21 / 185
フリースラント
第21話 知られざるヒーロー
しおりを挟む
次の宿で、親切な宿の亭主に、夕方近くなったら宿にいるようにした方がいいとアドバイスされた時、彼は素直に頷いた。
「やはり、昼間の方が安全ですか?」
「そりゃそうだよ。交通量が多いからな。さすがに誰かが見ている時に、襲ったりはしない。悪事が露見するからね。それに、昨日のことなんだが、恐ろしい事件があってね」
亭主はしゃべりたくて仕方ないと言った様子だった。フリースラントは聞かない方がいいような気がしたが、ここは情報を得ておくべきだろう。
「何かあったんですか?」
亭主はあたりをはばかるような様子を見せたが、小声でささやいた。
「ここらで、非常に恐れられていた盗賊団なんだが、誰か恨みを持つ者がいたんだろうな、ゆうべ、一晩のうちに全員殺されていたんだ」
それを聞いて、フリースラントは本気で驚いた。噂の方が、当の本人より先に到着している。
フリースラントがとても驚いたようだったので、宿の亭主は、我が意を得たりと言わんばかりに大きくうなずいて見せた。
「そんな盗賊が全滅ですか? いったい誰が……」
フリースラントが知りたかったのは、誰が知らせたのかと言う問題だったが、宿の亭主に関心があるのは、誰が殺したのかと言う問題に違いない。危ういところで言葉を飲み込んで、フリースラントは考えた。
あの後、彼を追い抜いて行った早馬があったが、あれが噂の原因か。彼が期待していたより早く、事が露見して、大ごとになったに違いない。
宿の亭主は声をひそめた。
「犯人は全く不明だ」
「それは、よかった……ではなくて、そんな犯人が自由に逃げ回っているだなんて危険ですね」
亭主は大仰に首を振って見せた。
「いやいや、俺たちには、実はありがたい話なんだ。その盗賊団は、ここらで大きな勢力を持っていて、旅人を殺して金品を奪ったり、人質をとって身代金を要求したり、好き放題をしていた。領主は、そいつらから上納金を受け取ってたのさ。」
フリースラントは、もっともらしい様子で頷いた。
「なるほど。そうだったんですか。ありそうな話ですね」
しかし、亭主はその犯人を怖がるどころか、とてもうれしそうだった。そして、続きをしゃべりたがった。
「それが、全滅だ。領主様は、いかに盗賊とは言え、殺したやつは犯罪者だと言って探しておられるが、俺たちにとっちゃ英雄さ。領主様も今頃はおびえているだろう」
彼らは恨みの対象だったらしい。
だんだん夕方になるにつれ、宿にはこの新しいうわさを聞きつけた村人たちが集まってきていた。
「とんでもないことだなあ」
「これでは、よけい危ないことになってきた」
「物騒な世の中になったもんだ」
村の人々は、三々五々、大声で言いながら入ってくるが、口元は笑っていた。
村中が、密かに喜んでいる様子だった。次から次へと目に光をたたえた連中が、何かとても面白いことがあったかのような表情を浮かべて、こっそり宿へ入ってきた。領主に見つかるとまずいらしい。
「ハハハ、これで当面、安心できるわ」
「通行税を取られることも、もうないな。何の根拠もないのに、街道のあのあたりを夜通る時は金を払わないといけなかったが、奴らが全員死んで見つかったらしいから」
「でも、あんな連中が全滅とは考えられない。なぜ、抵抗しなかったんだろう」
「相当の使い手もいたはずだ」
「一番の使い手が、あっさり斬られて死んでたと言うから、相手はどれほどの腕だったんだろう」
フリースラントは、熱心に聞いているふりをしながら、宿の夕食を食べていた。
あいつが一番の使い手だったわけか。グルダの方が、腕は格段に上だった。
「考えてみると、恐ろしいな」
「まさか、一人じゃあるまい。だが、そんな義勇団みたいな話は聞いたことないしな」
「こっそり、神の手が下ったのかもしれない」
「誰も見かけた者はいないらしい。領主はひそかに後を追わせているらしいが……」
一人の男は小さな声で囁いた。
「そいつは英雄だよ」
他の者も頷いた。不思議な連帯感が村人たちを結び付けていた。彼らには、領主と異なる利害関係があるのだ。
「俺たちにとっては正義の味方だ」
正義の味方の方は、夕食を食べ終えたので、ひとり部屋の隅の方に座って、神妙に地図を調べていた。
もう、ニュースの大事な部分は聞き終わったので、旅の目的の方が大事だった。
「あと、2日でレイビックに着く」
北に向かうにつれ、だんだん寒くなって来るらしい。
レイビックには教会を中心に、古い村落が広がっているはずだった。
昔は、とても栄えた町だったが、あるとき起きた洪水だか火事だかで町はすっかり衰退し、今は毛皮の通商などだけで成り立っている小さな町だった。
「でも、似ているんだ。昔の言い伝えを集めたアルーラの詩編の中の町に」
そこには、人間ではない種族が住んでいたという。
「小さな教会だけが残り、その他のものは破壊し尽くされた。レイビックの住人たちは、異形の異人種たちと親しくし過ぎたから、天罰が当たったのだ……。町はすべて破壊され、異人種たちはみな死んだ」
何か、残っているものは無いのだろうか?
まずは、その小さな教会に行ってみたいものだとフリースラントは、ワクワクした。
何か、残っているかもしれなかった。
旅の途中で、成り行きで盗賊団を全滅させてしまったと言うおまけがついたが、これは彼が意図したものではなかった。
強盗団の方が彼をさらい、仕方ないので全滅させてしまっただけだ。
ここらの領主の方は、治安を乱すものとして、下手人を必死で追っているらしかったが、翌日、フリーラントが宿で見た新しい指名手配書のような紙を見る限り、たぶん、犯人は永遠に捕まらないのではないだろうか。
単独犯ではないと、力強く宣言していたし(根拠はなんなんだろう)、また、犯人たちは大変な大男で、力持ちであるとも書かれていた。
どうして顔がわかったのか知らないが、手配書には犯人の似顔絵まで付いていた。
「ずいぶん怖そうな顔の犯人ですね」
フリースラントは、手配書を検分しながら言った。
不審な行動をするグループの噂や、前々日の晩、家にいなかったものを申し出るように書かれていた。
「気を付けろよ?」
亭主は心配してくれた。
「はい。できるだけ、誰かと一緒に行動するよう心がけます」
残り二日は追剥も何も出なかった。
追剥の方が怖がっていたのだろう。
フリースラントは、心に秘めた目的にせかされながらレイビックにようやくたどり着いた。
レイビックは、山の手前の町だった。
町の後ろには、高い山々がそびえたっていて、それだけで、この町がほかとは全く異なる北の果てだと言う気がした。
だが、町自体はそこそこ大きくて、それまで通過してきた村に比べるとかなり人通りが多く、(もちろんベルブルグとは比べものにならなかったが)、中心部に向かって2階建て3階建ての建物が道を囲んでぎっしり立っていた。
中心部には、相当大きな建物が建っていて、そこが町の中心らしかった。
フリースラントは高そうでもなければ安宿でもなさそうな目立たない宿を選ぶと、最も普通の部屋を頼んだ。
「やはり、昼間の方が安全ですか?」
「そりゃそうだよ。交通量が多いからな。さすがに誰かが見ている時に、襲ったりはしない。悪事が露見するからね。それに、昨日のことなんだが、恐ろしい事件があってね」
亭主はしゃべりたくて仕方ないと言った様子だった。フリースラントは聞かない方がいいような気がしたが、ここは情報を得ておくべきだろう。
「何かあったんですか?」
亭主はあたりをはばかるような様子を見せたが、小声でささやいた。
「ここらで、非常に恐れられていた盗賊団なんだが、誰か恨みを持つ者がいたんだろうな、ゆうべ、一晩のうちに全員殺されていたんだ」
それを聞いて、フリースラントは本気で驚いた。噂の方が、当の本人より先に到着している。
フリースラントがとても驚いたようだったので、宿の亭主は、我が意を得たりと言わんばかりに大きくうなずいて見せた。
「そんな盗賊が全滅ですか? いったい誰が……」
フリースラントが知りたかったのは、誰が知らせたのかと言う問題だったが、宿の亭主に関心があるのは、誰が殺したのかと言う問題に違いない。危ういところで言葉を飲み込んで、フリースラントは考えた。
あの後、彼を追い抜いて行った早馬があったが、あれが噂の原因か。彼が期待していたより早く、事が露見して、大ごとになったに違いない。
宿の亭主は声をひそめた。
「犯人は全く不明だ」
「それは、よかった……ではなくて、そんな犯人が自由に逃げ回っているだなんて危険ですね」
