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第64話 ノルライドの過去
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私は、ライフル競技の証明書と、大学院の卒業証明とローレンス博士の推薦状をつけて、入隊志願した。面接テストをうけ、そのまま入隊した。
多分、ものすごい変り種と思われたことだろう。
最初の半年は、訓練所の任務だったが、その後ここへ来た。そして、隊員からリーダーになり、昇進した。
私がいつどこへ行ったのか、たぶん、スコットは知らなかったろう。ローレンス博士は、知らないで押し通す人だ。スコットは、私がおそらく数週間で尾羽打ち枯らして戻ってくると思っていたに違いない。一度、身に着いた贅沢は忘れられないものだ。でも、私は戻らなかった。
彼が私の居場所を知ったのは、おそらく最近のことに違いない。
たぶん、最初のスナイパー事件で新聞に載った記事を、ずっと後になって読んだのではないか。新聞といっても地方紙なので、彼の住んでいる中央では出て来ないが、よく検索すればみつかる。
オスカーではないが、離婚できればよかったのだが、未だにその件は宙に浮いたままだ。
彼は、彼なりの愛し方で、私のことを愛しているのかもしれない。彼は常軌を逸している人間だ。今日だって、本気だった。離婚を拒絶することと、私を殺すことを同時進行させられる男なのだ。彼の希望を理解したが、その理由は私には永遠にわからない。
「荒野で殺す。これはチャンスだ」
タマラ少将は言った。
そうだ。チャンスに違いない。
今、戦場にスコットは現れた。ここで殺害された場合、裁判も立証も必要ない。
もし、彼が元の中央に帰ってしまえば、彼はただの学者だ。民間人だ。
彼がグラクイに命じ、グラクイが理解して代わりに実行したことを、彼の殺意の有無を、立証しない限り、彼を罪に問えない。
そんな証明は出来ないし、出来るとしても長い時間がかかるだろう。
時間。
スコットにとって、それが今、なにより必要だった。
彼の後ろから、ローレンス博士と軍がグラクイの支配方法について、研究を始めていることを彼は知っている。
あまり時間がない。
今のうちに、スコットはグラクイを利用したい人々と結びつき、その力を使って、この世界に絶大な影響力を振るうつもりだろう。もう、誰も手が出せない高みにまで、上り詰めるつもりだろう。
彼は、おそらく政界や財界にも進出していくだろう。
握った力を保持していくために。
資金も必要だ。彼自身は非常に裕福だったが、これはそんな個人的資産の域をはるかに超える事業になるだろう。
一方で、少将は、私が考えていたのとは、全く異なったタイプの人間だった。
軍服よりスーツが似合う穏やかな人物と見ていたが、全然違っていた。
彼は、今の状況の把握をすると、私と少佐の危険など顧みもしなかったのだ。軍人よりよっぽど非情だった。そして、有能で行動は速かった。
特に私については、おとり作戦への参加の同意を得ることすらしなかった。
必要だったからだ。
同時に極めて巧妙な作戦だった。危険性ということさえのぞけば。
少将は、スコットの性格を研究したのに違いない。このおとり作戦は、彼をよく知る私ですら思いつかなかった作戦だった。
愛ではない。プライドだ。
スコットを刺激するには、彼のプライドを傷つけるのが一番だ。ああいうタイプの男は、プライドで生きている。
スコットは、離婚手続きをあえて進めなかったことからして、おそらくなんらかの執着を私に対して残している。だから、私という彼の持ち物に触れて見せたのだ。
彼が支配しているはずのものに、敢えて手をつけることにより、彼の感情を逆なでしたのだ。
確かに反応はあった。だが、危険すぎる。私に対しても、少佐に対しても。
ここまで考えていたとき、突然、私の自室のドアを、遠慮がちにノックするものがいた。
私は無視した。
私を訪ねて来る者なんかいやしない。いや、訪ねてきてもらいたくないのだ。
私がひとりを愛したのは、こんな目に遭いたくなかったからだ。
「少尉は、死に場所を求めているのようだ」
そんなつもりはない。私はスコットのいる世界にいたくなかっただけなのだ。新しく別な人生を始めたかった。
だが、スコットがまた現れた。今の私に、スコットを殺す手引きをしろと言うのだろうか。
スコットを巡って、私の頭はぐるぐると回った。
私にはついていけない男、悪魔的に頭の切れる研究者、非常に裕福な良家の子弟、豊かな教養を持つ趣味人、美貌を愛する男。
割り込んできたのは、バルク少佐だった。現実的で計算高い、ただの小市民に過ぎない。彼の教養と趣味などたかが知れたものだ。どう見ても裕福でもない。だが、彼は普通に人間らしく私を愛した。他人の痛みがわかる人間のいとおしみだった。
ドアのノックが少し大きくなった。
時間を見ると、もう十時だった。人が訪ねて来るには遅すぎる。一体誰だろう。
ここは軍の施設内にある。誰か関係者には間違いない。用事があるからノックしているのだ。しぶしぶドアを開けに行った。
オーツ中佐だった。
意外な人物の来訪に、私はびっくりしてドアをあけて中へ招き入れた。中佐は恐縮しながら中へ入った。
「いや、一言だけ。すぐに帰るから。すまない。君には悪い作戦だったね。どうしても、言わなければと思って。それも誰もいないところで。申し訳ないね。メールをすると記録が残るのでね」
私は、中佐にコーヒーを出した。中佐は、私が昼間見た格好のままで、おそらく憔悴した様子なのを見て、驚いたようだった。
「バルク少佐に気の毒でした」
私は真実を言った。
中佐は、コーヒーカップから顔をあげた。
「本当はそうだ。あの囮作戦は、少尉は絶対的に安全だったのだが、少佐の安全には不安があった」
「私が絶対的に安全だったかどうかはよくわからないのですが。私も、スコット博士がジャニスだと聞いたとたん、バルク少佐の今後の身の安全が心配になってきました」
「うん」
コーヒーを飲みながら、彼はうなった。多分、中佐もその点が最も気になったのだろう。
「もう、おとり作戦だったとばらしたほうがいいのではないでしょうか。作戦とわかれば、任務で親しいフリをしただけと納得できれば、少佐に対する悪意は多少は少なくなると思います。個人的に付け狙われるのは、私一人でたくさんでしょう。私に関心があるのか、軍を憎んでいるだけなのかよくわかりませんが」
「彼の経歴から推測すると、軍に関心は全然なさそうだが、グラクイの処理班は軍だから、関わりはどうしても出てくるだろうね。
それより離婚届を彼のほうから出さないところを見ると、少尉に特別な感情を持っているのじゃないか」
中佐でさえ、やはりそう考えるのかと思うと、なんだか落胆した。
それに、確かに芝居だったにせよ、一度起こってしまったことに対して、彼が寛容になるとは思えなかった。反対に、感情を利用されたと思うと、逆上する可能性もある。
「まあ、一応、あれでもいろいろ考えたのだよ。私は、君に一言言っておいたほうがいいんじゃないかと思って、少将に進言したくらいなんだ」
少将は、少佐と私の事情なんて、歯牙にもかけない男だ。だが、中佐は違う。彼は、私の気持ちまで考えたのだ。私は、中佐の顔を見上げた。そして、おそらく中佐には意外だったろうと思われたが、心から微笑んだ。
「きっと、少将はそんな必要はないとおっしゃられたでしょう」
中佐はびっくりした様子たった。
「あ、ああ。そうだよ」
「余計な心配だと言われたのでは」
私は尋ねた。上司に言うような言葉ではなかったが。
中佐はかなり意外そうな顔をした。
「いや、そんなことは無かったけど。
危険性については、大丈夫だとおっしゃられた。君たちの安全については、自分が責任を取ると言っていた。少将は、彼自身、スコットの家を知っていると言っていた。
ああいう上流社会のつながりは私にはわからないが、なにか対抗手段があるのかもしれない。
そう、君の言う通り、確かに私の進言は余計なことだと考えられたようだった。君はよく事情がわかっているようだね」
私は中佐から目を逸らし、自分の手元を見つめた。涙が出てきた。そんな風に配慮をしたということは、中佐の私への信頼を物語るものなのだ。事情がわかっても、それでも、今まで目に見えてきたものを信頼する中佐や軍の仲間たちの心なのだった。
「ありがとうございます」
「だって、少尉、あたり前だろう。でも、少将はこんなチャンスはないとおっしゃるのだ。危険性はないと、言い切られるのだ。だけど私が問題にしたのは危険性だけじゃない。軍人でも心はあるものだからね。」
多分、ものすごい変り種と思われたことだろう。
最初の半年は、訓練所の任務だったが、その後ここへ来た。そして、隊員からリーダーになり、昇進した。
私がいつどこへ行ったのか、たぶん、スコットは知らなかったろう。ローレンス博士は、知らないで押し通す人だ。スコットは、私がおそらく数週間で尾羽打ち枯らして戻ってくると思っていたに違いない。一度、身に着いた贅沢は忘れられないものだ。でも、私は戻らなかった。
彼が私の居場所を知ったのは、おそらく最近のことに違いない。
たぶん、最初のスナイパー事件で新聞に載った記事を、ずっと後になって読んだのではないか。新聞といっても地方紙なので、彼の住んでいる中央では出て来ないが、よく検索すればみつかる。
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彼は、彼なりの愛し方で、私のことを愛しているのかもしれない。彼は常軌を逸している人間だ。今日だって、本気だった。離婚を拒絶することと、私を殺すことを同時進行させられる男なのだ。彼の希望を理解したが、その理由は私には永遠にわからない。
「荒野で殺す。これはチャンスだ」
タマラ少将は言った。
そうだ。チャンスに違いない。
今、戦場にスコットは現れた。ここで殺害された場合、裁判も立証も必要ない。
もし、彼が元の中央に帰ってしまえば、彼はただの学者だ。民間人だ。
彼がグラクイに命じ、グラクイが理解して代わりに実行したことを、彼の殺意の有無を、立証しない限り、彼を罪に問えない。
そんな証明は出来ないし、出来るとしても長い時間がかかるだろう。
時間。
スコットにとって、それが今、なにより必要だった。
彼の後ろから、ローレンス博士と軍がグラクイの支配方法について、研究を始めていることを彼は知っている。
あまり時間がない。
今のうちに、スコットはグラクイを利用したい人々と結びつき、その力を使って、この世界に絶大な影響力を振るうつもりだろう。もう、誰も手が出せない高みにまで、上り詰めるつもりだろう。
彼は、おそらく政界や財界にも進出していくだろう。
握った力を保持していくために。
資金も必要だ。彼自身は非常に裕福だったが、これはそんな個人的資産の域をはるかに超える事業になるだろう。
一方で、少将は、私が考えていたのとは、全く異なったタイプの人間だった。
軍服よりスーツが似合う穏やかな人物と見ていたが、全然違っていた。
彼は、今の状況の把握をすると、私と少佐の危険など顧みもしなかったのだ。軍人よりよっぽど非情だった。そして、有能で行動は速かった。
特に私については、おとり作戦への参加の同意を得ることすらしなかった。
必要だったからだ。
同時に極めて巧妙な作戦だった。危険性ということさえのぞけば。
少将は、スコットの性格を研究したのに違いない。このおとり作戦は、彼をよく知る私ですら思いつかなかった作戦だった。
愛ではない。プライドだ。
スコットを刺激するには、彼のプライドを傷つけるのが一番だ。ああいうタイプの男は、プライドで生きている。
スコットは、離婚手続きをあえて進めなかったことからして、おそらくなんらかの執着を私に対して残している。だから、私という彼の持ち物に触れて見せたのだ。
彼が支配しているはずのものに、敢えて手をつけることにより、彼の感情を逆なでしたのだ。
確かに反応はあった。だが、危険すぎる。私に対しても、少佐に対しても。
ここまで考えていたとき、突然、私の自室のドアを、遠慮がちにノックするものがいた。
私は無視した。
私を訪ねて来る者なんかいやしない。いや、訪ねてきてもらいたくないのだ。
私がひとりを愛したのは、こんな目に遭いたくなかったからだ。
「少尉は、死に場所を求めているのようだ」
そんなつもりはない。私はスコットのいる世界にいたくなかっただけなのだ。新しく別な人生を始めたかった。
だが、スコットがまた現れた。今の私に、スコットを殺す手引きをしろと言うのだろうか。
スコットを巡って、私の頭はぐるぐると回った。
私にはついていけない男、悪魔的に頭の切れる研究者、非常に裕福な良家の子弟、豊かな教養を持つ趣味人、美貌を愛する男。
割り込んできたのは、バルク少佐だった。現実的で計算高い、ただの小市民に過ぎない。彼の教養と趣味などたかが知れたものだ。どう見ても裕福でもない。だが、彼は普通に人間らしく私を愛した。他人の痛みがわかる人間のいとおしみだった。
ドアのノックが少し大きくなった。
時間を見ると、もう十時だった。人が訪ねて来るには遅すぎる。一体誰だろう。
ここは軍の施設内にある。誰か関係者には間違いない。用事があるからノックしているのだ。しぶしぶドアを開けに行った。
オーツ中佐だった。
意外な人物の来訪に、私はびっくりしてドアをあけて中へ招き入れた。中佐は恐縮しながら中へ入った。
「いや、一言だけ。すぐに帰るから。すまない。君には悪い作戦だったね。どうしても、言わなければと思って。それも誰もいないところで。申し訳ないね。メールをすると記録が残るのでね」
私は、中佐にコーヒーを出した。中佐は、私が昼間見た格好のままで、おそらく憔悴した様子なのを見て、驚いたようだった。
「バルク少佐に気の毒でした」
私は真実を言った。
中佐は、コーヒーカップから顔をあげた。
「本当はそうだ。あの囮作戦は、少尉は絶対的に安全だったのだが、少佐の安全には不安があった」
「私が絶対的に安全だったかどうかはよくわからないのですが。私も、スコット博士がジャニスだと聞いたとたん、バルク少佐の今後の身の安全が心配になってきました」
「うん」
コーヒーを飲みながら、彼はうなった。多分、中佐もその点が最も気になったのだろう。
「もう、おとり作戦だったとばらしたほうがいいのではないでしょうか。作戦とわかれば、任務で親しいフリをしただけと納得できれば、少佐に対する悪意は多少は少なくなると思います。個人的に付け狙われるのは、私一人でたくさんでしょう。私に関心があるのか、軍を憎んでいるだけなのかよくわかりませんが」
「彼の経歴から推測すると、軍に関心は全然なさそうだが、グラクイの処理班は軍だから、関わりはどうしても出てくるだろうね。
それより離婚届を彼のほうから出さないところを見ると、少尉に特別な感情を持っているのじゃないか」
中佐でさえ、やはりそう考えるのかと思うと、なんだか落胆した。
それに、確かに芝居だったにせよ、一度起こってしまったことに対して、彼が寛容になるとは思えなかった。反対に、感情を利用されたと思うと、逆上する可能性もある。
「まあ、一応、あれでもいろいろ考えたのだよ。私は、君に一言言っておいたほうがいいんじゃないかと思って、少将に進言したくらいなんだ」
少将は、少佐と私の事情なんて、歯牙にもかけない男だ。だが、中佐は違う。彼は、私の気持ちまで考えたのだ。私は、中佐の顔を見上げた。そして、おそらく中佐には意外だったろうと思われたが、心から微笑んだ。
「きっと、少将はそんな必要はないとおっしゃられたでしょう」
中佐はびっくりした様子たった。
「あ、ああ。そうだよ」
「余計な心配だと言われたのでは」
私は尋ねた。上司に言うような言葉ではなかったが。
中佐はかなり意外そうな顔をした。
「いや、そんなことは無かったけど。
危険性については、大丈夫だとおっしゃられた。君たちの安全については、自分が責任を取ると言っていた。少将は、彼自身、スコットの家を知っていると言っていた。
ああいう上流社会のつながりは私にはわからないが、なにか対抗手段があるのかもしれない。
そう、君の言う通り、確かに私の進言は余計なことだと考えられたようだった。君はよく事情がわかっているようだね」
私は中佐から目を逸らし、自分の手元を見つめた。涙が出てきた。そんな風に配慮をしたということは、中佐の私への信頼を物語るものなのだ。事情がわかっても、それでも、今まで目に見えてきたものを信頼する中佐や軍の仲間たちの心なのだった。
「ありがとうございます」
「だって、少尉、あたり前だろう。でも、少将はこんなチャンスはないとおっしゃるのだ。危険性はないと、言い切られるのだ。だけど私が問題にしたのは危険性だけじゃない。軍人でも心はあるものだからね。」
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