50 / 97
第50話 アルバイト開始
しおりを挟む
まさかの平民生活、第二章の開始である。
なぜ、こうなったのだろう。
「家はあるのか?」
見た目の割に人がいい巨漢コックが聞いてきた。
「あります! 亡くなった親族が古家を残してくれているので!」
「心配だな。女の子の一人暮らしなんて」
大丈夫です! 夜には王都に戻ります!
……言えない。説明、しづらい。
「この家は狭くてメアリと一緒に寝てもらうしかないが」
「と、とんでもない! 男の子の格好ですし」
「メアリにすぐ見破られてたじゃないか」
「善処します!」
とりあえず、なにがなんでも無理矢理お断りした。
いくら夏休み中とはいえ、寮にもたまには顔を出しておかないと、山羊髭の反応が心配だ。
あとはバスター君とカールソン氏が、どうなったのかも気になる。
バスター君、お家に了解してもらえたかな?
代わりに大魔術師を派遣できるのだから、彼の役割は重大だと思うんだけど。
翌朝、モンフォール街十八番地で熟眠して、学校の食堂から泥棒魔法を行使しようとして初めて気付いた。
学校の食堂、閉まってる!
仕方がないので備蓄しておいた食料を食べた。
今まで好き放題に食べていたので、こたえるな。カサカサのパンを齧りながら思った。
モンフォール街には魔術の本もあった。主に戦闘系なので、これまで手を出さなかったのだが、現在進行形で悪獣との戦い真っ最中だ。読まなくてはいけない。
「手に……力を込めて……?」
型とか、力の込め方とか、書いてあったが、すぐわからなくなった。
うんうん言って力を込めたのに、指先からは白い煙が立ち上っただけだった。
「何だろう、これ……」
殿下もセス様も、人間、向き不向きがあると言っていた。
これは、戦闘系が向いてないってことなんだろうな。
「いいもん。私にはポーションがあるもの」
一升瓶を抱きしめた姿はまるで酔っぱらいだけど、命のポーションはすごく貴重なものだ、多分。
私は戦闘系の学習はやめて、早めに例の翼亭に出勤することにした。翼亭と言うのは、メアリ・ロザモンド嬢の店の名前だ。
お仕事してくれたら、毎晩小銀貨を三枚くれるって。
「あと、夕飯を食ってっていいぞ」
巨漢コックは気前が良かった。
「わあ。ありがとうございます!」
温かいものが食べられる。嬉しい!
そんなわけで、私はお腹を空かせて出勤した。
「おはようございまーす」
「おはよう。ポーシャ」
私は料理はできない。だけど、給仕はできる。
皿を配り、皿を回収し、皿を洗い、ビールを注いで、ワインを注いで、グラスを洗い、同時に床を掃除した。テーブルはいつもピカピカである。
むろん、ズルをした。
生活魔法を使うに決まってるじゃない。
「ポーシャちゃん、ビールお代わり!」
「肉の串刺し、あと十本! 特急で!」
女性を見ると、なんとなく手を出したくなる男は、世の中、枚挙に暇がない。
どんなブスでも、酔っ払いには関係ないらしいが、ちょっとポーションを混ぜてやれば、妻が恋しくなったり、帰巣本能が働いたりする。ポーションって便利よね。
おかげで意味もなく長居する客が少なくなり、回転率が良くなって、巨漢のコックに大感謝された。
「メアリより、よっぽど役に立つ! ずっと働いて欲しい!」
彼はピカピカの厨房を見ながら言った。
「素晴らしい! 騒ぎも起きないし、おまけに売り上げが!」
そう。ポーシャさんは、仕事が早い。客も待たされることなんかない。どんどん注文が取れる。
その分、コックは重労働になったが、そこはポーシャ様。
鍋も釜も、コックが洗う必要なんかない。使い終わった後、すぐにピカピカに磨かれて使える状態で、コックを待っている。
ポーシャさんは、ブスでも、働き者で気立てがいいという評判をとり、常連たちから大人気になったのだった。
「でも、あの娘は、婚約者を追って来たらしいんだ」
巨漢のコックが、体格にふさわしい大声で、人の秘密を喋っていた。
本人は小声のつもりというのが救えない。
「「「ほう!」」」
驚いたような、ちょっとがっかりしたような声がハモる。
「探している婚約者の名前は、ルロード・セバスチャン・マルクだそうだ。探しやってくれよ」
店主はいい人だ。婚約者が見つかったら、辞めちゃうだろうに。
「見つかりさえすれば、ここでずっと働いてもらえると思うんだ」
その発想はなかった……違うと思う。
でも、お客もみんないい人たちばかりだった。
「そうか。一途なんだな。だけど、知らない名前だなあ。ルロード・セバスチャン・マルクって言うのか。誰かに会ったら、聞いといてやるよ。気の毒にな」
「俺も聞いておいてやるぜ。ルロード・セバスチャン・マルクだな?」
みんなが、ルロード・セバスチャン・マルクと言う名前を連呼して、一生懸命覚えようとしてくれた。
ふっ…… 正体を隠して好き放題やっているのね、セス様。
冥界の王としての名乗りに、自分の平凡極まりない本名をミックスされた時のお気持ちはどんなかしら?
