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第31話 女中服の公爵令嬢
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翌朝、私はいつものように、コーヒーとトーストを取り寄せたが、いまいち食欲がなかった。
鏡の中には、私の茶色の髪と焦茶の目とは、全然ちがう姿形の令嬢が映っている。
彼女は、優雅な仕草で物憂げにため息をついた。
何をしても優雅で上品に見えてしまう……
これまで、殿下がくれた魔法の鏡は全部裏を向けておいたのだが、今ではそんなことしても何の意味もない。どの鏡も同じ人を写している。
とっても美人だ。美人すぎる。それが灰色のボロボロな女中服を着ている。
ちぐはぐ。ものすごく似合わない。
教室に入ると、全員がびっくりまなこで私を見つめた。
もう、どうしたらいいかわからない。
これまでと全然違って、話しかけたそうな雰囲気をひしひしと感じたが、今まで一度も話しかけてこなかったのは彼らの方だ。平民だからと言う理由で。
だから、今回はそれを利用させてもらわないと。話しかけたそうだけど、今日は、私の方がしゃべりたくないのだ。
私もどうしていいかわからない。
山羊先生の授業もあった。先生は落ち着かなげで、しきりと自慢の山羊髭を撫でながら時折チラチラと視線を投げてきていたが、私は一瞬たりとも顔を上げなかった。目線が会うことはなかった。
寮に戻るとアンナさんが待ち構えていた。
彼女は口元に微笑みを浮かべながら、お風呂と洗濯をどうしましょうかと話しかけてきた。
「あなたに、自分でやってくれと言われましたので」
私は冷たく答えた。
「そんなこと言ってませんわ。洗濯物はこちらに回していただけたら……」
そう言いながら、私の安物の灰色の服を見ていた。こんなものを洗うのは嫌だなと言う目つき。
「言われたことを忘れたわけではありません。私のことを下層階級の者と言ったことも忘れていません」
アンナさんは青くなった。
「それに、私にこき使われたそうですね? あなたは」
アンナさんは、一二歩後退ると、そのまま走って逃げていった。
殿下が、私が平民のままで居たら、他のみんなの秩序を乱すのだと言っていたことを思い出した。
うん。
理解したぞ。
私が、このままではダメなんだろう。
私は自分の部屋に帰って必死で考えた。
誰かに相談したい。でも、相談できる人がいない。友達がいない。
アデル嬢やクラスの令嬢方は友達と言えるかどうかよくわからなかったし、バスター君は友達だろうけど、こんな高位貴族の魔法絡みの話は困ってしまうだろう。
殿下は……ダメだ。婚約者だとか言っている。自分の都合のことしか考えていない。
おばあさまは……残念ながら、完全にアウトだ。もちろん、おばあさまのことは愛している。大好きだ。だけど、同時におばあさまがどうしてあんなにもおばあさまだったのか、理由もわかって来た。
完全なる王侯貴族。殿下も一緒だ。
平民でありながら、貴族みたいな人。例えば……セス様だ。
そうだ! セス様がいた。
アランソン公爵領の管理を押し付けられて、忙しいだろうなあと思ったが、私も手伝えばいいのだ。世の中、猫の手も借りたいとか言うではないか。猫よりマシだろう。
しかし、私は頭を抱えた。連絡方法がわからない。
その時、私はいつだったか殿下が小鳥を使って連絡してきたことを思い出した。
アレだ。
私は魔法を知らなさすぎる。
せっかく公爵令嬢になったのだ。利用しない手はないではないか。
ちょっと前向きになれた。
まず魔法の全科目を申し込む。
魔力検査なら、受けて立とう。もう誰も、どこかの貴族の第二夫人になどと言わないだろう。
「よし! 戦うんだ」
とは言え、セス様と相談はしたいので、連絡を取るためにお使いの小鳥便は使いたい。文字通り便(フン)でお知らせしてくれる、乙女には少し使いにくい仕様だが、この際、贅沢は言えない。
あの殿下を篭絡して小鳥を貸してもらうくらい簡単だ。
何しろ、やつは婚約者だとかめんどくさいことを名乗っている。それなら、要は使ってやればいいだけだろ。
「グフフ」
私は令嬢らしからぬ笑いを漏らした。
鏡の中では、はかなげな容姿の美少女が、不気味な感じにグフグフ含み笑いしていた。
やっぱり鏡は裏を向けておいた方がいいようだ。
それはさておき、私は、もの言いたげに接触を図って来る殿下を校内でつかまえた。割と簡単だった。
殿下はあれ以来、魔法の絨毯を使って来ない。
どうやらおばあさまに封印されてしまったらしい。
「伝令の小鳥を貸して欲しいんだけど」
殿下は、ここ数日、私に避けられて、思うように話が出来ないので、ストレスをため込んでいるらしかった。
だが、話の内容が思っていたのとは全然違っていたので、ちょっとびっくりしたらしかった。
「何に使うの?」
「もちろん、連絡を取るのに」
「誰と?」
危ないところで気がついた。セス様と連絡を取りたいとか言ったら、何をどう曲解するかわからない。
殿下は割とめんどくさい性癖の持ち主だ。なぜかはわからないけど。結構付き合いが長くなってきたので、殿下が思いつきそうなことは見当がつく。
「ええと、おばあさまと」
おばあさまはセス様のことを一番弟子だと言ってたから、連絡方法くらい知っているだろう。
「これまで、連絡を取る方法はなかったの?」
それはなかった。そして、殿下は驚いていたが、よく考えたら驚く殿下の方が当たり前だった。
「なかった」
殿下は私をじろじろ見まわした。
「公爵令嬢なのに、どうして未だにその格好なの?」
「え? だって、他に服がないから」
殿下はがっくりと肩を落とした。
「いってくれれば、君の服はいっぱいあるのに」
なんで? と思ったが、そう言えば、一度強制的に、デートに付き合わされたことがあった。あの時、服の発注をかけていたな。
それで思い出したけれど、アデル嬢から支払いをまだ受けていなかった。
「身なりくらいどうにかしたらいいのに。アランソン公爵令嬢がその灰色の平民丸出しの服はどうかと思う。それしか持っていないのか」
これだよ、これ。平民なら、平民らしく。貴族なら貴族らしくって、どうしてそんなことにこだわるかな?
「この服しかない」
殿下は大げさにため息をついた。
「お金が無いのだから仕方ないでしょう」
私は不満そうに言った。おばあさまはお金なんかくれなかったし。
殿下は、また、はああッとため息をついた。
「確かに、ベリー公爵夫人が金銭のことなんか考えるはずがないな。本来、執事の仕事だし。普通当主か当主夫人がそこまで気を遣うかと言えば、あり得ないな。特に公爵家なんかの場合は」
でも、アランソン家の場合、その執事が例のジョン・スターリンだったのだ。
彼は今、アランソン公爵令嬢毒殺の疑いで、投獄されている。未遂だけど。
従って、スターリンは何もできないし、してもらってたら困る。
「本来セスがしなくてはいけないわけだ。だが、彼はそこまで気が回らないだろうから、言わなければならない、そう言う訳か」
目的は違うけど、結果は同じ気がするので私はうなずいた。
私はセス様に悩みを聞いて欲しかったんだけど、殿下はドレスを作るためのお小遣いの要求のためにセス様に連絡を取りたがっていると思っている。
「正直、君の必要経費くらいなら僕の財布から出せるけど……」
「お断わりします」
「そうだよね。アランソン公爵令嬢ともあろう方がそんなお金を人に借りるわけがない」
いやに物分かりがいいな。
「わかった。代わりに僕からセスに、君へ連絡を取るよう言っておこう。どうしたってお金はいるからね」
「ありがとうございます。ルーカス殿下」
殿下はそんなことで帰してくれるような人ではなかった。サッと出口の方に回り込むと頼むように言いだした。
「昼食を一緒にしないか? 朝食の方は君のおばあさまに禁止されてしまったので」
私は微笑んだ。
「もう、婚約者でもないし、偽アランソン公爵もアランソン姉妹もいなくなりました。溺愛劇場をする必要もありませんわ。そんな演出は要らないと思います」
鏡の中には、私の茶色の髪と焦茶の目とは、全然ちがう姿形の令嬢が映っている。
彼女は、優雅な仕草で物憂げにため息をついた。
何をしても優雅で上品に見えてしまう……
これまで、殿下がくれた魔法の鏡は全部裏を向けておいたのだが、今ではそんなことしても何の意味もない。どの鏡も同じ人を写している。
とっても美人だ。美人すぎる。それが灰色のボロボロな女中服を着ている。
ちぐはぐ。ものすごく似合わない。
教室に入ると、全員がびっくりまなこで私を見つめた。
もう、どうしたらいいかわからない。
これまでと全然違って、話しかけたそうな雰囲気をひしひしと感じたが、今まで一度も話しかけてこなかったのは彼らの方だ。平民だからと言う理由で。
だから、今回はそれを利用させてもらわないと。話しかけたそうだけど、今日は、私の方がしゃべりたくないのだ。
私もどうしていいかわからない。
山羊先生の授業もあった。先生は落ち着かなげで、しきりと自慢の山羊髭を撫でながら時折チラチラと視線を投げてきていたが、私は一瞬たりとも顔を上げなかった。目線が会うことはなかった。
寮に戻るとアンナさんが待ち構えていた。
彼女は口元に微笑みを浮かべながら、お風呂と洗濯をどうしましょうかと話しかけてきた。
「あなたに、自分でやってくれと言われましたので」
私は冷たく答えた。
「そんなこと言ってませんわ。洗濯物はこちらに回していただけたら……」
そう言いながら、私の安物の灰色の服を見ていた。こんなものを洗うのは嫌だなと言う目つき。
「言われたことを忘れたわけではありません。私のことを下層階級の者と言ったことも忘れていません」
アンナさんは青くなった。
「それに、私にこき使われたそうですね? あなたは」
アンナさんは、一二歩後退ると、そのまま走って逃げていった。
殿下が、私が平民のままで居たら、他のみんなの秩序を乱すのだと言っていたことを思い出した。
うん。
理解したぞ。
私が、このままではダメなんだろう。
私は自分の部屋に帰って必死で考えた。
誰かに相談したい。でも、相談できる人がいない。友達がいない。
アデル嬢やクラスの令嬢方は友達と言えるかどうかよくわからなかったし、バスター君は友達だろうけど、こんな高位貴族の魔法絡みの話は困ってしまうだろう。
殿下は……ダメだ。婚約者だとか言っている。自分の都合のことしか考えていない。
おばあさまは……残念ながら、完全にアウトだ。もちろん、おばあさまのことは愛している。大好きだ。だけど、同時におばあさまがどうしてあんなにもおばあさまだったのか、理由もわかって来た。
完全なる王侯貴族。殿下も一緒だ。
平民でありながら、貴族みたいな人。例えば……セス様だ。
そうだ! セス様がいた。
アランソン公爵領の管理を押し付けられて、忙しいだろうなあと思ったが、私も手伝えばいいのだ。世の中、猫の手も借りたいとか言うではないか。猫よりマシだろう。
しかし、私は頭を抱えた。連絡方法がわからない。
その時、私はいつだったか殿下が小鳥を使って連絡してきたことを思い出した。
アレだ。
私は魔法を知らなさすぎる。
せっかく公爵令嬢になったのだ。利用しない手はないではないか。
ちょっと前向きになれた。
まず魔法の全科目を申し込む。
魔力検査なら、受けて立とう。もう誰も、どこかの貴族の第二夫人になどと言わないだろう。
「よし! 戦うんだ」
とは言え、セス様と相談はしたいので、連絡を取るためにお使いの小鳥便は使いたい。文字通り便(フン)でお知らせしてくれる、乙女には少し使いにくい仕様だが、この際、贅沢は言えない。
あの殿下を篭絡して小鳥を貸してもらうくらい簡単だ。
何しろ、やつは婚約者だとかめんどくさいことを名乗っている。それなら、要は使ってやればいいだけだろ。
「グフフ」
私は令嬢らしからぬ笑いを漏らした。
鏡の中では、はかなげな容姿の美少女が、不気味な感じにグフグフ含み笑いしていた。
やっぱり鏡は裏を向けておいた方がいいようだ。
それはさておき、私は、もの言いたげに接触を図って来る殿下を校内でつかまえた。割と簡単だった。
殿下はあれ以来、魔法の絨毯を使って来ない。
どうやらおばあさまに封印されてしまったらしい。
「伝令の小鳥を貸して欲しいんだけど」
殿下は、ここ数日、私に避けられて、思うように話が出来ないので、ストレスをため込んでいるらしかった。
だが、話の内容が思っていたのとは全然違っていたので、ちょっとびっくりしたらしかった。
「何に使うの?」
「もちろん、連絡を取るのに」
「誰と?」
危ないところで気がついた。セス様と連絡を取りたいとか言ったら、何をどう曲解するかわからない。
殿下は割とめんどくさい性癖の持ち主だ。なぜかはわからないけど。結構付き合いが長くなってきたので、殿下が思いつきそうなことは見当がつく。
「ええと、おばあさまと」
おばあさまはセス様のことを一番弟子だと言ってたから、連絡方法くらい知っているだろう。
「これまで、連絡を取る方法はなかったの?」
それはなかった。そして、殿下は驚いていたが、よく考えたら驚く殿下の方が当たり前だった。
「なかった」
殿下は私をじろじろ見まわした。
「公爵令嬢なのに、どうして未だにその格好なの?」
「え? だって、他に服がないから」
殿下はがっくりと肩を落とした。
「いってくれれば、君の服はいっぱいあるのに」
なんで? と思ったが、そう言えば、一度強制的に、デートに付き合わされたことがあった。あの時、服の発注をかけていたな。
それで思い出したけれど、アデル嬢から支払いをまだ受けていなかった。
「身なりくらいどうにかしたらいいのに。アランソン公爵令嬢がその灰色の平民丸出しの服はどうかと思う。それしか持っていないのか」
これだよ、これ。平民なら、平民らしく。貴族なら貴族らしくって、どうしてそんなことにこだわるかな?
「この服しかない」
殿下は大げさにため息をついた。
「お金が無いのだから仕方ないでしょう」
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殿下は、また、はああッとため息をついた。
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でも、アランソン家の場合、その執事が例のジョン・スターリンだったのだ。
彼は今、アランソン公爵令嬢毒殺の疑いで、投獄されている。未遂だけど。
従って、スターリンは何もできないし、してもらってたら困る。
「本来セスがしなくてはいけないわけだ。だが、彼はそこまで気が回らないだろうから、言わなければならない、そう言う訳か」
目的は違うけど、結果は同じ気がするので私はうなずいた。
私はセス様に悩みを聞いて欲しかったんだけど、殿下はドレスを作るためのお小遣いの要求のためにセス様に連絡を取りたがっていると思っている。
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「お断わりします」
「そうだよね。アランソン公爵令嬢ともあろう方がそんなお金を人に借りるわけがない」
いやに物分かりがいいな。
「わかった。代わりに僕からセスに、君へ連絡を取るよう言っておこう。どうしたってお金はいるからね」
「ありがとうございます。ルーカス殿下」
殿下はそんなことで帰してくれるような人ではなかった。サッと出口の方に回り込むと頼むように言いだした。
「昼食を一緒にしないか? 朝食の方は君のおばあさまに禁止されてしまったので」
私は微笑んだ。
「もう、婚約者でもないし、偽アランソン公爵もアランソン姉妹もいなくなりました。溺愛劇場をする必要もありませんわ。そんな演出は要らないと思います」
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