亭主は大仰に首を振って見せた。
「いやいや、俺たちには、実はありがたい話なんだ。その盗賊団は、ここらで大きな勢力を持っていて、旅人を殺して金品を奪ったり、人質をとって身代金を要求したり、好き放題をしていた。領主は、そいつらから上納金を受け取ってたのさ。」
フリースラントは、もっともらしい様子で頷いた。
「なるほど。そうだったんですか。ありそうな話ですね」
しかし、亭主はその犯人を怖がるどころか、とてもうれしそうだった。そして、続きをしゃべりたがった。
「それが、全滅だ。領主様は、いかに盗賊とは言え、殺したやつは犯罪者だと言って探しておられるが、俺たちにとっちゃ英雄さ。領主様も今頃はおびえているだろう」
彼らは恨みの対象だったらしい。
だんだん夕方になるにつれ、宿にはこの新しいうわさを聞きつけた村人たちが集まってきていた。
「とんでもないことだなあ」
「これでは、よけい危ないことになってきた」
「物騒な世の中になったもんだ」
村の人々は、三々五々、大声で言いながら入ってくるが、口元は笑っていた。
村中が、密かに喜んでいる様子だった。次から次へと目に光をたたえた連中が、何かとても面白いことがあったかのような表情を浮かべて、こっそり宿へ入ってきた。領主に見つかるとまずいらしい。
「ハハハ、これで当面、安心できるわ」
「通行税を取られることも、もうないな。何の根拠もないのに、街道のあのあたりを夜通る時は金を払わないといけなかったが、奴らが全員死んで見つかったらしいから」
「でも、あんな連中が全滅とは考えられない。なぜ、抵抗しなかったんだろう」
「相当の使い手もいたはずだ」
「一番の使い手が、あっさり斬られて死んでたと言うから、相手はどれほどの腕だったんだろう」
フリースラントは、熱心に聞いているふりをしながら、宿の夕食を食べていた。
あいつが一番の使い手だったわけか。グルダの方が、腕は格段に上だった。
「考えてみると、恐ろしいな」
「まさか、一人じゃあるまい。だが、そんな義勇団みたいな話は聞いたことないしな」
「こっそり、神の手が下ったのかもしれない」
「誰も見かけた者はいないらしい。領主はひそかに後を追わせているらしいが……」
一人の男は小さな声で囁いた。
「そいつは英雄だよ」
他の者も頷いた。不思議な連帯感が村人たちを結び付けていた。彼らには、領主と異なる利害関係があるのだ。
「俺たちにとっては正義の味方だ」
正義の味方の方は、夕食を食べ終えたので、ひとり部屋の隅の方に座って、神妙に地図を調べていた。
もう、ニュースの大事な部分は聞き終わったので、旅の目的の方が大事だった。
「あと、2日でレイビックに着く」
北に向かうにつれ、だんだん寒くなって来るらしい。
レイビックには教会を中心に、古い村落が広がっているはずだった。
昔は、とても栄えた町だったが、あるとき起きた洪水だか火事だかで町はすっかり衰退し、今は毛皮の通商などだけで成り立っている小さな町だった。
「でも、似ているんだ。昔の言い伝えを集めたアルーラの詩編の中の町に」
そこには、人間ではない種族が住んでいたという。
「小さな教会だけが残り、その他のものは破壊し尽くされた。レイビックの住人たちは、異形の異人種たちと親しくし過ぎたから、天罰が当たったのだ……。町はすべて破壊され、異人種たちはみな死んだ」
何か、残っているものは無いのだろうか?
まずは、その小さな教会に行ってみたいものだとフリースラントは、ワクワクした。
何か、残っているかもしれなかった。
旅の途中で、成り行きで盗賊団を全滅させてしまったと言うおまけがついたが、これは彼が意図したものではなかった。
強盗団の方が彼をさらい、仕方ないので全滅させてしまっただけだ。
ここらの領主の方は、治安を乱すものとして、下手人を必死で追っているらしかったが、翌日、フリーラントが宿で見た新しい指名手配書のような紙を見る限り、たぶん、犯人は永遠に捕まらないのではないだろうか。
単独犯ではないと、力強く宣言していたし(根拠はなんなんだろう)、また、犯人たちは大変な大男で、力持ちであるとも書かれていた。
どうして顔がわかったのか知らないが、手配書には犯人の似顔絵まで付いていた。
「ずいぶん怖そうな顔の犯人ですね」
フリースラントは、手配書を検分しながら言った。
不審な行動をするグループの噂や、前々日の晩、家にいなかったものを申し出るように書かれていた。
「気を付けろよ?」
亭主は心配してくれた。
「はい。できるだけ、誰かと一緒に行動するよう心がけます」
残り二日は追剥も何も出なかった。
追剥の方が怖がっていたのだろう。
フリースラントは、心に秘めた目的にせかされながらレイビックにようやくたどり着いた。
レイビックは、山の手前の町だった。
町の後ろには、高い山々がそびえたっていて、それだけで、この町がほかとは全く異なる北の果てだと言う気がした。
だが、町自体はそこそこ大きくて、それまで通過してきた村に比べるとかなり人通りが多く、(もちろんベルブルグとは比べものにならなかったが)、中心部に向かって2階建て3階建ての建物が道を囲んでぎっしり立っていた。
中心部には、相当大きな建物が建っていて、そこが町の中心らしかった。
フリースラントは高そうでもなければ安宿でもなさそうな目立たない宿を選ぶと、最も普通の部屋を頼んだ。
11
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
竜焔の騎士
時雨青葉
ファンタジー
―――竜血剣《焔乱舞》。それは、ドラゴンと人間にかつてあった絆の証……
これは、人間とドラゴンの二種族が栄える世界で起こった一つの物語―――
田舎町の孤児院で暮らすキリハはある日、しゃべるぬいぐるみのフールと出会う。
会うなり目を輝かせたフールが取り出したのは―――サイコロ?
マイペースな彼についていけないキリハだったが、彼との出会いがキリハの人生を大きく変える。
「フールに、選ばれたのでしょう?」
突然訪ねてきた彼女が告げた言葉の意味とは――!?
この世にたった一つの剣を手にした少年が、ドラゴンにも人間にも体当たりで向き合っていく波瀾万丈ストーリー!
天然無自覚の最強剣士が、今ここに爆誕します!!
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ミネルヴァ大陸戦記
一条 千種
ファンタジー
遠き異世界、ミネルヴァ大陸の歴史に忽然と現れた偉大なる術者の一族。
その力は自然の摂理をも凌駕するほどに強力で、世界の安定と均衡を保つため、決して邪心を持つ人間に授けてはならないものとされていた。
しかし、術者の心の素直さにつけこんだ一人の野心家の手で、その能力は拡散してしまう。
世界は術者の力を恐れ、次第に彼らは自らの異能を隠し、術者の存在はおとぎ話として語られるのみとなった。
時代は移り、大陸西南に位置するロンバルディア教国。
美しき王女・エスメラルダが戴冠を迎えようとする日に、術者の末裔は再び世界に現れる。
ほぼ同時期、別の国では邪悪な術者が大国の支配権を手に入れようとしていた。
術者の再臨とともに大きく波乱へと動き出す世界の歴史を、主要な人物にスポットを当て群像劇として描いていく。
※作中に一部差別用語を用いていますが、あくまで文学的意図での使用であり、当事者を差別する意図は一切ありません
※作中の舞台は、科学的には史実世界と同等の進行速度ですが、文化的あるいは政治思想的には架空の設定を用いています。そのため近代民主主義国家と封建制国家が同じ科学レベルで共存している等の設定があります
※表現は控えめを意識していますが、一部残酷描写や性的描写があります
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
Chivalry - 異国のサムライ達 -
稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)
ファンタジー
シヴァリー(Chivalry)、それは主に騎士道を指し、時に武士道としても使われる言葉である。騎士道と武士道、両者はどこか似ている。強い精神をその根底に感じる。だが、士道は魔法使いが支配する世界でも通用するのだろうか?
これは魔法というものが絶対的な価値を持つ理不尽な世界で、士道を歩んだ者達の物語であり、その中でもアランという男の生き様に主眼を置いた大器晩成なる物語である。(他サイトとの重複投稿です。また、画像は全て配布サイトの規約に従って使用しています)
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる