見切り教育

ラッキーセヴァン

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9月5日

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「と、まあこんな感じかな?

答え合わせはこれで終わり。これで分かったか馬鹿共が!!」

「あ・・・ああ。よく分かったよ。」

「私も・・・理解した。」

まさか彼女がここまで追い込まれていたなんて。十何年もずっと一人で耐えていたのか。そう考えると心がズキッと痛んだ。

でも・・・

「自分の都合でウイルスを悪用して国を乗っ取るなんて絶対に許さない!あとメイド喫茶の作戦結局どうなったの!?」

「ふーん・・・私の事を止めるつもり?」

「もちろん!!」

「でも首飛ばそうと思えば飛ばせるんだよ?こんな風に」

山口は私の腕を思いっきり掴んできた。

「きゃっ!」

熱い!何!?腕が・・・!

「はははは!あんたはこのまま処分してあげる!」

「ゴ・・・ゴホッ!ゴホッ!」

急に喉がイガイガし始めた。

「あはははは!死ねえ!死ねえ!」

首がだんだん痺れて来る。

「誰か助けて!」

どうしよう。このままだと私・・・私・・

「止めろ山口!!」

「うわっ!」

原が山口の腕をグイッと無理な方向に捻った。

そしてそのまま原は山口をうつ伏せにして抑え込んだ。

「痛いっ!離して!」

「離さねえよ!!」

「原!ありがと」

「礼なら後だ闇野ちゃん!ウイルスを消す薬は!?さっさと飲ませるぞ!」

「あっ、えっと、実は私が本当に作ったって証明する為にこの総理大臣の部屋で調合する事になってたからまだ無いの!」

「マジか!じゃあ薬を作る為の道具は持ってる?」

「それなら全部リュックに入ってる!」

「よし!じゃあ俺が山口の相手しとくから今すぐ薬を作れ!」

「えっ!?でも・・・。」

山口は危険なウイルスを持っているのにこんな無茶な押さえ方をしたらどんな目に遭うのか。考えただけでもゾッとする。

「俺なら大丈夫!だって俺、龍頭組の幹部だぜ?」

「・・・わかった!頑張る!」

ここで私は急いで薬を調合するのに必要な瓶に入った薬品数種類、三角フラスコ、アルコールランプなどを総理の机に広げた。

「準備出来たか!?」

「うん!出来た!」

「よーし!山口、大人しくしろ・・・うあっ!」

原は山口からウイルスを全身にでたらめに撒かれ、出血した。

「原あ!!」

「俺なら大丈夫だって!お前は早くウイルスを作れ!

助けたいんだろ!?人の事!」

はっ。

そうだ。私の夢は医者になる事だ。それで傷付いてしまった色々な人を助けたいんだ。原の言う通り・・・

今がその時だ。

「うん!助けたい!」

「そうか!じゃあ・・・

闇野、頼んだぜ。」

「・・・っっ!!」

そして私は急いで薬の調合に取り掛かった。

もうこれ以上犠牲を出したく無い。なんとしてでも。


















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