7 / 57
第7話 不細工な娘の恋
しおりを挟む
すっかりふらふらになって帰って来たフィオナを目前にして、アレクサンドラとマルゴットは眉をしかめた。惚れっぽい筈じゃなかったのに。
不本意ながらフィオナの結婚に興味を持ってしまったアレクサンドラと、死力を尽くさねばならない使命のマルゴットだったが、この体たらくには絶句した。
どこへ行ったんだ。男性恐怖症とやらは。
「一体、誰だったの?」
「ええと……」
「自分の名前は教えたけれど、向こうの名前は聞かなかったと……」
「そうですわね……」
「顔も名前もわからないんじゃ、どうしようもないじゃない」
「向こうが探してくれればと……」
「甘い! 何言ってんの!」
不毛である。
しかし、こうなってしまっては、エドワードなんかはどこかへ吹っ飛んでしまいそうだ。
「お嬢様にお花が……」
またエドワードか、と思ったら違っていた。花束は五束ほどもあった。
「夕べの戦果ですか!」
「あらあ! 意外にあるわね。頑張ったのね、フィオナ」
「途中までですけどね」
珍しくマルゴットが皮肉った。昨晩は仮面舞踏会と言う気楽さが功を奏して、大量の男と踊れたのだ。もっと頑張るべきところを、誰だかわからないその男に引っかかって、以後のダンスを打ち止め状態にしてしまったのだ。マルゴット的には失態である。チャンスだったのに、なんてことを。
問題は誰が誰だかわからないことだった。
つまり、せっかくそれだけの数の男と接触できたのに、花束に添えられたカードで送り主の名前はわかっても、顔がわからない状態のままなのだ。
「問題のその誰かさんからの花束かどうかもわからないだなんてねえ」
フィオナは花束をいちいち確認して、その中にあるカードを探していた。一言添えられているので、そこにヒントがあるのではないかと思ったのだ。
『初々しいあなたに乾杯! 昨夜は全くあなたに魅了されました』
これは反応がむずかしい。返事に困る。それと、なにかおっさん臭がする。
『拙宅にて、パーティを開催します。ご都合よろしければ、ご参加いただきたく、謹んでご招待申し上げます』
誰だろう、これは。何かの広告のようだ。マルチ商法や宗教でなければいいんだけど。後でマルゴットに判断してもらおう。どうせ、参加して来いになるだろうけど。
『夕べは面白かったです。次の慈善舞踏会でお目にかかれればと願っております』
「これだわ!」
アレクサンドラとマルゴットがやって来た。
「誰なの?」
「これが、その男からの花束なの?」
「名前がないじゃないの」
アレクサンドラがカードを取り上げて裏を返した。
「何もないじゃない。本気なのかしら? ちょっと、フィオナ……」
アレクサンドラは、フィオナを睨みつけた。
「あんた、騙されたんじゃないの?」
「騙されるとは?」
「どっかの結婚してる男だったりして。それで、名前を書いて来なかったりして」
は! 既婚者!
見る間にフィオナがしおれていく。
「既婚者は、女あしらいがうまいからねえ」
「お兄様を見ている限り、そんな……」
余計な一言だった。アレクサンドラに怒られた。
「慈善舞踏会って……」
慈善舞踏会は数あれど、伯爵令嬢たるフィオナが参加しそうなものは数が限られてくる。
それは自由参加なので、招待状がなくても参加できるが、かなりの額の寄付が暗黙の了解で求められる会だった。
「ダメよ、フィオナ」
アレクサンドラが宣言した。
「そんなお金はないわ。それに、この花とカードの男が来たところで、あんた、わかんないじゃないの!」
アレクサンドラにしては鋭い指摘で……そしてかなり致命的だった。
いいじゃないか!と、フィオナは決意した。
この恋を土産に修道院へ入ればいいのだ。
修道院だって、一度も恋したことのない女より、悲恋の挙句、入った女の方がきっと尊敬されるに違いない。
すばらしい殿方に恋い焦がれ、叶わぬ恋に身をやつし、失意の身を修道院に……
「ちょっと、お嬢様。どうせ、修道院行きだから、どうでもいいとか思ってらっしゃらないでしょうね?」
いきなりマルゴットに図星を突かれた。
「ふざけないでちょうだい! 修道院行きだって、タダじゃないのよ? みじめーな貧乏ーな修道院行きになるわよ?」
そこは、大伯母の遺産が……と、言い返したいところだが、そんなことを言おうものなら、子どもの養育費に悩むアレクサンドラは何を言いだすかわからない。黙っておこう。
「それより、うんと金持ちに嫁いで、うちを助けてちょうだい」
壁にかかったカレンダーを睨んでいたマルゴットが言いだした。
「慈善舞踏会まではずいぶんと間がごさいます。ここは、夏の社交界が総出で出かけるピアへ参りましょう」
マルゴットが言うと、アレクサンドラが正気かといった目つきでマルゴットを睨んだ。
「マルゴット、あんたは知らないかも知れないけど、夏のピアはめちゃくちゃに高いのよ?!」
マルゴットは返事するのがもったいないと言わんばかりにアレクサンドラの発言を無視した。
アレクサンドラは、この態度に怒ったのか、さらに語気を荒くして詰め寄った。
「身分の高い貴族か、よほどの金持ちでなきゃ行けないのよ? それにそもそも事前の予約が必要よ!」
そう。ピアは王様までがやってくる夏の避暑地である。
開放的な雰囲気に包まれた海辺の街で、風光明媚な上、気候が温暖だった。夏の間は雨も少ない。
ムシムシ暑い首都を離れて、自然の中で過ごすのが最近の流行だった。
しかし、この美しく快適な町はたいして広いわけでもないので、宿泊施設はどこも大入り満員、ホテルもあるが、通は自然に親しめるコテージに住うものとされていた。
町の真ん中には市庁舎と商工会の持ち物であるホールがあり、毎晩のようにどちらかで舞踏会や芝居やパーティが催され、そのほか、ピクニックや昼間のお茶会などもそれぞれ力のある個人が趣向を凝らして開催していた。
つまり、相当にカネのある連中しかいけない、社交界の粋を集めた夏のリゾート。この上なく華やかで、ここに参加することは憧れの的だった。
したがって人気すぎて、コテージやホテルの予約が取れない。取れたにしても、一財産必要だ。
ダーリントン伯爵家など、検討することさえ、あり得なかった。
「何言ってるんだか」
アレキサンドラは、鼻でせせら笑った。
「まさか皿洗いをしに行くとか言うんじゃないでしょうね?」
「一流の方々が参加される会でございます。フィオナ様にはピッタリでごさいましょう」
アレクサンドラは、心配になってきた。どう考えても無理だ。
だが、マルゴットは自信満々だった。
「大歓迎して迎え入れてくださる知人がいます。アレクサンドラ様は、フィオナ様のトランクとスースケースを送ってください。ピアのプールヴァール通りにあるマッキントッシュ夫人のお住まいまで」
こんどこそ、アレクサンドラの眉がキリリと上がった。ピアのプールヴァール通りだって?! とんでもないにもほどがある。
「行けるわけがないでしょう! 一番高いとこじゃないの! 正気?!」
マルゴットがフフンと笑った。
いや、少なくともフィオナにはそう見えた。
「もちろんでございます。参りますとも!」
不本意ながらフィオナの結婚に興味を持ってしまったアレクサンドラと、死力を尽くさねばならない使命のマルゴットだったが、この体たらくには絶句した。
どこへ行ったんだ。男性恐怖症とやらは。
「一体、誰だったの?」
「ええと……」
「自分の名前は教えたけれど、向こうの名前は聞かなかったと……」
「そうですわね……」
「顔も名前もわからないんじゃ、どうしようもないじゃない」
「向こうが探してくれればと……」
「甘い! 何言ってんの!」
不毛である。
しかし、こうなってしまっては、エドワードなんかはどこかへ吹っ飛んでしまいそうだ。
「お嬢様にお花が……」
またエドワードか、と思ったら違っていた。花束は五束ほどもあった。
「夕べの戦果ですか!」
「あらあ! 意外にあるわね。頑張ったのね、フィオナ」
「途中までですけどね」
珍しくマルゴットが皮肉った。昨晩は仮面舞踏会と言う気楽さが功を奏して、大量の男と踊れたのだ。もっと頑張るべきところを、誰だかわからないその男に引っかかって、以後のダンスを打ち止め状態にしてしまったのだ。マルゴット的には失態である。チャンスだったのに、なんてことを。
問題は誰が誰だかわからないことだった。
つまり、せっかくそれだけの数の男と接触できたのに、花束に添えられたカードで送り主の名前はわかっても、顔がわからない状態のままなのだ。
「問題のその誰かさんからの花束かどうかもわからないだなんてねえ」
フィオナは花束をいちいち確認して、その中にあるカードを探していた。一言添えられているので、そこにヒントがあるのではないかと思ったのだ。
『初々しいあなたに乾杯! 昨夜は全くあなたに魅了されました』
これは反応がむずかしい。返事に困る。それと、なにかおっさん臭がする。
『拙宅にて、パーティを開催します。ご都合よろしければ、ご参加いただきたく、謹んでご招待申し上げます』
誰だろう、これは。何かの広告のようだ。マルチ商法や宗教でなければいいんだけど。後でマルゴットに判断してもらおう。どうせ、参加して来いになるだろうけど。
『夕べは面白かったです。次の慈善舞踏会でお目にかかれればと願っております』
「これだわ!」
アレクサンドラとマルゴットがやって来た。
「誰なの?」
「これが、その男からの花束なの?」
「名前がないじゃないの」
アレクサンドラがカードを取り上げて裏を返した。
「何もないじゃない。本気なのかしら? ちょっと、フィオナ……」
アレクサンドラは、フィオナを睨みつけた。
「あんた、騙されたんじゃないの?」
「騙されるとは?」
「どっかの結婚してる男だったりして。それで、名前を書いて来なかったりして」
は! 既婚者!
見る間にフィオナがしおれていく。
「既婚者は、女あしらいがうまいからねえ」
「お兄様を見ている限り、そんな……」
余計な一言だった。アレクサンドラに怒られた。
「慈善舞踏会って……」
慈善舞踏会は数あれど、伯爵令嬢たるフィオナが参加しそうなものは数が限られてくる。
それは自由参加なので、招待状がなくても参加できるが、かなりの額の寄付が暗黙の了解で求められる会だった。
「ダメよ、フィオナ」
アレクサンドラが宣言した。
「そんなお金はないわ。それに、この花とカードの男が来たところで、あんた、わかんないじゃないの!」
アレクサンドラにしては鋭い指摘で……そしてかなり致命的だった。
いいじゃないか!と、フィオナは決意した。
この恋を土産に修道院へ入ればいいのだ。
修道院だって、一度も恋したことのない女より、悲恋の挙句、入った女の方がきっと尊敬されるに違いない。
すばらしい殿方に恋い焦がれ、叶わぬ恋に身をやつし、失意の身を修道院に……
「ちょっと、お嬢様。どうせ、修道院行きだから、どうでもいいとか思ってらっしゃらないでしょうね?」
いきなりマルゴットに図星を突かれた。
「ふざけないでちょうだい! 修道院行きだって、タダじゃないのよ? みじめーな貧乏ーな修道院行きになるわよ?」
そこは、大伯母の遺産が……と、言い返したいところだが、そんなことを言おうものなら、子どもの養育費に悩むアレクサンドラは何を言いだすかわからない。黙っておこう。
「それより、うんと金持ちに嫁いで、うちを助けてちょうだい」
壁にかかったカレンダーを睨んでいたマルゴットが言いだした。
「慈善舞踏会まではずいぶんと間がごさいます。ここは、夏の社交界が総出で出かけるピアへ参りましょう」
マルゴットが言うと、アレクサンドラが正気かといった目つきでマルゴットを睨んだ。
「マルゴット、あんたは知らないかも知れないけど、夏のピアはめちゃくちゃに高いのよ?!」
マルゴットは返事するのがもったいないと言わんばかりにアレクサンドラの発言を無視した。
アレクサンドラは、この態度に怒ったのか、さらに語気を荒くして詰め寄った。
「身分の高い貴族か、よほどの金持ちでなきゃ行けないのよ? それにそもそも事前の予約が必要よ!」
そう。ピアは王様までがやってくる夏の避暑地である。
開放的な雰囲気に包まれた海辺の街で、風光明媚な上、気候が温暖だった。夏の間は雨も少ない。
ムシムシ暑い首都を離れて、自然の中で過ごすのが最近の流行だった。
しかし、この美しく快適な町はたいして広いわけでもないので、宿泊施設はどこも大入り満員、ホテルもあるが、通は自然に親しめるコテージに住うものとされていた。
町の真ん中には市庁舎と商工会の持ち物であるホールがあり、毎晩のようにどちらかで舞踏会や芝居やパーティが催され、そのほか、ピクニックや昼間のお茶会などもそれぞれ力のある個人が趣向を凝らして開催していた。
つまり、相当にカネのある連中しかいけない、社交界の粋を集めた夏のリゾート。この上なく華やかで、ここに参加することは憧れの的だった。
したがって人気すぎて、コテージやホテルの予約が取れない。取れたにしても、一財産必要だ。
ダーリントン伯爵家など、検討することさえ、あり得なかった。
「何言ってるんだか」
アレキサンドラは、鼻でせせら笑った。
「まさか皿洗いをしに行くとか言うんじゃないでしょうね?」
「一流の方々が参加される会でございます。フィオナ様にはピッタリでごさいましょう」
アレクサンドラは、心配になってきた。どう考えても無理だ。
だが、マルゴットは自信満々だった。
「大歓迎して迎え入れてくださる知人がいます。アレクサンドラ様は、フィオナ様のトランクとスースケースを送ってください。ピアのプールヴァール通りにあるマッキントッシュ夫人のお住まいまで」
こんどこそ、アレクサンドラの眉がキリリと上がった。ピアのプールヴァール通りだって?! とんでもないにもほどがある。
「行けるわけがないでしょう! 一番高いとこじゃないの! 正気?!」
マルゴットがフフンと笑った。
いや、少なくともフィオナにはそう見えた。
「もちろんでございます。参りますとも!」
1
お気に入りに追加
639
あなたにおすすめの小説

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

これでお仕舞い~婚約者に捨てられたので、最後のお片付けは自分でしていきます~
ゆきみ山椒
恋愛
婚約者である王子からなされた、一方的な婚約破棄宣言。
それを聞いた侯爵令嬢は、すべてを受け入れる。
戸惑う王子を置いて部屋を辞した彼女は、その足で、王宮に与えられた自室へ向かう。
たくさんの思い出が詰まったものたちを自分の手で「仕舞う」ために――。
※この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
王太子殿下から婚約破棄されたのは冷たい私のせいですか?
ねーさん
恋愛
公爵令嬢であるアリシアは王太子殿下と婚約してから十年、王太子妃教育に勤しんで来た。
なのに王太子殿下は男爵令嬢とイチャイチャ…諫めるアリシアを悪者扱い。「アリシア様は殿下に冷たい」なんて男爵令嬢に言われ、結果、婚約は破棄。
王太子妃になるため自由な時間もなく頑張って来たのに、私は駒じゃありません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる