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レイビック伯
第77話 フリースラントのヨコシマな思い、ほんのり伝わる
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一方で、レイビック城に迎え入れられたルシアは、少しばかりぼうっとしていた。
最初、王宮の噂を聞いた時は信じられなかった。
黄金のインゴット百本を投じて、自分と結婚したいと言う男が現れたと言うのである。
全く異常な額だった。ルシアだってビックリした。そして怖くなった。
そんな値打ちが自分にあるのか? それとも、王家につながる高貴な血を求めての結婚なのか?
残念なことに、その男は下品な成金で、肥え太った醜い中年男だと言う。
そして、ルシア自身を望んでの結婚ではなく、王家と言う高貴な身分にあこがれての求婚だった。
王と王妃が、ルシアを嫌っていることは薄々知っていた。それだから彼女は二人の気に障らぬよう静かにすごしてきたのだ。母のアデリア王女と王太子のおかげでちっともうまくいかなかったけれど。
レイビックなんて聞いたこともない土地の名だった。北の果てだと言う。王宮は嫌いで居心地も悪かったが、さすがにそんなところへは行きたくなかった。
だが、金に釣られて、結婚したいと言う男の望みを王と王妃は唯々諾々とかなえてしまった。
「なぜ自分は、好きでもない男のもとへばかり嫁がされるのだろう」
だからレイビック城へ着いて、フリースラントが迎えに来てくれた時、ルシアは大喜びした。
「お兄さま!」
なつかしい兄だった。フリースラントはルシアを愛してくれていた。もう安心だ。ルシアはついに、宮廷から解放されたのだ。
しかし、レイビックについて一晩明けて、ルシアはようやく冷静になった。
フリースラントが現れた時は、心の底からほっとした。
レイビック伯爵とは、兄が家の事情でヴォルダ家を名乗れなくなったため、別に取った爵位の名前だったのだ。
うまいことやってくれたものだ。確かにヴォルダ家の名前では、王と王妃は警戒してルシアを出さなかったかもしれなかった。
身分と名を偽って、彼女を王宮から助けてくれたのだ、と昨日は思っていた。
しかし、翌朝起きて明るい光の中で部屋を見渡した時、彼女は、部屋のあまりの様子に言葉を失った。
彼女の部屋は、とても豪華だった。いや、豪華すぎた。天蓋付きのベッドだって、こまごました道具のどれ一つにしても、恐ろしく高価なものばかりだと見ただけでわかった。
その部屋はとても凝っていて……そう、お金のほかに手間がかかっていた。
心を込めて、金に糸目をつけず準備したのだ。
この部屋の力の入れようはどこか狂っている。まるで部屋を用意するのがうれしいと言ったような感じを受ける。婚約者の男の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。
ルシアが、まだ見ぬ婚約者に恐怖を覚えたくらいだった。
あ、いやいや、婚約者には昨日会った。あれ? 兄だったような?
天蓋付きのベッドの中で半身を起こして、ルシアは考えた。
婚約者の男は、何千万もの黄金を惜しげもなく、ルシアを婚約者にするために費やした。
いったい何のために?
平民の成り上がりが、高い身分を得て、王家の縁者になるための結婚だと聞いていた。
だが、身分を買う必要なんか、フリースラントにはなかった。
ヴォルダ家の祖母は王女だった。彼は生まれつき王家の縁者なのだ。ヴォルダ家の子息だと明かせばいいだけだ。
それなら、元王妃として、宮廷でかしずかれ、王からさえ尊重されているはずのルシアをレイビックへ無理やり連れ出す理由はなんなのだろう。
ルシアは実際、王宮に住まうことが嫌でならなかったが、誰がそんなことを想像しただろう。彼女は元王妃だ。王家のファミリーに近い人々は彼女の状況を知っていたが、それより下の貴族たちは、ひたすらに元王妃を敬い、この上なく高貴のお方として扱った。彼女がそんな身分など捨ててしまって、もっと気楽で自由な環境で暮らしたいと思っているだなんて考えもしないだろう。
「何を贅沢な! これ以上ない高貴な身の上なのでございますよ! 王宮に出入りしたいとどれほど多くの貴族たちが熱望しているとお思いですか!」
結婚前、宮廷に戻りたくないと言ったら、老侍女に猛烈に叱られたことがあった。
遠いレイビックの兄が、ルシアの苦境を知っていたとは考えにくい。救い出さねばと焦っていたとは考えられない。そんな大金を投じてまで。
じゃあ、何のために?
城からウマを飛ばして、ルシアを迎えに来た若い騎士は、情熱的な恋人だった。婚約者が自分を迎えに走ってくる様子を遠目に見た時、ルシアは一瞬、夢がかなえられた思いだった。なんて力強い、素敵な婚約者だろう。
「ルシア様、お目覚めですか?」
ルシアはビクッとした。聞きなれた侍女の声だったのに。
「お疲れだったのでございましょう。もう、昼前でございます。レイビック伯爵様が……」
もう一人の侍女が、うれしそうな声で続きを言った。
「長旅ゆえ、疲れているに違いない。好きなだけ休ませて差しあげろとおっしゃられました。本当にお優しい婚約者様ですこと」
婚約者! フリースラントが婚約者……
ルシアは言葉の意味に気が付いて、びっくりした。
デブで下品な成り上がりの中年男ではなかった。婚約者とは、フリースラントのことだったのだ。
侍女たちはルシアが起きて、ベッドに座っているのを見ると、次々に入ってきた。そして、ルシアの部屋の豪華さにびっくりした。
「まあ、私どもの部屋も、もったいないような豪華さだと思いましたが、ルシア様のお部屋ときたら!」
「レイビック伯爵様がご用意されたのですね。まあ、このお部屋の凝りようと言ったら! 気に入ってもらいたいと言う気持ちが伝わってまいりますわ」
皆、感じるところは同じらしい。彼女は嬉しそうに続けた。
「ルシア様が大事で仕方がないのだとロシアン様がおっしゃっていました」
それは妹として? それとも恋人として? ルシアは身震いした。
「とても精悍な感じの方。そのうえお美しくて。素敵な婚約者様ですわ。なんてすばらしいことでしょう!」
フリースラントの、兄のイメージが変わっていく。
買われた花嫁と言う立場は変わっていなかった。自由になったわけではない。結婚しなくてはいけない。
あの、フリースラントと? 結婚するのですか?
「こう申しては何でございますが、デブで下品な成金ではなくて、本当にようございました」
「結婚式はいつでございましょう! ルシア様の美しい花嫁姿が楽しみでございます」
侍女たちは猛烈に盛り上がっていたが、ルシアは事態についていけなくてへこんでいた。
この微妙な迷いが、後日、めんどくさい事件を引き起こすことになるとは、本人たちすらこの時点では気が付いていなかった。
最初、王宮の噂を聞いた時は信じられなかった。
黄金のインゴット百本を投じて、自分と結婚したいと言う男が現れたと言うのである。
全く異常な額だった。ルシアだってビックリした。そして怖くなった。
そんな値打ちが自分にあるのか? それとも、王家につながる高貴な血を求めての結婚なのか?
残念なことに、その男は下品な成金で、肥え太った醜い中年男だと言う。
そして、ルシア自身を望んでの結婚ではなく、王家と言う高貴な身分にあこがれての求婚だった。
王と王妃が、ルシアを嫌っていることは薄々知っていた。それだから彼女は二人の気に障らぬよう静かにすごしてきたのだ。母のアデリア王女と王太子のおかげでちっともうまくいかなかったけれど。
レイビックなんて聞いたこともない土地の名だった。北の果てだと言う。王宮は嫌いで居心地も悪かったが、さすがにそんなところへは行きたくなかった。
だが、金に釣られて、結婚したいと言う男の望みを王と王妃は唯々諾々とかなえてしまった。
「なぜ自分は、好きでもない男のもとへばかり嫁がされるのだろう」
だからレイビック城へ着いて、フリースラントが迎えに来てくれた時、ルシアは大喜びした。
「お兄さま!」
なつかしい兄だった。フリースラントはルシアを愛してくれていた。もう安心だ。ルシアはついに、宮廷から解放されたのだ。
しかし、レイビックについて一晩明けて、ルシアはようやく冷静になった。
フリースラントが現れた時は、心の底からほっとした。
レイビック伯爵とは、兄が家の事情でヴォルダ家を名乗れなくなったため、別に取った爵位の名前だったのだ。
うまいことやってくれたものだ。確かにヴォルダ家の名前では、王と王妃は警戒してルシアを出さなかったかもしれなかった。
身分と名を偽って、彼女を王宮から助けてくれたのだ、と昨日は思っていた。
しかし、翌朝起きて明るい光の中で部屋を見渡した時、彼女は、部屋のあまりの様子に言葉を失った。
彼女の部屋は、とても豪華だった。いや、豪華すぎた。天蓋付きのベッドだって、こまごました道具のどれ一つにしても、恐ろしく高価なものばかりだと見ただけでわかった。
その部屋はとても凝っていて……そう、お金のほかに手間がかかっていた。
心を込めて、金に糸目をつけず準備したのだ。
この部屋の力の入れようはどこか狂っている。まるで部屋を用意するのがうれしいと言ったような感じを受ける。婚約者の男の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。
ルシアが、まだ見ぬ婚約者に恐怖を覚えたくらいだった。
あ、いやいや、婚約者には昨日会った。あれ? 兄だったような?
天蓋付きのベッドの中で半身を起こして、ルシアは考えた。
婚約者の男は、何千万もの黄金を惜しげもなく、ルシアを婚約者にするために費やした。
いったい何のために?
平民の成り上がりが、高い身分を得て、王家の縁者になるための結婚だと聞いていた。
だが、身分を買う必要なんか、フリースラントにはなかった。
ヴォルダ家の祖母は王女だった。彼は生まれつき王家の縁者なのだ。ヴォルダ家の子息だと明かせばいいだけだ。
それなら、元王妃として、宮廷でかしずかれ、王からさえ尊重されているはずのルシアをレイビックへ無理やり連れ出す理由はなんなのだろう。
ルシアは実際、王宮に住まうことが嫌でならなかったが、誰がそんなことを想像しただろう。彼女は元王妃だ。王家のファミリーに近い人々は彼女の状況を知っていたが、それより下の貴族たちは、ひたすらに元王妃を敬い、この上なく高貴のお方として扱った。彼女がそんな身分など捨ててしまって、もっと気楽で自由な環境で暮らしたいと思っているだなんて考えもしないだろう。
「何を贅沢な! これ以上ない高貴な身の上なのでございますよ! 王宮に出入りしたいとどれほど多くの貴族たちが熱望しているとお思いですか!」
結婚前、宮廷に戻りたくないと言ったら、老侍女に猛烈に叱られたことがあった。
遠いレイビックの兄が、ルシアの苦境を知っていたとは考えにくい。救い出さねばと焦っていたとは考えられない。そんな大金を投じてまで。
じゃあ、何のために?
城からウマを飛ばして、ルシアを迎えに来た若い騎士は、情熱的な恋人だった。婚約者が自分を迎えに走ってくる様子を遠目に見た時、ルシアは一瞬、夢がかなえられた思いだった。なんて力強い、素敵な婚約者だろう。
「ルシア様、お目覚めですか?」
ルシアはビクッとした。聞きなれた侍女の声だったのに。
「お疲れだったのでございましょう。もう、昼前でございます。レイビック伯爵様が……」
もう一人の侍女が、うれしそうな声で続きを言った。
「長旅ゆえ、疲れているに違いない。好きなだけ休ませて差しあげろとおっしゃられました。本当にお優しい婚約者様ですこと」
婚約者! フリースラントが婚約者……
ルシアは言葉の意味に気が付いて、びっくりした。
デブで下品な成り上がりの中年男ではなかった。婚約者とは、フリースラントのことだったのだ。
侍女たちはルシアが起きて、ベッドに座っているのを見ると、次々に入ってきた。そして、ルシアの部屋の豪華さにびっくりした。
「まあ、私どもの部屋も、もったいないような豪華さだと思いましたが、ルシア様のお部屋ときたら!」
「レイビック伯爵様がご用意されたのですね。まあ、このお部屋の凝りようと言ったら! 気に入ってもらいたいと言う気持ちが伝わってまいりますわ」
皆、感じるところは同じらしい。彼女は嬉しそうに続けた。
「ルシア様が大事で仕方がないのだとロシアン様がおっしゃっていました」
それは妹として? それとも恋人として? ルシアは身震いした。
「とても精悍な感じの方。そのうえお美しくて。素敵な婚約者様ですわ。なんてすばらしいことでしょう!」
フリースラントの、兄のイメージが変わっていく。
買われた花嫁と言う立場は変わっていなかった。自由になったわけではない。結婚しなくてはいけない。
あの、フリースラントと? 結婚するのですか?
「こう申しては何でございますが、デブで下品な成金ではなくて、本当にようございました」
「結婚式はいつでございましょう! ルシア様の美しい花嫁姿が楽しみでございます」
侍女たちは猛烈に盛り上がっていたが、ルシアは事態についていけなくてへこんでいた。
この微妙な迷いが、後日、めんどくさい事件を引き起こすことになるとは、本人たちすらこの時点では気が付いていなかった。
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