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第16話 噂という名の真実
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慈善パーティの夜は賑やかだった。
フィオナは目立たないように、静かに入って行った。そして、グレンフェル侯爵を目で探した。
いた。
侯爵は何人もの令嬢たちに取り囲まれていた。
フィオナは胸が潰れる思いがした。
早くも、みな、侯爵に結婚の意志があることを嗅ぎつけ、そして、彼がダンスをする格好なので、誘ってもらおうと周りを取り囲んでいるのだ。
「あの中に入って行くのかしら。私にはできない」
華やかで、美しい令嬢たちだった。どう見てもフィオナより金持ちで、美人だ。フィオナは、手を握りしめた。
『いいですか?フィオナ様。あなたが今日着ているドレスはパリで作ったものです。そして、これは大伯母さまのお気に入りの宝石。誰にも負けません』
マルゴットは彼女にそう言った。
フィオナのドレスはレースのリボンが飾りに着いた深青のドレスで、首元には見事な真珠の首飾りをつけていた。
これまでのフィオナには想像もできない程、お金のかかったドレスだった。
服には魔力がある。自分が誰にも負けないドレスを着ていると思うと、フィオナは少し落ち着いてきた。
彼女は、ゆっくり歩き始めた。
はやく気が付いて!
侯爵が振り向いた。彼はすぐに周りの令嬢たちに会釈すると、向きを変えて、フィオナの方へ速足でやって来た。
彼はあまり顔の表情の変わらない人物だったが、フィオナにはわかった。喜んでいる。
「なんて美しいんだ。本当にきれいだ」
ダンスの合間にグレンフェル侯爵はフィオナに囁いた。
「もっと、おきれいな方はいくらでもいますわ」
「私にはあなただけだ。あなただけは思い出と今がつながっている」
社交と言えば必ず出席しているモンゴメリ卿の顔がチラリと映った。その横に、呆然としているかに見えるジャックの姿も見えた。
「あまり、あなたを独占しているように見えるのも、具合が悪いかもしれない」
グレンフェル侯爵は、笑った。
「礼儀知らずと言われてしまう。ピアでは、礼儀知らずになったからね。あのパーティーは無礼講だったし、みんなに認めて欲しかったからな。でも、そろそろ正気に戻らないと。それに、私はこの後出席しないといけない会があるので」
「お忙しいのですね」
侯爵はかなり無念そうだった。
「時間がないのですよ。もっと一緒に過ごす時間が取れるようになったら……」
侯爵は控えめに言った。
「そんな話もあなたとならできると思う」
「あなたがいらっしゃらないなら、わたくしも長居はしませんわ」
目的は達成されたのである。
もう、男探しに奔走する必要はない。そのことに気が付くとフィオナはほっとした。
グレンフェル侯爵は、会に出席している大勢の誰彼に辞去のあいさつをして、それからチラリとフィオナに目を合わせて会場を出た。馬車が彼を待っていて、彼が乗り込むと直ぐに馬車は行ってしまった。彼がいないなら早めに帰った方がいい。フィオナも会場を出ようとした。
「どういうこと? 侯爵と婚約でもしたの?」
気軽に声をかけてきたのは、モンゴメリ卿だった。
「え? まあ、モンゴメリ卿。ピアではお世話になりました」
物柔らかに丁重にフィオナはモンゴメリ卿にあいさつした。(モンゴメリ卿の質問はさっくり逃げた)
「グレンフェル侯爵が何度もあなたをダンスの相手に選んでいて、ちょっとした驚きだった。だって、侯爵はほとんどダンスをしたことがなかったからね」
真面目な様子でフィオナはモンゴメリ卿の言葉に耳を傾けた。
「わたしは、侯爵のことをほとんど知りません。ダンスはお上手でした」
(侯爵とは偶然踊りましたとでも言うつもりだろうか? ダンスのうまい下手なんか誰も聞いていない)
「あれだけ背のある男にしてはね」
卿はため息をついた。
これだから食えない。このフィオナ嬢という娘は。どこまでも従順そうに、しかし核心を外してくる。
「侯爵は、確かに男前だ。性格も容貌もね。悪い男じゃない。まだ二十五にもなっていないんじゃないかな」
モンゴメリ卿は、フィオナに座るようにソファを指した。フィオナは、遠慮して、少し離れて座った。
「まったく。あんたと来たら、いつだって用心深くて、なかなか人を信用しない。それなのになぜ、あの男にはついていくの?」
そんな風に評価されているなんて知らなかった。
自分は何も知らない無知な娘ではないのか?
「違うね。最初は、私だってそう思ったさ。でも、すこし話せばわかるもんだ。自信がないのはその通りだろうが、慎重でとても理解が早い。あのジャックがほれ込んだのもそこだ。そして今度はあのグレンフェル侯爵なの?」
「……私とグレンフェル侯爵は、幼なじみでした」
モンゴメリ卿の目が光った。口元には心なしか意地の悪そうな微笑みが浮かんでいる。
「でも、確か、あなたの婚約者は死んだよね。今のグレンフェル侯爵は、弟の方だ。兄の死因が不明で、そのためにグレンフェル家には黒いうわさが付きまとっている。それで、彼は社交界を避けていた。結婚話もね」
フィオナは固まって聞いていた。
「知らなかったのかね?」
「いいえ。いえ、あの、詳しいことは……」
「それはそうだろう。ダーリントン伯爵家には面白くない話だろう。婚約者を殺されてしまったのだから。こんな話、わざわざあなたに聞かせることじゃない。あなたには、何の落ち度も関係もないから、別の縁を探せばいいだけだし」
フィオナは黙っていた。
「確かにグレンフェル侯爵家は名門だ。そして侯爵はあの通り、女性にもてる。少々ダークなイメージがあったところで、あれだけの美貌なら、かえって女たちが群がるだろう」
「あの、ダーティなイメージって?」
モンゴメリ卿は、複雑な表情を浮かべて、フィオナの顔を眺めていた。
「あなたのような、かわいらしいお嬢さんに聞かせたものかどうかわからないけど……」
どんな噂なのだろう。
「彼の悪い噂をわざわざ教えたら、後で侯爵に恨まれそうだからね……」
「教えていただければ……」
「誰でも知っている話しか知らないよ? 侯爵の父上は二度結婚して、ひとりづつ男の子がいる。当然、前妻の子が嫡男のはずだったが、死んでしまった。もしかすると、後妻の夫人か彼が手を下したのではないかと噂になったのだ」
フィオナは返事ができなかった。手を下した?……とは?
「そう。真偽のほどはわからない。でも侯爵は苦労したと思うよ。なにしろ、社交界を避けていたからね。軍ではよくやっていたんだろう。悪い話は聞かない。父の死後、政界に出たが評判はいい。あんなところで評判がいいとはね。なんにしろ立ち回りは相当うまいんだろう」
フィオナは動揺した。モンゴメリ卿はグレンフェル侯爵を褒めてはいるが、どこかに悪意が潜んでいる。
「あんないい男に申し込まれたらどんな女性でも舞い上がってしまうだろう。どんな事情があるのか知らなかったら尚更だな」
モンゴメリ卿は悪意的だった。
少なくともフィオナはそう感じた。だが、顔には出さなかった。
「おおい、ジャック」
複雑な顔をしたジャックが、例によって一分の隙もない恰好でやって来た。
彼はフィオナを見て、その気合の入ったドレスを見て、正直がっかりしたらしかった。
「君の恋敵の侯爵は所用で出て行った。隙を狙って思う存分食い荒らしたまえ」
「なんという言い草ですか、モンゴメリ卿。いつもいつも、まったく」
そう言いながらも、ジャックはフィオナの手を取った。
「あの、わたくしはもう帰りますの」
「ひどいな、フィオナ嬢。ジャック、フィオナ嬢が君に聞きたいことがあるそうだ。君も聞かれた以上は教えてやりたまえ」
「何を? 何をですか? モンゴメリ卿?」
モンゴメリ卿が、ジャックのそばに近寄り、小さな声で言った。
「あのグレンフェル侯爵が、どうして社交界に出入りしなかったのか、その訳さ。彼が後ろ暗いと言われている理由を教えてやりたまえ」
それから、フィオナに聞かれないように、もっと小さな声で付け加えた。
「君が教える分には、誰も咎めない。だって、君は彼女に先に申し込んでいるのだから。恋敵を潰す努力は当然だ。それにこれはただの事実なんだから。彼女は彼を疑ってもいない。彼女を苦労させたくないだろう?」
フィオナは目立たないように、静かに入って行った。そして、グレンフェル侯爵を目で探した。
いた。
侯爵は何人もの令嬢たちに取り囲まれていた。
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『いいですか?フィオナ様。あなたが今日着ているドレスはパリで作ったものです。そして、これは大伯母さまのお気に入りの宝石。誰にも負けません』
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フィオナのドレスはレースのリボンが飾りに着いた深青のドレスで、首元には見事な真珠の首飾りをつけていた。
これまでのフィオナには想像もできない程、お金のかかったドレスだった。
服には魔力がある。自分が誰にも負けないドレスを着ていると思うと、フィオナは少し落ち着いてきた。
彼女は、ゆっくり歩き始めた。
はやく気が付いて!
侯爵が振り向いた。彼はすぐに周りの令嬢たちに会釈すると、向きを変えて、フィオナの方へ速足でやって来た。
彼はあまり顔の表情の変わらない人物だったが、フィオナにはわかった。喜んでいる。
「なんて美しいんだ。本当にきれいだ」
ダンスの合間にグレンフェル侯爵はフィオナに囁いた。
「もっと、おきれいな方はいくらでもいますわ」
「私にはあなただけだ。あなただけは思い出と今がつながっている」
社交と言えば必ず出席しているモンゴメリ卿の顔がチラリと映った。その横に、呆然としているかに見えるジャックの姿も見えた。
「あまり、あなたを独占しているように見えるのも、具合が悪いかもしれない」
グレンフェル侯爵は、笑った。
「礼儀知らずと言われてしまう。ピアでは、礼儀知らずになったからね。あのパーティーは無礼講だったし、みんなに認めて欲しかったからな。でも、そろそろ正気に戻らないと。それに、私はこの後出席しないといけない会があるので」
「お忙しいのですね」
侯爵はかなり無念そうだった。
「時間がないのですよ。もっと一緒に過ごす時間が取れるようになったら……」
侯爵は控えめに言った。
「そんな話もあなたとならできると思う」
「あなたがいらっしゃらないなら、わたくしも長居はしませんわ」
目的は達成されたのである。
もう、男探しに奔走する必要はない。そのことに気が付くとフィオナはほっとした。
グレンフェル侯爵は、会に出席している大勢の誰彼に辞去のあいさつをして、それからチラリとフィオナに目を合わせて会場を出た。馬車が彼を待っていて、彼が乗り込むと直ぐに馬車は行ってしまった。彼がいないなら早めに帰った方がいい。フィオナも会場を出ようとした。
「どういうこと? 侯爵と婚約でもしたの?」
気軽に声をかけてきたのは、モンゴメリ卿だった。
「え? まあ、モンゴメリ卿。ピアではお世話になりました」
物柔らかに丁重にフィオナはモンゴメリ卿にあいさつした。(モンゴメリ卿の質問はさっくり逃げた)
「グレンフェル侯爵が何度もあなたをダンスの相手に選んでいて、ちょっとした驚きだった。だって、侯爵はほとんどダンスをしたことがなかったからね」
真面目な様子でフィオナはモンゴメリ卿の言葉に耳を傾けた。
「わたしは、侯爵のことをほとんど知りません。ダンスはお上手でした」
(侯爵とは偶然踊りましたとでも言うつもりだろうか? ダンスのうまい下手なんか誰も聞いていない)
「あれだけ背のある男にしてはね」
卿はため息をついた。
これだから食えない。このフィオナ嬢という娘は。どこまでも従順そうに、しかし核心を外してくる。
「侯爵は、確かに男前だ。性格も容貌もね。悪い男じゃない。まだ二十五にもなっていないんじゃないかな」
モンゴメリ卿は、フィオナに座るようにソファを指した。フィオナは、遠慮して、少し離れて座った。
「まったく。あんたと来たら、いつだって用心深くて、なかなか人を信用しない。それなのになぜ、あの男にはついていくの?」
そんな風に評価されているなんて知らなかった。
自分は何も知らない無知な娘ではないのか?
「違うね。最初は、私だってそう思ったさ。でも、すこし話せばわかるもんだ。自信がないのはその通りだろうが、慎重でとても理解が早い。あのジャックがほれ込んだのもそこだ。そして今度はあのグレンフェル侯爵なの?」
「……私とグレンフェル侯爵は、幼なじみでした」
モンゴメリ卿の目が光った。口元には心なしか意地の悪そうな微笑みが浮かんでいる。
「でも、確か、あなたの婚約者は死んだよね。今のグレンフェル侯爵は、弟の方だ。兄の死因が不明で、そのためにグレンフェル家には黒いうわさが付きまとっている。それで、彼は社交界を避けていた。結婚話もね」
フィオナは固まって聞いていた。
「知らなかったのかね?」
「いいえ。いえ、あの、詳しいことは……」
「それはそうだろう。ダーリントン伯爵家には面白くない話だろう。婚約者を殺されてしまったのだから。こんな話、わざわざあなたに聞かせることじゃない。あなたには、何の落ち度も関係もないから、別の縁を探せばいいだけだし」
フィオナは黙っていた。
「確かにグレンフェル侯爵家は名門だ。そして侯爵はあの通り、女性にもてる。少々ダークなイメージがあったところで、あれだけの美貌なら、かえって女たちが群がるだろう」
「あの、ダーティなイメージって?」
モンゴメリ卿は、複雑な表情を浮かべて、フィオナの顔を眺めていた。
「あなたのような、かわいらしいお嬢さんに聞かせたものかどうかわからないけど……」
どんな噂なのだろう。
「彼の悪い噂をわざわざ教えたら、後で侯爵に恨まれそうだからね……」
「教えていただければ……」
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フィオナは返事ができなかった。手を下した?……とは?
「そう。真偽のほどはわからない。でも侯爵は苦労したと思うよ。なにしろ、社交界を避けていたからね。軍ではよくやっていたんだろう。悪い話は聞かない。父の死後、政界に出たが評判はいい。あんなところで評判がいいとはね。なんにしろ立ち回りは相当うまいんだろう」
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「あんないい男に申し込まれたらどんな女性でも舞い上がってしまうだろう。どんな事情があるのか知らなかったら尚更だな」
モンゴメリ卿は悪意的だった。
少なくともフィオナはそう感じた。だが、顔には出さなかった。
「おおい、ジャック」
複雑な顔をしたジャックが、例によって一分の隙もない恰好でやって来た。
彼はフィオナを見て、その気合の入ったドレスを見て、正直がっかりしたらしかった。
「君の恋敵の侯爵は所用で出て行った。隙を狙って思う存分食い荒らしたまえ」
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そう言いながらも、ジャックはフィオナの手を取った。
「あの、わたくしはもう帰りますの」
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「何を? 何をですか? モンゴメリ卿?」
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「あのグレンフェル侯爵が、どうして社交界に出入りしなかったのか、その訳さ。彼が後ろ暗いと言われている理由を教えてやりたまえ」
それから、フィオナに聞かれないように、もっと小さな声で付け加えた。
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