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第58話 パーティーに出てはいけない訳
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コッティのケガで、隊はかなり用心深くなり、おかげでケガはなくなった。
パトロールのほうも順調で、私は楽しむだけの余裕が出てきた。コッティのケガに責任を感じていたのだ。コッティは恐縮していた。
不満の残るバルク少佐を説得して、フィールドワークはことのついでに行われ、敵対的とそうでないグラクイの個体は、定期的に一部をローレンス博士の下へ送り届けられていった。
唯一困ったことは、バルク少佐の頭からデコルテが消えないことで、どうも私を見るたびにセミヌードのローブ・デコルテを着ているところを想像しているらしかった。どうしてか、どうも、そんな気がした。相当不気味だったが、私の推測だから、黙っているより仕方なかった。
私はコッティを記録係りに徴集して、きちんとデータに編纂させなおした。彼はケガをしていたので、ちょうどよかった。自分は、コッティより重傷だったが、ライフルを担いでふらふら出歩いていた。
タマラ少将とローレンス博士との間で、どんな話になったのか、わからないが、しばらくすると、いろんなメディアに、非常に賢そうな老人の写真とグラクイの謎と言ったような記事が散見されるようになった。
なかなかセンセーショナルな内容だった。
ローレンス博士は、あたかも、2年も前から、グラクイの研究に、没頭していたような書きぶりだった。
「まあ、大体、ローレンス博士は、ああいう人ですからね」
私は基地で新聞を読みながら、少佐に向かって生意気にも批判した。結局、少佐とは、あれ以来、一度も、彼の妻の件について、触れることはなかった。そのくせ、別な話は、しょっちゅうする間柄になっていた。
「学者で高名になりたかったら、ああでなきゃ一生うずもれているんでしょうね」
「まあ、どんな世界でもそうだろう」
少佐はあまり興味なさげに答えた。
「それよりオレは、もし本当にジャニス二世がいるんだったら、なぜ、軍隊を狙ったのかが知りたいな。それと、どうやって金を稼いでいるんだろう?」
確かに敵対的グラクイは、最新式の銃を持っていた。誰が彼らに銃を買ってやっているのだろう。銃だってタダじゃない。中佐は、銃の出所を必死になって洗っていたが、量産されているものばかりだったので、なかなか絞り切れないでいた。
「お金かあ」
本当に、グラクイはどうやって金を稼いでいるんだろう。
「ローレンス博士は金持ちなのかい?」
「いや、知りません。でも、あれだけ有名なんだから、稼ぐ道に不自由はしないでしょう」
「タマラ少将は財閥の出だ。いくらローレンス博士でも邪険には扱えないだろう。脳みそもついている。うまくいけば、ローレンス博士から、なにか搾り取るかもしれないな」
「すてきですね」
私は、モニターを観察しながら言った。どうやら、ブルー隊がグラクイを挟み撃ちにしているらしい。
隊の中では、今、ブルーが一番優秀だった。隊もまとまっているし、部員それぞれが優秀だ。
「今度、ハンスの店で新入部員の歓迎パーティをすることにしたよ」
私は、少佐の顔を見た。
「基地の中じゃなくて?」
「そう。外部のお客様歓迎さ」
私は目をしばたいた。
「それは、中佐の発案ですか?」
「そうそう。いい勘してるね。常に広報を忘れないあの中佐の発案さ」
「軍は平常運転中って、言いたいんですね。かっこよくて、強くて、頼りがいのある軍の広報ですね」
「まあ、自分の店でやらせてくれって、ハンスが、オレのところへ、直談判に来たからな。これが交渉材料だ」
そういうと、少尉は1枚の雑誌の切抜きを、指ではじいて寄越した。
なんだろう。私は黙って、目を通した。
びっくり仰天した。肩と腕がむき出しのドレスを着た女が、若いがっちりした制服の兵と笑いあっている。
それは、ハンスの店に行った時の私とギルの写真だった。あの時、変な二人組みが話しかけてきたが、彼らがこっそり隠し撮りしたものに違いない。
「すてきな美人だ」
少佐が皮肉った。
「デコルテが着れそうじゃないか」
記事には、『スナイパー同士のデート』と題してあった。おおむね、好意的な記事だったが、タイトルから知っている者にはすぐに誰のことだかわかった。
「ずいぶん、すてきな格好じゃないか。確か、ドレスは持ってないと断言してたな。
ローレンス博士とうまく話をつけようと、みんなが苦労してる時には、着ていく服がなくて、ギルと一緒に出かける時はあるんだ。
ギルも気の毒にな。こんな格好で誘われたら、一緒に行かない訳にはいかないだろう。上司だしな。
確かにギルは、ハンサムだし優秀だし、若いしね。気持ちは、わかるけど、あまりはでなマネは謹んでくれるとありがたいな。
中央の雑誌の小さなコラムだから、基地の中で読んだやつは、ほとんどいないのが救いだよ。目立ちたがりだと思ってたけど、ここまでとはね」
私は沈没した。
違う。いろいろ誤解があり過ぎる。
誘ってきたのはギルの方だ。それに、その格好になったのは、いろいろと事情があって……説明が長すぎるけど、仕方なくて着ただけで、別にギルを刺激したかった訳じゃない。
それに、その服は、ローレンス博士は何回も着ているところを見てるから、そんなのしかないんだと思われたくなくて………
だが、一言も喋らせてもらえなかった。
「言い訳するな。隠し撮りされた事はわかってる。ギルに確認したからな。記事自身はなかなか宣伝効果があってよろしい。美男美女に写ってるしな」
少佐はいよいよ嫌味に言った。絶対に怒っている。私は、そろそろと、おっかなびっくり彼のほうをうかがった。
そのうちパワハラかセクハラで、訴えようかな。録音しておこう。人が、誰と、何を着て、何処へ行こうと勝手だろう。
「目立ちたいかもしれないけど、パーティには出るな。目立ちすぎだ。ノルライド少尉には、もう飽きた」
パーティーに行かなくて済むのは、ありがたかったが、なんだってハンスはこの写真を、中佐ではなく、少佐に持っていったんだろう?
中佐なら、絶対この服を着て出ろと言ってくるに決まっている。中佐の頭には、広告しかないからだ。
そして、楽しそうに見せかけるように強要するだろう。何があっても動じない、いつも通りの軍を演出したいのだ。
なんだか、よくわからない展開だったが、あとでこの顛末は、ジェレミーに伝えておこう。
なぜ、欠席したのか、中佐に伝わらないと、下手な誤解を生みそうだった。
パトロールのほうも順調で、私は楽しむだけの余裕が出てきた。コッティのケガに責任を感じていたのだ。コッティは恐縮していた。
不満の残るバルク少佐を説得して、フィールドワークはことのついでに行われ、敵対的とそうでないグラクイの個体は、定期的に一部をローレンス博士の下へ送り届けられていった。
唯一困ったことは、バルク少佐の頭からデコルテが消えないことで、どうも私を見るたびにセミヌードのローブ・デコルテを着ているところを想像しているらしかった。どうしてか、どうも、そんな気がした。相当不気味だったが、私の推測だから、黙っているより仕方なかった。
私はコッティを記録係りに徴集して、きちんとデータに編纂させなおした。彼はケガをしていたので、ちょうどよかった。自分は、コッティより重傷だったが、ライフルを担いでふらふら出歩いていた。
タマラ少将とローレンス博士との間で、どんな話になったのか、わからないが、しばらくすると、いろんなメディアに、非常に賢そうな老人の写真とグラクイの謎と言ったような記事が散見されるようになった。
なかなかセンセーショナルな内容だった。
ローレンス博士は、あたかも、2年も前から、グラクイの研究に、没頭していたような書きぶりだった。
「まあ、大体、ローレンス博士は、ああいう人ですからね」
私は基地で新聞を読みながら、少佐に向かって生意気にも批判した。結局、少佐とは、あれ以来、一度も、彼の妻の件について、触れることはなかった。そのくせ、別な話は、しょっちゅうする間柄になっていた。
「学者で高名になりたかったら、ああでなきゃ一生うずもれているんでしょうね」
「まあ、どんな世界でもそうだろう」
少佐はあまり興味なさげに答えた。
「それよりオレは、もし本当にジャニス二世がいるんだったら、なぜ、軍隊を狙ったのかが知りたいな。それと、どうやって金を稼いでいるんだろう?」
確かに敵対的グラクイは、最新式の銃を持っていた。誰が彼らに銃を買ってやっているのだろう。銃だってタダじゃない。中佐は、銃の出所を必死になって洗っていたが、量産されているものばかりだったので、なかなか絞り切れないでいた。
「お金かあ」
本当に、グラクイはどうやって金を稼いでいるんだろう。
「ローレンス博士は金持ちなのかい?」
「いや、知りません。でも、あれだけ有名なんだから、稼ぐ道に不自由はしないでしょう」
「タマラ少将は財閥の出だ。いくらローレンス博士でも邪険には扱えないだろう。脳みそもついている。うまくいけば、ローレンス博士から、なにか搾り取るかもしれないな」
「すてきですね」
私は、モニターを観察しながら言った。どうやら、ブルー隊がグラクイを挟み撃ちにしているらしい。
隊の中では、今、ブルーが一番優秀だった。隊もまとまっているし、部員それぞれが優秀だ。
「今度、ハンスの店で新入部員の歓迎パーティをすることにしたよ」
私は、少佐の顔を見た。
「基地の中じゃなくて?」
「そう。外部のお客様歓迎さ」
私は目をしばたいた。
「それは、中佐の発案ですか?」
「そうそう。いい勘してるね。常に広報を忘れないあの中佐の発案さ」
「軍は平常運転中って、言いたいんですね。かっこよくて、強くて、頼りがいのある軍の広報ですね」
「まあ、自分の店でやらせてくれって、ハンスが、オレのところへ、直談判に来たからな。これが交渉材料だ」
そういうと、少尉は1枚の雑誌の切抜きを、指ではじいて寄越した。
なんだろう。私は黙って、目を通した。
びっくり仰天した。肩と腕がむき出しのドレスを着た女が、若いがっちりした制服の兵と笑いあっている。
それは、ハンスの店に行った時の私とギルの写真だった。あの時、変な二人組みが話しかけてきたが、彼らがこっそり隠し撮りしたものに違いない。
「すてきな美人だ」
少佐が皮肉った。
「デコルテが着れそうじゃないか」
記事には、『スナイパー同士のデート』と題してあった。おおむね、好意的な記事だったが、タイトルから知っている者にはすぐに誰のことだかわかった。
「ずいぶん、すてきな格好じゃないか。確か、ドレスは持ってないと断言してたな。
ローレンス博士とうまく話をつけようと、みんなが苦労してる時には、着ていく服がなくて、ギルと一緒に出かける時はあるんだ。
ギルも気の毒にな。こんな格好で誘われたら、一緒に行かない訳にはいかないだろう。上司だしな。
確かにギルは、ハンサムだし優秀だし、若いしね。気持ちは、わかるけど、あまりはでなマネは謹んでくれるとありがたいな。
中央の雑誌の小さなコラムだから、基地の中で読んだやつは、ほとんどいないのが救いだよ。目立ちたがりだと思ってたけど、ここまでとはね」
私は沈没した。
違う。いろいろ誤解があり過ぎる。
誘ってきたのはギルの方だ。それに、その格好になったのは、いろいろと事情があって……説明が長すぎるけど、仕方なくて着ただけで、別にギルを刺激したかった訳じゃない。
それに、その服は、ローレンス博士は何回も着ているところを見てるから、そんなのしかないんだと思われたくなくて………
だが、一言も喋らせてもらえなかった。
「言い訳するな。隠し撮りされた事はわかってる。ギルに確認したからな。記事自身はなかなか宣伝効果があってよろしい。美男美女に写ってるしな」
少佐はいよいよ嫌味に言った。絶対に怒っている。私は、そろそろと、おっかなびっくり彼のほうをうかがった。
そのうちパワハラかセクハラで、訴えようかな。録音しておこう。人が、誰と、何を着て、何処へ行こうと勝手だろう。
「目立ちたいかもしれないけど、パーティには出るな。目立ちすぎだ。ノルライド少尉には、もう飽きた」
パーティーに行かなくて済むのは、ありがたかったが、なんだってハンスはこの写真を、中佐ではなく、少佐に持っていったんだろう?
中佐なら、絶対この服を着て出ろと言ってくるに決まっている。中佐の頭には、広告しかないからだ。
そして、楽しそうに見せかけるように強要するだろう。何があっても動じない、いつも通りの軍を演出したいのだ。
なんだか、よくわからない展開だったが、あとでこの顛末は、ジェレミーに伝えておこう。
なぜ、欠席したのか、中佐に伝わらないと、下手な誤解を生みそうだった。
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