18 / 57
第18話 泣かせてみたい
しおりを挟む
ジャックは、呆然としたまま、自宅へ帰った。
泣いているフィオナの姿が心に焼き付いていた。
彼の心の中に、訳の分からない欲望が湧いてきた。泣かせてみたい。自分のために。
他の男ではなく、自分のせいで泣かせたい。
彼のために、心を揺らし、静かに涙を流す令嬢……。
「いろいろと間違ってるわよね、ジャック」
翌朝には姉の襲撃を受けた。朝と言っても、もう昼近くである。
「聞いたわよ。パーティで女の子を泣かせるだなんて。そのフィオナとか言う娘にあんた、何をしたの?」
何をと言われても、彼は何もしていない。まあ、少々悪意的だったかもしれないが、話そのものは、間違っていない。社交界でふつうに言われている話だ。確かに、わざわざそんな話を、侯爵家の関係者に話して聞かせたりしないが。
だが、ジャックは、モンゴメリ卿の言い分ではないが、ぜひとも彼女に聞かせたかったのだ。
「なにも」
「何もしてなくて、あんな冷静そうな娘が泣き出すなんて、あり得ないでしょう」
「冷静?」
泣き出す娘のどこが冷静だ。
「見たわよ、あの娘。大人しそうだけど、なんか、こう、芯があるっていうか……そうね、泣き方も感情的じゃないし」
ほめてるのか。
「きっと、身分と金狙いで、あの侯爵を篭絡したのね。やるわね、彼女」
ほめる気はないらしい。
そんな人ではない。フィオナを姉は知らないのだ。
「でも、大間違い。侯爵家は先代がぜいたく好みだったから、遺産なんかあらかた使っちゃったと思うわ。見ててご覧なさい。フィオナだって、カネ目当てでジャックのところへ戻ってくるわ」
姉は楽しそうにジャックの方を見た。
「あんた、あの娘が気に入ったのでしょう? カザリンが泣いてたわ、かわいそうに。あんたにつれなくされて」
なんで、初めて会った知らない女に優しくしなきゃいけないんだ。大迷惑だ。泣きたいのはこっちだ。
「冗談もほどほどにしてよ、クリスチン」
だが、姉の方は、ジャックと違ってご機嫌だった
「あんたにしちゃ、よくやったじゃない。ほめてあげるわ。それに、私、全面的に協力を惜しまないわよ?」
突然なんで? ジャックは訳が分からなくて、姉の顔を見た。
姉のクリスチンときたら、生まれてこの方ジャックをからかうことに全力を尽くしてきた。
姉から迷惑を受けなかったのは、寄宿生時代くらいなものだ。
「ほほほ、期待しててちょうだい。あの子にしたところで、あなたと結婚する方が、ずっと幸せよ。私にはわかるの」
姉は、弟の自分が言うのもなんだが、すごい美人だった。頭も悪くない。こんな性格でさえなければ、きっと今頃は両親の期待通り、何処かの名家の奥方さまになっていただろう。
その性格の腐った姉が、ジャックに全面協力すると言うのだ。驚かざるを得ない。何が目的だ。
「安心しなさい。悪いようにはしないわよ。少なくともカザリンには、あんたのそばに行かないように言ってあるわ」
姉は、珍しいくらいの上機嫌で、行ってしまった。
後になって、ジャックはようやく思い出した。
そうか、あの侯爵か。
若き侯爵家の当主は、堂々たる体格と傲慢な印象さえ受ける冷たい美貌の持ち主だった。そして、いかにも古い侯爵家らしく仄暗いお家騒動の噂まである。有能で頭が切れると言われていた。
姉の好みを詰め込んだような男だった。
ジャックが、頑張ってフィオナを彼から引き剥がすことに成功すれば、姉のチャンスも増えると思っているのだろう。
「いやー、そう、上手くいくかな?」
クリスチンだけじゃない。大勢の女が食いつくだろう。
他の女に取られるのが、オチのような気がした。
だが、それはどうでもいい。
姉は、本気だろう。侯爵とフィオナの間の妨害に全力を上げるだろう。
とんだ味方がいるものだ。想定外だった。
ジャックは考えた。あの侯爵は、家庭という面ではどうだろう。
侯爵がゆっくり自宅でお茶を飲んでいるところが想像できない。
あの男は大テーブルの前に座って、厳しい決定を下しているか、あるいは自ら戦場に出て、兵に苛烈な命令を出していそうだ。
妻は不安だろう。
それよりも、十分に裕福で、守られた生活の方がずっとよくはないか?
夫と一緒にあたたかな家庭を築き、子を育む。名誉や人に誇るほどのことはないかも知れないが、そんなもの、幸せに暮らすために必要ではないだろう。
『あんたと結婚した方が幸せよ』
ジャックも姉と同意見だった。
ジャックは、ダーリントン家のアンドルーの通うクラブに顔を出すことにした。
父の伯爵と話をすれば済むのだが、どうもあまり評判が良くない。母の伯爵夫人はもってのほかだ。アンドルーは同じ学校の先輩で顔見知りだ(顔しか知らないが)。
「え? フィオナを?」
さすがに、こんなことはやったことがなかったので、ジャックはいささか赤面した。
「そう。真剣に考慮していただけるといいのだが……縁談をだね」
昼下がり、カードをしに来たらしいアンドルーをつかまえて、座り込んで話をしたのだ。
「いや、あの、それは、父の伯爵の意向があるので、私の一存では……」
「もちろんそれはそうだが、それほどまずい話でもないと思うが」
まずい話どころではない。
真剣なお申込みなら、本来大歓迎だった。
ジャックの家は男爵家だが、事実を言えば、職位は金で買ったようなものだ。
三代前は町で服地屋の見習いをしていた。誰も知っている事実だ。だが、その三代前がうまく立ち回って、インド綿の織物工場を始めたおかげで、パーシヴァル家は誰もが一目置く一家に成り上がった。
その財力は、ダーリントン伯爵家などとはくらべものにならない。その差は、彼らの服にも表れていた。
アンドルーは着古した黒の服だったが、ジャックは真新しい、上等で流行のしゃれた服を着ていた。靴も最新流行で、ジャックが取り出した銀時計をアンドルーは真剣にうらやましそうに見つめた。彼のは、あまりに旧式でついに壊れてしまったのだが、修理が利かなかったのだ。
正直、妹がジャックに嫁いでくれれば、彼としては、願ったりかなったりだった。
「だがなあ……」
本来、大歓迎なのだが、妹には今やグレンフェル侯爵からの申し込みがあると聞いていた。
「グレンフェル侯爵と踊ったって話は聞いているよ」
軽い調子でジャックは言った。
「だがね、侯爵が本気だとしても、彼はモテるよ。ライバルが多いんじゃないかな。実際、僕の姉だって侯爵狙いだし」
「クリスチンが?」
アンドルーは目を丸くしたが、ジャックは肩をすくめた。
姉のターゲットがばれると、姉は仕事がやりにくくなるかもしれなかったが、今までの姉の仕打ちをを考えると、それくらいどうってことないだろう。
「あの社交界の花形が!」
確かに5年くらい前ならその通りかもしれない。姉は美人でそうしようと思えば、しおらしくもなれる。相手が侯爵家なら、父は喜んで莫大な持参金を付けるだろう。
「ま、僕が言うのもなんだが、姉の持参金は莫大だろう。ところで、侯爵家は金に困ってるんじゃなかったっけ?」
クリスチンネタなので正確かどうか知らないが、ジャックは利用できるものは使うことにした。
「そこんところは、実はよく知らないが……」
アンドルーはちょっと不安そうな表情を浮かべた。大体、旧貴族はみんな貧乏が定番である。
「まあ、聞いてみたらどうかね? 正式の申し込みがあるならだが」
アンドルーは考え込んだ。
地位も名誉もあるが、まだ、正式な申し込みはない。確実性を考えたら、こっちの方が有利だ。
「伯爵はなかなか難しい方だと聞いた」
うまい言い回しである。実は、かなり無能だなだけだが。
「それで、アンドルー、あなたにとりなしをお願いしたいわけだ」
アンドルーは自尊心を刺激された。実際、伯爵家を取り仕切っているのは彼だった。
「フィオナのどこがそんなに気に入ったのかね?」
好奇心を起こしてアンドルーが聞いてきた。
「兄の言うセリフじゃないな」
ジャックは笑った。
「特に問題のないお嬢さんじゃないか? 違うかね? それに落ち着いて淑やかだ。社交界で失敗したりしなさそうだ」
嫌味かと思ったが、ジャックは続けた。
「由緒正しい伯爵家の令嬢で、年齢も申し分ない。いろいろ恋愛遍歴を経た令嬢も面白いかもしれないが、あいにくそんな趣味ではなくてね」
アンドルーはうなずいた。納得できたのだ。つまり、家柄がいいということと、手付かずの何も知らない若い娘だということだった。
確かにあれこれ知りすぎている女は手に余るとアンドルーは思った。
人間、誰しも自分になぞらえて理解する。
ジャックは、本当は、そんなことどうでもよかった。
フィオナの控えめな癖に、突然オールを握って、彼を助けて頑張る姿に惚れたのだ。
どこの家の令嬢だったとしても、彼女は無気力ではなかった。それなら、ジャックと一緒にやっていける。でも、この兄にはわからないだろう。
泣いているフィオナの姿が心に焼き付いていた。
彼の心の中に、訳の分からない欲望が湧いてきた。泣かせてみたい。自分のために。
他の男ではなく、自分のせいで泣かせたい。
彼のために、心を揺らし、静かに涙を流す令嬢……。
「いろいろと間違ってるわよね、ジャック」
翌朝には姉の襲撃を受けた。朝と言っても、もう昼近くである。
「聞いたわよ。パーティで女の子を泣かせるだなんて。そのフィオナとか言う娘にあんた、何をしたの?」
何をと言われても、彼は何もしていない。まあ、少々悪意的だったかもしれないが、話そのものは、間違っていない。社交界でふつうに言われている話だ。確かに、わざわざそんな話を、侯爵家の関係者に話して聞かせたりしないが。
だが、ジャックは、モンゴメリ卿の言い分ではないが、ぜひとも彼女に聞かせたかったのだ。
「なにも」
「何もしてなくて、あんな冷静そうな娘が泣き出すなんて、あり得ないでしょう」
「冷静?」
泣き出す娘のどこが冷静だ。
「見たわよ、あの娘。大人しそうだけど、なんか、こう、芯があるっていうか……そうね、泣き方も感情的じゃないし」
ほめてるのか。
「きっと、身分と金狙いで、あの侯爵を篭絡したのね。やるわね、彼女」
ほめる気はないらしい。
そんな人ではない。フィオナを姉は知らないのだ。
「でも、大間違い。侯爵家は先代がぜいたく好みだったから、遺産なんかあらかた使っちゃったと思うわ。見ててご覧なさい。フィオナだって、カネ目当てでジャックのところへ戻ってくるわ」
姉は楽しそうにジャックの方を見た。
「あんた、あの娘が気に入ったのでしょう? カザリンが泣いてたわ、かわいそうに。あんたにつれなくされて」
なんで、初めて会った知らない女に優しくしなきゃいけないんだ。大迷惑だ。泣きたいのはこっちだ。
「冗談もほどほどにしてよ、クリスチン」
だが、姉の方は、ジャックと違ってご機嫌だった
「あんたにしちゃ、よくやったじゃない。ほめてあげるわ。それに、私、全面的に協力を惜しまないわよ?」
突然なんで? ジャックは訳が分からなくて、姉の顔を見た。
姉のクリスチンときたら、生まれてこの方ジャックをからかうことに全力を尽くしてきた。
姉から迷惑を受けなかったのは、寄宿生時代くらいなものだ。
「ほほほ、期待しててちょうだい。あの子にしたところで、あなたと結婚する方が、ずっと幸せよ。私にはわかるの」
姉は、弟の自分が言うのもなんだが、すごい美人だった。頭も悪くない。こんな性格でさえなければ、きっと今頃は両親の期待通り、何処かの名家の奥方さまになっていただろう。
その性格の腐った姉が、ジャックに全面協力すると言うのだ。驚かざるを得ない。何が目的だ。
「安心しなさい。悪いようにはしないわよ。少なくともカザリンには、あんたのそばに行かないように言ってあるわ」
姉は、珍しいくらいの上機嫌で、行ってしまった。
後になって、ジャックはようやく思い出した。
そうか、あの侯爵か。
若き侯爵家の当主は、堂々たる体格と傲慢な印象さえ受ける冷たい美貌の持ち主だった。そして、いかにも古い侯爵家らしく仄暗いお家騒動の噂まである。有能で頭が切れると言われていた。
姉の好みを詰め込んだような男だった。
ジャックが、頑張ってフィオナを彼から引き剥がすことに成功すれば、姉のチャンスも増えると思っているのだろう。
「いやー、そう、上手くいくかな?」
クリスチンだけじゃない。大勢の女が食いつくだろう。
他の女に取られるのが、オチのような気がした。
だが、それはどうでもいい。
姉は、本気だろう。侯爵とフィオナの間の妨害に全力を上げるだろう。
とんだ味方がいるものだ。想定外だった。
ジャックは考えた。あの侯爵は、家庭という面ではどうだろう。
侯爵がゆっくり自宅でお茶を飲んでいるところが想像できない。
あの男は大テーブルの前に座って、厳しい決定を下しているか、あるいは自ら戦場に出て、兵に苛烈な命令を出していそうだ。
妻は不安だろう。
それよりも、十分に裕福で、守られた生活の方がずっとよくはないか?
夫と一緒にあたたかな家庭を築き、子を育む。名誉や人に誇るほどのことはないかも知れないが、そんなもの、幸せに暮らすために必要ではないだろう。
『あんたと結婚した方が幸せよ』
ジャックも姉と同意見だった。
ジャックは、ダーリントン家のアンドルーの通うクラブに顔を出すことにした。
父の伯爵と話をすれば済むのだが、どうもあまり評判が良くない。母の伯爵夫人はもってのほかだ。アンドルーは同じ学校の先輩で顔見知りだ(顔しか知らないが)。
「え? フィオナを?」
さすがに、こんなことはやったことがなかったので、ジャックはいささか赤面した。
「そう。真剣に考慮していただけるといいのだが……縁談をだね」
昼下がり、カードをしに来たらしいアンドルーをつかまえて、座り込んで話をしたのだ。
「いや、あの、それは、父の伯爵の意向があるので、私の一存では……」
「もちろんそれはそうだが、それほどまずい話でもないと思うが」
まずい話どころではない。
真剣なお申込みなら、本来大歓迎だった。
ジャックの家は男爵家だが、事実を言えば、職位は金で買ったようなものだ。
三代前は町で服地屋の見習いをしていた。誰も知っている事実だ。だが、その三代前がうまく立ち回って、インド綿の織物工場を始めたおかげで、パーシヴァル家は誰もが一目置く一家に成り上がった。
その財力は、ダーリントン伯爵家などとはくらべものにならない。その差は、彼らの服にも表れていた。
アンドルーは着古した黒の服だったが、ジャックは真新しい、上等で流行のしゃれた服を着ていた。靴も最新流行で、ジャックが取り出した銀時計をアンドルーは真剣にうらやましそうに見つめた。彼のは、あまりに旧式でついに壊れてしまったのだが、修理が利かなかったのだ。
正直、妹がジャックに嫁いでくれれば、彼としては、願ったりかなったりだった。
「だがなあ……」
本来、大歓迎なのだが、妹には今やグレンフェル侯爵からの申し込みがあると聞いていた。
「グレンフェル侯爵と踊ったって話は聞いているよ」
軽い調子でジャックは言った。
「だがね、侯爵が本気だとしても、彼はモテるよ。ライバルが多いんじゃないかな。実際、僕の姉だって侯爵狙いだし」
「クリスチンが?」
アンドルーは目を丸くしたが、ジャックは肩をすくめた。
姉のターゲットがばれると、姉は仕事がやりにくくなるかもしれなかったが、今までの姉の仕打ちをを考えると、それくらいどうってことないだろう。
「あの社交界の花形が!」
確かに5年くらい前ならその通りかもしれない。姉は美人でそうしようと思えば、しおらしくもなれる。相手が侯爵家なら、父は喜んで莫大な持参金を付けるだろう。
「ま、僕が言うのもなんだが、姉の持参金は莫大だろう。ところで、侯爵家は金に困ってるんじゃなかったっけ?」
クリスチンネタなので正確かどうか知らないが、ジャックは利用できるものは使うことにした。
「そこんところは、実はよく知らないが……」
アンドルーはちょっと不安そうな表情を浮かべた。大体、旧貴族はみんな貧乏が定番である。
「まあ、聞いてみたらどうかね? 正式の申し込みがあるならだが」
アンドルーは考え込んだ。
地位も名誉もあるが、まだ、正式な申し込みはない。確実性を考えたら、こっちの方が有利だ。
「伯爵はなかなか難しい方だと聞いた」
うまい言い回しである。実は、かなり無能だなだけだが。
「それで、アンドルー、あなたにとりなしをお願いしたいわけだ」
アンドルーは自尊心を刺激された。実際、伯爵家を取り仕切っているのは彼だった。
「フィオナのどこがそんなに気に入ったのかね?」
好奇心を起こしてアンドルーが聞いてきた。
「兄の言うセリフじゃないな」
ジャックは笑った。
「特に問題のないお嬢さんじゃないか? 違うかね? それに落ち着いて淑やかだ。社交界で失敗したりしなさそうだ」
嫌味かと思ったが、ジャックは続けた。
「由緒正しい伯爵家の令嬢で、年齢も申し分ない。いろいろ恋愛遍歴を経た令嬢も面白いかもしれないが、あいにくそんな趣味ではなくてね」
アンドルーはうなずいた。納得できたのだ。つまり、家柄がいいということと、手付かずの何も知らない若い娘だということだった。
確かにあれこれ知りすぎている女は手に余るとアンドルーは思った。
人間、誰しも自分になぞらえて理解する。
ジャックは、本当は、そんなことどうでもよかった。
フィオナの控えめな癖に、突然オールを握って、彼を助けて頑張る姿に惚れたのだ。
どこの家の令嬢だったとしても、彼女は無気力ではなかった。それなら、ジャックと一緒にやっていける。でも、この兄にはわからないだろう。
1
お気に入りに追加
639
あなたにおすすめの小説

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

これでお仕舞い~婚約者に捨てられたので、最後のお片付けは自分でしていきます~
ゆきみ山椒
恋愛
婚約者である王子からなされた、一方的な婚約破棄宣言。
それを聞いた侯爵令嬢は、すべてを受け入れる。
戸惑う王子を置いて部屋を辞した彼女は、その足で、王宮に与えられた自室へ向かう。
たくさんの思い出が詰まったものたちを自分の手で「仕舞う」ために――。
※この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
王太子殿下から婚約破棄されたのは冷たい私のせいですか?
ねーさん
恋愛
公爵令嬢であるアリシアは王太子殿下と婚約してから十年、王太子妃教育に勤しんで来た。
なのに王太子殿下は男爵令嬢とイチャイチャ…諫めるアリシアを悪者扱い。「アリシア様は殿下に冷たい」なんて男爵令嬢に言われ、結果、婚約は破棄。
王太子妃になるため自由な時間もなく頑張って来たのに、私は駒じゃありません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる