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第33話 撤収作業 まだ続く
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「あのう、少尉」
ノアイユが心配そうにたずねた。
「あの新しい死体は、どうしますんで。たいてい帰って行くようですが、倒れたまま、なかなか起き上がらない連中もいます。また、腹をかっさばいて卵を取り出すんですか? それでいくと無限ループ……」
「ノアイユ、あいつらは殺していない。負傷させているだけだ。だから、卵は取りにいかなくてよろしい。
でないと仕事が増えるばっかりで、いつまでたっても帰れないだろ。
ライフルで、腕や肩をぶち抜いて、武器が持てない状態にしているんだ。起き上がるのが早いか遅いかは、ケガの状態によるだけだろう。死んでないから、ほっといてよろしい」
「なるほど」
ノアイユは安心したようだった。ナオハラが口を挟んだ。
「少尉は、ライフル射撃の名人なんだ。普通は、こんな距離じゃかすりもしないんだが。少尉は、この前、ニュースで……」
その話はいいので、急いで割り込んだ。
「それより仕事にかかってくれ。ノアイユ、君もだ。早くしたまえ。安全なうちに作業を終わってしまいたい。これ以上、負傷者を出したくない」
ノアイユは走って行った。
「ナオハラ、ニュースの話は止めてくれよ」
「でも、本当のことじゃありませんか」
「だって……」
グラクイを新たに一匹見つけ出したので、立ち上がり、構えながら私は言った。
「あんまり……言われたくないんだけど」
(この……の間に撃っている)
「オレなら自慢してしゃべりまくります」
こいつなら、間違いなくしゃべって歩くだろう。
近づくグラクイを、あらかた始末し尽くして、後はたまに作業員から、
「少尉ー!」
と言う叫びが聞こえたときだけ、立ち上がって撃ち抜いていた。
ジェレミーから、無線が入った。
「状況はどう?」
「まあ、ライフルを使いさえすれば大丈夫。今のところ安全だ」
「非常に言い出しにくいんだが、実は、ゼミーかナオハラを貸してくれないか?レッド、シルバーとも、現在二名で応戦している」
「なんだ、あっちも負傷者が出たのか?」
「狙い撃ちすることを覚えたんだ。グラクイどもが。たまったもんじゃないよ」
ジェレミーが吐き捨てるように言った。私は聞いてみた。
「ここのノアイユってヤツは信用できるのかな? 見張りさえ作業員がしっかりやってくれれば、一人で持ちこたえられるんだが。とりあえず、レッドとシルバーどちらが急ぐ? 急ぐほうに、まず、ナオハラを出そう」
「レッドだ。二人のうち、一人が負傷している。隊長のマフィががんばっているが、腕に火傷をしている。本来なら、病院に行かなくちゃいけないところなんだ。すぐにナオハラを回してくれ」
私はすぐにナオハラに指示した。彼は、さすがにちょっと嫌そうだった。まあ、危険は確かだ。しかし、マフィ少尉を見殺しには出来ない。それに、ゼミーよりこいつの方が使い物になる。それに最悪でも火傷がいいところだ。ジェレミーから返信があった。
「『ノアイユは、確かに少し怪しく見えるだろうが、そんなに怪しいわけではない。少なくとも、見張りを怠ってわが身を危うくするマネだけは絶対しない』以上ロウ曹長の返答だ。」
ジェレミーは笑っていた。
「まあ、君の言うとおりだろう。多少、怪しいんだろう。気をつけてくれ。あと、残り数時間だ。」
「見張りが必要なら、ゼミーをシルバーに貸そう。ギルと私は一人でやれる」
「君とギルには本当にすまない。ライフルとは少し荒っぽいかもしれないが、背に腹は変えられない。助かる。シルバーとレッドも恩に着るだろう」
ゼミーは仕方なくシルバーの援護に向かった。レーザーで勝負に出るなら、人数がいないとダメだ。昔ながらのライフルに頼る場面が出てくるだなんて、誰も考えていなかったのだ。
私は作業員たちに再度、グラクイが出てきたら教えてくれるよう指示を出した。
彼らは、ブルー隊の作業員たち同様、非常に喜び、かつ面白がっている様子だった。
彼らが教えてくれない時でも、先に私が気がついたときは、すっと立ち上がって撃った。
誰かが先に気が付いて私に教えてくれた時は、全員が弾の行方を総立ちで見送った。
ノアイユもだ。彼も非常に興味を持った様子で、グラクイが撃たれて崩れ落ちる様を見物していた。
それが終わると、作業員たちは、嬉しそうにざわざわと何事かしゃべりあい、再び作業に取りかかる。
どうも日ごろのグラクイへの恨みつらみが、これで解消されているらしい気がした。
日が傾きかけた頃、ほぼ作業は終了し、順次、基地に帰って行った。全員が帰るまで、見張りを怠らないのが、護衛の役目だ。最後に撤収する。
GPSでジェレミーに状況を訪ねた。
「ブルー隊の作業部は終了したかな?」
「かなり前から基地へ帰還し始めている。もうすぐ、最後の作業員の移動が終了するはずだ」
「シルバーとレッドは?」
「両方とも遅れているが、特にレッドが遅れている。全隊同時に撤収を完了したいのだが、難しい。夜にかかるかもしれない」
「ブラック隊の撤収が終了し次第、護衛に回ろう。夜は、ライフルが利かないので、人数が必要だ」
ジェレミーがほっとしたように言った。
「そうしてもらえると本当にありがたい。体力の問題があるからね。ギルは、終了し次第、レッドに入るといっている。君もそうしてくれないか。実は、マフィ少尉がもう、限界なんだ。」
私は撤収を急がせた。言われなくても、こんな危険な現場はお断りの彼らは、出来るだけ急いで帰るつもりらしかった。ただし、卵や器具をひとつでも置いていったら、丸腰で取りに帰らせるぞと脅しておいた。
パクなら、こんなことを言う必要は全くないのだが、ノアイユ隊はどうも怪しいような気がした。グラクイだけでなく、荷物にも目を光らせ、ひとつでも置き去りにしないよう、気を配った。グラクイの手に渡れば、彼らはそれらを真似して作ってしまう。我々にとっては厄介ごとが増えるばかりだ。
ノアイユが最後になり、物品や卵が残っていないことを確認後、彼が移動した。
そのあと、私は、レッド隊に移動した。
ギルはまだ来ていなかった。マフィ少尉は、私よりだいぶ歳が上で、小太りで偉そうなやつだった。あまり前線向きとはいえなかったが、がんばり続けていた。私がついても振り向きもせず、レーザーで撃ち続けていた。
まだ、日が落ちていたわけではなかったので、ライフルで彼の後ろから、応援した。
「止めないか、この大馬鹿野郎。」
マフィ少尉の第一声はこれだった。
「殺すと、また、手間が増えるじゃないか。」
「殺してませんよ、少尉。戦闘不能にしているだけです。ライフルの方が距離が稼げますから、安全ですよ。」
私もマフィ少尉に負けないくらいの大声で叫んだ。
「そんなことなら、私だってライフルで撃つわ。殺すといかんから、わざわざレーザーで撃ってるんだ。」
「殺さないから、大丈夫ですよ。」
私は、連射してあらかたのグラクイの肩を打ち抜いてしまった。ナオハラとシン(ベッグはとうの昔に火傷で病院に搬送されていた。)は黙ってレーザーで撃ち続けていた。作業員どもも黙って作業を続けていた。
「やめろ、ノルライド、このライフル馬鹿。いい気になりやがって。」
「マフィ少尉、夜になれば、レーザーしか使えなくなるので、今のうちに敵を遠ざけておかないと、撤収が難しくなりますよ。」
次々と、グラクイは倒されて、武器を手放し、歩けるものは戦線を離脱して行った。ショックで歩けないものは、そこらにうずくまっていた。
「見ろ、あそこまで、卵を取りに行けというのか?」
「死んじゃいないのだから、しばらく放っておきなさい。そのうち、立ち上がって巣に戻りますよ。卵を取りに行く必要はありません。」
さらに遠距離に狙い定めて、連射し続けながら、銃声の合間合間に私は叫んだ。(銃声で聞こえないのだ。)
「貴様は、俺の言うことが聞けないのかッ」
マフィ少尉はレーザーで撃つのを止めて、立ち上がってこっちへ向かって来た。
もっとも、レーザーで届く範囲内の敵はもう全て倒されていたから、レーザーで撃つ必要はなくなっていて、ナオハラとシンも撃つのは止めていた。撃つのをストップしていないのは、私のライフルだけだった。
「ここは、オレの部隊だ。貴様が勝手に入り込んで、好き放題していいと、誰が言った?」
私はかなり迷惑そうに撃つのを止めた。
どうしたらいいのだ、このわからずやを。ジェレミーめ、マフィ少尉が限界だなんて、嘘八百じゃないか。元気一杯だろう。
しかし、私は、そのときようやく少尉の腹側を見た。それまでは少尉の背中ばかり見ていたのだ。軍服は焼け焦げて、斜めに大きな裂け目が広がっていた。裂け目は全て血の色で満たされていた。このオヤジは馬鹿だ。
ノアイユが心配そうにたずねた。
「あの新しい死体は、どうしますんで。たいてい帰って行くようですが、倒れたまま、なかなか起き上がらない連中もいます。また、腹をかっさばいて卵を取り出すんですか? それでいくと無限ループ……」
「ノアイユ、あいつらは殺していない。負傷させているだけだ。だから、卵は取りにいかなくてよろしい。
でないと仕事が増えるばっかりで、いつまでたっても帰れないだろ。
ライフルで、腕や肩をぶち抜いて、武器が持てない状態にしているんだ。起き上がるのが早いか遅いかは、ケガの状態によるだけだろう。死んでないから、ほっといてよろしい」
「なるほど」
ノアイユは安心したようだった。ナオハラが口を挟んだ。
「少尉は、ライフル射撃の名人なんだ。普通は、こんな距離じゃかすりもしないんだが。少尉は、この前、ニュースで……」
その話はいいので、急いで割り込んだ。
「それより仕事にかかってくれ。ノアイユ、君もだ。早くしたまえ。安全なうちに作業を終わってしまいたい。これ以上、負傷者を出したくない」
ノアイユは走って行った。
「ナオハラ、ニュースの話は止めてくれよ」
「でも、本当のことじゃありませんか」
「だって……」
グラクイを新たに一匹見つけ出したので、立ち上がり、構えながら私は言った。
「あんまり……言われたくないんだけど」
(この……の間に撃っている)
「オレなら自慢してしゃべりまくります」
こいつなら、間違いなくしゃべって歩くだろう。
近づくグラクイを、あらかた始末し尽くして、後はたまに作業員から、
「少尉ー!」
と言う叫びが聞こえたときだけ、立ち上がって撃ち抜いていた。
ジェレミーから、無線が入った。
「状況はどう?」
「まあ、ライフルを使いさえすれば大丈夫。今のところ安全だ」
「非常に言い出しにくいんだが、実は、ゼミーかナオハラを貸してくれないか?レッド、シルバーとも、現在二名で応戦している」
「なんだ、あっちも負傷者が出たのか?」
「狙い撃ちすることを覚えたんだ。グラクイどもが。たまったもんじゃないよ」
ジェレミーが吐き捨てるように言った。私は聞いてみた。
「ここのノアイユってヤツは信用できるのかな? 見張りさえ作業員がしっかりやってくれれば、一人で持ちこたえられるんだが。とりあえず、レッドとシルバーどちらが急ぐ? 急ぐほうに、まず、ナオハラを出そう」
「レッドだ。二人のうち、一人が負傷している。隊長のマフィががんばっているが、腕に火傷をしている。本来なら、病院に行かなくちゃいけないところなんだ。すぐにナオハラを回してくれ」
私はすぐにナオハラに指示した。彼は、さすがにちょっと嫌そうだった。まあ、危険は確かだ。しかし、マフィ少尉を見殺しには出来ない。それに、ゼミーよりこいつの方が使い物になる。それに最悪でも火傷がいいところだ。ジェレミーから返信があった。
「『ノアイユは、確かに少し怪しく見えるだろうが、そんなに怪しいわけではない。少なくとも、見張りを怠ってわが身を危うくするマネだけは絶対しない』以上ロウ曹長の返答だ。」
ジェレミーは笑っていた。
「まあ、君の言うとおりだろう。多少、怪しいんだろう。気をつけてくれ。あと、残り数時間だ。」
「見張りが必要なら、ゼミーをシルバーに貸そう。ギルと私は一人でやれる」
「君とギルには本当にすまない。ライフルとは少し荒っぽいかもしれないが、背に腹は変えられない。助かる。シルバーとレッドも恩に着るだろう」
ゼミーは仕方なくシルバーの援護に向かった。レーザーで勝負に出るなら、人数がいないとダメだ。昔ながらのライフルに頼る場面が出てくるだなんて、誰も考えていなかったのだ。
私は作業員たちに再度、グラクイが出てきたら教えてくれるよう指示を出した。
彼らは、ブルー隊の作業員たち同様、非常に喜び、かつ面白がっている様子だった。
彼らが教えてくれない時でも、先に私が気がついたときは、すっと立ち上がって撃った。
誰かが先に気が付いて私に教えてくれた時は、全員が弾の行方を総立ちで見送った。
ノアイユもだ。彼も非常に興味を持った様子で、グラクイが撃たれて崩れ落ちる様を見物していた。
それが終わると、作業員たちは、嬉しそうにざわざわと何事かしゃべりあい、再び作業に取りかかる。
どうも日ごろのグラクイへの恨みつらみが、これで解消されているらしい気がした。
日が傾きかけた頃、ほぼ作業は終了し、順次、基地に帰って行った。全員が帰るまで、見張りを怠らないのが、護衛の役目だ。最後に撤収する。
GPSでジェレミーに状況を訪ねた。
「ブルー隊の作業部は終了したかな?」
「かなり前から基地へ帰還し始めている。もうすぐ、最後の作業員の移動が終了するはずだ」
「シルバーとレッドは?」
「両方とも遅れているが、特にレッドが遅れている。全隊同時に撤収を完了したいのだが、難しい。夜にかかるかもしれない」
「ブラック隊の撤収が終了し次第、護衛に回ろう。夜は、ライフルが利かないので、人数が必要だ」
ジェレミーがほっとしたように言った。
「そうしてもらえると本当にありがたい。体力の問題があるからね。ギルは、終了し次第、レッドに入るといっている。君もそうしてくれないか。実は、マフィ少尉がもう、限界なんだ。」
私は撤収を急がせた。言われなくても、こんな危険な現場はお断りの彼らは、出来るだけ急いで帰るつもりらしかった。ただし、卵や器具をひとつでも置いていったら、丸腰で取りに帰らせるぞと脅しておいた。
パクなら、こんなことを言う必要は全くないのだが、ノアイユ隊はどうも怪しいような気がした。グラクイだけでなく、荷物にも目を光らせ、ひとつでも置き去りにしないよう、気を配った。グラクイの手に渡れば、彼らはそれらを真似して作ってしまう。我々にとっては厄介ごとが増えるばかりだ。
ノアイユが最後になり、物品や卵が残っていないことを確認後、彼が移動した。
そのあと、私は、レッド隊に移動した。
ギルはまだ来ていなかった。マフィ少尉は、私よりだいぶ歳が上で、小太りで偉そうなやつだった。あまり前線向きとはいえなかったが、がんばり続けていた。私がついても振り向きもせず、レーザーで撃ち続けていた。
まだ、日が落ちていたわけではなかったので、ライフルで彼の後ろから、応援した。
「止めないか、この大馬鹿野郎。」
マフィ少尉の第一声はこれだった。
「殺すと、また、手間が増えるじゃないか。」
「殺してませんよ、少尉。戦闘不能にしているだけです。ライフルの方が距離が稼げますから、安全ですよ。」
私もマフィ少尉に負けないくらいの大声で叫んだ。
「そんなことなら、私だってライフルで撃つわ。殺すといかんから、わざわざレーザーで撃ってるんだ。」
「殺さないから、大丈夫ですよ。」
私は、連射してあらかたのグラクイの肩を打ち抜いてしまった。ナオハラとシン(ベッグはとうの昔に火傷で病院に搬送されていた。)は黙ってレーザーで撃ち続けていた。作業員どもも黙って作業を続けていた。
「やめろ、ノルライド、このライフル馬鹿。いい気になりやがって。」
「マフィ少尉、夜になれば、レーザーしか使えなくなるので、今のうちに敵を遠ざけておかないと、撤収が難しくなりますよ。」
次々と、グラクイは倒されて、武器を手放し、歩けるものは戦線を離脱して行った。ショックで歩けないものは、そこらにうずくまっていた。
「見ろ、あそこまで、卵を取りに行けというのか?」
「死んじゃいないのだから、しばらく放っておきなさい。そのうち、立ち上がって巣に戻りますよ。卵を取りに行く必要はありません。」
さらに遠距離に狙い定めて、連射し続けながら、銃声の合間合間に私は叫んだ。(銃声で聞こえないのだ。)
「貴様は、俺の言うことが聞けないのかッ」
マフィ少尉はレーザーで撃つのを止めて、立ち上がってこっちへ向かって来た。
もっとも、レーザーで届く範囲内の敵はもう全て倒されていたから、レーザーで撃つ必要はなくなっていて、ナオハラとシンも撃つのは止めていた。撃つのをストップしていないのは、私のライフルだけだった。
「ここは、オレの部隊だ。貴様が勝手に入り込んで、好き放題していいと、誰が言った?」
私はかなり迷惑そうに撃つのを止めた。
どうしたらいいのだ、このわからずやを。ジェレミーめ、マフィ少尉が限界だなんて、嘘八百じゃないか。元気一杯だろう。
しかし、私は、そのときようやく少尉の腹側を見た。それまでは少尉の背中ばかり見ていたのだ。軍服は焼け焦げて、斜めに大きな裂け目が広がっていた。裂け目は全て血の色で満たされていた。このオヤジは馬鹿だ。
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