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第37話 おばさんのアイドルに上り詰める(間違っている!)
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びっくりして振り返ると、なんと私服のバルク少佐だった。元気そうで甲羅も取れていた。
「お、お久しぶりです、少佐」
「全然、見なかったね。最近」
「毎日、基地へは行ってましたが」
「でも、基地にいる時間が短かったでしょ。ここへは毎日通ってるようだけどね」
よく知ってるな。基地でバルク少佐を見かけたことはあった。だが、私が悪いわけではないのかもしれないが、彼についてはいろいろありすぎて、見つからないように逃げていたのだ。
「さては、少尉、知らないな?」
少佐はそう言うと、にやりとして見せた。彼は、この間の泥酔事件はまるで知らない顔だった。ほんとに覚えていない可能性もあった。
「なにを? なにをですか?」
「少尉、ネットのチェックはしなきゃ。君が毎日射撃場へ来てることが、ローカル版のニュースサイトに載ったんだよね。このエリアじゃ、そのサイトは、結構読まれてるから、ここじゃ君の名前も呼べやしない。とりあえず出よう」
射撃場の受付のオバサンは、ついにマイク放送を始めていた。
「実射をなさらない方は、今すぐ……」
少佐に連れられて、私は射撃場を出て、近くのカフェに行った。
中途半端な時間で、カフェはがら空きだった。
少佐は有無を言わさず、隅の落ち着けそうなソファに陣取り、私の顔が壁へ向くように座れと合図した。
「少尉、変装してるつもりでしょ。でもダメだね、もう。帽子は取ったほうがいいな」
彼はそういうと、おもむろに帽子を取り上げた。結んでいない髪が静電気を起こしてバラバラに巻きついた。髪を掻き揚げて直していると、少佐は満足そうに笑って言った。
「うん。そのほうがいい。誰だかわからない。私が読んだニュースによると、『スナイパーとして有名で、今回の壊滅作戦でも軍功著しかったノルライド少尉は、地味な格好で帽子をかぶって毎日射撃場へ通っている』ってことになってるらしいから」
私はびっくりした。
「少佐、それはあんまりでは……」
「なにが、どうあんまりなの?」
「だって、私は別に軍功著しいわけじゃありません。そもそもこの作戦の指揮は、オーツ中佐や少佐が執られたわけで、私は一兵卒に過ぎません。任務を遂行しただけです」
「うん。君の考え方はなかなかいいね。そのとおりだ」
「私は、作戦の全貌を理解していません。私が馬鹿だという意味ではありませんよ。私がそういう地位にいないということです。軍功著しいという言い方は間違いでしょう。誤解を与えます。作戦がうまくいったのなら、その評価は作戦部や作戦部に所属している人たちに対しての賞賛です」
少佐は、にやにやした。
「心配しなさんな。作戦部は君が賞賛されているとは考えていないよ。自分たちが賞賛されていると思っている」
「別にうぬぼれているわけじゃありませんよ。私が過大評価されていると思う人たちがいるんじゃないかと心配なんですよ。あまり、よくは思われないんじゃないかな」
「ははは、その可能性は大いにあるね。そういう意味では、心配しているとおりだろうな」
私は情けない思いで少佐を見た。
「心配するな。記事になってる君の個人情報は全て軍から流れているものだ」
「えっ?」
「そう。主にオーツ中佐が犯人だと思っていい。作戦部は全部承知している。少尉を非難するのは、作戦部以外のこまこました連中だけさ。君の上司は、君が考えているより君の事をよく知っている」
少佐は、私に向かってしゃべり続けた。
「たとえば、どちらかといえば非社交的な人物であることを知っている。君は目立つことを好まない。しかし……」
彼は続けた。
「中佐-というか作戦部は、今、別な作戦に取り掛かっている。今、いろいろ注目されたくないのだ。あんたの動向は、ある意味隠れ蓑だ。スナイパーの記事なら、喜んで読む人は多いだろう。
それに、なかなか美人だということになっている。みんな、その方が興味を持ってくれると思う。だから、実際のところはとにかく、美女なことにして、記事を流している」
「わざと書いたと……」
「まあ、そこまでひどい嘘じゃない。女優じゃないんだから、その程度で充分さ。スポーツで活躍する女性が、少々へちゃむくれでも美人呼ばわりされるようなもんだ」
「……(へちゃむくれだったのか)……」
「まあ、それに言っておくが、目立ちたがらないくせに、実は、スタンドプレイ好きというのは、矛盾していると自分でも思わないかい?