おかげさまで、早くも三日後には、有力情報を知っていると言う男がやってきた。
ものすごく不機嫌そうで、銀の飾りを派手に使った黒ビロードのマスク越しにさえ、眉間の深いシワが目についた。
眼帯よりはるかにグレードアップしていた。
横では、赤錆色の頭をした青年と、メアリが平伏していた。
「お、恐れ多くも、漆黒の闇の帝王、冥界を司る大魔術師様が、このような店にご降臨遊ばされた」
なんか呼び名が増えてる。
「ポーシャ殿の気の毒な身の上に同情してくださったのだ。そして、そのドラクルロード・セバスチャン・マルクとやらの所在を教えてくださるそうなのだ」
ドラクルロード? 悪魔の王?みたいな名乗りだったのか。ルロードは短縮形?
そして正体ではなくて、所在か。あくまでも、漆黒の闇の帝王、冥界を司る大魔術師様とドラクルロード・セバスチャン・マルク氏は別人と言う設定なのね。
セス様が無言のまま立ち上がった。
「ポーシャ殿、付いてゆくがよい。帝王があなたを導いてくださる」
多分、この男がルイなのね。でも、もうすぐ店が始まってしまうんだけど。
「憂うな。ここは俺たちに任せて、行け!」
使うセリフのシチュエーションが間違っていると思うんだけど。
でも、言えて満足そう。
なぜ、こうなったのだろう。
「家はあるのか?」
見た目の割に人がいい巨漢コックが聞いてきた。
「あります! 亡くなった親族が古家を残してくれているので!」
「心配だな。女の子の一人暮らしなんて」
大丈夫です! 夜には王都に戻ります!
……言えない。説明、しづらい。
「この家は狭くてメアリと一緒に寝てもらうしかないが」
「と、とんでもない! 男の子の格好ですし」
「メアリにすぐ見破られてたじゃないか」
「善処します!」
とりあえず、なにがなんでも無理矢理お断りした。
いくら夏休み中とはいえ、寮にもたまには顔を出しておかないと、山羊髭の反応が心配だ。
あとはバスター君とカールソン氏が、どうなったのかも気になる。
バスター君、お家に了解してもらえたかな?
代わりに大魔術師を派遣できるのだから、彼の役割は重大だと思うんだけど。
翌朝、モンフォール街十八番地で熟眠して、学校の食堂から泥棒魔法を行使しようとして初めて気付いた。
学校の食堂、閉まってる!
仕方がないので備蓄しておいた食料を食べた。
今まで好き放題に食べていたので、こたえるな。カサカサのパンを齧りながら思った。
モンフォール街には魔術の本もあった。主に戦闘系なので、これまで手を出さなかったのだが、現在進行形で悪獣との戦い真っ最中だ。読まなくてはいけない。
「手に……力を込めて……?」
型とか、力の込め方とか、書いてあったが、すぐわからなくなった。
うんうん言って力を込めたのに、指先からは白い煙が立ち上っただけだった。
「何だろう、これ……」
殿下もセス様も、人間、向き不向きがあると言っていた。
これは、戦闘系が向いてないってことなんだろうな。
「いいもん。私にはポーションがあるもの」
一升瓶を抱きしめた姿はまるで酔っぱらいだけど、命のポーションはすごく貴重なものだ、多分。
私は戦闘系の学習はやめて、早めに例の翼亭に出勤することにした。翼亭と言うのは、メアリ・ロザモンド嬢の店の名前だ。
お仕事してくれたら、毎晩小銀貨を三枚くれるって。
「あと、夕飯を食ってっていいぞ」
巨漢コックは気前が良かった。
「わあ。ありがとうございます!」
温かいものが食べられる。嬉しい!
そんなわけで、私はお腹を空かせて出勤した。
「おはようございまーす」
「おはよう。ポーシャ」
私は料理はできない。だけど、給仕はできる。
皿を配り、皿を回収し、皿を洗い、ビールを注いで、ワインを注いで、グラスを洗い、同時に床を掃除した。テーブルはいつもピカピカである。
むろん、ズルをした。
生活魔法を使うに決まってるじゃない。
「ポーシャちゃん、ビールお代わり!」
「肉の串刺し、あと十本! 特急で!」
女性を見ると、なんとなく手を出したくなる男は、世の中、枚挙に暇がない。
どんなブスでも、酔っ払いには関係ないらしいが、ちょっとポーションを混ぜてやれば、妻が恋しくなったり、帰巣本能が働いたりする。ポーションって便利よね。
おかげで意味もなく長居する客が少なくなり、回転率が良くなって、巨漢のコックに大感謝された。
「メアリより、よっぽど役に立つ! ずっと働いて欲しい!」
彼はピカピカの厨房を見ながら言った。
「素晴らしい! 騒ぎも起きないし、おまけに売り上げが!」
そう。ポーシャさんは、仕事が早い。客も待たされることなんかない。どんどん注文が取れる。
その分、コックは重労働になったが、そこはポーシャ様。
鍋も釜も、コックが洗う必要なんかない。使い終わった後、すぐにピカピカに磨かれて使える状態で、コックを待っている。
ポーシャさんは、ブスでも、働き者で気立てがいいという評判をとり、常連たちから大人気になったのだった。
「でも、あの娘は、婚約者を追って来たらしいんだ」
巨漢のコックが、体格にふさわしい大声で、人の秘密を喋っていた。
本人は小声のつもりというのが救えない。
「「「ほう!」」」
驚いたような、ちょっとがっかりしたような声がハモる。
「探している婚約者の名前は、ルロード・セバスチャン・マルクだそうだ。探しやってくれよ」
店主はいい人だ。婚約者が見つかったら、辞めちゃうだろうに。
「見つかりさえすれば、ここでずっと働いてもらえると思うんだ」
その発想はなかった……違うと思う。
でも、お客もみんないい人たちばかりだった。
「そうか。一途なんだな。だけど、知らない名前だなあ。ルロード・セバスチャン・マルクって言うのか。誰かに会ったら、聞いといてやるよ。気の毒にな」
「俺も聞いておいてやるぜ。ルロード・セバスチャン・マルクだな?」
みんなが、ルロード・セバスチャン・マルクと言う名前を連呼して、一生懸命覚えようとしてくれた。
ふっ…… 正体を隠して好き放題やっているのね、セス様。
冥界の王としての名乗りに、自分の平凡極まりない本名をミックスされた時のお気持ちはどんなかしら?
おかげさまで、早くも三日後には、有力情報を知っていると言う男がやってきた。
ものすごく不機嫌そうで、銀の飾りを派手に使った黒ビロードのマスク越しにさえ、眉間の深いシワが目についた。
眼帯よりはるかにグレードアップしていた。
横では、赤錆色の頭をした青年と、メアリが平伏していた。
「お、恐れ多くも、漆黒の闇の帝王、冥界を司る大魔術師様が、このような店にご降臨遊ばされた」
なんか呼び名が増えてる。
「ポーシャ殿の気の毒な身の上に同情してくださったのだ。そして、そのドラクルロード・セバスチャン・マルクとやらの所在を教えてくださるそうなのだ」
ドラクルロード? 悪魔の王?みたいな名乗りだったのか。ルロードは短縮形?
そして正体ではなくて、所在か。あくまでも、漆黒の闇の帝王、冥界を司る大魔術師様とドラクルロード・セバスチャン・マルク氏は別人と言う設定なのね。
セス様が無言のまま立ち上がった。
「ポーシャ殿、付いてゆくがよい。帝王があなたを導いてくださる」
多分、この男がルイなのね。でも、もうすぐ店が始まってしまうんだけど。
「憂うな。ここは俺たちに任せて、行け!」
使うセリフのシチュエーションが間違っていると思うんだけど。
でも、言えて満足そう。
14
お気に入りに追加
1,764
あなたにおすすめの小説
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
推して参る!~お友達の乙女を宰相の息子に推してたら、なぜか私が王子から求婚された~
ねお
恋愛
公爵令嬢アテナ・フォンシュタインは人の恋路のお節介を焼くのが大好き。
そんなアテナは、友人の伯爵令嬢ローラ・リンベルグが宰相の息子であるレオン・レイルシュタット公爵令息に片思いをしていることを聞き出すと、即座に2人をくっつけようと動き出す。
だが、レオンとローラをくっつけるためには、レオンと常に一緒にいるイケメン王子ランド・ヴァリアスが邪魔だった。
一方、ランドは、ローラをレオンの恋人にするために懸命に動くアテナに徐々に惹かれていってしまう。
そして、そんな王子の様子に気づかないアテナは、レオンとローラを2人きりにするために、自分を囮にした王子引き付け作戦を展開するのだった。
そんなアテナもランドのことを・・・。
クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜
アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。
そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。
とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。
主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────?
「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」
「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」
これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します
天宮有
恋愛
私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。
その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。
シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。
その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。
それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。
私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。
【完結】「聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした」
まほりろ
恋愛
聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。
だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗
り換えた。
「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」
聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。
そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。
「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿しています。
※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。
※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。
※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。
※二章はアルファポリス先行投稿です!
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます!
※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17
※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる