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レイビック伯
第61話 王室財政の悪化の原因。占い師ペッシ
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ペッシは、王夫妻と実はほぼ同年配の、人触りの良い男だった。
最初は王妃のお気に入りとして、宮中に出入りし始め、今は王の信任が厚かった。
国の財政が火の車になったのも、この男のせいだった。
彼は物事にはすべて、正しい向きがあると主張していた。
「左様。もし、何かお決めになられるときにも、その方向性は極めて大事です。正しい向き、これは何物にもございます。もともとの方向性を持つものに逆らうと、必ずうまく参りませぬ。あるべき姿に背くからでございます。風を読み、流れを読み、あるべき方向に向けてやる、これが全てをスムーズに行う第一の方法でございます」
何を言っているのか、さっぱりわからない。しかし、そんなわけで、国王夫妻は建築工事を行っていた。正しい向きの建物の建設をペッシが推奨していたからだ。
これは、相当のカネがかかった。
指示はペッシが行っているのだが、途中に変更が入ることも往々にしてあった。ペッシは建築に関しては全くの素人だったからである。
なかなか工事が進まない上に、変更に次ぐ変更で、費用はどんどんかさんでいった。
「良い税収はないだろうか」
王は困って、ペッシに持ち掛けた。
「ベルブルグでございましょう」
ペッシは即答した。
「繁華な街でございます。また、女性相手に遊ぶ店が多く、湯水のように怪しいカネが動いております。抑えが必要でございましょう」
なんとなく、王は行ってみたい気にかられたが、今は、その話題が中心ではない。
「王妃様は、お嫌いかと存じます」
余計なことを話題にして、王妃の激昂を買っても面白くないので、王は、あわてて財政の方に話を戻した。
「ハブファンと言う元締めが一人で抑えているのは、かえって好都合じゃな。元締め一人に言えば、金は手に入る」
「教会も、布施をため込んでおりまする。本来、貧しい人々に分け与えられるべき喜捨を、教会内部の装飾などに使ったり、高位の僧たちが衣食に用いたりしております。許されざることでございます」
ペッシはため息をついて見せた。
王は教会に関しては奮い立った。宗教や神に関心が薄かったのである。
財政のひっ迫は、建築費用が主な原因だったが、そのほかにもペッシは、いろいろな官職を得ていたし、ペッシの紹介で官職を得る者も多かった。
税収の減少は、ペッシの紹介の者たちが、必ずしも王家に税金を納入するとは限らないと言う単純な事情もあった。減収の言い訳はペッシが考えてくれる。また、向きが正しい王城が完成していないことも、物事がうまくいかない理由だった。
「早く完成させれば、流れも変わることでしょう。待ちどおしゅうございます」
「本当に」
王妃も言葉を添えた。
「ところで、何もかもお見通しのペッシ様のことですから、ご存じでしょうけれども、ルシア妃についてはどうお考えでしょうか」
突然、関係のない話題を振られたペッシは、あわてた。ルシア妃については何も知らなかった。前の王妃だということはもちろん知っていたが、王太子が追いかけまわしていることを知らなかったのである。
「どういったことをお聞きになりたいのですかな?」
物柔らかにペッシは、探りを入れた。
「王太子が夢中になっているのですが……ふさわしい話なのかどうか」
王太子が恋に夢中になっている。初耳だった。しかし、それはなかなか重要な問題であった。
王太子がペッシを嫌っていることを、ペッシ自身は熟知していた。
「ルシア妃は、呪われた女性です」
しばらくたってからペッシはゆっくりと言った。
「呪われた?」
「左様。決して、王太子を近づけてはなりません」
「おお! なんということ!」
「正しい向きではないからです。正しい方向の話ではない」
「それは……確かに」
前の王の妃である。正しい方向性とは、とても言えないだろう。
「もちろん、物事は修正が可能です。ルシア妃を正しい向きに変えることができれば、もちろん、流れは正されます」
「それは、どうすれば……」
ペッシは重々しく首を振って見せた。
「今は、ただ、正しくありません。今、お伝え出来ることはそれだけです」
ペッシはルシア妃と話をしたこともなかった。
どんな娘なのかさっぱりわからない。
ペッシの言う正しい方向と言うのは、全部、ペッシに都合の良い方向と言う意味である。
王夫妻以外の宮廷人は、皆そのことを知っていた。
ルシアはこれまで、どのパーティにもほとんど参加してこなかったし、宮廷での影響力も全く持たなかった。
したがって、ペッシの情報網から、ごっそり抜け落ちていたのである。
「十五歳では、話が通じるとは思えないし、アデリア王女は苦手だし……」
ペッシとしては、彼の追随者を王太子の妻に送り込みたいと考えていた。
少なくとも今のところ、接点すらない娘が王太子の妻になられては困るのである。娘の立場的に結婚の可能性は低そうだったが、ペッシは、まずは、否定する方が、王妃の手前、得策と判断した。
娘だって、事情が許せば、王太子の妻になりたいと考えるに決まっている。
自分が間に立って、王妃を仲裁すれば、きっと感謝するだろう。
そのためには、まずは王妃に対して、彼女をほめない方が良かった。王妃はそもそも、あまり感心しない様子だったから、意向に逆らわない発言は素直に受け取られるだろう。
それから、彼は、勿体を付けるために、いつも着ている裾の長い法衣をまくり上げると、大急ぎでルシア妃の情報を集めに走った。
王太子の恋物語は続いていて、ルシアはもう、うんざりだった。
彼女には、出来れば人を避けたい理由があった。
前の王、すなわち彼女の父が思いのほか長生きしたのは、彼女のせいだった。
人知れず抜き取った生気を王に伝えていたのだ。
父王のためにしていたのではない。
彼女自身の為だった。
やってはダメなことはわかっていたし、こんな真似をしても、何にもならないことも知っていたが、父王が死んだ後の嵐が予想できた彼女はおびえ、少しでも、その嵐を先に延ばしたいと、やってはいけないことに手を染めていたのだ。
「ルシア……」
だが、ある日、父が言った。
「もう、無理だ。もう、私にはお前を守る力がない」
父は続けた。
「何もしてやれなかった……」
そんなことはない。王はルシアに余計なことをしたのである。彼女に王宮の中で生きることを運命づけたのだ。王妃と言う冠を無理矢理かぶらせることで。
彼女は、一生、王宮から生きては出られない。
その日からもう二年以上が経った。
ルシアは、自分が孤立していることを十分承知していた。
アデリア王女は当てにならなかったし、国王夫妻には憎まれている。
そのうえで、この力が表ざたになったら、どうなるだろう。
出来れば、目立ちたくなかった。それなのに、彼女を表舞台に引っ張り出そうと言う勢力があるのだ。
最初から王太子のことも、それから王太子が口下手なのを利用してくっついてくるファルロのことも大嫌いだった。
ファルロの狙いが自分だということも途中から気が付いた。王太子が夢中なのは、理解したが、これはこれで不安だった。
おそらく血縁上の問題で、結婚などあり得ないはずだ。
ルシアは王太子より年下で、恋などよくわからなかったが、王太子が近付いてくるのは不気味だった。できれば、会いたくなかったが、最近では困ったことに彼女の住居にまで押しかけてくるようになっていた。
来たところで、王太子はろくに口も利かず、ただ丸い目でじっとルシアを見つめているだけなのである。
「もはや、気持ちが悪いわ……」
ルシアは考えた。
「見てるだけで、気分悪いわ……」
ファルロも思った。
「何か、お話ししなさいよ? 見てるだけなんて、薄気味悪いと思われますわよ?」
割り込んだのはアデリア王女だった。
ルシアの住居へ行くと、もれなくアデリア王女が付いてくるのである。
「薄気味悪い……」
王太子が繰り返した。
ファルロとルシアは、まずいと直感した。
アデリア王女まで、まずいらしいと気が付いた。
「薄気味悪い!……わ、わたしが、薄気味悪い……」
どうやら王太子自身、薄気味悪いと自分のことを思っていたか、人にそう言われたことがあるらしかった。
「ああ、王太子殿下、そんなに興奮しないで!」
「興奮て、興奮するに決まっているじゃないかッ……気味悪いなどとーーー」
アデリア王女とルシア妃は初めてだったが、ファルロはこの発作をよく知っていた。
王太子には、いくつか地雷が装着されていて、知らない人間が、無頓着に話をするとうっかり踏み抜いて、突然大爆発するのである。
邸内は阿鼻叫喚に包まれた。
ルシア妃は、結局、賢かったので、宮廷でも地雷を踏みそうになると、さっとファルロ達の顔色を読んで、そろりと外した。爆発させるなんて、真似はしなかった。
アデリア王女に、そんな芸当は無理である。王女は、遠慮会釈なく、思ったことをズバッと言うので有名だった。また、王太子の地雷に合わせて謝るのを断ったので、さらに炎上した。この手の地雷は、持ち主の性行に合わせた方が(それがどんなに理不尽でも)手早く収束できるのだが、アデリア王女はあやまると見せかけては、うっかり、次から次へと、新たな地雷を発掘して、コンプレックスの塊だったらしい王太子を再炎上させた。
鎮火するまでに、およそ3時間かかり、ファルロもルシアもアデリア王女も、それから本人も、へとへとになった。
最初は王妃のお気に入りとして、宮中に出入りし始め、今は王の信任が厚かった。
国の財政が火の車になったのも、この男のせいだった。
彼は物事にはすべて、正しい向きがあると主張していた。
「左様。もし、何かお決めになられるときにも、その方向性は極めて大事です。正しい向き、これは何物にもございます。もともとの方向性を持つものに逆らうと、必ずうまく参りませぬ。あるべき姿に背くからでございます。風を読み、流れを読み、あるべき方向に向けてやる、これが全てをスムーズに行う第一の方法でございます」
何を言っているのか、さっぱりわからない。しかし、そんなわけで、国王夫妻は建築工事を行っていた。正しい向きの建物の建設をペッシが推奨していたからだ。
これは、相当のカネがかかった。
指示はペッシが行っているのだが、途中に変更が入ることも往々にしてあった。ペッシは建築に関しては全くの素人だったからである。
なかなか工事が進まない上に、変更に次ぐ変更で、費用はどんどんかさんでいった。
「良い税収はないだろうか」
王は困って、ペッシに持ち掛けた。
「ベルブルグでございましょう」
ペッシは即答した。
「繁華な街でございます。また、女性相手に遊ぶ店が多く、湯水のように怪しいカネが動いております。抑えが必要でございましょう」
なんとなく、王は行ってみたい気にかられたが、今は、その話題が中心ではない。
「王妃様は、お嫌いかと存じます」
余計なことを話題にして、王妃の激昂を買っても面白くないので、王は、あわてて財政の方に話を戻した。
「ハブファンと言う元締めが一人で抑えているのは、かえって好都合じゃな。元締め一人に言えば、金は手に入る」
「教会も、布施をため込んでおりまする。本来、貧しい人々に分け与えられるべき喜捨を、教会内部の装飾などに使ったり、高位の僧たちが衣食に用いたりしております。許されざることでございます」
ペッシはため息をついて見せた。
王は教会に関しては奮い立った。宗教や神に関心が薄かったのである。
財政のひっ迫は、建築費用が主な原因だったが、そのほかにもペッシは、いろいろな官職を得ていたし、ペッシの紹介で官職を得る者も多かった。
税収の減少は、ペッシの紹介の者たちが、必ずしも王家に税金を納入するとは限らないと言う単純な事情もあった。減収の言い訳はペッシが考えてくれる。また、向きが正しい王城が完成していないことも、物事がうまくいかない理由だった。
「早く完成させれば、流れも変わることでしょう。待ちどおしゅうございます」
「本当に」
王妃も言葉を添えた。
「ところで、何もかもお見通しのペッシ様のことですから、ご存じでしょうけれども、ルシア妃についてはどうお考えでしょうか」
突然、関係のない話題を振られたペッシは、あわてた。ルシア妃については何も知らなかった。前の王妃だということはもちろん知っていたが、王太子が追いかけまわしていることを知らなかったのである。
「どういったことをお聞きになりたいのですかな?」
物柔らかにペッシは、探りを入れた。
「王太子が夢中になっているのですが……ふさわしい話なのかどうか」
王太子が恋に夢中になっている。初耳だった。しかし、それはなかなか重要な問題であった。
王太子がペッシを嫌っていることを、ペッシ自身は熟知していた。
「ルシア妃は、呪われた女性です」
しばらくたってからペッシはゆっくりと言った。
「呪われた?」
「左様。決して、王太子を近づけてはなりません」
「おお! なんということ!」
「正しい向きではないからです。正しい方向の話ではない」
「それは……確かに」
前の王の妃である。正しい方向性とは、とても言えないだろう。
「もちろん、物事は修正が可能です。ルシア妃を正しい向きに変えることができれば、もちろん、流れは正されます」
「それは、どうすれば……」
ペッシは重々しく首を振って見せた。
「今は、ただ、正しくありません。今、お伝え出来ることはそれだけです」
ペッシはルシア妃と話をしたこともなかった。
どんな娘なのかさっぱりわからない。
ペッシの言う正しい方向と言うのは、全部、ペッシに都合の良い方向と言う意味である。
王夫妻以外の宮廷人は、皆そのことを知っていた。
ルシアはこれまで、どのパーティにもほとんど参加してこなかったし、宮廷での影響力も全く持たなかった。
したがって、ペッシの情報網から、ごっそり抜け落ちていたのである。
「十五歳では、話が通じるとは思えないし、アデリア王女は苦手だし……」
ペッシとしては、彼の追随者を王太子の妻に送り込みたいと考えていた。
少なくとも今のところ、接点すらない娘が王太子の妻になられては困るのである。娘の立場的に結婚の可能性は低そうだったが、ペッシは、まずは、否定する方が、王妃の手前、得策と判断した。
娘だって、事情が許せば、王太子の妻になりたいと考えるに決まっている。
自分が間に立って、王妃を仲裁すれば、きっと感謝するだろう。
そのためには、まずは王妃に対して、彼女をほめない方が良かった。王妃はそもそも、あまり感心しない様子だったから、意向に逆らわない発言は素直に受け取られるだろう。
それから、彼は、勿体を付けるために、いつも着ている裾の長い法衣をまくり上げると、大急ぎでルシア妃の情報を集めに走った。
王太子の恋物語は続いていて、ルシアはもう、うんざりだった。
彼女には、出来れば人を避けたい理由があった。
前の王、すなわち彼女の父が思いのほか長生きしたのは、彼女のせいだった。
人知れず抜き取った生気を王に伝えていたのだ。
父王のためにしていたのではない。
彼女自身の為だった。
やってはダメなことはわかっていたし、こんな真似をしても、何にもならないことも知っていたが、父王が死んだ後の嵐が予想できた彼女はおびえ、少しでも、その嵐を先に延ばしたいと、やってはいけないことに手を染めていたのだ。
「ルシア……」
だが、ある日、父が言った。
「もう、無理だ。もう、私にはお前を守る力がない」
父は続けた。
「何もしてやれなかった……」
そんなことはない。王はルシアに余計なことをしたのである。彼女に王宮の中で生きることを運命づけたのだ。王妃と言う冠を無理矢理かぶらせることで。
彼女は、一生、王宮から生きては出られない。
その日からもう二年以上が経った。
ルシアは、自分が孤立していることを十分承知していた。
アデリア王女は当てにならなかったし、国王夫妻には憎まれている。
そのうえで、この力が表ざたになったら、どうなるだろう。
出来れば、目立ちたくなかった。それなのに、彼女を表舞台に引っ張り出そうと言う勢力があるのだ。
最初から王太子のことも、それから王太子が口下手なのを利用してくっついてくるファルロのことも大嫌いだった。
ファルロの狙いが自分だということも途中から気が付いた。王太子が夢中なのは、理解したが、これはこれで不安だった。
おそらく血縁上の問題で、結婚などあり得ないはずだ。
ルシアは王太子より年下で、恋などよくわからなかったが、王太子が近付いてくるのは不気味だった。できれば、会いたくなかったが、最近では困ったことに彼女の住居にまで押しかけてくるようになっていた。
来たところで、王太子はろくに口も利かず、ただ丸い目でじっとルシアを見つめているだけなのである。
「もはや、気持ちが悪いわ……」
ルシアは考えた。
「見てるだけで、気分悪いわ……」
ファルロも思った。
「何か、お話ししなさいよ? 見てるだけなんて、薄気味悪いと思われますわよ?」
割り込んだのはアデリア王女だった。
ルシアの住居へ行くと、もれなくアデリア王女が付いてくるのである。
「薄気味悪い……」
王太子が繰り返した。
ファルロとルシアは、まずいと直感した。
アデリア王女まで、まずいらしいと気が付いた。
「薄気味悪い!……わ、わたしが、薄気味悪い……」
どうやら王太子自身、薄気味悪いと自分のことを思っていたか、人にそう言われたことがあるらしかった。
「ああ、王太子殿下、そんなに興奮しないで!」
「興奮て、興奮するに決まっているじゃないかッ……気味悪いなどとーーー」
アデリア王女とルシア妃は初めてだったが、ファルロはこの発作をよく知っていた。
王太子には、いくつか地雷が装着されていて、知らない人間が、無頓着に話をするとうっかり踏み抜いて、突然大爆発するのである。
邸内は阿鼻叫喚に包まれた。
ルシア妃は、結局、賢かったので、宮廷でも地雷を踏みそうになると、さっとファルロ達の顔色を読んで、そろりと外した。爆発させるなんて、真似はしなかった。
アデリア王女に、そんな芸当は無理である。王女は、遠慮会釈なく、思ったことをズバッと言うので有名だった。また、王太子の地雷に合わせて謝るのを断ったので、さらに炎上した。この手の地雷は、持ち主の性行に合わせた方が(それがどんなに理不尽でも)手早く収束できるのだが、アデリア王女はあやまると見せかけては、うっかり、次から次へと、新たな地雷を発掘して、コンプレックスの塊だったらしい王太子を再炎上させた。
鎮火するまでに、およそ3時間かかり、ファルロもルシアもアデリア王女も、それから本人も、へとへとになった。
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