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第84話 使用人が全員殿下のスパイだった件について
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カールソンは大食堂の大テーブルの真ん中に麗々しく飾られている大輪のバラの花を指した。
「今朝、届きました」
殿下からだろうか。素晴らしいバラだ。部屋中にいい香りが漂っている。
「すばらしい花です。ウチの庭師もこのような大きさ、色のバラなど見たことがないと言っておりました」
殿下、相当奮発したな。
「そして、こちらも今朝届きました」
カールソンは大食堂の壁際の大きな暖炉を指した。私は全然気が付かなかったが、その横に小テーブルが配置され、そこにも大輪の見事な花が、名前は知らんけど、飾られていた。
殿下、奮発しすぎ。
確かに暖炉横の花束の方はむしろありふれている。でも、だからって安そうではない。むしろ、あの凄すぎるバラよりこちらの方が自然で好ましいくらいだ。
「卓上のバラはグレイ様から」
「えっ?」
私は思いもよらない人の名前に驚いた。
「そして暖炉横の花は、ルーカス王子殿下からのものです」
「えーっ?」
それでわかった。
早朝から、使用人一同がキラッキラした目で全員集合している理由が。
「どちらも相当なお値段がする花束。きっとお二方とも本気なのだと思います」
「私もそんな気がします」
私も感想を述べてみた。
なにやら並々ならぬ意欲が伝わってくる。
「気がしますじゃなくて、どっちからも本気感が漂ってきますよね? 自分のことなんですよ? なんとなく他人事みたいな言い方ですよね? 許せません」
なぜかカールソンさんは怒ったらしい。
「えーと、そうですねー」
私は花束を見比べた。どっちも高そう。
「庭師に値踏みさせました」
「庭師ではなくて、花屋に値踏みさせた方が……」
「庭師に親しい花屋を呼びにいかせて、値踏みしました。うちの花を売りに出しているので」
「で?」
そんな事情は知らなかったわ。とりあえず私は結果を聞くことにした。
「こちらのバラは金六十枚、あちらの花は金五枚ほどの価値があるそうで」
家中の者全員が沈黙した。
金六十枚? ヤバくない?それ。なんか冷や汗が出てきた。
別にお金で物事を測るわけではないが、プレゼントする花にしては破格の高額ではないだろうか。ちょっと怖い。
「でも、殿下の場合、お城の花壇の花を庭師に切らせて作らせたのなら、買ったわけではないので、ただかも知れないと」
ほおおおーっと、使用人一同からため息が出た。
私も少し安心した。タダか。
「じゃあ、問題はグレイ様だけね」
私は物をもらったままなのが嫌いなのだ。お返しをしないといけないが、殿下の花がタダなら、殿下のことはそんなに気にしなくていいだろう。でも、グレイ様の方はそうはいかない。お返しは命のポーションの小ビンでいいかと思っていたが、中ビンにしとくか。
だが、使用人達がザワザワし始めた。
「問題はグレイ様だけって、グレイ様だけを選考対象になさるおつもりなんだろうか」
「花束戦争で後れを取るだなんて……。ルーカス殿下、おいたわしや」
何言っているんだろう?
「あの、ちょっと、私どもの意見もお聞きくださいませんでしょうか?」
庭師が手を上げた。
「庭師風情が、と言いたいところだが、発言を許す」
カールソンさんが許可した。
「発言を許すのは、私の役目じゃないの?」
私は突っ込んだが、カールソンさんは、身を屈めて嘆願してきた。
「庭師の意見も、貴重だと存じます。ぜひ、お聞きくださいませ」
なぜ、ここで庭師の意見が貴重なのか。私は黙ったけれど、眉をしかめた。意味が分からない。
見事な脳天ハゲの庭師が片膝をついて頭を下げた。
「お嬢様、お嬢様は私どものような使用人の言葉など聞く必要はないとお考えだと思います」
そりゃそうだろう。
「それで?」
「私どもは、私どもは、力一杯殿下を推奨させていただきたい!」
それかよ。
「それは、その、本当に本人の自由なのでは?」
いっくらなんでも、行き届き過ぎだと思うわ。
「しかしっ……殿下は、いい方でいらっしゃいます!」
庭師は必死に声を張った。
「でも、あなた方、殿下のことはあんまり知らないのじゃないの?」
「数々のご活躍を聞いております。受勲もなさり、それこそお金にもならない悪獣退治に率先して参加されたとか。誠に貴族の鑑」
いや、それは、私もだけど。
「私どもは、殿下がお声掛けくださり、厳しい選考試験を突破してこちらのお屋敷にご奉公できるようになりました」
「メイフィールド夫人は殿下の乳母殿の娘で……」
「こちらの侍女たちは、その縁者」
「御者は元殿下の厩番を務めておりました」
「殿下のことは、お小さい頃からよく存じ上げております」
全員が口々に自己紹介を始めた。
「え……」
私は、ちょっと思い出したことがあった。
セス様との婚約のいきさつである。
セス様と婚約すれば、セス様は執事職から解放されるはず。なぜなら、焦った殿下が後任の執事とよい侍女探しに血眼になるはずだからと。
だが、あれから、殿下からはなんの音沙汰もなく、表向きはおばあさまの紹介と言う触れ込みで、この使用人一同はやってきた。
すっかり信じてたけど、よく考えたら、あの無精を絵に描いたようなおばあさまが、使用人の世話なんかするはずなかった。
それくらいなら、最初からつけてくれてたはずだ。
つまり、これは全て殿下の仕業……
今度は執事見習いが頭を下げて、話し始めた。
「皆々、殿下の一見いかにも無愛想で、女性に冷たく、口説き文句の一つもうまくは言えない性格をよっく存じ上げております。一方でグレイ様はイケメンで有名な上、大層な口上手とか。まったく勝負にもならないと存じます」
一体、誰の話をしているのよ。
あなた方、殿下をなめてるわね。殿下はそれはもうしゃべるのよ? 美人だとか好きだくらいしかセリフはないけど、言うだけは言うのよ?
「誰を選ぶかなんて、私の自由でしょう。それは譲れないわ」
「お嬢様あ」
「あなたたち、忘れてることがあるわ! 給料を払っているのは私のはずよ!」
「当座は殿下が払っておられました。最初のゴタゴタの時だけですが」
カールソンさんが言った。
「殿下をお選びにならなくても、少なくとも、グレイ様だけは、おやめくださいませ。噂によると、後ろ暗いところがあるようでございます」
「まあ、金貨六十枚もかかる花束をポンッと送ってくるだなんて、おかしいわよね」
私はカールソンさんに言った。
カールソンさん以下、使用人一同は、はああっと息を吐いた。
安心したのかと思ったが、まだもじもじしている。ほかにも何かあるらしい。
「実は手紙が来ておりまして」
「グレイ様から?」
「はい、さようで。お読みになりますか?」
さては隠していたのか。
「もちろん」
さすがに封は切っていなかった。
このでしゃばりっぷりでは、やりかねないと思っていたが。
使用人一同が、固唾をのんで見守る中、手紙全文を読んで、私はニヤリとした。
「度胸があるわね」
なんとグレイ様は会見を申し込んできたのである。しかも場所は、最新流行のドレスメーカーと最高のレストランだという。
「バレていないとでも思っているのかしら? おもしろいわ。受けてたちます! 覚悟するといいわ! グレイ様」
私は、堂々と宣言した。
「あの……決闘の申し込みかなんかですか?」
カールソンさんが、おずおずと心配そうに聞いた。
「そんな感じよ。会見を申し込んできたのよ! どんな言い訳をするつもりか、聞いてあげるわ!」
「殿下にお任せになられてはいかがですか?」
何ですって? 私を何だと思っているのかしら。
「自分のことは自分でするわ」
場所は、ドレスメーカーとレストラン。ちょっと変な場所の選定だけど、人目がある分、安全だわ。
そう言うと、メイフィールド夫人とカールソンさん、侍女と庭師連中までが深いため息をついた。
「お嬢様。それは、弁明のためではありません。敵は完全にデートのお誘い気分です」
「今朝、届きました」
殿下からだろうか。素晴らしいバラだ。部屋中にいい香りが漂っている。
「すばらしい花です。ウチの庭師もこのような大きさ、色のバラなど見たことがないと言っておりました」
殿下、相当奮発したな。
「そして、こちらも今朝届きました」
カールソンは大食堂の壁際の大きな暖炉を指した。私は全然気が付かなかったが、その横に小テーブルが配置され、そこにも大輪の見事な花が、名前は知らんけど、飾られていた。
殿下、奮発しすぎ。
確かに暖炉横の花束の方はむしろありふれている。でも、だからって安そうではない。むしろ、あの凄すぎるバラよりこちらの方が自然で好ましいくらいだ。
「卓上のバラはグレイ様から」
「えっ?」
私は思いもよらない人の名前に驚いた。
「そして暖炉横の花は、ルーカス王子殿下からのものです」
「えーっ?」
それでわかった。
早朝から、使用人一同がキラッキラした目で全員集合している理由が。
「どちらも相当なお値段がする花束。きっとお二方とも本気なのだと思います」
「私もそんな気がします」
私も感想を述べてみた。
なにやら並々ならぬ意欲が伝わってくる。
「気がしますじゃなくて、どっちからも本気感が漂ってきますよね? 自分のことなんですよ? なんとなく他人事みたいな言い方ですよね? 許せません」
なぜかカールソンさんは怒ったらしい。
「えーと、そうですねー」
私は花束を見比べた。どっちも高そう。
「庭師に値踏みさせました」
「庭師ではなくて、花屋に値踏みさせた方が……」
「庭師に親しい花屋を呼びにいかせて、値踏みしました。うちの花を売りに出しているので」
「で?」
そんな事情は知らなかったわ。とりあえず私は結果を聞くことにした。
「こちらのバラは金六十枚、あちらの花は金五枚ほどの価値があるそうで」
家中の者全員が沈黙した。
金六十枚? ヤバくない?それ。なんか冷や汗が出てきた。
別にお金で物事を測るわけではないが、プレゼントする花にしては破格の高額ではないだろうか。ちょっと怖い。
「でも、殿下の場合、お城の花壇の花を庭師に切らせて作らせたのなら、買ったわけではないので、ただかも知れないと」
ほおおおーっと、使用人一同からため息が出た。
私も少し安心した。タダか。
「じゃあ、問題はグレイ様だけね」
私は物をもらったままなのが嫌いなのだ。お返しをしないといけないが、殿下の花がタダなら、殿下のことはそんなに気にしなくていいだろう。でも、グレイ様の方はそうはいかない。お返しは命のポーションの小ビンでいいかと思っていたが、中ビンにしとくか。
だが、使用人達がザワザワし始めた。
「問題はグレイ様だけって、グレイ様だけを選考対象になさるおつもりなんだろうか」
「花束戦争で後れを取るだなんて……。ルーカス殿下、おいたわしや」
何言っているんだろう?
「あの、ちょっと、私どもの意見もお聞きくださいませんでしょうか?」
庭師が手を上げた。
「庭師風情が、と言いたいところだが、発言を許す」
カールソンさんが許可した。
「発言を許すのは、私の役目じゃないの?」
私は突っ込んだが、カールソンさんは、身を屈めて嘆願してきた。
「庭師の意見も、貴重だと存じます。ぜひ、お聞きくださいませ」
なぜ、ここで庭師の意見が貴重なのか。私は黙ったけれど、眉をしかめた。意味が分からない。
見事な脳天ハゲの庭師が片膝をついて頭を下げた。
「お嬢様、お嬢様は私どものような使用人の言葉など聞く必要はないとお考えだと思います」
そりゃそうだろう。
「それで?」
「私どもは、私どもは、力一杯殿下を推奨させていただきたい!」
それかよ。
「それは、その、本当に本人の自由なのでは?」
いっくらなんでも、行き届き過ぎだと思うわ。
「しかしっ……殿下は、いい方でいらっしゃいます!」
庭師は必死に声を張った。
「でも、あなた方、殿下のことはあんまり知らないのじゃないの?」
「数々のご活躍を聞いております。受勲もなさり、それこそお金にもならない悪獣退治に率先して参加されたとか。誠に貴族の鑑」
いや、それは、私もだけど。
「私どもは、殿下がお声掛けくださり、厳しい選考試験を突破してこちらのお屋敷にご奉公できるようになりました」
「メイフィールド夫人は殿下の乳母殿の娘で……」
「こちらの侍女たちは、その縁者」
「御者は元殿下の厩番を務めておりました」
「殿下のことは、お小さい頃からよく存じ上げております」
全員が口々に自己紹介を始めた。
「え……」
私は、ちょっと思い出したことがあった。
セス様との婚約のいきさつである。
セス様と婚約すれば、セス様は執事職から解放されるはず。なぜなら、焦った殿下が後任の執事とよい侍女探しに血眼になるはずだからと。
だが、あれから、殿下からはなんの音沙汰もなく、表向きはおばあさまの紹介と言う触れ込みで、この使用人一同はやってきた。
すっかり信じてたけど、よく考えたら、あの無精を絵に描いたようなおばあさまが、使用人の世話なんかするはずなかった。
それくらいなら、最初からつけてくれてたはずだ。
つまり、これは全て殿下の仕業……
今度は執事見習いが頭を下げて、話し始めた。
「皆々、殿下の一見いかにも無愛想で、女性に冷たく、口説き文句の一つもうまくは言えない性格をよっく存じ上げております。一方でグレイ様はイケメンで有名な上、大層な口上手とか。まったく勝負にもならないと存じます」
一体、誰の話をしているのよ。
あなた方、殿下をなめてるわね。殿下はそれはもうしゃべるのよ? 美人だとか好きだくらいしかセリフはないけど、言うだけは言うのよ?
「誰を選ぶかなんて、私の自由でしょう。それは譲れないわ」
「お嬢様あ」
「あなたたち、忘れてることがあるわ! 給料を払っているのは私のはずよ!」
「当座は殿下が払っておられました。最初のゴタゴタの時だけですが」
カールソンさんが言った。
「殿下をお選びにならなくても、少なくとも、グレイ様だけは、おやめくださいませ。噂によると、後ろ暗いところがあるようでございます」
「まあ、金貨六十枚もかかる花束をポンッと送ってくるだなんて、おかしいわよね」
私はカールソンさんに言った。
カールソンさん以下、使用人一同は、はああっと息を吐いた。
安心したのかと思ったが、まだもじもじしている。ほかにも何かあるらしい。
「実は手紙が来ておりまして」
「グレイ様から?」
「はい、さようで。お読みになりますか?」
さては隠していたのか。
「もちろん」
さすがに封は切っていなかった。
このでしゃばりっぷりでは、やりかねないと思っていたが。
使用人一同が、固唾をのんで見守る中、手紙全文を読んで、私はニヤリとした。
「度胸があるわね」
なんとグレイ様は会見を申し込んできたのである。しかも場所は、最新流行のドレスメーカーと最高のレストランだという。
「バレていないとでも思っているのかしら? おもしろいわ。受けてたちます! 覚悟するといいわ! グレイ様」
私は、堂々と宣言した。
「あの……決闘の申し込みかなんかですか?」
カールソンさんが、おずおずと心配そうに聞いた。
「そんな感じよ。会見を申し込んできたのよ! どんな言い訳をするつもりか、聞いてあげるわ!」
「殿下にお任せになられてはいかがですか?」
何ですって? 私を何だと思っているのかしら。
「自分のことは自分でするわ」
場所は、ドレスメーカーとレストラン。ちょっと変な場所の選定だけど、人目がある分、安全だわ。
そう言うと、メイフィールド夫人とカールソンさん、侍女と庭師連中までが深いため息をついた。
「お嬢様。それは、弁明のためではありません。敵は完全にデートのお誘い気分です」
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