってからバラバラに戻ってきた。
ザイードは、日が落ちて、かなりたってから帰ってきて、臣下のリエンチャが王と王妃の首を取ったと告げた。
「簡単に見つかり、誰も抵抗しなかった。お前の言う通りだったよ。問題は、城の中の探索だった。お前を連れて行けばよかった。どこに何があるのかわからず、苦労した。明日は、お前も来い。宝石類をどこかに隠しているのかもしれん。まだ、火はつけるなと命じてある」
ザイードはそれでもまあまあの機嫌で、金の鎖や誰のものともわからない指輪などを次々に見せてくれた。
「お付きの貴族どもも、皆殺しだ。本当に守備兵を置いていなかったな。のんきな連中だ。バカなのか? ダリアのやつらは」
守備隊はサジシームなのだが、まさか、今それを説明するわけにはいかなかった。
ザイードは、単細胞かもしれないが、頭が回らないわけではない。
守備隊をサジシームが請け負っていたと聞いたら、裏切り者と言いだすかもしれない。少なくとも、ダリア王にそれだけ信用されていたということには気がつくだろう。
「王も王妃も簡単じゃった。それどころかわしに縋りつくのじゃ。王太子は無事かと」
「それは……」
ザイードは高笑いした。
「あのファン島に女どもと閉じ込められていた豚のような男のことだろう。わしは、よう知らなんだがのう。途中でファン島に停泊した時、あまりに目ざわりなので、吊るしてきたわ」
「つ、吊るしてきた?」
サジシームは耳を疑った。
「そうともさ。あのような気味の悪い、ものもはっきり言わぬ男は、わしは大嫌いじゃ。剣を使うのも勿体ない。そこらの革ひもで、窓から吊るしておいた。女どもが大騒ぎしておった」
「それは……死んだということですか?」
ザイードはサジシームの異様な反応に気付いて、じろりとサジシームを見た。
「死んだろうな。それがどうした。メフメトを殺されたのじゃ。命で贖わせて当然じゃ。王と王妃は何やら叫んでおったが、知ったことではない。自分の命の心配をした方がよいものを」
ザイードは手にした鞭で、石畳をたたき、ピシピシ音を立てながら砦の外にある自分の住処-テントへ帰って行った。彼らの軍勢は砂漠にテントを張り、そこで暮らすライフスタイルにすっかり慣れているので、砦の中に住もうとしなかったのだ。
後には、あまりのことに呆然としたサジシームが残った。
彼の手には今や、何のカードも残されてはいなかった。
王と王妃が健在なら、王太子は彼らが死ぬまでカードとして使えるはずだった。
ロンゴバルトの女と結婚させて、子どもができれば、サジシームは摂政としてこの国を支配するつもりだった。
何もかもむちゃくちゃになってしまった。
砦には、新たなロンゴバルトの首長連中が到着していた。
後続の連中は、すでに戦いは終わったと聞いてがっかりした様子だったが、城はとにかく、カプトルの町はまだ手付かずだと聞いて、明日はそちらへ攻め入ろうと相談していた。
「メフメトの敵を討ったのはわしじゃ。ダリアの王領はわしのものじゃ」
「砦や下準備、連絡や契約を結んだのはサジシームじゃろう。おぬし一人の手柄なわけがあるまい」
「いや待て。そもそもダリアの王領とは、どこにどれだけあるのじゃ」
ヒゲもじゃで、それぞれ不揃いな部族の衣装に身を固めた男たちが、一斉にサジシームの方を振り返った。
サジシームは黙って地図を広げた。
字の読めない者、老眼の者には、全く意味をなさない紙だった。彼らには地図の概念があまりなかった。
「それで、これが、何なのじゃ」
「この赤く塗られた部分が王領です」
「ほおお?」
「結構な面積だな」
彼らは地図をじっくり見つめたが、尋ねた。
「それで、ここから何が獲れる?」
「麦やマメとか、リンゴ、牧草ですね」
「……悪くはないが、ロンゴバルトに持ってくるまでに腐りそうだ」
「売って金に換えるといいと思います」
ザイードは、ちょっと呆然とした顔になった。
ロンゴバルトには、物々交換以外市場がなかったので、貨幣に換えると言う意味が良く分からなかったのだろう。
ああ……とサジシームはため息をついた。
彼の故郷はロンゴバルトだった。
生活は単純で、戒律は厳しかった。昼は暑く、夜は寒い。
食堂や宿、ベルブルグのような歓楽街は存在しなかった。金さえ出せば、たいていどんな要望にも応えてくれるダリアの都市とはわけが違う。
一度、ダリアで暮らしてしまうと、そして金があれば、その魅力に取りつかれてしまう。自由で勝手気ままで、誰からも干渉されない暮らしは、サジシームにとって麻薬のようだった。
彼の故郷のロンゴバルトとは、あまりにもかけ離れている。
祖国を変えるか、ダリアに住むか。
一方、サジシームと違い、ダリアの魅力を解さないメフメトがダリアに強い興味を示したのはレイビックのせいだった。金が採れるからだ。
首長たちが知らないのは勿怪の幸いだった。でなければ、今頃、レイビックへ出陣すると大騒ぎになっているはずだった。サジシームは、ほっとしていた。
「ダリアには金山があると聞いたが?」
誰かが大声で叫んだ。
「金山?」
「黄金か?」
彼らは地図に押し寄せた。
「サジシーム! 金が採れるのはどこなのだ?」
ザイードの目が血走っていた。
サジシームは、指で北の果てを指した。
「レイビック」
赤く塗られていない場所だった。
「王領ではないのか?」
「ええ」
「誰の所領だ?」
「レイビック伯爵」
「ここからどれくらいかかる?」
「十四日程度」
「ううむ。遠いな」
彼らは考えた。
「しかし、ダリアの連中はマヌケだ。守備兵も置かないし、ファン島だってロンゴバルトにくれたくらいだ」
ザイードの視線は広間に並べられた机のうえに、無造作に置かれたいくつかの首桶の方へ漂っていった。
王と王妃、ウェルケウェ伯爵や、何人か名前を知っている貴族たちが首だけになって、桶にしまい込まれていた。
王と王妃たちは、サジシームに騙されたとか、そんなことを考える間もなかったろう。あっという間に見つかり、何の容赦もなく殺されてしまったのだろう。
「少し遠いが、ダリア兵は弱いから問題にならん。悪い話ではないな」
「しかし、あそこは悪霊の地では……」
誰かが言い、ザイードは血走った目をそちらに向けた。
「悪霊の地?」
「レイバイクだ」
「まさか。では、このレイビック伯爵が悪霊だとでもいうのか?」
「鋼鉄の騎士の生まれ故郷です」
サジシームが答えた。
十五年前の戦いの時のことはことは、ロンゴバルトの皆が知っていた。若い連中も、話は聞いていた。
ザイードが黙った。
鋼鉄の騎士は彼らにとって、悪夢だった。
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