40 / 185
フリースラント
第40話 あらためて、妹が実は妹じゃなかったことにようやく気が付く
しおりを挟む
フリースラントは、ロドリックのことを忘れていたわけではなかったので、クマ狩りを理由に山に出た。
「クマハンターは、今、町の警護に忙しくて、山に行く人が少ないんだ。助かるよ。災いは根元から絶たないとね」
競り市の人々には、そう言われた。
ジュリアは、
「町の警護をしているとか言っているけど、実際にクマに遭遇する可能性は低いから、あれ、ずるいよね」
と言った。
「クマハンターだなんて威張ってるけど、実は怖いんだろうと思うわ。今年のクマは凶暴だって言うから。あんたも順番で警護をさせてもらいなさいよ。猟に出るだなんて、損よ」
ロドリックに会いに山に行きたかったフリースラントは、警護の仕事を断った。
「猟の仕事が好きですから」
それからあわてて付け加えた。
「もちろん、警護だって、やらない訳ではありませんよ。この町に住んでいる以上、必要ならやりますが……」
しかし、実情はジュリアの読みの通りだった。
「いや、今のところ、警護職を希望するハンターの方が多くてね。クマ狩りの方にも行ってほしいんだが……」
フリースラントは、ロドリックのために、彼に必要だと思われる食料品や日用品を買い込み、一週間以上戻らないと、宿の亭主に言い残して出かけて行った。
フリースラントは、当分、ロドリックのところにいるつもりだった。
積もる話があるのだ。宿の亭主は、本当は、もっともっといろいろ王様の異常な結婚について喋りたがっていたが、フリースラントは、あまり話を聞きたくなかったのだ。
しかし、宿の亭主があれだけ色々なことを聞いて知っているということは、恐らくロドリックも話は聞いているだろう。
レイビックと言う辺鄙な町でさえ、みんなが、王妃が誰で、その年齢や王との濃過ぎる血縁関係も正確に知っているだろう。そして噂にしているのだろう。
フリースラントは悲しい気がしたが、仕方がなかった。
山は、もうそろそろ秋に近づいてきていた。木の実が不作だったと伝えられていて、クマはおなかを減らして凶暴になっていると言う噂だった。そのため、山は余計に危険で、誰も踏み入りたがらなかった。
フリースラントは宝石類も担いで持ってきていた。宿に置いておくより、山の中の方が安心に決まっていた。何しろ、クマが出没するのだ。
例の教会の礼拝堂の下で待っていると、ロドリックが戻ってきた。
随分、久しぶりだったが、ロドリックは割と平気な顔をしてフリースラントを迎えた。
「おー、久しぶり。戻ってきたのか」
その気楽な様子を見て、フリースラントは何となく安心した。
「結婚式はどうだった?」
ロドリックは尋ねた。
「まあ、ご想像にお任せしますよ」
フリースラントはそう言ったが、途端にロドリックに笑われた。
「その言い方は宮廷風だよ。すっかり、馴染んで帰って来たな。王様の結婚話が、お前が出かけてから、二週間ほどしたころ、噂で流れてきたよ」
彼は魚を釣って来たらしかった。
「食べるかい?」
「もちろん!」
礼拝堂を出て、少し離れた岩場が台所だった。火を起こし、魚を焼いた。脂が滴って、火が一瞬大きく舞い上がった。
フリースラントは、町で仕入れてきた食料品を出してきた。
「パンとバターと塩です。ジャムもあります。ジャガイモや粉類は礼拝堂の地下の貯蔵庫に置いときました。あと、ベーコンや油も持ってきました」
「助かるよ。クマ狩りの依頼が少なくてね」
ロドリックが不満そうだった。
「それはおかしい。どうしてですか?」
「クマが町に出るからって、警備の仕事にありついてるらしいんだ。クマ狩りは危険だし、山の気候はきびしいしで、狩りに出る連中が少ないんだ」
「まあ、そう言ったところで、どうせ、クマなんか狩ってないでしょ? ロドリックさんに頼んでるだけじゃないですか」
「ゾフを忘れている」
ロドリックは穏やかに指摘した。