人が絶対当てられないような遠距離の標的をガンガン撃って目立つのが大好きだろう」
「いや、そんなことはやったことが……」
「何言ってんだ。ブルー隊の中では、結構有名だぞ」
(誰が、何をどう、少佐にしゃべったんだろう。捕まえて締め上げないと)
「それから、聞いたところによると、今回の撤退作戦の中では思い切り目立ったそうじゃないか。
作業員の話によると、どっか高いとこまで登っていって、ライフル片手に大声でグラクイは見つけ次第、全部撃ち殺すと豪語していたらしいな。
もっとも声があまり大きくなかったらしくて、近くの者から口伝えで伝わって言ったそうだが。まあ、あんたの声は、そう大きいわけじゃないから、仕方ないけどね」
「少佐、撃ち殺すなんて言ってませんよ。始末するって言っただけです。殺しちゃったら、また、処分しなくちゃならないから、撤退できないじゃないですか」
私は小さい声で抗議した。
「まったく面白いヤツだ。笑うよ。あんたの事を作業員たちがなんて言ってたか、知ってる?」
「……知りません」
「恐ろしく腕の立つハンターが、片っ端からグラクイの始末をつけてくれた、百発百中だったと。なにか感動していたらしいぞ。ま、そこまではいいわな。」
「……ほかに何かあるんですか?」
「うん。そのスナイパーは、細くて、まだひげも生えていない若い男だったそうだ。ハンサムだったので、あれは誰かということになって、おばさん達が騒いでいたらしいぞ」
私は、頭を抱えた。
「おばさん達のアイドルになった気分は、どう?」
少佐はおかしそうにしていた。彼はコーヒーがきたので、ブラックで飲み始めた。
「それも、ブルー隊の受け持ちだけじゃなく、レッドでも、ブラックでも熱演してたそうだ。シルバー隊のおばさん達が、なんで自分たちの隊には来て見せてくれなかったんだって、悔しがってたそうだ。ノルライド、あんた、それ、知ってた?」
少佐は真剣に愉快そうだった。私はなんだか不愉快だった。
「少佐、あんまりですよ、その言い方は。
一人で守らなきゃならなかったんですから、作業員の助けを借りなきゃならなかったんです。
彼らには見張りを頼んでました。
ライフルは、昼間しか使えませんからね。
早く作業を終わらせないと、レーザーに切り替えなきゃならないし、そうなると、人数が必要になって一人じゃ守れない。安心してもらって、作業に没頭してもらって、早く済ませたかったのですよ。
だから、全部必ず始末してみせると大見得を切ったわけです」
「わかってるよ。よくわかってる。的確な判断だった。実にうまく彼らを使いこなした。でも、笑える」
そういって、この憎たらしいオヤジはコーヒーにむせた。
教えてもらったことは、知らないよりいいが、なんでこんな言われ方をしないといけないんだ。
「お話がそれだけでしたら……」
「うん、君のほうさえなかったらね」
「私ですか?」
「うん。まだ、記事を全部は読んでいないだろう? そんなわけで、君の話を載せている。今度、写真を載せようかと言ってるんだけど」
「あの、勤務先にこんなことを申し上げるのは大変不本意なのですが、私は……」
「君が嫌がるだろうと、いったん断っておいた」
なに? 私は顔を上げて少佐を見つめた。
「インタビューとか写真は、君さえよければ、軍としては載せたい。でも、君が嫌がるんじゃないかと気になったので、聞いておこうと思って保留にしてるんだ」
「はい。あまりうれしくはありません」
正直なところを言った。
「ふーん。喜んで載りたがるやつも多いんだけどね。オーツ中佐なら大喜びだろう」
「まあ、立場が違いますから」
少佐はおかしそうに笑っていた。
「じゃあ、やめとこう。あんまり、しつこく載せると反感を買うかもしれないので、そこも心配だしね。まあ、休暇を楽しみたまえ」
「はい。ありがとうございました」
席を立ちかけると、少佐は最後に札を押して寄越した。
「何ですか?」
「こないだのだ。すまなかった。おごると言ってたのに」
札を数えてみた。少し多かった。
「多すぎです」
「そんなことはない。店に確認したさ」
なぜ、射撃場までわざわざ来て、声をかけたのかわかったと思った。基地でお金を渡したり、飲みに行った話はしたくなかったのだろう。
「俺の話は忘れてくれ。君の話も忘れるから」
私は、ちらっと少佐の顔に目を走らせずにはいられなかった。悲しんでいるのか、私を恨んでいるか。
「なにか?」
いつもと変わったところはなかった。
「いえ、なんでもありません」
少佐がどう思っているのか、私にはわからなかった。だが、聞かないことにした。聞いたところで仕方がない。
「お、お久しぶりです、少佐」
「全然、見なかったね。最近」
「毎日、基地へは行ってましたが」
「でも、基地にいる時間が短かったでしょ。ここへは毎日通ってるようだけどね」
よく知ってるな。基地でバルク少佐を見かけたことはあった。だが、私が悪いわけではないのかもしれないが、彼についてはいろいろありすぎて、見つからないように逃げていたのだ。
「さては、少尉、知らないな?」
少佐はそう言うと、にやりとして見せた。彼は、この間の泥酔事件はまるで知らない顔だった。ほんとに覚えていない可能性もあった。
「なにを? なにをですか?」
「少尉、ネットのチェックはしなきゃ。君が毎日射撃場へ来てることが、ローカル版のニュースサイトに載ったんだよね。このエリアじゃ、そのサイトは、結構読まれてるから、ここじゃ君の名前も呼べやしない。とりあえず出よう」
射撃場の受付のオバサンは、ついにマイク放送を始めていた。
「実射をなさらない方は、今すぐ……」
少佐に連れられて、私は射撃場を出て、近くのカフェに行った。
中途半端な時間で、カフェはがら空きだった。
少佐は有無を言わさず、隅の落ち着けそうなソファに陣取り、私の顔が壁へ向くように座れと合図した。
「少尉、変装してるつもりでしょ。でもダメだね、もう。帽子は取ったほうがいいな」
彼はそういうと、おもむろに帽子を取り上げた。結んでいない髪が静電気を起こしてバラバラに巻きついた。髪を掻き揚げて直していると、少佐は満足そうに笑って言った。
「うん。そのほうがいい。誰だかわからない。私が読んだニュースによると、『スナイパーとして有名で、今回の壊滅作戦でも軍功著しかったノルライド少尉は、地味な格好で帽子をかぶって毎日射撃場へ通っている』ってことになってるらしいから」
私はびっくりした。
「少佐、それはあんまりでは……」
「なにが、どうあんまりなの?」
「だって、私は別に軍功著しいわけじゃありません。そもそもこの作戦の指揮は、オーツ中佐や少佐が執られたわけで、私は一兵卒に過ぎません。任務を遂行しただけです」
「うん。君の考え方はなかなかいいね。そのとおりだ」
「私は、作戦の全貌を理解していません。私が馬鹿だという意味ではありませんよ。私がそういう地位にいないということです。軍功著しいという言い方は間違いでしょう。誤解を与えます。作戦がうまくいったのなら、その評価は作戦部や作戦部に所属している人たちに対しての賞賛です」
少佐は、にやにやした。
「心配しなさんな。作戦部は君が賞賛されているとは考えていないよ。自分たちが賞賛されていると思っている」
「別にうぬぼれているわけじゃありませんよ。私が過大評価されていると思う人たちがいるんじゃないかと心配なんですよ。あまり、よくは思われないんじゃないかな」
「ははは、その可能性は大いにあるね。そういう意味では、心配しているとおりだろうな」
私は情けない思いで少佐を見た。
「心配するな。記事になってる君の個人情報は全て軍から流れているものだ」
「えっ?」
「そう。主にオーツ中佐が犯人だと思っていい。作戦部は全部承知している。少尉を非難するのは、作戦部以外のこまこました連中だけさ。君の上司は、君が考えているより君の事をよく知っている」
少佐は、私に向かってしゃべり続けた。
「たとえば、どちらかといえば非社交的な人物であることを知っている。君は目立つことを好まない。しかし……」
彼は続けた。
「中佐-というか作戦部は、今、別な作戦に取り掛かっている。今、いろいろ注目されたくないのだ。あんたの動向は、ある意味隠れ蓑だ。スナイパーの記事なら、喜んで読む人は多いだろう。
それに、なかなか美人だということになっている。みんな、その方が興味を持ってくれると思う。だから、実際のところはとにかく、美女なことにして、記事を流している」
「わざと書いたと……」
「まあ、そこまでひどい嘘じゃない。女優じゃないんだから、その程度で充分さ。スポーツで活躍する女性が、少々へちゃむくれでも美人呼ばわりされるようなもんだ」
「……(へちゃむくれだったのか)……」
「まあ、それに言っておくが、目立ちたがらないくせに、実は、スタンドプレイ好きというのは、矛盾していると自分でも思わないかい?
人が絶対当てられないような遠距離の標的をガンガン撃って目立つのが大好きだろう」
「いや、そんなことはやったことが……」
「何言ってんだ。ブルー隊の中では、結構有名だぞ」
(誰が、何をどう、少佐にしゃべったんだろう。捕まえて締め上げないと)
「それから、聞いたところによると、今回の撤退作戦の中では思い切り目立ったそうじゃないか。
作業員の話によると、どっか高いとこまで登っていって、ライフル片手に大声でグラクイは見つけ次第、全部撃ち殺すと豪語していたらしいな。
もっとも声があまり大きくなかったらしくて、近くの者から口伝えで伝わって言ったそうだが。まあ、あんたの声は、そう大きいわけじゃないから、仕方ないけどね」
「少佐、撃ち殺すなんて言ってませんよ。始末するって言っただけです。殺しちゃったら、また、処分しなくちゃならないから、撤退できないじゃないですか」
私は小さい声で抗議した。
「まったく面白いヤツだ。笑うよ。あんたの事を作業員たちがなんて言ってたか、知ってる?」
「……知りません」
「恐ろしく腕の立つハンターが、片っ端からグラクイの始末をつけてくれた、百発百中だったと。なにか感動していたらしいぞ。ま、そこまではいいわな。」
「……ほかに何かあるんですか?」
「うん。そのスナイパーは、細くて、まだひげも生えていない若い男だったそうだ。ハンサムだったので、あれは誰かということになって、おばさん達が騒いでいたらしいぞ」
私は、頭を抱えた。
「おばさん達のアイドルになった気分は、どう?」
少佐はおかしそうにしていた。彼はコーヒーがきたので、ブラックで飲み始めた。
「それも、ブルー隊の受け持ちだけじゃなく、レッドでも、ブラックでも熱演してたそうだ。シルバー隊のおばさん達が、なんで自分たちの隊には来て見せてくれなかったんだって、悔しがってたそうだ。ノルライド、あんた、それ、知ってた?」
少佐は真剣に愉快そうだった。私はなんだか不愉快だった。
「少佐、あんまりですよ、その言い方は。
一人で守らなきゃならなかったんですから、作業員の助けを借りなきゃならなかったんです。
彼らには見張りを頼んでました。
ライフルは、昼間しか使えませんからね。
早く作業を終わらせないと、レーザーに切り替えなきゃならないし、そうなると、人数が必要になって一人じゃ守れない。安心してもらって、作業に没頭してもらって、早く済ませたかったのですよ。
だから、全部必ず始末してみせると大見得を切ったわけです」
「わかってるよ。よくわかってる。的確な判断だった。実にうまく彼らを使いこなした。でも、笑える」
そういって、この憎たらしいオヤジはコーヒーにむせた。
教えてもらったことは、知らないよりいいが、なんでこんな言われ方をしないといけないんだ。
「お話がそれだけでしたら……」
「うん、君のほうさえなかったらね」
「私ですか?」
「うん。まだ、記事を全部は読んでいないだろう? そんなわけで、君の話を載せている。今度、写真を載せようかと言ってるんだけど」
「あの、勤務先にこんなことを申し上げるのは大変不本意なのですが、私は……」
「君が嫌がるだろうと、いったん断っておいた」
なに? 私は顔を上げて少佐を見つめた。
「インタビューとか写真は、君さえよければ、軍としては載せたい。でも、君が嫌がるんじゃないかと気になったので、聞いておこうと思って保留にしてるんだ」
「はい。あまりうれしくはありません」
正直なところを言った。
「ふーん。喜んで載りたがるやつも多いんだけどね。オーツ中佐なら大喜びだろう」
「まあ、立場が違いますから」
少佐はおかしそうに笑っていた。
「じゃあ、やめとこう。あんまり、しつこく載せると反感を買うかもしれないので、そこも心配だしね。まあ、休暇を楽しみたまえ」
「はい。ありがとうございました」
席を立ちかけると、少佐は最後に札を押して寄越した。
「何ですか?」
「こないだのだ。すまなかった。おごると言ってたのに」
札を数えてみた。少し多かった。
「多すぎです」
「そんなことはない。店に確認したさ」
なぜ、射撃場までわざわざ来て、声をかけたのかわかったと思った。基地でお金を渡したり、飲みに行った話はしたくなかったのだろう。
「俺の話は忘れてくれ。君の話も忘れるから」
私は、ちらっと少佐の顔に目を走らせずにはいられなかった。悲しんでいるのか、私を恨んでいるか。
「なにか?」
いつもと変わったところはなかった。
「いえ、なんでもありません」
少佐がどう思っているのか、私にはわからなかった。だが、聞かないことにした。聞いたところで仕方がない。
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