「だけど、ほかの連中はその通りだ。クマ狩りなんか、よっぽどじゃないと自力じゃできないやつらだ。だけど、今、彼ら、山に入っていないんだよね。警護が忙しくて山に行ってないのに、クマが勝手に獲れましたとは言えないだろ?」
そうか!とフリースラントはようやく合点がいった。
「つじつまが合わなくなっちゃうからですか」
「そうなんだよ。代わりに俺がクマを獲ってきて、競りに出してもいいんだけど、それをすると、困る人たちも出て来るからね」
「困るってどういうことです?」
「俺がクマをじゃんじゃん獲ったら、クマハンターですってえらそうにしてた連中は、立場がなくなるんじゃないかな。だって、俺やお前なら、一回の猟で平気で十頭くらい獲るだろう?」
フリースラントは頷いた。
「まあ、加減して2~3頭に抑えたとしても、ハンターじゃない競り市のオーナーのドイチェ氏なんかは、素人だから、無名の俺がクマをそんなに簡単に捕まえられるなら、エラソーにしてる連中は、なんでもっと捕まえないんだって言いだすだろう」
「ありえますねー」
「頭数を加減するとか、どうとか言う話は、はっきり言って、面倒くさい。そもそも俺はクマハンターなんかやりにここに来たんじゃないんだから」
まったく、もっともな主張である。
「それにクマの売値が高いのは、町がお金を出しているからなんだ。クマは害獣だからね。あんまり取りすぎると、つまり、お前や俺みたいに十頭単位で獲ると、逆に町は困るかもしれない」
「へえ。それは知りませんでした」
「警備の仕事にありつければ、危険なクマ狩りなんか誰もやらないだろうな」
「競り市のジュリアが言ってました。みんな、ずるいって。警備の仕事の方が楽なので、そっちばっかりやりたがるって」
「競り市のジュリアって、あの番台の赤毛の女の子かい? お前にほれ込んじゃってて、ほかの女の子が声をかけるのを全面的に禁止してるらしいじゃないか」
ロドリックはおもしろそうに微笑んだ。
フリースラントは全然面白くなかった。それを見て取ったロドリックは結婚式の話に切り替えた。
だが、式の話と言うより、この結婚の意図を聞いて、ロドリックは驚いていた。
「親が子供をかわいいと思うのは当たり前で、自分に出来る限りのことをしてやりたいと言うのも良く分かるが、王のやり方は異常だな。多分、アデリア王女を信用できないのだろうな」
フリースラントには、その視点がなかったが、言われてみれば、もっともだった。
実の母に娘を託せばよいはずだった。それなのに、それができないばかりに、ゆがんだ形で地位や財産を譲ろうとしているのだ。
「その娘がかわいそうに。お前の妹だったな……」
フリースラントは、はっとした。
妹だったな……
いや、違っていた。
彼は、初めて知ったのだ。
彼には妹なんかいなかった。
最初からそんなものはいなかったのだ。
「妹じゃなかった」
「はあ?……ああ、そうだな。違うな」
さすがのロドリックも一足飛びにそこまで頭が回らなかったらしかった。
「自分の異母妹にほれ込んで、王としての権力で妹を縛り付け、子供まで生ませてしまった。格好がつかないので、腹心の部下と、形だけの結婚をさせた。王はろくでもないな。人の心を踏みにじっている」
その通りだった。
だが、父と母はそんなことは乗り越えてきた。二人は本当に幸せそうだった。
フリースラントとルシアだって、本当は兄妹ではなかったが、とても仲良く一緒に遊んでいた。
「王は、そんな真似をずっと続けるのだろうか」
ロドリックがつぶやき、フリースラントははっと我に返って言った。
「でも、もう、長くないだろうと言われている」
ロドリックは振り向き、鋭く尋ねた。
「王のことか?」
「そう。だから、結婚を急いだ。本来なら、もっと大人になったからの結婚のはずでした」
ロドリックは、それは新しい王妃、ルシアにとっては過酷な運命だろうと言いかけて、フリースラントの顔を見て言うのをやめた。
本当の兄妹のように仲が良かったのだろう。その妹の過酷な運命についてなんて、まだ知らなくていい。まだ、十五歳のフリースラントには想像がつかないに違いなかった。
「クマハンターは、今、町の警護に忙しくて、山に行く人が少ないんだ。助かるよ。災いは根元から絶たないとね」
競り市の人々には、そう言われた。
ジュリアは、
「町の警護をしているとか言っているけど、実際にクマに遭遇する可能性は低いから、あれ、ずるいよね」
と言った。
「クマハンターだなんて威張ってるけど、実は怖いんだろうと思うわ。今年のクマは凶暴だって言うから。あんたも順番で警護をさせてもらいなさいよ。猟に出るだなんて、損よ」
ロドリックに会いに山に行きたかったフリースラントは、警護の仕事を断った。
「猟の仕事が好きですから」
それからあわてて付け加えた。
「もちろん、警護だって、やらない訳ではありませんよ。この町に住んでいる以上、必要ならやりますが……」
しかし、実情はジュリアの読みの通りだった。
「いや、今のところ、警護職を希望するハンターの方が多くてね。クマ狩りの方にも行ってほしいんだが……」
フリースラントは、ロドリックのために、彼に必要だと思われる食料品や日用品を買い込み、一週間以上戻らないと、宿の亭主に言い残して出かけて行った。
フリースラントは、当分、ロドリックのところにいるつもりだった。
積もる話があるのだ。宿の亭主は、本当は、もっともっといろいろ王様の異常な結婚について喋りたがっていたが、フリースラントは、あまり話を聞きたくなかったのだ。
しかし、宿の亭主があれだけ色々なことを聞いて知っているということは、恐らくロドリックも話は聞いているだろう。
レイビックと言う辺鄙な町でさえ、みんなが、王妃が誰で、その年齢や王との濃過ぎる血縁関係も正確に知っているだろう。そして噂にしているのだろう。
フリースラントは悲しい気がしたが、仕方がなかった。
山は、もうそろそろ秋に近づいてきていた。木の実が不作だったと伝えられていて、クマはおなかを減らして凶暴になっていると言う噂だった。そのため、山は余計に危険で、誰も踏み入りたがらなかった。
フリースラントは宝石類も担いで持ってきていた。宿に置いておくより、山の中の方が安心に決まっていた。何しろ、クマが出没するのだ。
例の教会の礼拝堂の下で待っていると、ロドリックが戻ってきた。
随分、久しぶりだったが、ロドリックは割と平気な顔をしてフリースラントを迎えた。
「おー、久しぶり。戻ってきたのか」
その気楽な様子を見て、フリースラントは何となく安心した。
「結婚式はどうだった?」
ロドリックは尋ねた。
「まあ、ご想像にお任せしますよ」
フリースラントはそう言ったが、途端にロドリックに笑われた。
「その言い方は宮廷風だよ。すっかり、馴染んで帰って来たな。王様の結婚話が、お前が出かけてから、二週間ほどしたころ、噂で流れてきたよ」
彼は魚を釣って来たらしかった。
「食べるかい?」
「もちろん!」
礼拝堂を出て、少し離れた岩場が台所だった。火を起こし、魚を焼いた。脂が滴って、火が一瞬大きく舞い上がった。
フリースラントは、町で仕入れてきた食料品を出してきた。
「パンとバターと塩です。ジャムもあります。ジャガイモや粉類は礼拝堂の地下の貯蔵庫に置いときました。あと、ベーコンや油も持ってきました」
「助かるよ。クマ狩りの依頼が少なくてね」
ロドリックが不満そうだった。
「それはおかしい。どうしてですか?」
「クマが町に出るからって、警備の仕事にありついてるらしいんだ。クマ狩りは危険だし、山の気候はきびしいしで、狩りに出る連中が少ないんだ」
「まあ、そう言ったところで、どうせ、クマなんか狩ってないでしょ? ロドリックさんに頼んでるだけじゃないですか」
「ゾフを忘れている」
ロドリックは穏やかに指摘した。
「だけど、ほかの連中はその通りだ。クマ狩りなんか、よっぽどじゃないと自力じゃできないやつらだ。だけど、今、彼ら、山に入っていないんだよね。警護が忙しくて山に行ってないのに、クマが勝手に獲れましたとは言えないだろ?」
そうか!とフリースラントはようやく合点がいった。
「つじつまが合わなくなっちゃうからですか」
「そうなんだよ。代わりに俺がクマを獲ってきて、競りに出してもいいんだけど、それをすると、困る人たちも出て来るからね」
「困るってどういうことです?」
「俺がクマをじゃんじゃん獲ったら、クマハンターですってえらそうにしてた連中は、立場がなくなるんじゃないかな。だって、俺やお前なら、一回の猟で平気で十頭くらい獲るだろう?」
フリースラントは頷いた。
「まあ、加減して2~3頭に抑えたとしても、ハンターじゃない競り市のオーナーのドイチェ氏なんかは、素人だから、無名の俺がクマをそんなに簡単に捕まえられるなら、エラソーにしてる連中は、なんでもっと捕まえないんだって言いだすだろう」
「ありえますねー」
「頭数を加減するとか、どうとか言う話は、はっきり言って、面倒くさい。そもそも俺はクマハンターなんかやりにここに来たんじゃないんだから」
まったく、もっともな主張である。
「それにクマの売値が高いのは、町がお金を出しているからなんだ。クマは害獣だからね。あんまり取りすぎると、つまり、お前や俺みたいに十頭単位で獲ると、逆に町は困るかもしれない」
「へえ。それは知りませんでした」
「警備の仕事にありつければ、危険なクマ狩りなんか誰もやらないだろうな」
「競り市のジュリアが言ってました。みんな、ずるいって。警備の仕事の方が楽なので、そっちばっかりやりたがるって」
「競り市のジュリアって、あの番台の赤毛の女の子かい? お前にほれ込んじゃってて、ほかの女の子が声をかけるのを全面的に禁止してるらしいじゃないか」
ロドリックはおもしろそうに微笑んだ。
フリースラントは全然面白くなかった。それを見て取ったロドリックは結婚式の話に切り替えた。
だが、式の話と言うより、この結婚の意図を聞いて、ロドリックは驚いていた。
「親が子供をかわいいと思うのは当たり前で、自分に出来る限りのことをしてやりたいと言うのも良く分かるが、王のやり方は異常だな。多分、アデリア王女を信用できないのだろうな」
フリースラントには、その視点がなかったが、言われてみれば、もっともだった。
実の母に娘を託せばよいはずだった。それなのに、それができないばかりに、ゆがんだ形で地位や財産を譲ろうとしているのだ。
「その娘がかわいそうに。お前の妹だったな……」
フリースラントは、はっとした。
妹だったな……
いや、違っていた。
彼は、初めて知ったのだ。
彼には妹なんかいなかった。
最初からそんなものはいなかったのだ。
「妹じゃなかった」
「はあ?……ああ、そうだな。違うな」
さすがのロドリックも一足飛びにそこまで頭が回らなかったらしかった。
「自分の異母妹にほれ込んで、王としての権力で妹を縛り付け、子供まで生ませてしまった。格好がつかないので、腹心の部下と、形だけの結婚をさせた。王はろくでもないな。人の心を踏みにじっている」
その通りだった。
だが、父と母はそんなことは乗り越えてきた。二人は本当に幸せそうだった。
フリースラントとルシアだって、本当は兄妹ではなかったが、とても仲良く一緒に遊んでいた。
「王は、そんな真似をずっと続けるのだろうか」
ロドリックがつぶやき、フリースラントははっと我に返って言った。
「でも、もう、長くないだろうと言われている」
ロドリックは振り向き、鋭く尋ねた。
「王のことか?」
「そう。だから、結婚を急いだ。本来なら、もっと大人になったからの結婚のはずでした」
ロドリックは、それは新しい王妃、ルシアにとっては過酷な運命だろうと言いかけて、フリースラントの顔を見て言うのをやめた。
本当の兄妹のように仲が良かったのだろう。その妹の過酷な運命についてなんて、まだ知らなくていい。まだ、十五歳のフリースラントには想像がつかないに違いなかった。
1
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる